陽の当たる世界に戻れるよ

第41話「聖母」
粗筋:(アニメ公式サイトより)

指導者を失い混迷し続けるリオール。その混乱に乗じ軍事的に制圧を目論む軍部。ついに鎮圧部隊は市街に進軍する。そしてスカーは、リオール内乱を利用し、「賢者の石」を完成させようとしていた。


さーてと。物語も佳境に入り、あまり茶化した文章を書くのが憚れる展開となってきましたが。
そんなコトより、1週間の間に一挙2話分の感想を無事こなせるかが心配だぞーってコトで、頑張って一話目参りましょう。

1時間スペシャルを観終わってからPCを立ち上げた途端、『スカーは背中で語る漢』な青年からメッセンジャーで熱いシャウトが飛び込んできました。
『スカーがァァァァァっ!』

スカーは最期まで立派だったと彼。最期まで受けだったねとワタシ(あんたはどうして感動に水を差すようなコトを〜)
彼は他の方にも熱く『スカーは受け』説を語られたと苦笑しておりました。
そんな熱い青年に敬意を表し、現在哀悼の意を捧げ中です。

しかし古い付き合いのサイキ者(特に男性陣)が、鋼コンテンツを覗いている等と思っていなかったのだがー。甘かった。甘かったわ…(T-T)
怒らないから、実は生暖かく見守っていた人は告白するように>オンの知り合い達へ

40話感想の、ロゼの抱いていた子供の解釈でショックを受けられた方が居たようで。
掲示板でもちょこっと書いたのですが、私的には兄弟がリオールでやらかした時から今までの時間経過って半年くらいかにゃーと感じていたので、あれをロゼの子供と考えるのは早計だったか? と思っていました。

結局真相は分からずじまいでしたが(あの赤ん坊がロゼの生んだ子とは語られていなかったと)、その辺は各々の解釈に任せる…というよりは、テレビ的にはハッキリさせる所までは言及出来なかったのかなあとか、まあ色々と思いを馳せていました。

何にしろ、女であるとか子供であるというだけで降りかかる理不尽な暴力があるってコトですかね。レイプだったり親からの虐待だったり。
もちろん、男だからってそんなに変わらないんだけどね。


どう突っ込めばいいのか分からない位にクライマックスに向けて疾走しているなあと見守っていた回。
ドップラー効果が聞こえそうな爆走ぶりでした。若いっていいなあ(年寄りめ…)

沢山の墓石に囲まれている中に立ち尽くすエドとスカー。京都の化野念仏寺を思い起こさせる光景です。
TV等ではそれなりの広さがあるように見えますが、実は思いの他小さくこじんまりとした感じです>念仏寺
でも、あそこは無縁仏に囲まれているワリには非常に気持ちがいい空間なんですよね。心が落ち着くので好きなお寺です。

閑話休題。

しかしリオールのその場所は、とてもじゃないけど心安らぐ場所ではないようで。この町に何がしかの責務を感じているらしいエドは、言葉を失うしかありません。

軍は教主を失って混乱する人々を軍事的に制圧しようとして攻撃した。お前がそのきっかけを作ったのではないのか? …とか責められてもねえ。
エドが教主を失脚させた後で結局エンヴィーが間を繋いだのだし、慰めるとしたら、その後のリオールの悲劇には関係がない、いぢめちゃえば、兄弟のやったコトは何の足しにもならない無駄な事だった。

今回の事件の一端を担ってしまったとの悔恨と、自分がやった事は悲劇の発端にすらならなかったという無力感とでは、どちらがつらいものでしょうか?
私は意外に後者だと思うんだけどね…って、ホント子供に意地悪なしばたさんだコト。

とにもかくにも関わった事実に変わりはなし。エドは膝を折って苦悩する他する事はなかったのでした。

リオールの民は人種的にはイシュヴァールに非常に近いと、追い討ちのように言葉を続けるスカー。
セントラルの連中は自分たちと同じ人間とは思っていないのだろうな。

跪いたまま否定するエドに構わず、賢者の石は完成させると言い捨てて去るスカー。それを留めようと叫ぶエドにびっくりしたのか、急に泣き出すロゼの腕の中の子供。
その泣き声が呪縛のように、結局動く事も言葉を発する事も出来ないエド兄です。

