陽の当たる世界に戻れるよ

第31話「罪」
粗筋:(アニメ公式サイトより)

右足にウロボロスの紋章を持つ少年。彼を巡り、南方司令部にて対峙する軍部、キンブリー、エルリック兄弟、そしてイズミ。一方、ロイは大総統より命を受け、スカーの身柄確保の為、軍を率いキシュア近郊のスラムに向かっていた。


最近感想文のUPが遅い要因のひとつに、『ねこを膝に乗せてアニメを観ているから』ってのがあります。

茶の間に居る時は、ほんの少し身じろぎしただけでも『私のベッドのくせに動くとは生意気っ!』…と言わんばかりにさっさと膝から降りるさちこさんは、私の部屋だと身じろぎしようが足を組み替えようが、重いので膝から降ろそうとしても動きやしません。
この部屋は抱っこされる場所だとでも思っているようです。

アニメが終わって、さあ感想文でも〜と思っても、さちこさんが頑として動かないのでそのままずるずると時を過ごし、タイミングを逃してしまうという次第。
でも気持ち良さそうに寝ているのに無理矢理追い出すなんて出来ないしー。膝に乗ってくれる方が貴重なので(我が家に抱っこ好きなねこはおらん…)ついつい抱っこする幸福を選んでしまいます。

ねこバカにつける薬はないというハナシ。


真珠夫人か牡丹と薔薇か、それとも往年の大映ドラマかと言わんばかりに何だか飛ばしていた回。
謎が解けたんだか増えたんだかという展開に、さーて広げた風呂敷をどうたたむのか見ものだわー等と、そろそろ思い始めました。
きちんとたためるといいですね。つーかたたんでください。
ちなみに私は、このての系統なら華の嵐が好きでした。夜叉夫人。

中央駅は軍人さんでいっぱい。見送りなのか野次馬なのか、心配そうに動向を見守っている民間人の中に、シェスカの姿もありました。
何だか深刻そうな顔をしていたけれど、ヒューズの残した資料から何か分かっちゃったってオチじゃないよねえ?
彼女には普通に無事でいて欲しいです。とほほ。

汽車でスカーの潜伏先まで移動のようですが、それほど人が必要なモン?
…ってな疑問をフュリーさんも抱いたらしくちょっと話題にしましたが、しかし命令されたら従わなきゃならんのが軍人。
上官批判か? とハボックさんにはからかわれ、ホークアイさんには咳払いされてしまいます。

目的はあくまでスカーの確保、おそらく抵抗はないだろうと口にはする大佐ですがー。傭兵崩れの軍人もどきに襲われた難民たちは、軍への信頼は薄いだろうとの見解を漏らすファルマンさんでした。

どうでもいいが、ときどーき妙に受けっぽく見えるよな、アニメの大佐って(それはあんたが邪だから)

所変わって、襲撃を受ける方のイシュヴァール難民の方々が身を寄せるスラム街。
危険を察知するのは子供の方が長けているのか、不穏な空気に目を凝らし、まとめ役のスカーの師匠へ何事か報告。

そんな緊張した空気の中、スカーはのんびりと壁の文様と自分の腕の入墨と見比べていました。マイペースなヤツ。
不法侵入されたのに、怒るのではなく怯える住処の主。スカーの腕を見て呟きます。
『その文様は…』

だーから『その文様は』の続きは? ああもう! 車田マンガな引きは苛々するってば。

五つ巴の南方司令部。
生きていたキンブリーに驚愕のアームストロング少佐。女も子供も見境なしに殺し、ついでに止めようとした上官もボーンしたという、人間は全て爆弾の材料に見えているのか訊いてみたくなるキンブリーです。
でももし訊いたら、絶対に爽やかに笑って『もちろん』って答えるに違いなく。

どうして生きているのかと驚愕の少佐とアーチャー中佐。オレは知らんもん、あっちの人が知ってるんじゃないのー? な、キンブリーの視線の先には大総統がいました。
けれども大総統は『知るかよ、んなコト』

…というコトで、こちらの大総統はエンヴィーでしたな。その前の回だかでダブリスに行くって言っていたもんね、そういえば(すっかり忘れていたヤツ)

大総統@エンヴィーの一喝で、師匠やら子供やらキンブリーたちやらを確保に入る少佐以下軍属の皆様。
軍属といったらエドも入っているワケで、師匠にきっつい蹴り貰ってしまいます。再び逃げる師匠の邪魔をするのはアル。

そしてとんでもない早業で、師匠から子供を取り上げるのは大総統@エンヴィーでした。手の早さではマスタング大佐を越えたかと(何かを激しく間違っていますよしばたさん)

用は済んだからこれでっ! と、したっと爽やかに退場する大総統を逃がすつもりはない師匠、そして大総統に手を出す事は許さんなアームストロング少佐。
技の錬金術と力の錬金術のぶつかり合いです。

しかし第一ラウンドは、言葉責めで師匠の勝利とみました。
『筋肉なら見慣れているんだ。もっと美しいヤツを』

あの太鼓腹がやはり決めてでしょうか、イズミさん? 色白なのがイヤとか?
私はファンなので、やはり少佐に一票を入れたいと思います。

再びぶつかり合う師匠と少佐。ちょっと情けなく頭庇って立ち竦むアーチャー中佐。可愛らしい一面もあるというより、やっぱり情けない。
でも一般人だもんねえ。しょうがないよねえ。

早く止めなきゃ建物が崩れちゃうよとおろおろするアルに、下手すりゃ街がなくなるぜと、さりげなく酷い事を言い合って止めに入ろうとする兄弟です。
あんたたちは、言う方じゃなくて言われる方なんだからねー。ちゃんとその辺自覚してねー。

それを邪魔するトカゲ野郎とキンブリー。トカゲはしっぽでエドを空高く舞い上げ、キンブリーはアルの爆破を試みます。

何もない所が爆発した? と驚くアルにエドが懇切丁寧に説明。
『聞いた事がある』って、あんたは魁男塾の雷電ですか? エド兄。

人体に含まれる物質を火薬に似せて練成し、急速に収縮させる事で大爆発を起こす…そうですよ。
それを陰でこっそり聞いていたアーチャー中佐。さっきの情けない姿は何処へやら、何やらろくでもない事を考えている模様。

何故オレたちの邪魔をするとのエドの問いに、あの子供も兄弟にも用があると答えるトカゲ野郎たち。
しかし乱暴者なエド兄がいつまでも捕まっているわけもなく、足に絡まっていたしっぽ切っちゃう荒技で自由を奪還。
あのしっぽ、機械鎧の刃でも切れなかったな。鋼鉄のしっぽだ。

その後アルに振り回された上投げ飛ばされ、仲間には爆弾にされそうになった可哀想なトカゲさんです。
ちょっと手塚治虫マンガの登場人物っぽい表情の豊かさが結構好きです、こいつ。

一方、大総統はいたいけな子供を襲う所でした。あーいやいや、襲ってはいないな実際は。今にも押し倒しそうだったけど。

正体を現したエンヴィー、怯える子供に、エドが子供の手足を自分のものだと言った事を確認し、じゃあお前は自力で門をくぐってきたんだなと揶揄します。
『門』と聞いて顔色が変わる子供に、お前は今日から一人じゃないと告げ、エンヴィーが食べさせるのは賢者の石に似た『命の石』

どうやらとってもとっても美味いらしいですね。麻薬性があるみたいに。

師匠たちとの生活で色々と学んだのか、『人の命』が材料だと知ると吐き出す子供ですが。
目の前から賢者の石もどきを持っていかれそうになると、錬金術まで使って取り戻してがつがつと食べてしまうのでした。

エンヴィーは子供が錬金術を使える事までは知らなかったらしく、驚くと同時にその手足のせいかーと納得した模様。
ホムンクルスは命の石で育てられる、それが食えるって事はお前は人間じゃないと、まだまだ幼い子供に告げるのでした。

門を思い出し赤ん坊の頃の自分を思い出し、門の外の女性を思い出し ─ と、何だかヤバいモンになってしまったらしい子供です。
哀れなのか、元に戻って幸せだったのか。なかなかに微妙。

グリードさまに来てもらわなきゃ〜! と、どうやらほうほうの体で兄弟から逃げおおせたトカゲ野郎とキンブリー。
建物ぶっ飛ばしとくかと呟くキンブリーの目に入ったのは、自分に銃を向けるアーチャー中佐でした。

キンブリーに敬語を使うアーチャー氏ってば慇懃無礼ですな。
軍務に復帰する気はないかと問われ鼻で笑うキンブリーですが、私になら出来るとの言を聞いてまんざらでもなさそうでした。
やっぱり軍がいいのかなあ。合法的に爆発させ放題だからだろうか?

逃げられたトカゲ野郎たちを追いかけるのではなく師匠を探す兄弟。
『思いっきり引っ掻きやがって』…って、まるで女とケンカした後の台詞だね。

師匠より先に彼らが見つけたのは、座り込んでいるアームストロング少佐でした。
兄弟が目に入った少佐、おもむろに脇腹を抱えてあいたたた。さすがエルリック兄弟の師匠殿、不覚を取られたと嘆いてみせますが、なんつーかもう子供たちにバレバレ?

エドには礼を言われた上に『こうなるんじゃないかと思っていたぜ』なーんて言われ、アルには(怪我している方を押さえる)手が逆だと指摘される人の良い少佐殿です。

あー少佐ってばどうしてこうステキなの!? 定番でもありがちでもベタでもいい! 少佐ステキ〜!(何だか理性飛ばしています)

師匠はまだ子供を捜していました。目の前の扉から飛び出してきて抱きつく子供を愛しげに抱きしめ、そして身体に浮かんだ線に顔を歪めます。
抱きしめるのを一瞬ためらったのと『この子はもう…』な台詞から、こうなる事はある程度予想していたっぽい師匠ですな。

扉の中の血まみれの大総統を一瞥して、子供を抱きかかえて去る師匠と不敵に笑うエンヴィー。
『さあ行け。お前のしたいようにしてみせろ』

…ってなワケで、子供も何か魂胆があって師匠の前に姿を見せたようです。

師匠を見つけられなくてがっかりなエド兄ですが、ここでは自分たちも不法侵入者だとのアルの言葉もあってとにかく一旦引く事に。
『また大佐に嫌味言われちまう』

そうでしょうとも言うでしょうとも。つーか、ここで何気に大佐の嫌味なツラを思い出したであろうエド兄って萌えだわー。

大総統の南方巡察の予定はないとの報告に混乱するアーチャー中佐、少佐が兄弟も師匠も逃がした事に詰問口調でその名を呼びますが、すぐにねちっこそうな顔に戻って曰く。
『彼らは軍より他に帰る場所はないのだからな』

その言葉に複雑な表情を見せる少佐殿です。
私もなかなかに複雑。あっちこっちふらふらしている印象があるのであまり気にした事はないのだけれど、エドってば実際は軍にがんじがらめなんですねえ。覚悟しての事とはいえ、やはり子供には荷が重いだろうに。

師匠の家では、明日の仕込みか黙って肉を切る旦那に、兄弟が師匠の居場所を教えてくれと迫っていました。
沈黙を守る旦那に苛立つエド兄でしたが、意外な所から答えを得る事に。

『…人体練成の場所』
ウィンリィの言う事にゃ、昔イズミさんは亡くした子供を甦らせようと人体を練成した、今度も同じ場所に行っている気がする。

先生が人体練成に選ぶ場所、周りに被害が出ない、誰も来ない場所。その答えを導いたのもウィンリィでした。
兄弟が一ヶ月サバイバルした島、ヨック島。

そうですね? と訊くウィンリィに、旦那は沈黙を持って肯定するのでした。

ここで師匠の居場所を代弁するのが女性であるウィンリィって所に、何やらアニメの鋼のメッセージが隠れているような気がしなくもない。
マリア・ロス少尉の活躍の時も思ったのだけれど、兄弟を導く役目には女性が出張るんですよねえ。『女という性』って言った方が適切かもしれない。

どうもこの辺こだわっているというか計算しているっぽい気がします。ま、そんな気がするだけなので、バリバリに外していても御容赦(つーか、間違いなく外しているね)

ヨック島では怖い顔した師匠と、怖い顔した子供が人体練成の場所に立っていました。

赤ん坊の亡骸をそのまま材料に(材料って言い方はちとイヤな感じ)、人体練成を試みたイズミさん。
冷たくなった身体を愛しそうに抱きしめるさまが哀れ。

禁忌云々の前に、身に染み付いているはずの世界の理を壊す所業を行ってしまうのは、女の、母の浅はかさなのか。
浅はかっていうのは確かにそうなんだけど、理性で自分が御しきれる位なら悩んだり迷ったりしないしねえ。
錬金術師である前に人であったというコトになるのかな。

内蔵の半分を持っていかれ(ついでに子宮を持っていかれ)、やっと得た子供は人外のものでありました。
赤ん坊の身体が動いて目を輝かせるさまと、その後の驚愕が痛い。

エドが練成した母親を観た時は、母を慕うというよりは、練成が成功したとの冷徹な科学者の目な印象を持ったものだけれど、師匠の場合はまんま母親の目でしたね。
母の強くてもろいトコロ。

現在の師匠は、子供の首に手をかけていました。力を入れる事が出来ない師匠を見下ろして早くやってよと揶揄する子供。
『でないとボクが殺しちゃうよ』

自分の知っている子供はもういないのだと理解しつつも、やはり手にかけられない師匠です。

ヨック島に到着して師匠を探す兄弟とウィンリィ。それを見守るエンヴィー。
必死で探す彼らの目に入ったのは、師匠の首を絞める子供でした。

危うい所で師匠を助けて子供と対峙する兄弟。
苦しげに咳をして、ようやく息を繋ぐ師匠の姿にぶち切れたエド兄、刃練成して子供に襲いかかりますが、それを他ならぬ師匠が止めます。

