[写真一般のお話し Vol.01, 1999年08月01日UP]
実はこれよく聞かれる質問なんです。これから写真をはじめる人で、まだカメラを持ってない人
から良くこういった質問を受けます。でも、これに答えるのって結構難しいんですよ。
だって、その人にとってどんなカメラが一番いいかって本人以外わからないんですから。
だからそんな時は必ず聞き返すことにしてます。
「なにを撮りたいの?。」
つまり、目的ですね。これがわかるなら多少アドバイスできます。同じように見えるカメラ
でも、「花」を撮る場合と「風景」を撮る場合と「
人物」を撮る場合では、向いているカメラや必要な機材が変わってきますから。
こういう場合は、「○○を撮りたいんだけど、どんなカメラが向いてるの?」と聞いていただければ、
答える人も教えやすくなりますね。
でも撮りたいものが「いろいろ」とか「まだ決めてない」なんて 言われるとやはり答えられないですね。そんな場合、とりあえず私は「撮りたいものが決まってから買ったら? 」と言います。だいたい「とりあえず何でもいいから一台買うんだ」とか言って買ったりすると、 そのカメラは押入れの中に入ってしまうことが多いようです。(まるで必要がないのに買ったパソコン のよう...)買った本人は気にしていないようなんですが、カメラを選んだ私はちょっと複雑な気持ち になってしまうんですよね...。
.....ところで、
相談する人が周りにいないと、カメラ屋に行って店員に相談する方が多いと思いますが、やっぱり
「なにを撮る」かはハッキリ言っておいた方がいいようです。
とはいえ、店員さんも全部の商品に精通しているわけじゃないんで、たくさん売れている「人気のカメラ」とか「
自分の好み」をすすめてくることが多いようですが...。(でも、この選び方はそんなに間違いじゃないと思います。
特にカメラについてよくわからない方は、むしろ店員さんに任せたほうが無難だし...。)
ただ、カメラ屋によっては....
在庫が余ってるから「すすめる」とか、次の新機種が発表されそうだから「売りたがる」とか、中にはそういうケースも
ありますのでご注意ください。(ただし、目的に合うものが安く手に入るのなら、それはそれで
いい選択だと思います。)でも、あるカメラ屋で人気のないレンズ(重いとか開放F値が暗いとか...)
と組み合わせた、さほど安いと思えない「抱き合わせ」の一眼レフがで並んでる店頭を見たりすると、
私にはちょっと不親切に思えます。もし、あまりカメラに詳しくないので心配だという方は、誰か詳しい人についてってもらった
方がいいかもしれませんね。(^ ^)
例えばどんな失敗?
もう数年前ですが、私の知人で初めてカメラを買った人がいました。彼は
「子供を撮る」目的で購入したのですが、カメラ(一眼レフ+高倍率ズームレンズのセット販売品)を
見せてもらって驚きました。なんと付いてるレンズの最短撮影距離(ピントが合うもっとも近づける距離)
が2m!もあったのです。つまり子供を写そうにも、狭い部屋の中ではピントを合わすことが
できないわけです。しかも、2mより近づくには、専用接写フィルター(レンズの前につけるアタッチメント)をねじ込まなければ
ならないタイプのレンズだったんです。(動き回る子供をカメラで追いかけるのにフィルターつけたり外したりしてる暇なんて
ないですよね...。)このように「撮れない」わけじゃないんだけど、「目的」
に合わなくて使いづらいというケースがあります。
【結 論】
ということで、「どんなカメラを買ったらいいの?」という話の結論は、「目的にあったカメラを選びましょう 」にしたいと思います。具体的な機種やメーカーを期待されたお客さんには悪いんですが、まあ、写真の基本を 考えるコーナーですのでこういう結論にしました(笑)。(詳しい話は「撮影機材の話し」で扱っていこうと思っています。)
ということでいろいろ書いてきたんですが、簡単に言えば「写す目的をはっきりさせれば、カメラ選びも 失敗が少なくなる」ということです。もし、撮りたいものがいっぱいあってカメラが決められないって人も、 まずはいちばん良く使う目的に絞って選びましょう。あらゆる被写体すべてに最適なカメラなんてありませんから、欲張って使いづらい カメラを買うよりも、一つだけでも目的にあったカメラの方がいいと思います。ビギナーの方は割と「万能機」 を求めますが、「沢山の機能がついたこのカメラにしとけば、何を撮ることになっても大丈夫だろう」 なんて考える人が多いのでしょう。でもそんな万能カメラは、往々にして「何を撮るにも今ひとつ」 な中途半端カメラに終わることが多いようです。
−−おまけ−−
最後にもう一つだけ、カメラ選びの要素で「いちばん重要」なことを書いておきます。それは...
「自分の気に入ったやつを買う」 ということです。(笑)
機能や値段がほぼ同じ2機種で「どっちか迷っている」とか、目的に合うかわからんが 「ひと目で惚れてしまった」とかいう時は、やっぱり直感的に気に入ったやつ を買いましょう。でないと結局後悔してしまいます。だいたい、普段から「気に入ってないカメラ」なんて思っていると、 使わなくなっちゃいますよね。仕事とかでいやいやでも撮らなきゃならいんだったら何でもいいんでしょうが、 楽しく写真撮るためには、道具も自分の気に入ったものにして愉しみたいです。皆さんはどう思われます?。
え〜、というわけで最後まで読んでいただいてありがとうございます。お客さん、じゃあ、今日はこの辺で...。