ってコトで、はっきりはしていないのだけれど、ロゼの抱く赤ちゃんは軍の罪の烙印って捕らえ方をエドはしているようですな。
身体も精神も成熟していないのに、聡いお子様には困ったモンです。

お腹が真っ赤なアル。原作と違って兄貴が居ない今、誰が洗ってくれるのだろう? しくしくしく。
亡骸となったマーテルさんは、意外に穏やかな顔をしていましたね。

タッカーが造っていたものよりずっと完成度が高いとハボックさん。これが第五研究所の遺産かと、自分たちが所属している組織の行っていた所業に戸惑いが隠せない模様。

アーチャーと共にアームストロング少佐も一緒にこれらの事を隠していたのかと詰問する面々に、言葉を濁す少佐。
そこへ響くはアルの声。
『やめてください!』

アームストロング少佐は関係ありません。ボクがマーテルさんを匿っていたんですとアル。
今はまだ言えないけれど分かってきた事がある。これ以上ケンカしないでください。

ケンカを止めて〜♪ と訴えるアル。『ケンカ』って言葉がストレートで何だか微笑ましい。
子供の必死の訴えに、嘆息しつつ黙るしかない大人たちです。ま、見せるようなシーンでもないしな。

それまで黙っていたマスタング大佐。私のアームストロング少佐に色目使いやがり…いやいや、ちょっと気の迷い。

ヒューズの遺志を継いで、マスタング大佐を上に押し上げるために汚い事は全て自分が被るつもりであったらしい少佐殿。
大佐にそう看破されて、今はまだ何も言えないと謝罪する貴方の謙虚さが好き〜!
少佐を語る時は、どうしても萌えが切り離せないしばたさん。

すまなそうな少佐をからかうように軽く叩き、続いてアルに視線も合わせず、でも通り過ぎざまにポンと肩を叩いていく大佐は、何だかヤツっぽくて好きなシーンです。

しかしまあ、アニメの大佐ってばどうしてこう乙女で受けっぽいの? オヤジ大佐好きとしては、線の細そうな彼を見る度に何だかこそばゆくって落ち着きません。
そーいう大佐は同人誌だけで十分なのだけれどねえ。

これが元で少佐×ロイなんて出てきたらー。もしも万が一見かけたらー。……どうしよう?(ちょっと葛藤中)

アルのお腹の中に逃げた後、殺されるまでにマーテルさんが告げた事。それはリオールはイシュヴァールにされるという事。そして
『大総統は あの男は… ホムンクルス!』

瞳の中のウロボロスをアルも見たようで。しかし皆を巻き込むのを恐れてか、大佐にすら告げないらしいです。

町の広場で聖母を崇めて集まる人々。
スカーがもっともらしいコトを言いながら、何処かの教主がやっていた事そのままをしてみせてますがー。
ああ、進歩がない! 何度騙されりゃ気が済むのか!?
奇跡とは、これほどまでに人の心を捕えて離さないものなのでしょうか。

…てなコトをエドも思っていたようで。手枷なんかはめられちゃって囚われのお姫様状態。髪がもっと長けりゃラプンツェル?
機械鎧を持ってすればあんな木の枷なぞ砕けちゃいそうな気もしますが。そう出来たとしても行動には移せないのかもしれませんね。

物言えぬ女を聖女に仕立て上げるなんざ悪趣味だと吐き捨てるエドに、ロゼさんは私たちに勇気を与えてくださった、レト神でも軍でもなく自分たちで立ち上がる事が出来ると、と反論する見張りの町の青年たち。

