赤外線と Bluetooth

  春休みに入って一息ついています。更新が滞っていましたが、病気をしていたわけではありません。仕事では コンピュータを多用しましたが、趣味もしくは研究としては何の成果もない1年でした。
  さて、表題にある二つのワイヤレス通信ですが、赤外線は携帯電話では多用されているものの、パソコンには 搭載されなくなってきていると思います。しかし、我が家には赤外線でないと接続できないプリンタがあります。一方、 ThinkPad i1200 と X20 は赤外線を搭載していません。それで昨秋、USB - 赤外線アダプタを購入しました。
  できるだけ安価に済ませようと考えて、ネットで探した結果、U2IrDAmini という製品を購入しました。 パッケージには"GOLDSHIP"という会社名(?)が書かれていますが、中身は Kingsun (Kingston ではない)というメーカーの OEM らしいです。 しかもパッケージのイラストと実物の形状が異なるとか、新品であるはずなのに本体に書かれた "U2IrDA" の文字がこすれて 一部消えかけているなど、怪しい製品です(笑)。8 cm CD にドライバが収録してあり、延長用のUSBケーブルが添付されていました。 i1200 に取り付けて動作確認をしたところ動作は正常でした。
  次に Bluetooth 関係です。私の携帯 au W41T には Bluetooth の機能があり、以前から使ってみたいと思っていました。 純正のレシーバーは高いので、Buffalo の BSHSBE06 という製品を買いました。Bluetooth には様々な 周辺機器と接続するための「プロファイル」があります。無線LANであれば、ネットワークの利用という単一の目的にしか 使われませんが、Bluetooth はプリンタへの出力、ヘッドセットへの音声の出力など様々な用途に用いられるので「プロファイル」 を用いて使い分けることになっています。W41T の Bluetooth は初期の規格であり、音楽の転送には独自の拡張を行なっている ということで、つながらないことも予想されましたが、HSP(ヘッドセットプロファイル、通常音声通話に使用される)が利用でき れば、音は悪くても音楽が聴けるだろうと考えていました。
  ところが、残念なことに W41T のミュージックプレーヤーは HSP には出力できないのでした。結局高価な専用レシーバー (東芝製 Bluetooth レシーバー01)を購入することになりました。本末転倒ですが、BSHSBE06 には別な用途を見つけなければならなくなり、 パソコンで音楽を聞くために、パソコンに取り付ける Bluetooth アダプター(Princeton 製 PTM-UBT3S、ただし中身は東芝) を買い足しました。安く済ませようとしたために結局出費がかさみましたが、Bluetooth 機器はその用途からペアリング(接続認証 の設定)が必要で、一つのレシーバーをパソコンと携帯に接続させるのは現実的ではないので、レシーバーが二つになるのはやむを えないことなのだ、と自分を慰めています。
2009年3月


Puppy Linux

  前回の更新から半年が過ぎています。仕事が忙しいことを口実に更新をおろそかにしていたことを反省しています。
  さて、表題の Puppy Linux ですが、CD から起動する Linux で、CD に焼くと 100MB くらいに収まります。他にも 1CD Linux は 何種類かありますが、Puppy Linux のコンパクトさは衝撃的です。試しに T43 と i1200 で使ってみました。1回目の起動のあと、 終了時に設定等をディスクに保存するか聞かれます。USB メモリーや HDD を指定します。サイズも指定できますが 512MB くらいが適当な ようです。私は HDD の FAT32 パーティションに保存しました。また、CD に入っている OS 本体を HDD などに置くことも可能です。 このようにすれば、CD でブートしたあと HDD のファイルを読み出して起動するので、起動に要する時間が短縮できます。 T43 は Vista 対策でメモリーを 1.5GB にしてあるので OS 本体を RAM にコピーして立ち上がります。起動後は CD−ROM ドライブは音楽を聴くなど他の目的に使えます。HDD にはほとんどアクセスせずに快適に動作します。i1200 では、メモリーが 192MB しかないので、 起動後は HDD にアクセスしながら動作します。この場合も CD-ROM ドライブは他の目的に使えます。
  基本構成では、ブラウザ、メーラー、ワープロ(abiword)、表計算ソフト(gnumeric)などに加え、各種設定に必要な、windows でいうところの「ウィザード」や「コントロールパネル」に相当するものが用意されています。abiword や gnumeric は gnome office として 開発されたソフトで、Linux の世界ではおなじみのソフトです。一応 word や excel のファイルも読み込めるので、個人的に使う のであればある程度役に立つと思われます。しかし仕事にも使うとなれば OpenOffice があったほうがいいでしょう。
  OpenOffice を本家からダウンロードしてインストールすることもできるでしょうが、Puppy Linux では OpenOffice の パッケージが用意されています。これを Puppy Linux 日本語版のサイト (http://openlab.ring.gr.jp/puppylinux/) からもらってきて、OS 本体と同じ場所(私の場合は HDD) に置いておきます。そうすると起動時に自動的に読み込んでくれます。「開発」に必要なパッケージも用意されているので、これも OS と同じ場所に置いておけば起動時に読み込まれ、ソフトウエアのコンパイルをすることが可能になります。OpenOffice は使わないし、 コンパイルもしない、という人なら HDD にわずか 700MB 程度の空きがあれば事足りるわけです。開発環境と OpenOffice を加えても 1GB あれば大丈夫です。
  Puppy は基本構成で Flash Player を含んでいますが、Java は自分でインストールしました。それと、epdfview という pdf ビューアはそのままでは日本語の表示ができないので、フォントの設定が必要でした。Java は OpenOffice のパッケージに 含まれていることにあとで気づきました。midi 再生用に timidity をコンパイルして入れました。今のところ midi プレーヤーとしては 機能しますが、ブラウザのプラグインとしては機能しません。Vine Linux ではうまく行ったのですが...
  今後の課題は、CD-ROM ドライブを持たないパソコンへのインストールと、サスペンドです。i1200 ではサスペンドの指令に対してまったく反応無し、T43 ではサスペンド状態になりますが復帰しない。(orz) 正確に言うとマシンは動き出しますが、X Window が復帰しません。デスクトップ機ならともかく、ノート型では省電力機能は必須だと思います。(以上 Puppy Linux 4.1.2 についての記述です。)
2009年10月
  T43 のサスペンドについては後に解決しました。→ X Window と Flash Player その後の研究の成果をまとめました。 ThinkPad T43 と Puppy Linux もご覧ください。


