TOEICや英検を目標にした本やサイトでは、「ペーパーバックを読むときに、辞書は引かずに多読しろ」という意見を眼にします。未来ある若者たちが、総合的な英語力を身体で覚えるトレーニング(修行)としては、一理ありそうです。
しかし、我々中高年はこれから壊れていくだけなので、いまさら修行してもしょうがありません。老い先短い身、楽しんでストーリーを追うことだけを目的にしましょう。次のように割り切りるのが得策です。
・ストーリーが分からなくなりそうだったら、辞書を引く。
・それ以外は気のむくままに。
・読んでいる最中は、無理に単語を覚えようとしない。
まあ、単語が半分わからなくても、結構ストーリーは追えるものです。
前記と矛盾しますが、最初の20ページだけは、時間がかかってもこまめに辞書を引きましょう。残りの数百ページが絶対読みやすくなります。
長編の場合は、各章の最初数ページも辞書を引きましょう。
その理由は、一般に導入部では、その小説の世界や登場人物の「解説」が行われているからです。ここを誤読してしまうと、その後がしっちゃかめっちゃかになってしまいます。導入部だけは、きちんと理解しておく必要があります。
また、SFの場合などで顕著ですが、最初に出てくる専門用語は全体のキーワードとなることが多いので、ネットで確認しておきましょう。最近は一般の小説でも cognitive system (認知)とか quantum mechanics (量子力学) とか平気で出てきますからね。
なお、意外な盲点は登場人物の名前の「読み」です。例えば、Sableが「サブレ」か「セーブル」か曖昧なままだと、最後まで落ち着きません。読みを確認しておくと、不思議に読みやすくなります。Googleやウィキペデァで検索してみるのが簡単です。
世界地図、世界史の年表もペーパーバック読書の必需品です。
世界地図は、当然、英語表記と日本語が併記されていて、主な都市の地図が載っているものを選びましょう。 なるほど知図帳 世界シリーズなどは、価格的にもお手ごろです。
だだし、本書もそうですが、中国と韓国は、漢字とカタカナ表記になっているものが多いでご注意ください。ネット地図、Google Maps、Chaina Maps、Koria Masp などを併用する必要があります。
歴史上の人物はウィキペディアが充実しているので、歴史ものの場合は、背景まで調べて読むと、なんかお利巧になって得した気分が味わえます。