しかしガキの返答は辛辣でした。
『それもまた誰かに従っているって事なら同じだろうが!』

いみじくも、勇気を『与えてくださった』と言っちゃう辺りが依存している証拠。自分より上の、何か絶対な者に縋って安心したいと怠惰になっている事に、本人たちは気が付いていない所が根が深い。
…おっと。書いてて自分の耳が痛くなっちゃったワ(^^;)

その言葉にいきり立つ若者を押し留めたのはライラでした。人払いをしエドとの会話。そっぽ向くエドに
『仕方ないわ。私たち人間は弱いんだもの』

えーとライラさん。あなたは人間なんですかあ? …ってトコロからして気になるワタシですよ。

返事をしなかったエドは、ライラから立ち上る香に気が付きました。
香水かと尋ねるエドに、一瞬言いよどんだ後に、お風呂に入るゆとりはないからと答えるライラ。

香水の正しい使い方ですネ。香水が発達したおフランスは、香りで誤魔化さなきゃやっていけないほど汚くて匂ったようで。

それはサテオキ。
この香りは嫌いだとちょっと珍しい事を気にするエド兄に、何だか含みのある表情を見せるライラです。
この時のエド兄は、少年期と青年期の間って感じの不安定さが初々しくて、めっちゃ可愛かったな。

お母さん愛用のコロンか何かと同じ香りなので、余所の女から香るのをエドが嫌がったんじゃないかしらーって思ったりしましたがー。
…いや、『嫌い』と言っているから父親の香りってコトもあるな。

あっさり流していたワリには気になりまくる会話でした。謎解きまで覚えているように心にメモしておこうっと。

それよりあなたはどうするの? とさり気なく話題を変えるライラに、エドも直前の話題を引っ張るつもりはなかったらしく即答。
『決まってるだろ。このままスカーのやる事を見過ごしに出来るか』

そうねと、意外にもエドの言葉を肯定するライラ。このままだと市民にも犠牲が出る、それに賢者の石を作るのに失敗したら ─ 。
お前はスカーに心酔していると思っていたと驚くエドに、この町を守りたいと思う気持ちは同じと答えるライラです。

そんなライラに、エドがどうしてもきいて欲しいと頼んだのは。

夜道をひた走る子供。何だか微妙に生身の頃のちびっこいアル似に見えるがどうよ?
子供はエドからの手紙を大佐の元に届けにきたようです。頑張って走ったらしく惰眠を貪るさまが可愛いぞっと。
誰かにあっちゅー間に引き込まれるアルも可愛かったぞっと。

スカーは町全体を練成陣にしている、町の中には決して入るなと手紙には記してありました。
それを聞いて、アルはスカーの思惑が分かった模様。軍を誘い込んで賢者の石の材料にするつもりなのかなと、思わず呟いてしまいます。

初耳なコトにちょっと待てな大佐以下面々。聞きとがめられて言葉につまりつつも、アルは正直に話します。
賢者の石の材料は生きた人間、それもすごくたくさんの ─

ブレダさんは椅子ごとひっくり返り、いつも飄々としているハボックさんが煙草を取り落として茫然とするほどにはショックだったようです。

大佐はある程度予想していたのか、ただ単に驚きを表に出さなかっただけなのか、アルに手紙を届けに来た子供と一緒にエドの所に行くように促し、躊躇するアルに、リオールに手を出さなければその内降伏する、スカーを捕えるのはそれからでも遅くはないと告げます。

エドの元に行く決心を固めるアルにホークアイさんが手渡すのは、少佐から返却して貰ったタッカーが念入りに手を加えたエドの銀時計。
何がしかの思いがあるのか、時計をみつめると何処かにしまっちゃうアルです。
しまったばーしょーはー。股間にしか見えないのよ見えないのヨっ!

ま、股間はともかく(こだわるなよ)
何で大佐はアルを独りで行かせたのかなあ? キンブリーが潜入しているってコトを知らないにしても、でも何故アルに単独行動を?
私にはその意味が読み取れません。何か深い思惑があった…のかしらん?

とにもかくにも、大佐の発する『アル』って呼びかけが何だか新鮮でした。アルロイ…(大佐受けかヨっ!)