いいんだと呟く様子に戸惑う兄弟とウィンリィたちに、私はこの子を殺すつもりだった、だが私が死ぬべきだったと語る師匠。
何故ですかとのエドの問いへの師匠の答えは
『この子は 私が作った』

人体練成の末に生まれたのは人間ではなく、それを門の中へ還したのは師匠。
エドは真理を見たといい、師匠は地獄に見えたと呟いた門の中に人外のものを委ね ─ 。
それでも自分が作った何かの泣き声を耳にした時に、行くなと訴えるように手を伸ばし、閉まる門に絶望の叫びを上げる師匠でありました。

いやもう、アニメやるやる。これでもかと言わんばかりに痛いシーンを繰り出しますな。

でもその子がその時の子な訳がないと呟くウィンリィに、私には一目で分かったと応える師匠。
育っていれば年頃も同じだし、何よりこの場から現れたホムンクルスならそうだと。

ホムンクルスは作られた人間だと納得がいかないエドに、師匠は再度訊ねます。
『ホムンクルスがどうやって作られるのか知っているのか』

分からないとエド。でもきっと第五研究所のような場所でキメラと同じように作られるのだろうと答えるのに、師匠より先に違うと言葉を吐き出したのは子供の方でした。

お前たちのようなくだらない人間たちが興味本位で人体練成をする、その結果誕生するのが魂を持たない、肉体と精神だけを与えられた出来損ないだ。
それをお前たちは、ホムンクルスと呼ぶのだ。

どうしてお前がそんな事を知っているとのエドの問いに、エンヴィーが教えてくれたと子供。
エンヴィーたちも、昔誰かの行った人体練成の成れの果てに生まれたものたち。だから人間になりたいのだと。

ここではまだ気がついていない…のかな? 自分たちが作ったものもホムンクルスになっただろう事に。
スロウス=兄弟の行った人体練成の産物だとしたら、兄弟はスロウスの母親も同然ってコトになるとも考えられるようなー。

汽車から降りて今度は車で移動中の、何だか今日はやけに儚げじゃないか? な大佐。
憂い顔より無精ヒゲ生やしたオヤジな大佐の方が好きなんだがのう。さすがの毛の生えた心臓も、イシュヴァール絡みとなると普通の人間並みになるのだろうか。

小悪党らしく嬉しそうに駆け寄るヨキの背後には、難民に紛れたラストとグラトニーの姿がありました。

水の上を滑るのはスロウスっつーか、怖いよスライムだよ首だけだよ。チープなSFX観ているみたいな感じでした。
B級なノリが何だか楽しい。

ヨック島についたグリード@強欲さん御一行を出迎えたのはエンヴィーでした。
一世紀ほど封印されたグリードさん、封印の要となったらしい髑髏は彼にとっては大事なものらしく未だに保存してあるらしいです。
先週の地下の酒場(デビルズネストですな)で、さり気なく大写しになってピントが合っていた布袋の中身が骸骨っぽい。
なんであの袋が強調されているんだろうって不思議に思っていた所でした。てっきりキンブリーの用意した爆弾の材料かと。

エンヴィーとグリードの対決。エンヴィーの動きはキレがあって好きです。素で普通に強いんですねえ。

生きていたいから仲間が必要との強欲さんの言葉から、寂しいからだけではなく(こだわるのう)もっと身に迫ったやむおえない事情があるようです。
でもエンヴィーの答えは『もう遅い』

ここでスライムなスロウス登場。水竜巻なんちゅーお約束をしでかしてくれる彼女が好きです。
それでもスーツ着こなしちゃっているトコロも。

スロウスの名を冠するヤツが生まれたとの強欲さんや、ラストも新しく生まれ変わったってエンヴィーの台詞によると、生まれた時から大罪を背負ったホムンクルスがいるってコトですかね?

強欲だが頭も良いグリードさん、ホムンクルス2人も相手にする気はないと、見事な素早さで逃げていくのでした。
時には引く事も必要です。強欲さんナイス。

スロウスたちは子供の事をラースと呼んでいましたが。そうなると原作と変わりますね。憤怒があのお子様か。
7人揃っているってコトは、原作と違って彼が憤怒の代わりに傲慢って事になるんですかね。
この食い違いに深い意味はあるのかしらん?

ラースを使って兄弟に再び賢者の石を作らせるように仕向けるはずでしょうとエンヴィーを咎めるスロウスでしたが、エンヴィーにしては、エドが苦しむのをとってもとっても見たかったらしいです。
やはり兄弟の父親が原因なのか? アルにエンヴィーの憎悪が向く事はないのか? 謎は深まるばかりです。

一番エンヴィーが謎を作ってくれるよなあ。きっぱりすっぱり説明してくれないかしらん?(そしたらお話になりません)

全てを思い出したと右腕を掲げて告げるのはラース。
待って待って待ち続けたら、ある日バカが腕と足を置きにやってきた。だからボクが貰ってやった。
長い時をかけて門を開けた。やっと出てきた。
手と足をありがとう、出来損ないの命をありがとう。憎んでも憎みきれないくらいに感謝している。

さあ、身体を全部ちょうだい。そしてボクは人間になる!

うそだと呟いて襲い掛かるラースを避けようともしないエドを突き飛ばして挑むアルです。
『兄さんがやらないのならボクがやる!』

この時の『痛いなあ』ラースが、往年のサイキのエミリオを髣髴させて何だか懐かしかったです。三つ子の魂百まで。

久々に目の下にくま作って乙女座りをしている(…ようにしか見えないワタシ)エドに、アルにやめてと訴えるウィンリィ。
普段穏やかなヤツほどキレるとすごいらしいです。呆然としている兄を尻目に、
この子の右手と左足は兄さんのものだ。ボクのために失った。それを取り返すためにボクたちは旅をしてきたんだ!

…と、ラースに挑むアルで怒涛のごとく以下次号です。


飛ばすなあ、飛ばす。これから先どう収集つけるのだろうかと思うくらいに飛ばします。

ホムンクルスが人体練成の成れの果てっていうのなら、禁忌なワリにはそれなりの数の人々が試している事なんですね。
純粋に科学(未だに錬金術を科学と称するのはヘンな気分なのだけど)の粋を極めたいって場合と、失った大事な人を取り戻したいというのと、どちらが動機として多いのかしら?

錬金術を極めるには『一は全 全は一』を理解しなくてはならないのに、それでも流れに逆らってしまわずにはいられないって所がやはり業ですかねえ。その結果生まれたホムンクルスが大罪を背負っているとは皮肉な話。

とにかくこのまますっ飛ばして構わないけれど、散らかった設定は最後にはひとつの枠に収めて欲しいものです。
それを楽しみに待つとしましょう。

さて来週は。
子供は凶悪だし師匠は苦悩しているようだし、大佐はまたまた儚げだしで、今度もジェットコースター的展開が待っていそう。
アルが無事だったらそれでいいですと、ワリと本気で思っているしばたさん。


(2004.5.10初出)

第32話「深い森のダンテ」
粗筋:(アニメ公式サイトより)

エドの失われた右腕と左足を持つ少年、ラース。彼は、イズミが人体錬成に失敗した結果、生み出されたホムンクルスだった。ラースは人間になることを望み、そして残りの身体すべて奪うため、エドに襲い掛かる。


日記でもちょこっと書いた事ですが、原作の怒涛の展開にハラハラドキドキよりもワクワクしているしばたさんです。
今後の展開が、いい方に転がっても最悪の方に転がっても、どちらにしても色々と面白いなと。次号が楽しみ。

友人とご飯を食べに行った時、『鋼の錬金術師の最後は?』…という話題になり、2人して怖い考えになってしまいました。
あんな80年代SFアニメみたいなラストはイヤだのう(一体どんな結論に達したんだか)
『ハッピーエンドしか認めん!』と訴えたら、『涅槃でハッピーエンドとか…』などと言いやがった鬼のやうな友人です。

『荒川弘って、ゆうきまさみのアシスタントでもしていたのかと思っていたわー』との友人の言葉に、そういや妙に乾いた絵柄が似ているかもと、私もちょっと思いました。
あのしつこくない乾いた絵で淡々と、とんでもねー業の物語を綴っている辺りが、いい年した十分に大人の(つーかおばさんの)私と友人の心を捉えたらしい鋼の錬金術師。
友人は、可愛い絵柄でとんでもなくきつい話を描くTONOさんと似ていると言っておりましたっけ。

この『淡々と』ってのが私らにとっては重要なポイントで、そういう点ではアニメの確信犯的痛みの表現は苦手です(友人はここ2〜3回の展開がイヤらしい)
ただ、メディアの違い上、ある程度しょうがないかなーというのが友人との結論。私はアニメはアニメで違うものと認識しているので、これはこれでいいとも思っています。

何だかんだ言って、CMに入るまでの時間が短く感じるもんね。面白く観ている証拠かと。
…なのに、感想文書きながら観るビデオは、CMが入るまでえらく長いのは何故だろう…?


とにもかくにも、お子様@ラース編一区切りの回。…かと思ったら、休む間もなく次の展開が待っているしー。ちと休ませてくれとか思った体力のないワタシ。
意外な人達がリタイアしたり再登場したりしていましたね。…貯金箱まで出来たのにねえ(今月のガンガンネタ)

のっけからエド兄呆然中。そしてアルはエキサイト中です。アルってば怒ると怖い。まるで大魔神。
襲いかかるアルから身を呈してラースをかばってしまう師匠。それで子供が母親の愛を知って改心する…ワケがなく〜。
男性陣へのサービスからか、師匠の衣服を練成に利用して、アルへと反撃をかけるラースです。

サービスのワリには(いや、サービス違うって)服の破れ方が大人しいとか、あの布だか触手だかの長さは等価交換の原則に反しているんじゃーとか思わなくもない。

ラースの錬金術を使用した融合ってのは、無機物しか対象にならないんですかね?
師匠の腕の中でラースが光った時、てっきり師匠との融合を果たすと思っていました。師匠を利用した肉の盾。最強の盾なんか目じゃありません(デビルマンじゃあるまいし)

鎧のすき間から内側に入ってくるラースの左腕兼触手。バリバリの触手プレイ(プレイいうな)
それで操られちゃって、助けに入ったエドの義手を逆に捕らえてしまいます。吊り上げられるエド兄が可愛かったのう…って、緊迫していても萌えセンサーは常時フル稼動。

ラースに機械鎧を『醜い機械の部品』と称されて、思わずムッとするウィンリィがちと可愛い。

こんの〜っ! と、自分の手を操っている布だか触手だかを引きちぎり、再びラースに襲いかかるアル。ラースがちっと痛そうだったのだけれど、神経繋がっていたらグロっぽくてイヤだねえ。
今度はやったか!? …と思ったら、左腕を頑強な物質に練成されて防がれてしまいます。

しかし、これでラースが錬金術を使える秘密にアルは気が付いた模様。
ラースの右腕と左足が輪を作ると、身体の表面を別の物質に練成する事が出来る。
身体が変化するのはホムンクルスだから。でも錬金術が使えるのは。 ─ 右腕と左足がエドのものだから。

どおりで両手パンで練成なぞ出来ないはずだよ。この時の地面を介しての環とか、エドから逃げていた時の壁抜けから考えると、間に何かが介入して出来た環で十分なんですね。
となると、エドも両手パンしないで、地面に両手ついただけで練成出来たりして。

それは兄さんのものだ、返せ! と叫ぶアルを吹き飛ばすラースに、弟を助けようと槍を練成して挑むエド。
ラースの出した槍も同じデザインでしたね。真似てみたのか、エド兄のセンスが右腕と左足に染みついていたのか。

戦う兄に加勢しようと立ち上がるアルに向かって『もうやめて!』と叫ぶウィンリィ。アルの返事は
『何を言っているんだ』
あいつはホムンクルスだ、人間じゃない。

そう言われて言葉に詰まるウィンリィですが、でもでもそのこはイズミさんの ─ で、子供のようなものだと続けたかったのでしょう。
それを言われると、ちと非情には成りきれないらしいアルです。

人の子供の姿をしていると、それが人外のものであっても傷つくのを見るのは耐えられないものなのか。それが女性の本能ってコトなのか?
アルを止めるウィンリィに、女性と男性の違いみたいなメッセージ性を感じるのですが、私はどうもそれが胡散臭いものに感じてしまいます。
かなりうがった見方なので、まあ気にしないで下さい。多分私が気にしすぎ。

本気のエド兄は強かった。
ついにラースを組み伏して喉元に刃を突き立てますが、ラースはにやりと笑って
『欲しいのかい? ボクの腕が』

オレの腕だ! と叫ぶエドにラースが言い放ちます。
この足を代価にして何かを得たんだろう、弟の代わりにこの腕を支払った。だったらボクの手と足を奪う代わりに何を支払うんだ?
等価交換と告げるラースに、ふざけるなと刃を振りかざすエドです。

あー、今回はOPまでがやたら長かったね。

崖の上を走るホムンクルスのお二人。大音響ともうもうと上がる土埃にちと呆然。スーツ着て走るスロウスが何だか微笑ましかったり。

師匠にとっては、エルリック兄弟とラースの戦いは、自分の子供同士が殺し合っているみたいに感じるのでしょう。彼らを止めに入ります。
そして止める方法がまた豪快。地面割っての強制引き離し。アラレちゃんの地球割り?
ウィンリィどころかラースすら声も出ないし、エド兄危うく落ちそうだし。
エド兄の豪快さは師匠譲りだったみたいですねえ。

苦しい息の下から、兄弟に手を出すのを禁ずる師匠。あの子は私の罪だ。

割れた地面に顔色がないラース、あの強気の姿勢は何処へ行ったのやら。予想を越える事が起こるとパニクるってのが子供っぽい。
見かけだけじゃなくて、中身もやはり子供だったのか。

逃げるラースに追う兄弟。そこで出会ったのは大総統@エンヴィーに秘書@スロウスでした。
どうしてここへ? とのエドの問いに、君たちと同じものを探しているようだと大総統。敵はホムンクルスと名乗っているが、ホムンクルスがどうして生まれてくるのか知っているのか等と尋ねちゃいます。

人体練成で失敗したものが成長した姿がホムンクルス。兄弟の父親の研究書にもそう書いてあったそうで。
…エドもアルもそれを読んでいなかったのだろうか? 幾ら嫌っていたにしても、目の前にある手がかりを捨てるってワケないような気がするのだけれど。
それとも、その研究書は家には置いてなかったのかしらん?
とにもかくにも、あんなヤツの事はどうでもいいと、父親がとことん気に入らないらしいエド。ああ、思春期の男の子。

アーチャー中佐が見つけた少年がホムンクルスだったとしたら、人体練成を試みた人物がいたという事、その人物に心当たりはと訊かれて、知らないと答えてその場を後にする兄弟です。

アルはやっぱり秘書が気になるみたいですね。

ラースの行き先は、文字通りスロウスの胸の中でした。生まれてから、初めて羊水の中にいる気分を味わっているのかも。
やっと7人が揃ったと感慨深げなスロウスに、久しぶりにあの人の所に行ってみようかとエンヴィー。
あの人とは、昔グリードを作った方だそうな。後半に出てくるあの人のコトかなあ?