WiMAX の導入

  少し前のことになりますが、2009年の 9月に UQ コミュニケーションズ の WiMAX サービスに加入しました。予めネットで 情報を見てみると、7月にサービスが始まったばかりなのに、瀬戸市も山間部以外はエリアに入っていました。
  これまで ADSL を利用してきましたが、電話局から遠いため、通信速度は 1Mbps くらいにとどまっていました。UQ が "Try WiMAX" というお試しサービスを用意していたので 8月の終わりに申し込んでみました。
  私が試用したのは、Wi-Fiゲートウェイセット UG01OK/UD01OK (OKIネットワークス製)という WiMAX 端末と無線ルータの セットです。これを窓際に置けば、無線LAN経由でインターネットが利用できる、と考えました。私の家は丘の上にあるので、 電波はよく入るのではないかと思っていましたが、電波の入りは中程度でした。スピードテストのサイトで計測してみると、 3M 〜 4M というところでしたが、ADSL よりは速いので利用価値はあると判断し、早速加入しました。
  使用を開始してみると、Vista では 6Mbps くらい出ることもあるのに、XP では ADSL の時と同じくらいの速度しか出ていま せん。特に T43 の場合は同じマシンで Vista を起動した時と XP を起動した時で速度が異なるという不思議な現象でした。 ネットで調べてみると、Vista は MTU (Maximum Transmission Unit) の値を自動で設定するということが分かりました。CPU やメモリ などパソコンのリソースを無駄に消費する OS だと思っていましたが、XP と比べて優れた面もあるということに初めて気づきました。 (笑)
  XP のほうは MTU の調整が必要と言うことで、"EditMtu" というフリーソフトをダウンロードして適切な値を設定すると、 Vista に匹敵する速度が出るようになりました。Youtube などの動画のクオリティーが向上するにつれて、ADSL ではスムーズに 再生されない場合もありましたが、これでようやく時代に追いついたという感じです。家庭での利用なら光ファイバという選択肢も あるわけですが、WiMAX の場合、工事が不要で装置を持ち歩くことも可能ですし、東海道新幹線などの公共のエリアで UQ による 無線LANを利用できるサービスもあります。
  欠点は WiMAX 端末のインジケータ(青色LED)が非常に明るく、通信していない状態では点滅することです。夜、明かりを消して 寝ようとすると非常に気になります。苦肉の策として端末を、梱包に使われていた段ボール箱で囲うようにして窓際の本棚の上に置いて あります。
2010年1月


ThinkPad 撤退

  表題だけ見ると何のことかわからないと思いますが、某高校ではこの 4月からセキュリティー上の理由で、個人所有の パソコンが使用禁止になりました。これまで職場で使っていた ThinkPad X20 は泣く泣く家に持ち帰りました。
  代わりにあてがわれたのは、Dynabook です。メーカーはあえて記すまでもないと思います(笑)。かつては Dynabook といえば ThinkPad と並んでノートパソコンの代名詞のような存在でしたが、アキュポイント(トラックポイントと同様のポインティングデバイス) を搭載しなくなった現在では普通のパソコンに成り下った、と私は考えています。私はノートパソコンにマウスをつなぐのは ばかげていると考えているので、パソコンに搭載されたタッチパッドを使っていますが ThinkPad から乗り換えていちばん フラストレーションがたまるのはこのデバイスの使い勝手の悪さです。タッチパッドに指を勢いよく置くとタッピング(マウスクリックに 相当)と感知されて意図しない動作をするので困っています。通常、この種のパソコンにはタッチパッドの細かい設定をする ユーティリティーが用意されていますが、なぜか現在使用中のマシンにはそれらしいものが見当たりません。 私の場合、もともとマウスやポインティングデバイスを使うよりもキーで操作することが多いのですが、残念ながら ThinkPad 以外の ノートPCはキーの数を勝手に減らして [Home] [End] [PgUp] [PgDn] の機能を [Fn] キーと矢印キーの組み合わせで実現しています。 この点 Dynabook も例外ではなく、使い勝手を二重に悪化させる原因となっています。快適な作業のために ThinkPad の設計者が 入力デバイスにこだわっていることを改めて評価します。
  多くの職場でも同じようなことが起こっていると思いますが、ツールの選択を誤ると仕事の効率が下がる、ということを上の人が 理解していません。そうは言っても、これからこの新しい相棒と付き合っていかなければならないので、Windows 自体の設定は可能な限り カスタマイズしてかつての環境に近づけるようにしています。また、現在のマシンには Office 2007 がインストールされていますが、 これのユーザインターフェイスも世に悪名高いものです。私は普段の仕事には OpenOffice を使うようにして、県に提出する書類だけは M$ Office で最後の仕上げをするようにしています。
  私たちの業界は労働条件が年々悪化していますが、頼りになる戦友 ThinkPad まで取り上げられてしまっては働く意欲も減退 します。
2010年5月


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