リオールの町ではキンブリーとキメラが大暴れ中。
しゃべる動物と触ったものが爆発する軍の男の報告を聞かされて、キメラと額に傷をつけた宿敵キンブリーがリオールの町に居る事をスカーは知ります。

ヤツらはただの陽動だと、当初の作戦通り無抵抗で軍を誘い入れる事を町の人たちの前で宣言するスカー。
ロゼに隠し通路を使って逃げるように言い、自分はキンブリーとキメラを始末すると告げます。

そして、階段の隅で黙ってそれを聞いていたエドの手枷を外しながら曰く
『お前には 彼らを無事に逃がす義務がある』

ああ、そうかいと投げやりに言うエドに背を向け、破滅へと歩き出すスカーでありました。

行こうぜとロゼとライラを促すエドに、随分と諦めがいいんですねとライラ。
手紙が届けば当分軍はやってこない、材料がなくてはスカーもどうしようもないだろうとエド。スカーの身を案じてか、ロゼの表情は曇っていましたな。

オレに出来る事は、お前たちを軍の手の届かない所へ逃がす事。リオールは軍の支配下になる。
オレに軍の決定を覆す事は出来ないと2人に告げる、憎むなら自分を憎めと苦渋の表情のエド兄です。

この辺が鋼の醍醐味ですよねえ。
どんなに足掻いてもどうしようもない事があるという真実をエドは知っている。知っていて、狭まった選択肢の中で最良のものを選ぼうとこれまた足掻く。

どうしようもないかもしれないと知っていても、それでも元の身体に戻るための術を賢者の石に求めてやっぱり足掻く。

エルリック兄弟は、十分経験の積んだ大人だって溺れそうな世間や世界や大いなる何かに向かって、必死になって足掻いている。
それがもう、愛しくて愛しくてたまりません。

リオールへの突入部隊、総勢7,000名を中庭に集めて悦に入るアーチャー中佐。こいつって目的のためには手段を選ばないヤツなのに、選ぶ手が意外に正攻法なのが何だかお茶目さん。

すっごく自慢げなのに、大総統のいやいやまだまだな一言で出陣は見送りに。
思わずいきり立つアーチャーに、大総統はマスタング大佐へ届いたエドの手紙に触れ、鋼の錬金術師は無事のようだ、リオールにはまだ対話する用意があるかもしれんと告げます。

この際、一瞬大佐が微笑むんだけどー。エドが無事ってトコロで微笑んだのか、それともアーチャーの敵意に満ちた視線に微笑む事で応えたのか、大総統の言葉になのか、今ひとつ判然とせず。
だって嫌みったらしいというよりは、可愛らしい笑みだったんだもの。いい年なくせにー。

それによってはこちらにも心の準備があるんだから、ハッキリして欲しいワ(一体何を準備するのだらう?)
私的にはアーチャーに向けた、いけ好かない笑み説を採りたいトコロです。腹黒大佐が好きだからねえ。

何とか出陣を認めて貰おうと必死なアーチャーに、大義名分がなければ難しいともっともなコトを告げる少佐殿です。
(少佐の出番はフォローしないと気が済まないらしい)

その大義名分のために、鋼の錬金術師を殺せとまで言ったブラッドレイ@プライド、せっかくスカーが賢者の石の材料とするために軍の侵攻を待っているのに、石を手に入れる絶好の機会なのに出陣を遅らせたのはどういう事かとのラストの疑問への答えは
『あの人の指令だ』

あの人のお心は図れん。だが、お言葉は絶対だ。
ラストも、食べる事にしか興味がないと思われたグラトニーすら怯える『あの人』の言葉です。

しかしラストは抵抗する模様。私は承服出来ない、スカーが賢者の石を作るというなら協力すると言うのに、お前はスカーに無駄な感情を抱いているのではないかと、多分本人も見ない振りをしていた感情へ言及されて言葉につまるラスト姉さん。