イシュヴァールの民が身を寄せるスラム街では、スカーが何やらエキサイト中でした。
兄貴に入墨を施したのは、咎人の彼だったようです。何処となくうっとりと、イシュヴァールの古き記憶を伝えたと言う男。
そのために兄さんがーといきり立つスカーに、この右腕には無数の命が生きていると伝えます。
ってなトコロで、懐かしの兄弟が深刻な表情で、息せき切って駆け込んでくるのでした。

スラム街の広場に住民全てが集められている模様。
とりあえず矢面に立つのはホークアイさん。凛々しいお姿にうっとりです。

やむおえない事情で居住地を離れていたとのスカーの師匠の言葉に、南方の居住地まで連行する、その前に全員の名と顔を改めるとホークアイさん。
誰かをお探しかとの分かっているくせにーなお師匠さんに、気をつけてくださいと大佐にばっちりコビているヨキです。
大佐に嫌味言われて舌打ちするトコロとか、悔し紛れにイシュヴァールの人たちに八つ当たりする小悪党ぶりが好きだったんだけどねえ。

オレさまに何かしてみろ! 軍がただじゃー…おかなかったようで、何処からか撃たれたような額の穴を残してヨキ様絶命(せめて最後くらい様付けしてあげよう)

ただじゃおかなかったのは、軍ではなくてラストとグラトニーでした。最強の鉾で何度もヨキを貫くたびに、銃弾の音を口真似するグラトニーが可愛い。

見えない銃弾で蜂の巣になるヨキにパニックになった軍の皆様。足がもつれて転んだ拍子に暴発した銃声で、パニックに拍車がかかってイシュヴァールの人たちに銃弾を打ち込んでしまいます。

こうなったらもう、止めた所でムダというもの。
騒ぎを鎮めようと頑張るお師匠さんの努力を水の泡と化してしまったラストとグラトニーの絶妙の煽りもあって無秩序状態に。
イシュヴァールの内戦が始まった時の事を、寸分違わず再現したような惨状です。

それはともかく、事の成り行きに呆然とするホークアイさんの額に石がぶつかって、大佐が顔を歪めるって図はロイアイ派の方々には美味しかったかとー。

色々と思う所はあるのでしょうが、厳しい顔で鎮圧すると告げ、思わず大佐に呼びかけるホークアイさんに、援護をしろと再度命令を下し、ついでに『額を拭きたまえ』なんちゅー美味しい台詞を吐いて、右腕掲げて任務を遂行するマスタング大佐です。

あーもう! あんたがカッコ良く見える度に何かに負けた気がするんよ、ワタシ。昔はアウトオブ眼中だったハズなんだけどねえ。
人は変わるものなのね。とほほのほ(やっぱり悔しい)

ダブリスでは、兄弟が師匠に破門を言い渡されておりました。
お前たちをそんな身体にするために錬金術を教えた訳じゃないってのは、嘘偽らざる本音だったかと思われます。
自分が錬金術を教えなければ、兄弟に余計な重荷を背負わせずに済んだって思っちゃってもムリはなくー。

その辺が分かっているのか、戸惑うアルを制して師匠に別れを告げるエドでありました。まあ、たまには兄貴っぽい。

駅までの道のりで、本当にこのまま帰っていいのとのウィンリィの問いに、無言で答えない兄弟。
さあ、汽車に乗って帰るぜ(東方司令部にか?)ってトコロで、見送りに来てくれた旦那に別れを告げた際の返事は
『また近くに来たら寄れよ』

その言葉は兄弟には意外だったらしく、だって破門されちゃったしーと、思わず顔を見合わせてしまうのですが、旦那はバカ野郎! と一喝。
師匠でも弟子でもないという事は、対等の人間として接するという事だと諭します。
ウィンリィの嬉しそうな、もう気兼ねなんかする必要がないじゃないってな言葉に背中を押されたのか、師匠の所に戻る決意をする兄弟です ─ って、原作に戻ったな。このまますっ飛ばすと思っていたが。

で、師匠に包丁投げつけられつつも直談判する兄弟ですがー。
『オレたち、元の身体に戻る手がかりを得るためにここに来たんです!』

…ってえのは原作の話なんじゃー。アニメはムリヤリ師匠に連れて来られたんじゃー。ホントはスカーのケツを追っかけるつもりだったんじゃーってえのは、見てみぬ振りするべきトコロなのだろうか?
ラースの存在で、途中で目的が変わったと考えれば万事おっけー?

人の命を犠牲にしない本当の賢者の石がありか、あの子を向こう側に還してあげる事が出来るかもしれないと訴えるアルに、あの子は私の罪だと繰り返す師匠、その師匠にエド兄曰く。
『その罪も、オレたちが背負います!』

言葉のはずみだとしても、エド兄ってば何て思い切りのいいヤツ…。あんたのそーいうトコロも好きヨ。

切り刻まれ上等な決死の覚悟の兄弟に、昔を思い出しちゃってついついほだされてしまったらしい師匠です。
師匠にしても、自分独りで重荷を背負うのはきついと無意識に感じていたせいかもしれません。

エルリック兄弟にはストーカー…じゃなくて、アーチャー中佐の見張りがついていました。
セントラルからは、大総統が確かに南方司令部を訪れたとの、一日前とは正反対の報告が来た模様。ついでにホムンクルス関連は大総統直轄になったらしい。

当初の目的通り兄弟の知っている事を全て聞き出す、キメラがまた出るかもしれないしキンブリーもってコトで、何だか嬉しそうにキンブリーの名を出すアーチャー氏です。

…こりゃアレか? アーチャーキンブリーとかその逆とか? アダルトタッチでいい感じ(何のコトやら)

深い森を行くグリード@強欲さん御一行。
イヤな所に来ちまったとボヤきつつ、気になる事があると仲間を先に行かせて自分はどっかいっちゃう強欲さんです。
ロアが可愛い。オヤジ最高。筋肉最高!(おや?)

お肉やさんでは師匠と兄弟がミーティング中でした。
アルに門の記憶がないという事は、その記憶は身体ごとまだ門の中にあるのかもとの師匠の言葉に、賢者の石を使えば等価交換の原則を無視して門を開く事が出来るかもとエド。
しかし師匠の発した言葉は意外なものでした。エドに問うたのは、お前は等価交換を信じているのかという事。

何かを得るには同等の対価が伴う等価交換の原則は、この世界の原則だと兄の代わりに答えるアル。
彼らにしてみれば、それを身を持って教えてくれた人からの、今まで信じていた事全てを否定するような問いでしょう。
だったら生まれる前に命を失った(師匠の)子供は、その代価に何を得たのだろうと呟く師匠に、何も言えない兄弟です。

…てなトコロが、OP前の『それが世界の真実だと信じていた』に繋がるんですかねえ。
『その頃のボクら』 が 『信じていた』で、過去形なのはずっと気になっていたのだけれど。
深く突っ込むと何だか怖い考えになっちゃって、ちょっとイヤンなしばたさん。

外で様子を伺っていたのがバレバレだったらしく(ずっと聞き耳を立てているのも疲れただろうと思う)、メイスンさんに急に呼びかけ、薬を取って来てもらうから、ダンテさんの家を兄弟に教えてやれと告げます。
『タダで居候させてもらえると思ったのか?』

深い森を〜行く兄弟。ダンテさんは有名な薬剤師だそうで。
気持ちのいい山道を歩きながら、アルが浮かない調子で話題に出すのは気になっていたコト。
ホムンクルスが人体練成の失敗の成れの果てなら ─ とのアルの言葉を強引に切って捨てるエド兄です。

多分アルは、だったらボクたちの人体練成の時にホムンクルスは出来ていたのかってコトや、大総統秘書にまで言及するつもりだったかと思いますが、エド兄の反応を見ると、態度には出さないけれど何気に分かっていて色々考えているのかもしれません。
もしそうだとすると、直情型のワリにはなかなかのポーカーフェイスですな。

森の中に突然現れたようなダンテさんの家。
ここのメイドで出てくるは、ヨキの元にいた国家錬金術師大好きっ娘のライラ。炭鉱事件でさっさとヨキに見切りをつけたらしい。さすが女の子。切り替えが早いゼ。

実は錬金術師だったダンテさんの弟子にしてもらったライラ、高ピーだったあの頃の様子を微塵も感じさせない態度に、『お前性格変わってねーか?』 と思わず口にしてしまうエド兄です。

女って立ち直りも変わり身も早いモンなのよー。ひとつ勉強になったネ。

変わり身の見事さと頬を赤らめてダンテさんを称えるライラの様子から、てっきり美形の男かと思ったら、人の良さそうなおばあさまでした。みくびちゃってごめんね、ライラ。

イズミさんの師匠だったと告げるダンテさんです。先生の先生って、聖闘士星矢の氷河におけるカミュさまってコトか。
つーと、イズミ師匠がクリスタル聖闘士にあたるのねえ…。ちょっとイヤかも(私はクリスタルな彼は結構好きでしたヨ)

その様子を密かに見ていた強欲さん。ダンテさんとは浅からぬ縁がありそうですが。…やっぱダンテさんが強欲さんのママ?
兄弟とムリヤリお友達になろう計画を発動させる模様です。

デビルズネストでは、キンブリーがタッカー氏に何やら仕掛け中でした。
急なお呼び出しで会話は中断されたようですが、良く考えて下さいとの言葉に悩んでいる様子のタッカー氏です。
やっぱり顎に帽子乗せてる〜。

薬のための薬草を摘んでいるダンテさんと兄弟。
何故錬金術師になろうと思ったんですかとのアルの問いに、人の役に立ちたかったからかしらね と答えるダンテさん。
人にとって錬金術は必要なもの。それだけでどうなるものでもないけれど、人が努力する手助けは出来る。幸せになろうと努力する人は、努力しただけ報われて欲しい。

等価交換と呟くエドに応えるダンテさん。人は一の努力から一を得る事しか出来ない。それは絶対の真理との言葉に、顔を見合わせてほっとする兄弟です。
師匠に言われた等価交換を信じるのかという問いが、何気に心に突き刺さっていたらしいですね。

意地悪な見方をしてしまうと、人が幸せになるってコトは、他の動物なり植物なりが犠牲になる…事と同等かもしれない。
肉屋が繁盛したら肉がいっぱいいるだろうしー、花屋が繁盛して幸せなら、せっかくキレイに咲いた花がバリバリと摘まれるってコトになるし。

他人を犠牲にして初めて得る幸せもあるかもだしね。一口に『幸せ』って言っても、全てが円満に幸せってのは実は有り得ない…のかもしれない。
…ってなトコロを、アニメは突っ込んでくるかもしれませんな。

賢者の石について尋ねるアルに、探しているのかと心配そうな顔のダンテさん。賢者の石を求める者はことごとく不幸になっている。人はまだ石を手にするには早すぎるのかもしれないと。

兄弟の父親を既知らしく、エドの姿を見て良く似ているとダンテさん。光のホーエンハイムも賢者の石を求めていたわ。
エド兄の、すっごくぶすくれた表情がもう、大人気なさ過ぎて思いきり頭撫でてやりたくなります。ガキだねえ。

お父様の居場所はご存知と優しく問われたのに、知りたくもないと席を立っちゃうエド兄ってば、ホント大人気ない。可愛げないトコロが可愛いお子様だのう。

エドが単独行動に出てやった! ラッキーな強欲さん御一行。
エドに襲いかかるは強欲さんと爆弾魔のコンビ。反撃に出たエドに最強の盾の威力を見せつけ、咄嗟のガードごと吹き飛ばされちゃって、哀れ一発でノックダウン。

