ブドウあれこれ

ぶどうの栽培の歴史は古く、一説によると1,200年以上前から栽培されていたといわれており、高品質の品種が栽培され、生産量は山梨が日本一です。世界中で最も多く生産され、生食やワインとして古くから最も愛されてきた果物です。


ブドウの原種について

ブドウの品種は、数千種以上あると云われておりますが、原種としてはヴィテス・ヴィニフェラ種(ヨーロッパ種)とヴィテス・ラブラスカ種(アメリカ種)との2種類となります。ヴィニフェラ種の特徴は、果皮が薄く果肉が固く糖度も高いが、雨の少ない地域で育ったために日本での栽培は、病虫害に弱く営利栽培に適さないと云われております。
高級ワイン品種(カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネなど)は、すべてこのヴィニフェラ種に属します。ラブラスラカ種は、アメリカ東海岸の比較的雨の多い地域で育ったため日本での栽培は、比較的容易であるがワイン品種として適さないフォクス・フレイバー(キツネの匂い)があり、果皮が厚く果肉は柔らかく糖度も高くなりません。
日本の品種改良は、品質が高く病虫害に弱いヴィニフェラ種と病虫害に強いが品質の劣るラブラスカ種との交配によって多くの品種が生まれてきました。また染色体の数により2倍体品種の変異である4倍体品種の品種改良に大きな成果が上げられています。巨峰の仲間がその代表です。

ピオーネ     巨峰        石原早生(キャンベルの4倍体品種 ラブラスカ
                    センテニアル(ロザキの4倍体品種ヴィニフェラ)
          カノンホールマスカット(マスカットオブアレキサンドリアの4倍体 ヴィニフェラ )


よく売られている品種について

ピオーネ 8月下〜9月上
巨峰にカノンホールマスカットという品種を交配したものである。
巨峰群中最高の品質とボリュームを持ち巨峰より大粒で光沢のある透明度の高い紫黒色である。爽快な香気(マスカット)をもち風味良好である。 最近は種無し栽培が盛んで人気がある。(種無し、種あり)種なしの方が、少し収穫が早いです。
甲斐路 赤峰・8月下〜10月下
果色は鮮紅色から紫紅色、赤色ヨーロッパ品種の中では、今、最も人気が高いく、ブドウの王様ともいわれる。
昭和34年から甲府市の植原葡萄園で「赤いマスカット」と呼べる欧州種の研究が行われ(フレームトーケとネオマスカット)を交配し、昭和52年に「甲斐路」として品種登録された。果皮と果肉は分離しにくいので皮ごと食べることを勧めたい。
甲斐路の苗から発見された早熟品種が赤嶺 で早生甲斐路とも呼ばれる。
デラウェア 7月末〜8月中
種無しぶどうとして最も親しまれている大衆品種果色は濃紅色。糖度は高く、18度〜23度になる。値段もお手ごろ
巨峰 8月中〜9月中
ぶどうの王様と呼ばれ消費者に人気が高い 巨大大粒で11〜15g。果色は紫黒色。
食味は極めて良好で酸味は適度で上品な香りがある。糖度は18〜24度。
保存が、あまり利かないので、早めに食べた方が良い。  
ベリーA 9月下旬〜10月下旬
糖度高く(18〜23)酸味もあり食味が濃い。
赤ワインや葡萄ジュース用にも適している

甲  州 9月下旬〜10月下旬
紫紅色で果粉も多く独特の色彩を持つ。酸味が適度で渋みも若干ありさっぱりとした味、 白ワイン用に摘している。千年以上の歴史を持った品種。種のまわりに渋みがあるので種を出さずにするっと食べるとおいしく食べれます。通好みの飽きのこない味
ロザリオ ビアンコ
名門品種同士を交配(ロザキとマスカットオブアレキサンドリア)して育成した純欧州種で昭和62年に品種登録し発表された。円錐形の緑黄色の美しい房で巨峰くらいの粒になり、市場関係者によると緑系品種では、マスカットオブアレキサンドリアを凌ぐ葡萄になるのではないかとの意見もある。
マスカットオブアレキサンドリア
エメラルドクリーンに輝くこのブドウは、エジプトを原産としその優美な姿と気品ある風味は“果物の女王”と呼ばれています。岡山県は、全国の95%を生産し、県下でも加温マスカットの50%を生産する船穂のブドウは、全国的にも高い評価をうけています。