移し身とはいえオリジナルが与える影響は、思いの他深そうです。

我らはあの人によって生かされていると言われても抵抗するラスト。だからこそ賢者の石を探して来たと告げ、もう一度リオールに向かうと部屋を後にします。
グラトニーはあの人怖さに一緒には行けません。舌打ちして去るラストを黙って見送るブラッドレイ…プライドでした。

キンブリーは飽きもせずに破壊の限りを尽くしていました。しかし抵抗を見せない人々に拍子抜けしている模様。
その場に現れたはスカー。襲いかかるキメラを薙ぎ倒し、キンブリーの前に立ちはだかります。

やはり貴様か、紅蓮の錬金術師と通り名を呼ばれて訝しがるキンブリーですが、額の傷で思い出したよう。
覚えていますよ、その傷 私の作った傑作だ。

我が国家錬金術師を殺すは貴様で最後! との叫びと共に、スカーVSキンブリーでデュエル開始。
キンブリー×スカーではありませんでしたね。良かった良かった。

キンブリーの増幅装置は、イシュヴァールの時のペンダントではなく指輪でしたな。
あれを見て『ロイ以外に赤い指輪が似合うヤツなんていないわっ!』…とつっこんだ大佐ファンが相当数いたんじゃないかとー。

増幅装置の威力に慢心していたキンブリー、スカーの右腕と呼応するように砕けて腕に吸い込まれる石の様子に、驚愕が隠せません。

赤い石を吸収したスカーはやっぱり苦しんでいますな。兄貴は石が内に入っても苦痛に喘ぐ様子はなかったのだが。
全身で受ける衝撃を右腕一本で受けるからか、あの時のスカー兄には既に苦痛を苦痛と感じる事が出来なかったのか、ちょっとだけ謎。

前にも見た赤い石と入墨との呼応に得心するキンブリーに、苦しい息の下から、呪われた赤き光は我が内で賢者の石へと練成すると嘯くスカーです。

逃げる町の人たち。慣れ親しんだ場所を去らなければならない事に不満を漏らしつつも、ロゼの存在で何とか心の均衡を守っているようです。
聖女に出来るコトって、所詮その程度なのかも。ま、人々の心に平穏を与えるって事は難しいですけどね。

皆と一緒に歩みつつ、スカーが戻ってこなかったらどうするとロゼに尋ねるライラ。賢者の石がなければ戦えない。

それを留めるのは、乱暴と短気なトコロは右に出る者がいないエド兄。あんたが戦いを止める立場になるたあ、お兄ちゃん成長したねえ。ほろり。

オレが軍に掛け合うからよせとの言葉に、そんなの信用出来ないとライラは答えます。
すぐに散り散りになって逃げなきゃダメ。そしてあちこちの町で訴える。リオールの町で、かつてイシュヴァールで何があったかを。軍の非道を。

また噂になるなと、ライラの言葉へのエドの評価は辛辣でした。賢者の石を作ろうとした町が ひとつ消滅したと。
自分に直接関係があるワケでもないのに、何だか過剰に口惜しげなライラです。

なーんてのんびり会話をしていたら、通路の前方から突然の大水。
逃げ惑う人々の前に出たエドの前に姿を現したのはラース。

お前は先生の…とのエドの言葉にラースと呼べ! と襲いかかる彼は、自分で思っているよりもよっぽど師匠にこだわりがあるように見えます。

気迫というか殺意に圧され気味のエド兄、追い詰められ、しまったと思った時にはラースの勝ち誇った笑みを見るハメになり ─ 。
絶体絶命という所へ赤ん坊の泣き声が響き、何故かエドを刺し貫くはずだった瓦礫と融合した自らの腕を振りかざしたまま、ラースは固まってしまいました。

泣き声に呼応して思い出すのは抱きしめてくれた腕に暗い扉、自分に向かって泣き叫ぶ女。
感動すべきシーンな気もするけれど、子供が泣く度に身動き取れなくなってたら大変だなあとか、ボケたコト考えていたのは私です。