強欲さんを殴った後の、グーパーエド兄が妙に可愛かった。萌えセンサーは鋭意稼動中です。

ライラの悲鳴に気を取られた隙に、ダンテさんを人質に取られてしまったアル。
おねえさんダレ? とか、知らない人に付いて行っちゃいけないって先生に習ったよ なーんて可愛い台詞がホントに良くお似合いよ、アル。
エド兄とはまた違った所で、この子も愛しすぎるわー。

先生に習ったっておめー幾つよと、滔々といっぱしの男たる者を説教するお犬さま。うんうん、自分で考えなきゃねと納得のアルに笑顔を見せた途端、脳天チョップを食らっちゃいます。
『自分で考えた結果、知らない人には付いて行かない事にしたよ』

やはりあの兄あってこの弟ありな、アルフォンスくんであります。
しかし、やはり原作通り蹴りの方がいいなあ。アルの美脚が拝めるシーンが〜。

臨戦態勢のアルにお昼寝中のエドで、またもや波乱真っ只中の内に以下次回です。

今回は結構面白かったです。何処がって具体例は挙げられないのだけれど、全体のまとまりとか話の持って行き方がテンポ良くていい感じでした。特にラース編が終わってから。
あまり怒涛の展開で迫られると、疲れちゃうし何だか飽きるというか食傷気味になるので、ちょっとばかしゆっくりな展開を見せたダンテさん宅のまったり感が、私には気持ちよかったです。

しかしダンテさん、何処かで見たようなーと思ったら、ベルセルクの霊樹の森の魔女を彷彿とさせるんですよねえ。穏やかな語り口調とか。

次からまた怒涛の展開を見せそうですが、まあ何とか付いて行こうと思います。身体鍛えておこうかしらん。


さて次回は。
『囚われたアル』で、エド兄あのまま見捨てられてアルだけお持ち帰りだった模様。可哀想に。風邪ひかなかったか? エド兄。
最強の盾フル装備バージョンの強欲さんも登場するっぽいですね。

原作の師匠の名台詞はあるみたいだけれど、エド兄のオレの総取り啖呵は聞けるのか?
あるといいなあ。好きなんだよな。おバカ全開で。……私はエドのファンですヨ?(棒読みで)


(2004.5.16初出)

第33話「囚われたアル」
粗筋:(アニメ公式サイトより)

ダンテの館で、グリード率いるキメラ軍団に襲撃され、連れ去られたアル。彼らの根城である、町外れの酒場デビルズネストに囚われたアルは、そこで、グリードから永遠の命の秘密について尋問を受ける。


思わぬ一週お休みで、久々に何もしない週末を過ごしました(その分裏の仕事をしていましたが(謎))
とっても楽だったけれど、手持ち無沙汰でヘンな感じだったってのも本当。

だらだらと書き散らかしているだけに、やたらと時間がかかるこの感想文。
毎週の負担になっている事は否定しませんが、ここまで来たら最後までやったろうじゃんと意地になっているのと、何気に読んでくれている人がいるって事が励みになっています。書き始めるまではおっくうなのだけれど、書いてるとそれなりに楽しかったりもしますし。
ま、継続は力ってコトで。

それはさておき、一週遅れの地域は普通に放映したというので、これでズレを調整するのかと思いきや今週がお休みになったのですね。
せっかくなんだから合わせりゃいいのに、大人の事情ってヤツでしょうか。融通のきかないコト。

先日DVDの5巻を買ったワケですが。カバーを見てしみじみと『スカーってほんっと〜に受けっぽいなあ…』と思いました。
何かもう、あんた誘ってる? 誘ってるの??…と問いかけずにはいられない大股開きに、レジに持っていくのが恥ずかしかったくらいです。
確信犯なのか天然なのか判断がつきません。謎だ…。どうしてあんなに受けっぽく見えるのだろう?(それはあんたの目が腐ってるから)

その後、DVDの6巻が私好みのイラストだと聞いて、公式ページに拝みに行ったらお嬢さん! 男泥なアームストロング少佐殿がお出迎えしてくれたんですよ! もううっとりですカッコ良すぎます! 何をさておいても6巻は買わなくてはっ!
─ え? 他に誰かいましたっけ? ああ、背景にその他大勢のおやじ〜ずがいたような気がしますねえ。

…というくらいに、某大佐殿&中佐殿が目に入らなかったコトをここで懺悔します。ゴメンネゴメンネ。
ホントは、スカしている大佐とカッコつけなヒューズにも、ちゃんと心奪われました。腐女子として当然ぢゃないですかー。ははは(そこはかとなく棒読みで)

にしても、何だか大佐ってば細くてやけに可愛くないか? 個人的にはもう少しいい体格でいて欲しいんだがのう。
ヒューズは挙動不審だしー(あの右手の真意は何?)あれじゃヒューロイを啓蒙しているとしか思えないぞ?
しかし、確信犯だな狙いすぎだぜ、けっ! …等と思う私のようなひねくれ者対策のために、他の誰でもなく少佐をさり気なく配置する辺り侮れませんな。


原作に沿うんだかオリジナルを進むんだか混乱しちゃった回。アニメは動いてナンボのハズなのに、原作準拠っぽいシーンになると、とたんにテンポが悪くなるのは何故〜?
そしてグリード@強欲さんて、鋼アニメで上位に来るいい人なんじゃーとか思いました。私にはヒューズと1,2を争うくらいに良い人に見える…。

しょっぱな、構えるアルと対峙するロア。デカブツ対決。周りの迷惑考えずハンマー振り回すのはどうかと思う。
ロアとの1対1の対決かと思いきや、そんな非効率な真似をするはずもなく、実質1対3。一人はアルハウスと洒落込むようです。
意外に快適らしいけれど、いやー入居してみたいですね、アルハウス。ねこ持ち込み可ってコトで。

当たり前だけど、原作にあった追いかけっこはなくて残念。あの時のアルは、機転が利く少年って感じで可愛かったのだけれど。

原作ではヘビとのキメラなマーテル姉さんに身体の中に入られて、動きが鈍った所を拘束されてしまうアルです。
まあ、いかつい汗臭そうなおっさんが入らなかっただけマシだと思われー。

表ではエド兄昼寝中…ではなく半分グロッキー中。無事アルを捕獲したってんで強欲さん、『付いて来られちゃ面倒だ』で『足の1本でも潰しておくか』
彼の目的を考えると、兄弟セットで連れてった方が断然お徳なんじゃーとか、つーかエド連れてった方がいいんじゃー等と思うのですが。

ホントに機械鎧の足くらい潰すつもりだったらしいですが、家の中からのダンテさんの視線に気づくと何故か止めちゃいます。
アルの捕獲時はともかく、自由になっているのにエドのピンチに助けに入るでもなく、ただじっと見ているダンテさんはかなり不気味。

口から先に生まれたかのごとく憎まれ口が大層お上手なエド兄が、ほとんど言葉を発せなかった所を見ると、かなりのダメージを受けたようです。おいたわしや。

若いって素晴らしい。あっという間(…かどうかは知らないけれど)にHP回復したエド兄、アルの行方を求めて東奔西走。
町の人たちに紛れているエドを見ていて改めて思いました。本当にちっさい。まさに豆。
本人が身長を気にするのも分かる気がするなあ。…明日があるよ、うんうん(ちょっともらい泣き)

ダンテさんの所には、師匠と旦那が訪れていました。
アルは何者かに連れ去られ、エドはそれを追いかけていったとダンテさん。貴方がついていながらみすみす…と、何とも口惜しそうな師匠です。

庭に落ちていたというデビルズネストのマッチを師匠に示すダンテさん。せっかちなエド兄が出て行った後に拾ったのか、わざと見せなかったのか、ちょっと気になる所。
だって、師匠の台詞が
『貴方がやった訳じゃないでしょうね』
…だもんね。アルを心配する言葉すら白々しく聞こえるダンテさんてば怖すぎです。

もしも自分だとしたら、ここで攫わせたりはしないとダンテさんは笑って答えます。
…何気に、こんな事はしないと否定はしていないんですよね。老獪っつーか狸ババアというか。

師匠と弟子の関係のワリには(だからだろうか?)何やら確執のありそうな2人。
争いの火種は悪意を糧に飛び火し広がって行く、何故人は争う事を止めようとしないのかと、一見もっともなコトを呟くダンテさんですが、師匠の答えは辛辣でした。
『誰もが貴方のように、森の中で錬金術の事だけ考えている訳ではないんですよ』

ま、小説などを見る限り、隠者ってえのは得てしてそんなモンですけどね。

賢者の石を求める限り、兄弟に災いが降りかかるのに何故止めないのかと尋ねるダンテさんに、師匠曰く、あの子たちは自分の力で答えに辿り着く。それがどんな答えであっても。そして
『少なくとも、貴方の理想とは違う答えに』

まだ信じられないでいるのとの諦めたような言葉に、私と貴方は生き方も錬金術も違うと告げる師匠です。

背を向ける師匠に『さよなら』との言葉をかけるのに、決別のサヨナラかよと思って観てたら、ダンテさんの独白
『もう会う事もないでしょうね』

…人の良さそうなおばあさんだと思いきや〜。怖い、怖いわダンテさん! 夜中に夢に出てきそうなほど怖いわっ!
理想主義者ほどやっかいな輩はいないって感じー。世俗を絶って世の中を憂いても、何も変わらないのにねえ。

階段下りていった先のデビルズネストのそのまた下に、アルフォンスくん拉致られ中。
アルのお腹の中にはマーテル姉さん常駐中。外ではお犬さま…じゃなくてドルチェットさん(コミックスを見た)くつろぎ中。

お兄さんたちはどうしてキメラになんかなったの? とのアルの問いに、東方戦線で死にかけちまったら実験体に回されちまって、いつの間にやらキメラになっちまったいってなお答え。
そんな彼らを救い出して居場所をくれたのが強欲さんだったという事で、元軍人という職業柄か情の深い方々なのか、強欲さんに対しての忠誠心に篤いようです。

原作では自ら研究所を逃げ出すって感じでしたね。
アニメのキメラの皆様は、何だか今ひとつ覇気に欠けているような気がしていたですが(なので印象が薄い)、この恩義の部分が原因なのかしらん?

しみじみしている3人の所に強欲さん登場。タッカーさんも一緒なのでビックリしちゃうアルに、ついつい言い訳してしまうタッカーさん。
しかし、普通の人間に見えるキメラの方々がこんなにいるのに、どうして自分は頭反対につけちゃったんだろうねえ?

タッカー先生の言う通り空っぽだと嬉しげな強欲さんに、誘拐させたのは私じゃないからーと、やっぱり言い訳しちゃうタッカーさん。
彼の頭には、ニーナと共に幸せな時を過ごした兄弟がまだ息づいているのかもしれませんね。根はいい人なのかもねえ。欲望に忠実過ぎるだけで(それが困りモン)

手の甲のウロボロスの入墨に気づいたアルが、ラストやエンヴィーと名乗る人たちの仲間かと問うと、むしろ敵だと答える強欲さん。
魂のみで死ぬ事のない身体ってどんな気分だ? なーんてアルに尋ねます。
今のアルは、飢える事も疲れる事も年を取る事もない、永遠の命と呼称される存在だそうで。

…おお、確かにそうじゃん!
多分誰もが一度は考える、不老不死の具現化がアルっていう考え方もありですな。なるほどー(って、コミックス読んでるのに今頃感心するなよ)

私も昔は死が怖かったので(もちろん今でも恐ろしいものですが)不老不死とかに憧れたものですが、実際にそうなっちゃったら、周りの親しい人が年を取って死んでいくのを指くわえて見る羽目になるんだなあと思うと、ちょっとどころかかなりイヤです。
不老不死とか永遠の命って、そうなっちゃったらあんまりいいモンでもない気がする。死のない生って、終わりのないゲームみたいなモンだしね。
いつまでたっても上がりにならない人生ゲームってきつそうです。しかも、やめたくてもやめられない。そういうのを地獄っていうのかも。

閑話休題。

金も女も地位も名誉も、それに永遠の命も欲しいと、強欲さんてば目がイっちゃってます。解体してでも魂の定着の秘密を手に入れるってさー。だから、その目的のためならアルじゃなくてエドじゃろう?
タッカーさんは、兄貴の方が魂の練成と定着をやったって言わなかったのか? 人の話をちゃんと聞いてないんじゃー。

強欲さんの熱弁を、『くだらない』と一刀両断のアル。こっちは元の身体に戻るために四苦八苦してるんでいっ! …と、キレたくなったのではないかと。

強気になるのは勝手だが、ここから助け出してくれるヤツはいねえよとの弁に、あそこには兄さんが一緒に居たとアルの反論。
強欲さんはせせら笑って
『ムリだな。あいつはオレがぶちのめしたよ』
ええ、見事にぶちのめしていましたね。

兄に手を出すとこの弟は怖いよー。アルの逆鱗に触れた強欲さん、練成された特大の石の拳でノックアウト…と思いきや、最強の盾は伊達じゃない、まるで利いていないようで、逆に組み敷かれてしまいます。
中のマーテル姉さんがお可哀想な場面です。ほろり。

思い切りのいいヤツは好きだぜな強欲さん、自分も思い切り良く頭半分飛ばしちゃいます。下顎半分の姿ってグロいねえ。
新規で生えて来た分の材料は、何処から調達しているのかしらん?
せっかくだから金髪にでもしてみりゃいいのにと、ちょっと思ったです(似合わないか)

『これで一回死亡』で『こんな身体だが不死身じゃない』って…。幻魔じゃないだろうな。

そんな所に地響きと共にいきなり扉が。開いた扉の向こうからは。
『姉さん、何モンだ?』『主婦だッ!!!!!』(!の数は原作に合わせてみました)

しかしアルってば、そんなに兄貴に来て欲しかったのか。愛しているんだねえ。しみじみ。
アルがこんなに待ち焦がれていたのに、エド兄は未だに町をさ迷っているのでしょうか。不憫なお子だコト。

その頃のエドは、やっぱり当てもなく町中を走っておりました。太陽にほえろの頃から、若者は走るのがお約束のようです。
角を曲がった所に軍の団体をみかけて、思わず身を隠して元来た道を戻るエドを呼び止めるのはアームストロング少佐でした。

弟を探しているのだろうとの言に、つけてやがったのかとお冠のエド兄。アルが攫われるのを黙って見ていたのかよと詰め寄られた少佐殿曰く。我々も奴らを追っている。君の弟の安全が最優先という訳にはいかん。
思わずふざけんなよ怒鳴るエド兄です。

拉致られたのがエドなら、その理屈も分かるんですけどね。
いやー、鋼世界の軍ってのは、民間人の安全は二の次なんですねえ。建前くらいは民間人が最優先って言っといて欲しいモンですねえ。
アルは国家錬金術師でも軍属でもないふつーの民間人なのにねえ。恨むなら軍の狗の兄を恨めってか?

