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●ペーパーバックの必須単語
■ 単語力、想像力、そして勇気

 ペーパーバックを読むために必要なのは、想像力と単語力。
 
 「まさか、それだけじゃないだろう?」
 「あ、あとは勇気だけだ!」

       by サイボーグ009 (涙)
 
 ペーパーバック読みのスピードはほぼボキャブラリーに比例しますので、記憶する単語量は多いに越したことはありません。しかし、経験からいうと、スタート時の単語量は大学入試時の6〜7割もあれば十分です。現在は、電子辞書などの普及で英単語のハードルがずっと低くなっているからです。特にアマゾンの電子書籍・Kindleでは、単語をプッシュするだけで意味が表示されるので、辞書を引く必要すらありません。


 ただし、いざ読み始めると、意外な単語の壁に直面します。テスト勉強では見たことがない、小説にのみ頻出する重要単語の存在です。受験英語やTOEICなどで高得点を取っているのにペーパーバックは苦手という人が多いのですが、これも原因のひとつといえるかもしれません。

■ 大事な単語が、単語集に載ってない

 smirk:にやにや笑う、plod:とぼとぼ歩く、blunt:ぶっきらぼうな、……


 ペーパーバックを読み始めると、こんな簡単そうなのに見慣れない単語たちと次々に出会うことになります。これらは登場人物の表情、動作、感情や背景を描写する単語です。シーン導入の重要なポイントで使われることが多いので、いちいち辞書を引いていてはリズムに乗れません。ぜひ覚えておきたいところです。

 ところが、このような「ペーパーバック単語」は、テストにはほとんど出題されないので、市販の単語集では重要度が低くく、本によっては掲載すらされていません。どうやって覚えればいいのでしょうか。


■ペーパーバック必須単語200

 小説の頻出語句を集めた単語集というのは、現在のところ見あたりません。
 そこで、私が読み始めのころに作った単語帳の中から、重要と思われる200語をピックアップしてみました。このうちに知らない単語が半分以上ある場合、集中して覚えれば、その後の読書が格段に楽になるはずです。ぜひ試してみてください。

 

■しぐさ
tickle
stroke
rub
wipe
scratch
tweak
poke
prod
nudge
batter
slam
clap
seize
pluck
haul
hurl
lean
slouch
crouch
prop
shrug
flex
flinch
■歩く
stride
tread
stroll
pace
plod
trudge
limp
scuff
roam
wade
rush
creep
stagger

■作業
churn
dig
bury
rip
tear up
peel
chop
stab
thrust
jolt
skim
wring
cram
stow
inflict
gouge
heft
■表情
nod
grimace
frown
scowl
snuff
grit
■見る
gaze
stare
glare
peer
glimpse
glance
■笑い・喜び
laugh
chuckle
titter
roar
howl
cackle
grin
beam
smirk
leer
scoff
snort
exult

■悲しみ/恐れ
whine
mourn
wail
dread
shudder
■怒り/叱責
scold
blame
accuse
deplore
rage
bristle
provoke
furious
mock
scorn
banter
tease
quarrel
scare
baffle
■考える
muse
ponder
puzzle
agitate
settle
relent
concern
■話す・音声
grunt
mutter
murmur
buzz
growl
grumble
moan
whisper
gasp
shriek
roar
fizz
rumble
rustle
snap
spit

■皮膚感覚
itch
ticklish
smart
sore
prickly
sting
agony
■状態
dim
murky
sheer
steep
soak
stark
harsh
cruel
severe
stern
sleek
glitter
dazzle
glare
glimmer
shimmer
vague
obscure
obvious
oblivious
■体格/身体
bulky
burly
robust
thick
thin
skinny
gaunt
stout
plump
obese
belly
artery

■態度
meek
tame
frail
slack
feeble
fragile
somber
sober
wary
polite
untidy
vulgar
crude
rude
eccentric
perverse
solitary
blunt
avid
vigorous
briskly
damn
reluctant
dumb
outrageous
peculiar
■自然
frost
haze
breeze
scum
membrane
bluff
basin
crest
boulder
pebble
rubble
■構築物
corridor
aisle
pave

 

 なお、自分の忘却防止を兼ね、さらに多くの重要単語を追加して、独自の単語記憶ツール[ ペーパーバックWords Camp ] を作ってみました。よかったら、下のバナーをクリックして、お試しください。

New! ペーパーバック Words Camp
■オリジナルの単語帳 = 電子辞書の「検索履歴」

 電子辞書で辞書引きは楽になりましたが、やはり決め手は脳内辞書=ボキャブラリの量です。ただし、ペーパーバック読みでは、学生時代のように使うかどうか分からない単語まで覚える必要はありません。

 お勧めするのが、読んだ本から単語帳を作ることです。あなたが読む本は、だいたいあるジャンルや作家に集中するので、使われる単語の範囲はかなり限定されてきます。例えば、quantum entanglement (量子もつれ)などという言葉は、他のジャンルでは全く不要ですが、SFでは必須です。(笑
 好きな本の中からピックアップすることで、あなた専用の必須単語集が出来上がるというわけです。


 単語帳を作る場合、最も簡単なのは、電子辞書に搭載されている「検索履歴」と「単語帳」機能を使う方法です。調べるたびに覚えるべき単語が検索履歴に蓄積されますので、ときどきその中から目ぼしい単語を単語帳エリアにコピーします。ほとんどの電子辞書では、この操作はワンタッチでできるはずです。
 したがって、電子辞書を選ぶときは、この履歴と単語帳の登録件数もチェックのポイントになります。
 ・主なコンパクト電子辞書の登録件数の比較はこちら
 ・エクセルでの単語帳の作り方はこちら


 アプリ版のKindleの場合、内臓辞書には単語帳機能はありませんが、「ハイライト」機能を使ってネット辞書・Weblioの単語帳にワンタッチで単語登録ができる裏ワザがあります。→こちらを参照して、ぜひお試しください。

 なお、Paperwhite(2013)以降のKindle専用機には、単語帳機能が内臓されています。



■赤ボールペンの効果

 読み始めのころ、電子辞書と同じくらい役に立ったのが、赤ボールペンです。例えば次のように使いました。


  ・後で調べたい単語にアンダーライン。
  ・覚えた単語が出てきたら、嬉しくてアンダーライン。
  ・その他、感想や忘れそうなポイントを余白にメモ。


 従って、読み終わると、本は再販不能状態になりますが、記憶定着には効くみたいです。(当時の本を読み返すと、日記替わりになってたりもします。)


 KindleやKoboでは、ハイライト機能とメモ機能が赤ボールペンの代わりです。

■45歳からの単語記憶法

 45歳からの単語記憶法...なんてものがあったら教えてほすい。(^o^;)
 ただ、中高年の記憶にはいくつかの特徴があります。


  ・いっぱい覚えようとすると、最初の方から忘れる。
  ・詰め込んだものは24時間で完全に忘れる。
  ・エピソード記憶(体験記憶)は比較的忘れにくい。
  ・専門分野用語は、結構知っている。


 そこで、以下の方法を試してみてください。少しは効果があるかも。

  1. 100語/1週間程度の目標を決め、それだけを覚える。
  2. 一日1回15分間づつ眺める。
  3. 本で「最近覚えた単語に出会ったら」赤線を引く
  4. 知っている専門用語に関連付けて覚える
  5. 覚えにくい単語は、無理に覚えようとしない。(気楽に後回し)

 興味がおありなら、以下のペーパーバック英単語Word Campもお試しください。絶対に記憶できる!・・・・かどうかは無保証ですけど(^o^;)

New! ペーパーバック Words Camp


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