うるさい! とロゼに襲い掛かろうとするラースを石柱落として止めるエド兄。ほんっとーにあんたは乱暴者だね。

お前はスカーに利用されただけだ、死ぬ事はないとロゼに向かって逃げろと叫び、ラースとの再戦のために槍を練成するエドです。
この槍を引きずり出すエド兄はカッコ良かったのう。ちょっと見惚れちゃったん(バカ)

お前たちの弱点は知っているとエド。グリードが言っていた。お前たちは人体練成で蘇らせようとした対象の骨や遺骸に触れると動けなくなる。
『お前たちは偽者だ。だから本物の前に出ると竦むのさ』

今日のエドは何時にも増して辛辣だコト。敢えて口にしているのかな? だとすると自覚がないままの言葉よりもずっと痛々しい。

だったらボクに弱点はないとラース。ボクは生まれ損なったボク自身の身体を材料に練成された。ボクの本当の身体なんて何処にもない。あるとすればそれは ─
『お前の身体だ!』

…赤ん坊が泣く度に動けなくなっているヤツが、どの口で『弱点がない』とかゆーのかな?

その頃、手紙を届けてくれた子供とアルの側で、スカーVSキンブリー戦は佳境に入っておりました。誰も居ないと思って建物壊しまくってムチャやってます、2人とも。
この時の建物の内と外という視点を使った演出が、ちょっと面白かったですね。それほど効果的とは思えなかったけど(エドの辛口が移ったか?)

その後の回り続ける視点は、懐かしやビューティフルドリーマーで世界の押井が使った手法を思い起こさせます。

兄の恨みを晴らすと言うスカーに、恨みのための戦いなぞ愚かしいとキンブリー。
これだけなら納得出来る言葉なのですがー。ならお前には何があるとの問いへのキンブリーの答えは
『何も』

私に言わせれば、人間はちょっと造り変えるだけでただの爆弾になる、人間なんてそんな大したもんじゃない。私も、貴方も。虚しいものです。
『空っぽなんですよ』

なるほど。だからキンブリーはこうなんだと、ちょっと納得した言葉。
生きる事にも、死ぬ事にさえ意義を見出せない。自分だけではなく、世界中全てから。
だから人が、泣いて喚いて恨み言を言いながら死んでいってもなんとも思わない。だって空っぽだから。
むしろ、死を眼前にしたその刹那にだけ、生を感じるのかもしれませんな。

そんなキンブリーとスカーの対峙の場所に、別な声が響きました。
確かにボクは空っぽですけど ─ 。
『でも虚しくなんかない!』

いつの間に描いたのやら練成陣の真ん中に立っていたキンブリーを捕え(手のモチーフは兄貴の影響か?)瓦礫の下からアル登場。
キンブリーが偉そうに持論を語っていた間に、大きな身体でもぐらのように潜って陣を描いていたのかなーとか思うと微笑ましい。

私はお前の兄と同じ国家錬金術師だと何だか偉そうなキンブリーを、貴方はただの人殺しだと一刀両断するアル。
スカーにも戦うのはやめてくださいと言うのはいいのですがー。続けざまに兄さんは何処ですっ! なアルって、ホントに兄貴しか見えていないのね。可愛いのう。何だか和むー。

スカーの恫喝に怯む事もなく、マーテルさんの最期を思い出して人殺しはもう沢山だと叫ぶアル。
…こんなアルにこれから待つ試練はきつい…きつすぎる…。

捕えられたといっても、瓦礫で作った戒めなぞただの爆弾の材料にしかならないぜなキンブリー。あっさりと脱出し、背を向けていたアルの身体を盾にして、スカーの左腕を捕える事に成功。

やったぜとめっちゃ嬉しそうですな。空っぽなワリには楽しい事は楽しいようで。
すぐに爆発させずに、ゆっくりと酸素を取り込んで爆発するよう、時限爆弾風に腕を練成。

死の秒読みだと嬉しそうなキンブリーの前で、スカーは左腕を自ら分解する事で生を得る手段を選択します。
驚愕するキンブリーにスカーが言い放つ言葉は
『見るがいい。空っぽかどうか』