…こーいう役目を少佐に振ったアニメスタッフを、一瞬殴りたくなったのはナイショ(一瞬だけですヨ?)

これからキメラたちの根城を叩きに行くとの話を聞いて、場所を教えろと詰め寄るエドに、それに応える少佐殿です。ああ、少佐殿ってば酷い役だよ、しくしくしく。アーチャー中佐を恨むべき?

デビルズネストでは、師匠大暴れ中でした。ロアを組み伏せていたあの原作と同じシーンは欲しかった。あれすんごく好きだったんですよ。

強欲さんVS師匠…の途中に、エド兄の所在を聞いちゃうアル。こっちが聞きたい、お使いも満足に出来ないとは〜っ! と、説教の予約を言い渡されて泣きながら謝るアルでした。和んだわー。ここだけ(爆)

錬金術で強欲さんと対決の師匠。女とはケンカしねえで退けない避けない強欲さんは、ちょっとやそっとではホントに傷がつかずに連続攻撃食らってもピンピンしています。
タッカーさんが陣なしの練成に注目しているのが、何だか彼らしい。

その後一度倒したキメラの皆様に囲まれる師匠たちでありますが。そんなにすぐ回復するくらいに手加減したのかしらん?
違和感というかご都合主義っつーかー。どうにも納得出来ないワタシ。

強欲さんと、ちとピンチの師匠との間に立ち塞がるのは旦那。もう見ているだけはこりごりだ。
私はもう二度と、私の子供を失う訳にはいかないと呟く師匠に頷くナイスな旦那です。

旦那の力を借りて強欲さんへ挑む師匠ですが、血を吐いちゃって形勢逆転大ピンチです。
あーうー。…ま、いいけどね。

ってな絶体絶命の危機にエド兄登場。囚われのお姫様を助け出す王子様? となると、お姫様役は師匠かアルか。……旦那っ!?
しかしこの王子様、言葉も悪けりゃ態度も悪かったりして。

エド兄に突入させている隙に、一網打尽の陣営を整える、薄ら笑いのアーチャーと、それに付き従う少佐殿です。おいたわしくて見ていられないワ。

エド兄ってば、タッカーさんを目ざとく見つけて何やら一人で合点してるし、魂の定着方法をちょちょいと教えてくれりゃいいんだよって説明してやってんのに、聞きやしない上に一人で納得して怒ってるし、挙句の果てには問答無用で襲ってくるしで、強欲さんじゃなくても
『どいつもこいつもひとの話を聞けっつーの』
…と、ボヤきたくもなりますね。

HP回復した師匠が強欲さんを投げ飛ばし、師匠と弟子で協力プレイ。結束の力〜(遊戯王からまだ戻ってくる気配のないしばたさん)
しかし、それでも最強の盾は破れません。再び血を吐く師匠に多勢に無勢で、王子様エドが来てもピンチなのはあまり変わらない模様。

しかし強欲さんてばさり気なくいい人。絶対的に有利なのに、エドへタイマン勝負を持ちかけます。こりゃもう乗るっきゃないぜなエド兄です。
オレを倒すつもりなら殺すともりで来いに、刃練成しながらああ、と応えるエド。いつもより多く頭に血が上ってまーす。

すったもんだやってる内に、地上では軍の制圧が始まっておりました。金庫の前で不気味に笑うキンブリー。

そんなコトとは露知らず、勝負中のお二人さん。力の強欲さんに俊敏さで勝負のエドの図。
ここまで話の分からん連中だったとはなあと、やれやれって感じの強欲さん。禁忌を犯してまで欲しいものを手に入れようとした欲望に忠実なお前らが、オレの話が分からないとは思わなかった。

一緒にするんじゃねえと怒鳴るエドに、強欲さんは同じだと答えます。ホムンクルスだろうが人間だろうが関係ない。
賢者の石の話を出されて、石なんか関係ない、弟を元の身体に戻したいだけだと言うエドに、こいつはそのままの方が幸せだ…なーんて言う強欲さんです。永遠の命…だもんね。

なかなかに問題発言だよなあと思ったのが、その後のエドの台詞。
『お前らホムンクルスがオレたち錬金術師の生み出した過ちなら、その過ちはオレたち錬金術師が正さなきゃならねえんだ』

『錬金術師=神』 『ホムンクルス=人間』って置き換えたら…怖いよね。とんでもなく傲慢な言葉だって、エド兄分かっているのだろうか?
…まさか、ホントにエド=ホムンクルス=傲慢説じゃないよねえ?(この展開だけは、原作でも避けて頂きたいもの)

まあ、分かっていてここまで言ったのなら、ちと惚れ直しそうですけれどね。

この台詞に激怒しない強欲さんって大人だと思いました。ブ男になるから見せたくなかったんだがなと、最強の盾で全身を覆う、本気モードの強欲さんです。
これはこれでカッコいいと言えなくもないがー。歯が剥き出しはいただけないかも。
どうでもいいけど、本気モード強欲さんと対峙していた時の、エドの細腰についうっとりしてしまったバカ者は私です。

お前、人を殺した事ないだろうと強欲さん。どういう意味だと言うエドへ『気合が足りないんだよ』
そんな事ではオレも、他のホムンクルスも殺せないと言い放ち、気合入れてやるよと、何処かの総番長みたいなお言葉です。

しかし気合を入れる前に、軍の皆様に邪魔されました。
せっかくのショーが台無しだとの強欲さん、余裕かましている場合ですかと突っ込まれたのがホントになってしまいました。

軍部ごときに強欲さんたちをどうこう出来るヤツは居なくても、仲間内にはいた模様。
壁を爆発させて、アーチャー中佐とツーショットでキンブリー登場。アーチャーキンブリーかそれとも逆か、気ーにーなーるーっ!(良い子は気にしないように)
後生大事に金庫にしまっておいたモノ(強欲さん封印の基の骸骨?)まで軍の手に渡ってしまいます。
てめえ、裏切りやがったなと、最強の盾を解いてしまうほどに強欲さんはショックだったようです。

つーか、キンブリーを信じていたのか強欲さん。どう見ても、ヤツは謀反の相を持っているとしか思えなかったよ、私には。
部下に促されても足取りの重い強欲さんってば、随分人が良いんだねえ。仲間には慕われているし。
…強欲さんて良い人だよね?

囚われのお姫様…もとい、アルは再び攫われて、追いかけようとしたエドは軍にっつーかアーチャー中佐に拉致られ(大分表現が間違っているんじゃー)、悔しそうな強欲改め、グリード@良い人さんを拝みつつ、次まで待っててねです。


今回は細かな所で腑に落ちない所が多くて、ちょっとスッキリしませんでした。
魂の定着の秘密が知りたいならば、どう考えてもエドの方に用があるだろうとか、あんなにすぐ囲まれてしまうくらい、師匠ってば手加減して投げ飛ばしていたのかなあとか(しばらくは昏倒させておくようにするがなあ、私なら。二度手間になるし)

一番スッキリしないのは、師匠のスタンスっつーか役所がどうにも掴めない所。ま、これは今回だけに限った話ではありませんが。

師匠の描き方そのものへの忸怩たる思いもあるのだけれど、それを抜いても、師匠をどう扱いたいのかどうにも読めません。
兄弟の強く優しい母親代わりとしたいのか、子供を一心に思う母として描きたいのか、強さを出したいのか弱さを見せたいのか、どうにも中途半端で、見ていてイライラする事も。

原作みたいに痛快な師匠にスカっとは出来ないし、かといって人として、あるいは母としての弱さを共感しようにも、中途半端でそれも出来ず。
もしかして、女は男に守られるモノとか思ってないかー? と、うがった考えまで持ち上がってしまいます。

師匠のピンチに飛び込んできたエドに、実の母親を助けられなかった兄弟に、今度は第二の母親と言ってもいい師匠を助ける役目を担わせる…って感じにしたいのかと思ったりしましたが。実際どうなんだろう?

どうにもアニメの女性の描き方は、何だか上滑りな感じがしちゃって本質が見えなくて、感情移入しにくいです。よっぽど人外のラストのやってるコトの方が分かりやすいワ。

母と子の図式は物語の核のひとつなのでしょうから(多分父と子も)、思わず感情移入してしまう女性の描き方をして頂けると嬉しいです。
自分が年取っているからそう思うのかも。中高校生のお嬢さんたちはどう感じるのでしょうか?

後はー。格闘シーンがもう少し迫力出ないモノなのかしらん? カタルシスが足りんぞ〜!…と、今回はちょっと文句が多いしばたさんでした。困ったもんだ。


さて次回は。

アームストロング少佐とロアの一騎打ち、以上!
…エドのオレさま総取り啖呵は、アニメではやはり無視でしょうか? しくしくしく。

まあ何にしろ…。頑張れアニメ (ちょっと投げやりすぎ?)


(2004.6.1初出)

第34話「強欲の理論」
粗筋:(アニメ公式サイトより)

デビルズネストで展開される不穏分子殲滅作戦。アーチャー隊の兵士によって、グリード一派のキメラたちが次々と射殺されていく中、グリードは、キンブリーとタッカーの裏切り、そしてラスト、グラトニーの襲撃を受け、追い込まれていく。


前振り代わりにWeb拍手で頂いたメッセージへの返信とか。

押し甲斐のないボタンなのに(そろそろ仕込みSSくらい替えたい…)、時々押してくださる方々ありがとうございます。ひっそりとメッセージを下さる方には感謝の言葉もありません。
とあるページと共同なので、実はどちらのコンテンツから頂いたメッセージか区別がついていなかったりするコトも多々あるのですが、何にしろ楽しく拝見しています。寿命が延びるわ〜(ほんっとーにダンテさんなみにババアだな、しばた)

そのWeb拍手で、鋼の映画化の噂ってのを教えて頂きました。まだ本決まりではなさそうですが、映画化は『□エニックスがやらかさないワケねえだろう』…と思っていたので予想通りというか、むしろやらないって情報だったりしたら、却ってビックリです。
どうせなら出崎な鋼とか、りんたろうな鋼とか、高橋良輔な鋼とか観たいトコロ。微妙にどころかあからさまに古いのは、しばたさんが年寄りなダケなので気にしないで下さいねー。……はあ。

そういやDVD6巻表紙の大佐が『七五三みたいにしか見えない』ってなメッセージをこっそり頂きましたな。…ワタシハソコマデハイイマセンヨ?
何にしろ、大佐には無精ヒゲが何気に似合うオヤジでいて欲しいですねえ。でも彼くらい外見の印象がコロコロ変わる人も珍しいかも。それなのに、中身は一貫して腹黒くいけ好かないオヤジなトコロがまた不思議。
…大佐がオヤジに見えているのって、もしかしてワタシだけだったりする?(^^;)

『大好きです!』
ワタシもです!
…いや、こういうメッセージを頂いたので。しかし『大好き』の主語は何なのだろうと気にならなくもない。
『アームストロング少佐が大好きです!』ならライバルだし、『スカー受けが大好きです!』なら同士だしー。
描き散らかしてるSSもどきや感想文なら、ありがとうございます嬉しいです。これからもまったりやっていきますーと答えます。
どれか当たってるかしらん?

『このweb拍手用のエドとアルの口論(?)かわゆすぎます!!』
ありがとうございます。仕込みっぱなしで放置プレイ中のWeb拍手用SSですが、お目に止まったようで光栄です。兄弟の会話は、普通に心が和んで好きですねえ。書くの楽だし。

同人サイト様のような洒落っ気もなく、殺風景でその上サービス精神にも欠けているサイトではありますが、変り種な鋼サイトもどき(あくまでもどき)としてムリせずまったりとやっていきますので、訪ねて下さる方々が、一時でも和んで貰えれば嬉しいコトです。

一年後にこれ読んでも話通じないだろうなー(つーか、それまでこのコンテンツあるのか?)と思いつつ、ようやっと本題。


最後まで強欲さんはいい人だったなあと感慨にふけった回。一応ラース&グリード編の終わりってコトでいいのかしらん?
そして、ちっとばかしエド兄が可哀想でしたな。

肉屋で一人店番のウィンリィ。夕飯準備で忙しそうな頃合っぽいのに近所の主婦一人来ないのか? あまり儲かっていないのだろうか。

お店の主と鋼の錬金術師は拘束中でした。毛布貰ってましたね。寒かったのかな? しかしウィンリィはタンクトップだしなあ。
ああー、アニメキャラの体感温度って分からんっ!
毛布被りながらも、こっちは弟を追っかけなきゃならねえってのにいつまでもウゼぇ! …と言いたげなエド兄です。

エドを引き止めている張本人は、キンブリー@爆弾魔とお話中。
こっちは約束を守ったとのキンブリーとやり取りをし、タッカーさんには自分の名に賭けて安全を保障するというアーチャー中佐ってば、慇懃無礼の見本のようですな。
軍に復帰して研究を続けられると聞いた時の、タッカーさんの色めきたった声がたまりません。人は狂おうとすれば、何処までも狂えるモンなのかしらねえ。いやはや。

タッカーさえ居ればキメラなんか幾らでも作れるぜーってなモンで、手っ取り早い口封じなのか抹殺司令を出すアーチャー中佐です。これから作るキメラの材料は何処から調達するつもりだろうか。やはり囚人?

アーチャー中佐は、目的のためには手段を選ばないタイプっぽいですね。
マスタング大佐もそんなヤツだと思うけれど、手段の種類がちょっと違う気がします。その辺が現在の地位の差になっているんじゃー…なんてな。

下水道を逃げるグリード@強欲さん御一行。しかし幾ら身体能力に優れているといっても多勢に無勢。反撃虚しく次々と斃れてしまいます。
いい味出してたイモリさんもあっさり下水道に浮かんでいましたな。強欲さんのお友達は皆個性的で結構好みだったので、用が無くなったとばかりに次々退場しちゃうのは、ちょっと悲しかったです。

ドルチェットが反撃に出るものの付け焼刃という感じ。その隙に強欲さんを逃げるように促すロアに、心配そうに(見えましたよワタシには)お犬さまが走り去った方向を気にする強欲さんって、なんていい人って思いました。
こんなにいい人なら、人間味のないラストたちと反りが合わんのもムリなし。

強欲さんたちが逃げた先に、壁ブチ破って私のアームストロング少佐登場。最近生気の抜けたような姿しか見ていなかったので、何だか久々な気分です。伏し目がちな眼差しが色っぽい(…と、真面目に思っています私)
アルの嬉しそうな『少佐!』も良かったなあ。

そういや昨日(6/5)、アニマックスで『ハガレン入門マニュアル』と称して第1〜3話の放映がありまして、番組の前振りらしい、兄弟の掛け合いによる『錬金術』等の用語説明と登場人物紹介の部分を観ました。

ロイエド者としてあるまじきコトに、大佐の事をエドがどう紹介したかまるで覚えていないのですが(こいつのおかげで国家錬金術師になるハメになった〜みたいなコトは言っていたような気はするのだが定かではない)、アームストロング少佐に関しての兄弟評は覚えています。

兄貴が『こいつが問題だ〜』…と、イヤそうに(失礼なガキだな、ぷんぷん)言うのを、アルが『少佐はいい人だよ』ってフォローしてくれるんですよ。
『それに、ボクを子供扱いしてくれるし』と、ぽつんと呟く弟に『アル…』と声を漏らすエド兄がまた萌えでねえ。

嬉しそうに少佐に呼びかけるアルを見て思い出しちゃったわ。
しかし他の人物の兄弟評はさっぱり覚えていないのに、少佐のだけ覚えている記憶力って偏りすぎな気がー。

おっと横道。

デビルズネストを高みの見物と洒落ているラストとグラトニー。スロウスは一番年下らしいのに、他のホムンクルスの皆さんを顎で使っているみたいですねえ。さすが大総統秘書。
逃がした責任はこっちにあるしーってなコトで、強欲さんの行く末を微笑みながら見守るラスト姉さんです。

少佐VSロア。力と力のぶつかり合い。練成後のアームストロングハンマーはぜひ欲しい。ネットオークションに出品されたら死ぬ気で落札しますっ!
しかし、あのハンマーを見ても笑いもしなければビックリもしないロアってば…。何気に『カッコいい…(はあと)』とか思っているのかもしれんな。だとしたら同士だっ!(イヤな連帯感)

本気モードのロアにも負けない少佐殿。壁にゴリゴリされつつも、反撃してジャイアントスイングかますお姿にはうっとりです。
その前のパンチの応酬はショボかったけどな。重みが足りん(偉そう発言。偉そう大佐が乗り移ったか?)
『久しぶりに血沸き肉踊る』と、好敵手に出会えて嬉しそうな少佐殿に心和みます。イヤ〜な役回りで生気なかったからねえ、最近。

『さすがアームストロング殿』と、少佐へ礼を通すロアは、イシュヴァール殲滅戦に一平卒として参加していたそうで。
元同志かと驚愕しつつも、ならば尚更無駄な殺生は好まんと投降を促す少佐殿ですが、ロアはにやりと笑って曰く
『それはムリな注文だ』

後から軍の皆様が大挙してやってきて退けるように促しても聞かず、『命を無駄にするな』と告げる少佐殿。
複雑な表情でロアとのやり取りから眺めていた強欲さんですが、そうさせてもらうと逃げ道もないのに余裕の表情です。
キンブリーとタッカーに伝えておけ、必ずこの礼はすると捨て台詞を残し、ロアの豪腕でムリヤリ横道を作って、強欲さん御一行退場。

当たり前なのだけれど、アームストロング少佐も命令とは言え罪のない人々を殺してきた科を背負っているんだなあと、無益な殺生を口にする姿にしみじみとしたです。
アニメのマスタング大佐はエピソードてんこ盛りだし、他の方々もまあ色々とあるのでしょう。ついこの間まで戦争していた国の軍の方々だもん。

ある意味戦争そのものを描くより、終わった後で、実際に手を汚した人が平和な世界で生きている光景って方が生々しい感じがします。
何事もなかったかのように上手く生きていく人も居れば、その時の緊張感から逃れられないヤツだっているでしょうし(キンブリーもこの系統か?)、澱を呑み込んで更に先を目指す人も居るでしょう。
…とか考えると、鋼の世界観って、自分が感じているよりもずっとハードなものかもしれんと思ったです。

普通の客も女も関係なくバリバリ殺した模様のデビルズネスト。誰一人生き残りはいないんじゃー?
大人しくなった師匠夫妻とエド兄は、スカ人形に変わっていました。3体セットでネットオークションに出品されたら以下略。
師匠夫婦とは別れて、一人でアルの探索に出るらしいエドです。

粗末な小屋で一服中の強欲さん御一行。…とは言っても、強欲さん含めて4人しか逃げ延びた者はいなかったようです。
悔しそうに舌打ちし、これからどうするかと逡巡する強欲さんの前にラスト&グラトニー登場。
グラトニーとは顔見知りだったわね、私が新しいラストよと、七つの大罪は代替わりするらしいというハナシ。

強欲さんの選ぶ道は二つに一つ。封印されるかこの場で滅びるか。
原作のお父様の代わりに『あの方』だそうで。お前らにやれるのかと強気だった強欲さんが、140年前に封印された事を突きつけられると顔を歪めるのですが。それのせいで力が衰えるとかそのての設定があるのかしらん?
あの方は怒っているわ、もう終わりにしましょうと、いつものように気だるいラスト姉さんと、終わり終わり♪ と嬉しそうなグラトニーです。

アルを縛っていた鎖を斬って、内にいるマーテルを頼むと告げるロアとドルチェット。強欲さんを逃がすために身体を…命を張る模様。
ここであなたを失う訳には行かない、皆のあだ討ち任せましたよと、今時珍しい人情話をホムンクルスとキメラにやらせるって辺りに、何か意図があるのかなと思ったり思わなかったり。
いや、人間が裏切ったり問答無用の殺戮を行ったのに対し、人外の者たちの深い情の繋がりを見せるって辺りに何がしかのメッセージがあるんかなーと。

かなりためらったようですが、2人の必死の決意を無にする事は出来ず、アルを促して後ろを見せる強欲さんです。
原作では、強欲ゆえに部下という所有物を見捨てないという意の、思わずほろりとくる名台詞を残していましたね。

尻尾を巻いて逃げてもいいんだぞなロアに、そうしたいが啖呵きっちまったしなあなドルチェットで、どちらも逃げる気なんてさらさらない覚悟のお二人です。
やっぱりグラトニーのお食事になってしまったのでしょうか? しくしくしく。せめて大総統の手にかかってくれれば諦めもつくものを。

夜空に突然舞う鳥の群れに、ダンテさんの家の方かと走るエドと、逃走中の強欲さんとアル。
お前も人がいいなーと呆れ顔の強欲さんに、そんなコト言われたってーと、ちとふてくされた感じのアルが可愛らしいです。

朝までそいつの中に入っていろ、それまでオレが戻らなかったら一人で逃げろとマーテルに言い置いて、強欲さんはアルを解放しました。
それじゃ納まらないのはマーテルさん。出しなさい! とムリヤリ出てくる所を、グリードさんは出るなって言ったよと、ちゃんと言う事を聞く偉いアルです。
エド兄もちっとはこの素直さを見習いなさい。…でも素直なエドなんて、エドじゃないって気もするねえ(しみじみと)

強欲さんの向かった先はダンテさん家でした。どうしてここに足が向いちまうかなあと自嘲気味に入っていく強欲さんを見守るラストたち。いい子ねグリード、これであの方の思い通りの展開と、微笑みながら言い放つラスト姉さんです。
もういいの? なグラトニーに、これでお仕事はおしまいと優しく告げるラスト姉さんてば、ホントに面倒見のいいお方。
口の周りを真っ赤にしながら、お腹すいたとこぼすグラトニー。2人食べてもまだ足りないの? しくしくしく。

強欲さんを出迎えたのはライラでした。
『貴方がここへ来た理由は、ここが貴方の生まれた場所だから』

導かれるままに書庫らしい部屋に通される強欲さんですが、何だか苦しそうです。
部屋にポツンと置かれている丸テーブルの上には人間の骨が。苦しそうに顔を歪める強欲さんが口にする前にライラが言うのは
『貴方の骨よ』

やはり強欲さんのママはダンテさんだったようです。
人体練成の材料に甦らせる故人の骨って使わないモノなのか。触媒にでもなるだけで、骨そのものがホムンクルスの構成物質になる事はないのだろうか、つーか、兄弟の人体練成では骨使わなかったよなーとか、まあ色々と疑問はあるですが。

一番知りたいのは、この骨とダンテさんの関係ですね。夫だったのか肉親だったのか、それとも一途に思い続けた片想いの相手だったりしたのか。ワイドショー的な興味が〜。

それを本人に聞こうにも、真ん中から真っ二つの状態ではもはや真相は藪の中でした。
まさか『もう会う事もないでしょうね』の意が、本人が物語からリタイアする事を示していたとは思いませんでしたよ。
ダンテさんの理想も師匠が信じられない事も聞きたかったですねえ。

さすがに驚愕の色を隠せない強欲さんの立つ部屋の天井が、突然青い光を放ち ─ 。
天井には、私たちには一番御馴染みの練成陣が描かれておりました。

おめえみていなガキがこんなコト出来るワケがねえ! 一体誰が!? ─ で、まさかあいつがと、往年の(まだ死んでないかもしれないのにー)マルコーのごとく、引っ張ったまま肝心のコトは強欲さんも教えてくれないようです。
だからあいつって誰? ラストのいう『あの方』のコトですかい?

一回こっきりのゲストキャラと思いきや、不敵な笑みで苦しむ強欲さんを見つめるライラ。
うーむ、この調子だと怪盗セイレーン再登場なんてコトがあるかもしれませんねえ。というか、ライラがヨキの元にいたコトすら仕組まれた何かって展開もありかな?

光り輝くダンテさん家を目撃したエド兄、家の中にお急ぎ中。
その頃の強欲さんは、一気に封印された140年分年を取ったようでした。赤い石を吐き出して、いつものふてぶてしい態度を見せる余裕もなく本当に苦しそう。
『オレの命が…っ!』

この赤い石って、砂礫の大地編でラッセルたちトリンガム兄弟が精製していた赤い水から作られた赤い石と同じものなのでしょうか?
第五研究所においてあった、人間から作られたらしい赤い水と、山の間を流れていた赤い水とはまた違うようですが。

いや、赤い石とホムンクルスの関係に、トリンガム兄弟のお父さんがセントラルから帰ってきた事情が隠れているのかなあと、ふと思ったりしたもので。
錬金術を使うなと、お父さんがトリンガム兄弟に言い聞かせたってのも何だか意味深っぽいし(まあ、何の意味もないのかもしれんが)

それはサテオキ。

練成陣から逃れて、何とか助かったらしい強欲さん。でも大分消耗しているようです。
ようやっと周りを見渡す余裕が出来た時には、ライラはいなくなっていて、その代わりに事情を知らないガキが登場。
エドの顔を見た途端に、苦しそうな表情をひっこめて皮肉な笑みを浮かべる強欲さんて、ほんっと〜に大人です。

日頃の行いのせいってワケでもないでしょうが、事切れているダンテさんを手にかけたのは強欲さんだと思ったエド兄。
強欲さんも否定はしません。トレードマークの黒メガネをかけて、苦しい素振りは微塵も見せず。ガキに強欲さんの変化など見て取れるワケもなくー。
アルは何処だといきり立つエドに、返して欲しくば分かってんだろと本気モードの強欲さんです。

『覚悟は出来てるか…』と、エドに言うようで、実は自分に言い聞かせるように呟いた強欲さんの、口の端上げたいつもの笑みの後にふと見せた表情が意味深でしたね。ああ、死ぬ気なのかなって、ちょっと思った場面。

返してほしくばーのアルは、未だにマーテルと格闘中でした。
ダンテさん家ではエドと強欲さんが対決中。ちゃんと動いていて気持ちいい。先週は止め絵で誤魔化してるって感じだったからねえ。

エドをボコって、正してみろよ、オレたちは過ちなんだろ? と揶揄する強欲さんは、何気にエドの言葉を根に持っているのかもしれません。そりゃ自分の存在を『過ち』って言われちゃねえ。
神さまに『人間の存在は過ちだった』って言われても、でもこうやって生きてるし、生まれちゃった以上死ぬのイヤだしーって言うしかないもんな、人間たる私としては。

オレを倒したいならと言う強欲さんの言葉の後を、殺す気でやれだろと継ぐエド。さすがうちの整備士だ、こんなになってもまだ動くと、確かめるように機械鎧の指を動かし第2ラウンド開始。

第2ラウンドはエド兄優勢。
強欲さんの最強の盾の正体は、人体の3分の1を占める炭素。それこそ鉛筆の芯からダイヤモンドの硬度まで自由自在です。
7巻コミックスの感想でも書いたのですが、炭素だとすると燃えるので(もちろんダイヤも燃えます〜。燃えるというより揮発する感じだそうですが)、大佐辺りと対決させたら一発KOだったかと思われます。KOどころかこの世から消えるかもねー。

もう勝負はついてんだろうと偉そうエド兄に、まだ勝負はついていないとしぶとい強欲さん
『弟に聞いただろう オレはなかなか死なないんだよ』

だったらしゃべりたくなるまでぶちのめすだけだと言うエドに、こうでなくちゃ面白くない、さすがオレの見込んだガキだと、嬉しそうに、そしてさり気なくコクる強欲さんです。
いやー、スカーといい強欲さんといい、エド兄モテモテね。オトコに。

ラストバトル。カット割りで誤魔化さずに動く動く。強欲さんのラストバトルに相応しい動きです。
せっかくのアニメなんだもん。これくらいは動いてくれないとねえ。アクションシーンでマンガの方がよっぽど動きがあるってのは、『動く事』が大きなアドバンテージのアニメとしては悲しむべきコトだと思われます。大変だろうけど頑張って。

最強の盾を無効にして胴体むき出しにし、勢いにのって串刺しにするエド。刺された後の強欲さんの一言は
『よくやった』

多分、これくらいじゃ死なないと思っての思いきった一撃だったとは思うのですが。そう思わなきゃやってられんのですがー。
おかしな様子の強欲さんに戸惑っているのに、開口一番『アルは!?』のエドってば、ホントに自分の欲望に忠実というか正直というかで、ああ、おバカな子! と嘆きつつも、何だかとっても愛しいです。

(アルは)とっくに開放したと、やっぱり皮肉な笑みを浮かべる強欲さんですが、大量の血なぞ吐いてしまいます。さすがにおかしいと思ったのか覗き込んでくるエドに、ホムンクルスは錬金術師が甦らせようとした人間の骨を前にすると動けなくなる、それが弱点だと告げます。

何故それをオレに教えると訝しげなエドに、お前なら倒せると強欲さん。
オレはもう封印されるのはゴメンだ。強欲だからオレの命はオレの好きにするってコトで、エドとの対決に自分の命を使う事にしたらしいです。

後は任せたと、そのまま静かに去るかと思った強欲さんですが、エドに断末魔を見せつけて逝ってしまいましたな。
ウソだろ…と呆然とするエド。何してんだよ! ふざけてんなよ! 頭ふっ飛ばしても死なないんじゃないのかよ!…と蹴りを入れても起きる事はなく(つーか、蹴り入れんなよエド兄…)
それこそ断末魔の叫びを漏らすエドと、赤い水の中に溶けるように消えていく強欲さんです。

さすがにこの時は、エド兄に同情しちゃいましたねえ。
今までの強欲さんがアレでしたから、まさか自分が命を奪うコトになるたあ思ってもいなかったのではと。タカくくっていた部分もあるでしょうし、あのくらいしないと勝てないとも思っていたでしょうし。

人間でないとはいえ、言葉も通じ意思の疎通をした相手を自分の手でこの世界から退場させたってのは、やはりきっついでしょう。人殺しをしたくないエドにとっては。
せめてもの慰めはホムンクルスは人間じゃないってコトですが、そんなの慰めにも何にもならんってのは、本人が一番分かっているんじゃないかと。

本体が居なくなると骨も原型を留めなくなるのかそれともただの偶然なのか、強欲さん(の素)の頭蓋骨が崩れたのに気づいて訝しげなアーチャー中佐と、意味深に笑うキンブリーです。

強欲さんの戻ってこない朝。一人去るマーテルと、声はかけたが後が続かず黙って見送るアル、強欲さんの消えた後を呆然としたままみつめるエド。それでも朝はやってくる。明けない夜はない。
ダンテさんと強欲さんらしい墓の前に佇む師弟です。

旅立ちの時。
イシュヴァールに行くとのエドに、このままここにいたら迷惑をかけるからのアル。
軍に狙われるかもしれないからしばらく身を隠して欲しいとのエドの言葉に、お前らに心配されるようじゃおしまいだなと、苦笑気味の師匠です。

どうしても行くのかとの問いに、はいと言いきるアルと、どんな事があっても旅を続けると告げるエド。自分たちの身体を取り戻すまで。
また会おうという師匠の目をまっすぐに見つめて『はい』と答えるエドが愛しいなあと、しみじみしている内に幕でした。


アニメ飛ばす〜。強欲さんを手にかけるのがエド兄とは思わなかったわ。やってくれたねえ。

奇しくも原作の方で、銃はいい、剣やナイフと違って手に死に行く感触が残らないからという台詞が出ていましたが、それで行くと、ダイレクトに最後の手応えっつーのをエドは感じているワケですな。
まあ、生暖かい血が飛び散らなかっただけマシって気がしなくもないけれど、そりゃマシなだけであって、さっきまでしゃべって動いて意思の疎通を図っていた相手を、永遠に動かない物体に変えた事実に変わりはなし。

それでも前に進もうと足掻くエドは、とってもとっても愛しいです。頑張れと声かけるより、どんな結果になっても最後まで見ているからねと、木の陰からそっと見守る明子姉ちゃん状態。

アニメのエドと原作のエドはまたちょっと違いますが、基本的に乱暴者でバカで正直で、賢者の石関係だけじゃなくて、世間だったり大人とだったりの中で、足掻いているって部分はどちらも愛しいですな。

そして強欲さんてばとってもいい人だったけれど、最後の最後でエドに引導を渡す役を押し付けたって辺りがとっても強欲で、子供なんだから大目に見てやって〜と、ちょっと恨んでみたり。
アニメは確信犯で、各キャラの弱い部分をさらけ出してきているようですが、それはホムンクルスに関しても例外ではないようですね。
それはそれで、まあ頑張って欲しいもの。私は原作のどこまでも強欲だった彼の方が好みですがな。

最後にひとつだけ不満。いつまでウィンリィは兄弟の後をついていくんですかー? 私この構図だけは納得行かんですよ。

……はっ。もしやこれから大佐とウィンリィを引き合わせるつもりですか?
それならワクワクですが(ひでえヤツだよしばた)


さて来週は。
おや? ラスト姉さん主役の回ですか? どんな話か予告からはさっぱり読めません。

メガネの兄ちゃんが好みなので(スカーの兄ちゃんに似ているように見えるのは気のせいだろうな)ちょっと楽しみでーす。
ガキたちは一回休みってコトでも良し!(だから、あんたはエドのファンじゃ…?)


(2004.6.7初出)

第35話「愚者の再会」
粗筋:(アニメ公式サイトより)

ラストは、偶然にも彼女の過去を知る人物、ルジョンと出会う。 2年前、ルジョンは故郷の村を襲った原因不明の難病・化石病の治療法を見つけるため、錬金術の研究に明け暮れていた。


新しいガンガンが出る度に、私の中のマスタング大佐株が赤丸急上昇するのが非常に悔しいです。
何だか何かにこっぴどく負けた気がして悔しい。とっても悔しい。悔しいけどナイスに腹黒くててカッコいいわ〜。くっ 負けたっ!
鋼にハマった当初は大佐の事はアウトオブ眼中で、全然視界に入っていなかったんだけどねえ。人は変わるものなのね…。

コミックス派の方もいらっしゃるでしょうから多くは語りませんが、ロイエド者にとっては美味しかったり困ったりと、まあちっとばかし気が揉める展開です。
少佐の優しさにほろりとし、ホムンクルスの方々って意外にバカ? …とも思いましたね。あの大佐が、大人しく預けられた餌食って済ませるワケないじゃーん。


お子様お断りのメロドラマの回。ベタでありきたりでしたが、恋愛物のパロディとしてなら結構楽しめました。
ラスト姉さんの色気に喜びつつ、2人だけで夜通し過ごして手を出さなかったとしたら、何てだらしない男なんだと思ったりして。子供向けのアニメなんだよしばたと、自分を戒めなくてわ。

西部劇に出てくるような場末のバー。客はホムンクルスのお三方のみで主人は暇そうです。机ガジガジなグラトニーが可愛い。

グリードの死を世間話のように口にするエンヴィーと気だるげに答えるラスト。
ある意味あの男らしい死に方だった。ぶざまで、でも美しいくらい激しく…と、万年倦怠感を漂わせたラスト姉さんから『激しい』なんて単語を聞くとは。
ちょっとばかし羨ましそうに見えたのは気のせい?

一人くらい減ってもまたあの人が作ってくれるさーって、エンヴィーの口からは昔(具体的に言えば第22話当時くらい昔)、『作られたんじゃない、生まれたんだ』って言葉が飛び出したと、感想文には記されているのですがー? 聞き間違えたのかなあ?
謎ですねえ。つーか、細かな設定を合わせてくださいヨ。

新しいラースが見つかってスロウスが預かっている、何させちゃおっかなーとのエンヴィーの言葉に『ナニさせるんだったりして…』と、ちと下品なコトを考えてしまったしばたさんです(あくまで少年少女向けの番組ですからねしばたさん)

しかしそんなエンヴィーのにやにや笑いを余所に、ラスト姉さんは窓の外を眺めて物思いに耽り中でした。命題は
『私たちは何処から来て 何処へ行くのか』

…これまた答えの出ないコトを。若いねえ。

ラストの言葉を『くだらない』と一刀両断するエンヴィー。
ボクたちは今ここで生きている、何処かに行く必要はない。それで十分だと。
早く店を閉めたくて追い出そうと怒鳴る店長を無視し、堪忍袋の切れた所を心臓一突きで永遠に黙らせてしまうエンヴィーです。

容赦ない姿に惚れ惚れしつつ、こんなに陽が高いのに店閉めるつもりだったのか親父、よっぽど気味悪い客だと思ってたんだな、ついでにもっと慎重な性格だったら死なずに済んだかもねえ…とか思ったしばたさん。
グラトニーのお昼になっただけマシ?(んなワケねえって)

窓の外を眺めつつ、またもや答えの出ない一人問答を繰り広げようとしていたラストの耳に、車の追突音が聞こえてきました。
事故に巻き込まれた模様の子供が一人、腹が破れて瀕死っぽい。
突然の不幸に、怪我した子供を抱いて嘆くだけの母親の元に駆けつけるのはメガネの兄ちゃん。
傷口に当てる手には、何処かで見たような赤い石の嵌った指輪がありました。赤い光と共にみるみる傷が塞がっていきます。

ってなコトで、指輪の持ち主な眼鏡っこのルジョンとラストは顔見知り。つーか抱き合う仲だったらしいですヨ。
見つめ合う瞳と瞳、二人の間の現実の時は止まり、過去へと逆巻き流れ出す…なーんちゃってな。

しかしわざわざ事故現場を覗きに行くたあ、ラスト姉さんは意外に物見高い性格しとりますな。

森の中を行く荷馬車には、今回完全脇役の子供たちが揃い踏み。
この道でいいのかなと不安げに兄に問いかけるアルに、とにかく南に向かっているのは間違いないんだと答えるエド。
その内イシュヴァール人のキャンプに辿り着くさって、エド兄ってばホントに大雑把なヤツ。

イシュヴァールの人に何か聞けば分かるの? と尋ねるウィンリィに、他に手がかりはないと答えます。ホムンクルスの奴らに操られたくないからなってトコロがエド兄っぽい。
こーいう所が、何気に某大佐と似通った性質だなあとか思ったり。やはり類友。

と、絹を裂くような女の悲鳴がエド兄には聞こえた模様。いい耳しています。犬笛の音色も聞こえるかもねー。なんたって軍の狗だし。

案の定、一人旅の女性を襲うチンピラたちという、様式美とも言えるお約束な展開が待っていました。
『お約束通りにわき出しやがって』
と、兄貴と一緒にため息ついたしばたさんです。オリジナルな部分があるとすれば、女性を助けるのが豆ってコトくらいか。

このチビガキ! 言われた時点で電光石火で飛び蹴りが入るエド兄は、たとえどれだけ経験を積んで成長しても、肝心なトコロは相変わらずな性格のようです。
早く大豆になれるといいね(…と、生暖かく)

兄の大暴れを木の陰からそっと見守るアルとウィンリィ。2人の呆れた表情から、エド兄ってば嬉々として暴れているんだろうなあと思うと微笑まし…いかしらん?

お腹いっぱいで満足そうなグラトニー店長のお店では、ラストとルジョンがしっとりとお話中でした。
2年振りだよね、まさか君ともう一度会えるなんて…と、陳腐な台詞が良くお似合いのルジョンさん。
ここから先もベタベタに定番な台詞のオンパレードで、恥ずかしいのを通り越していっそ清々しいくらいのベタっぷりです(褒めてますヨ?)

教えてくれないかな、何故君はオレの前から姿を消したんだとの、未練たらたらなんだな兄ちゃんな台詞に、『覚えてないわ。そんな昔の話』と、ラスト姉さんははカッコ良く切り返します。

しかしこの兄ちゃんは、そんなつれない態度くらいじゃめげないぞ。君はオレに多くの事を教えてくれた。錬金術や、もっと大事な ─ 。
さーて、大事なコトって何かなあ? お姉さんに包み隠さず告白してみなさい♪

そんなありきたりの台詞なぞ無視して、ラスト姉さんは村から一歩も出た事がない貴方が何故ここにと逆に問いかけます。
賢者の石を探しに来たとルジョン。やはり指輪はラストから貰ったようで、この石のおかげで克服出来た病がまた蔓延したらしく ─ 。
石の力が弱くなったようなので、新しいのを探しに出たようです。

昔のようにもう一度力を貸して欲しいとルジョン。何気に『昔のように』に力が入っているルジョンてば、ホントに未練なんだねえ。

ってなトコロで回想シーンです。

どしゃぶりで地盤が緩んだためなのか、土砂崩れに巻き込まれた馬車。ラストとグラトニーも居合わせていました。
食べていい? なグラトニーに、ダイエットした方がいいとラスト。その言葉に我慢するグラトニーって可愛いヤツ。

土砂崩れでは女性が一人、何とか助かっていました。ラストたちに薬草を村に届けてくれと必死でお願いします。
そんな所に救助隊が到着。その中にはルジョンの姿が。縁ありらしく(後から婚約者だと分かりましたね)助かった女性、リビアさんの元に駆けつけるルジョンですがー。

必死の思いで持って来たであろう薬草を『役に立たない』って弾き飛ばすたあどういう了見ですかい?
こんなモンのせいで、大事な女性が土砂崩れに巻き込まれてしまった ─ とか思ったのかもしれませんが、それにしてもあまりに配慮に欠けてるんじゃないか?
ケツの穴の小さいオトコだよ、ルジョン。あんたがラスト姉さんに付いて行けるたあ思えんね。ルックスが好みなだけにムカつきます。

村には化石病とやらが蔓延しているとラストたちに告げる言葉に、オレの錬金術で治してやると口だけは達者なルジョンです。

大暴れしてスッキリなエド兄及び他2名と、話題のリビアさんで一休み。やられ役の皆様はまとめて縛り上げられ中。
ルジョンを探して一人旅をしていたとのリビアに、探す訳は分からないけれど女性の一人旅は危険ですよと親身なアルとウィンリィ。
それなのにエド兄ってば、目の前の女性よりチョウチョの方が気になるようです。あー、このお子様っ!

このままだとルジョンに会えなくなる気がすると訴えるリビアに、一応話は聞いていたらしくよそ見をしつつも、何故そいつは村を出たんだとエドは尋ねます。
彼女の答えは
『新しい賢者の石を探すために』

あまりにあっさりと単語が出て来たためか、意味を咀嚼して驚くまでに時間がかかったお子様達でした。

彼女の村での流行り病を治すためには賢者の石が必要 ─ ってトコロでまた時は遡ります。

どんな薬も効かない恐ろしい化石病は、徐々に肉体が石や枯れ木のように変質していき、ある程度まで病状が進むと爆発的に進行して身体中が化石のようになって死んでしまうらしいです。
ルジョンから渡されたカップを落としてしまったリビアも、どうやら発病している模様。

飛び込んできた村人たちと共に行き、今にも死にそうな子供を練成陣に横たえて、ルジョンは崩壊した肉体の分解と正常な肉体への再構築を試みますが失敗。まだ8つになったばかりなのにと号泣する両親と、肩を落とすルジョンです。

ルジョンは呪文めいた言葉を唱えていますね。呪文というより聖書の一節って感じ。言葉そのものに意味があるのか、それとも精神を集中するため程度の補助的な意味合いなのか。
…本当に錬金術って科学? ホントにホント?>エド兄

リビアさんが発病したその頃、ルジョンは雨の中で一人苦悩中でした。
オレには何も出来ない。神に祈る事しか。どうかそのお力で 小さき者をお助けください(神の名は聞き取れず)

それを見ていたラストさん、その言葉が記憶にひっかかったようです。
ベッドに寝ている自分、傍らで悲痛な声で祈りを唱える男。

イシュヴァールの神よ。どうかそのお力で 小さき者をお助けください。

ルジョンと記憶の中の男が似ている事にほだされた…ワケではなく、何がしかの下心を持って、ラストは未熟な彼へ手助けを申し出ます。
『私が教えてあげるわ。本当の錬金術を』

お姉さんが優しく教えてあ・げ・る(はあと)ですか。羨ましいねえ。

荒涼とした砂嵐吹きすさぶ中、一人佇むはスカー。手に持つペンダントは、アルとお友達になったイシュヴァールの兄弟のロケットかしらん?
大佐の魔の手から逃げ延びた…のかな?

ルジョンはラストと一緒に村行きの馬車に乗ってルンルン気分(言い回しが古いって…)
ボクは賢者の石を探していたんじゃなくて、本当は君を探していたのかもしれないって、ホントにもう、あんたハーレクインか何かの読みすぎちゃう? 今時2時間ドラマでもそんな台詞みかけんぞ。

ところでルジョンってば、自分のコトを『オレ』と言って男らしさを演出してみたり、今回みたいに『ボク』と言って可愛らしさを演出したりしているのですが、結構したたかに計算しているのかもしれません。
ウブい顔してるくせにねえ。

私も会いたかったわとラスト姉さん。やったぜ脈あり! …と嬉しそうなルジョンには、その後続けた『あそこには忘れ物をした気がする』って言葉は耳に入らなかったコトでしょう。
入ったからといって、結末が変わったとも思えないけれどね。

リビアもお子様達と一緒に町へと帰り中でした。
ウィンリィにルジョンの事をつっこまれて、ちょっと寂しそうに振られてしまったと告白するリビア。
私はずっとあの人の事が好きだった。でもあの人が本当に愛したのは ─ 。

先生ラストと生徒のルジョン。
玉石混合(どうやら石が圧倒的らしい)のルジョンの蔵書から玉だけを取り出し、順番通りに読んで全て頭に叩き込むようにとのラストさん。
スパルタかと思いきや、『オレにはとてもムリだ!』なーんてあっさり弱音吐くルジョンを、貴方には才能があるんだからーと持ち上げる気配りも持ち合わせます。
ラスト姉さんに肩に手をおかれて『自分を信じて』なんて言われたら、そりゃムリでも頑張っちゃうよな。

スーパー家庭教師のラスト姉さんです。

一生懸命本と格闘しているルジョンの横顔を見て、またもや記憶を掠める男の面影。誰なの? というコトで、脳裏に姿は焼きついているけれど、それが誰かまでは分からないようですね。

ホムンクルスの皆さんは、自分の親(といっていいものか)の記憶はないのでしょうか。スロウスが兄弟の人体練成の成れの果てだと仮定すると、兄弟を目にした時に何がしかの感慨はあったのかしらん?
謎は深まるばかりでございます。全て解ける日が来る…んだよね?

それにしてもラスト姉さん、錬金術は使えなくてもかなりの知識を持っている模様ですね。ダメ元で勉強したのだろうか。

そんな熱々の二人の背中を黙って見ているリビアさんは可哀想。ホントに鈍感というか無神経というか。イヤな男だよルジョンってば。

人目につかない場所で練成陣を描き、人の代わりに小鳥を癒す事に挑むルジョン。その時ラストから賢者の石を手渡されます。
横たわって動かなかった小鳥が空高く舞い飛んだ姿を見て、思わず顔を輝かすルジョンです。どさくさ紛れにラスト姉さんの手を握っているしー。

しかし小鳥は、しばらく空を謳歌した後に、また動かぬ物へと変わってしまいました。物語の最後を予告するシ−ン。

オレの気持ちを知っていたのにどうして姿を消したんだーと、本当にしつこい男のルジョン。場合によっちゃあストーカーになりかねないしつこさです。
ラスト姉さんは慌てず騒がず、曇っていたルジョンの賢者の石の輝きを戻して曰く
『全ての答えを求めちゃダメ。身を滅ぼす事になるわよ』

女の対決。
ルジョンを取らないで、私たち結婚の約束をしているのと満身創痍のリビアに、あらそれはおめでとうなラスト。ベタだなあ。
ふざけた態度に怒った所に、死の発作が襲ったようです。

オレが助けてやるってなモンで、賢者の石を利用して肉体の練成を試みるルジョン。今度は見事に成功。変わり果てた姿がまた元に戻りました。
これで助かると、喜ぶ村の人たちです。

まあラストってば優しいわね…ってな話になるワケがなくー。
ご親切にも、エンヴィーとともに謎解きをしてくれます。アニメってホントに親切ねえ。

化石病を流行らせたのはホムンクルスの皆様の仕業(エド風に言えばウロボロス組ですか)
偽の賢者の石を与えて病を癒す希望を与え、その後に力を奪う事によって絶望を与え ─ 。本物の賢者の石を求める他術がないまで追い込む。
『ボクたちのためにね』

こんなコトをあちこちで繰り返していたそうですが。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるの世界ですかね?

ルジョンとリビアの結婚式当日。姿を消した花婿は、他の女をくどいていました。
『キミがオレに教えてくれたのは錬金術だけじゃない。もっと大事な事を君は ─ 』で、おお、色っぽい話とワクワクしたのだが。

突然ラストに抱きついて(抱きしめてなんて言ってやらんもん)、ずっと側にいて欲しいなんちゅー、これまた使い古された陳腐な台詞を吐くルジョン。その言葉にまたもや知らない男が脳裏に浮かぶラスト姉さんです。
そんな所を花嫁に見られてーって、ああこうお約束続きだと、もう勝手にやっとれって感じー。

ぐずぐずしているルジョンを叱咤する勇ましいラスト姉さんですがー。計画を最後まで実行せずに途中で去ったようです。
エンヴィーは怖いのか、グラトニー。うんうん。

輝きを取り戻した賢者の石で、化石病を駆逐したらしいルジョン。高台から息を吹き返した町の皆の元気そうな姿を見て嬉しそうです。
傍らに立つラストは何を思うのか。

星の降る夜空の下で、また君に助けられたとラストに礼を言うルジョン。それだけじゃ飽き足らず、ラスト姉さんに抱きつきやがります。
覚えているかな、あの日オレは君を抱きしめたって…。あの自分の結婚式の日までラスト姉さんには指一本触れなかったのですか?
さすが少年少女が観るアニメの登場人物。並大抵の精神力じゃありません。

ラストを抱きしめて、でもあの時とは違う、もう君を離さない。…やっぱり恋愛小説の読みすぎじゃ…?

その時のラスト姉さんの脳裏には悲痛な叫びが響いていました。『行かないでくれ!』
悔恨を消すようにルジョンを貫く最強の鉾、町中に響く悲鳴、驚愕、怒声。
訳も分からず息絶えたルジョンを見下ろしてラストが口にした言葉は
『お前は私の 小さな汚点だ』

リビアと子供たちが町に着いた時には、時既に遅く死の町と化していました。
ルジョンを求めて駆け出すリビア。彼女を追いかけた子供たちが見たものは。

変わり果てた姿で寄り添うルジョンとリビア。

呆然としつつも遠くに響く馬のいななきに顔を歪めるエドと、グラトニーのお腹すいたで幕でした。
(どうでもいいが、御者は誰がやっているのだろう?)


なんつーか。メロドラマ…というよりは、メロドラマのパロディ。
そう思って割り切って観れば、ラストの救いようのないオチも含めて、それなりに楽しめました。

しかしビジュアルが好みだった分、ルジョンの無神経さには腹が立ったわー。

あまりにもベタで陳腐で聞いてて恥ずかしい台詞ばかりで、お笑いと割り切らないとちとつらかったです(^^;)
中高校生の方々には却ってこういうのが新鮮なのかしらん?

もしかしたらと思って脚本担当を確認したら、やはりしばたさん内では欠番認定な第4話『愛の練成』と同じ方でした。
どうもこの人の脚本とは相性が悪いみたいです、私。

閑話休題の話としたら、それなりにきれいにまとまっているとは思います。オチも結構好きですしね。

『私たちは何処から来て 何処へ行くのか』

このラスト姉さんの疑問は、人間だって一度は考えるコトでしょう。考えるよりも日々生活が忙しくなったりしますが。
私は頭が悪いので、このての事を考えても一瞬で終わってしまいます。今を生きるので精一杯。

さて、ラスト姉さんやエド兄は、この命題を解く日が来るのでしょうか。
頑張って解答を目指して欲しいものです。…私も怠けていないでたまには頭を悩ませてみますから。


さて来週は。

エドたちはイシュヴァールの方々と接触した模様。機械の腕を怖がられちゃうのかなあ?
やはり機械鎧も神への冒涜なのかしらん?

ウィンリィの大活躍も気になるけれど、彼女の涙と並んだ写真立てとの関係も気になります。

…来週はウェット? また気合入れて見なきゃダメ? がんばらにゃ〜(気分だけでも上向きに)


(2004.6.13初出)