これが 本当の人間だ

思わず背を向けて逃げ出すキンブリーは、結局その隙のせいでスカーに胸を刺し貫かれる羽目になるのでした。
最後まで空っぽでいられなかったのが敗因とみた。

しかしキンブリーってば、これであっさり死んでくれるようなヤツではなかった。
お前は兄の所へ行け(…って、何処にいるか教えてないやん)我はお前たちに出来ぬ事をすると、カッコ良く去ろうとしたスカーでしたが。

アルの股間をまさぐって(…股間にしまったとは決まっていませんしばたさん)銀時計を奪い去り、スカーに投げつけるキンブリー。
銀時計の中には赤い石が。…増幅処理って赤い石入れるだけかよ。チャチい。

石を吸収して苦痛に喘ぐスカーを尻目に、約束しましたね、君を爆発させてあげると、キンブリーはアルの足にすりすり。
足フェチかお前は? いい感触だとか言ってるしー。

最後の最後まで爆弾にこだわったキンブリーの練成の光に包まれて、絶叫するアルです。

絶体絶命の危機に弟が晒されている頃、エドは大総統秘書と対峙していました。
『エドワード』と、懐かしい平穏で幸せだった頃の声音が彼女の喉から漏れるのに、驚愕せざるおえないエド。
『どうして ちゃんと作ってくれなかったの?』

溶ける身体。思い出す忌まわしい時。通路中に響く絶叫に、かすれた声でエドの名を呼ぶロゼ。

次の回によると、どうやら薄々覚悟は決めていたようだけれど、目の前にそれが出てきちゃ、しかもスライムじゃあビビるよなあ。
声もなく座り込んで、スロウスを目を見開いてただ見つめるエドに、彼が練成した槍を構えて後ろに立つラース。
返せよ、ボクの身体。返せ ─ !

そこで都合よく泣く赤ん坊。ロゼつねったりしてないよね??
振り向く鬼のようなラースの形相に、エドの元に戻ったはいいものの怯えを隠せないロゼ。
うるさい、そいつを黙らせろと一歩一歩詰め寄るラースに身体が引けるものの、座り込んだまま動かないエドを見やって、逃げるのではなくその場に留まる事を選択します。

口が利けないはずの彼女から漏れる言葉は、かつて絶望の淵にいた自分にエドが紡いだ言葉。

立って歩け 前へ進め ─ !

襲いかかるラースに絶叫するロゼ。ロゼの声で自分を取り戻したエド。

出崎統ばりの止め絵に懐かしさを感じつつ、次の回まで一休みです。


とにかく飛ばす。さすが最終回が近いだけありますね。
七つの大罪はもれなく揃ったし(エドが入らなくてホッ)大佐以下の面々も物語に絡む位置にやってきたしと、最後のネタ仕込みに余念がないという感じです。

次の回も怒涛の展開ですし、アニメの鋼は最後に何を残してくれるのか楽しみです。今まで観てきて良かったと思えるといいのだけれど。

息もつかせぬスピーディな展開は素直に面白かったのですがー。苦言というワケではないのですが、気になったのは赤ん坊。

なんつーか。子供は生と善と無垢の象徴であるって感じが、ちょっとばかし鼻につくって気がしなくもなく。
ラースの動きを止めるのに都合よく泣く所もベタっぽくて嘘臭い。

でもそれは私の年齢、性別からの視点であるからで、中高生とか男性から見たら違う感想を持つだろうなとも思います。
私は、このての(アニメの思惑はともかく)絶対的な善とか無垢を全面的に出されると引いてしまうようです。大上段に語られるほど胡散臭く感じちゃう。

製作者の意図は分かりませんが、アニメの女性の描き方に感じた収まりの悪さを、赤ん坊にも感じました。

さて、来週…じゃなくてすぐだったわね…。
スカー最後の大暴れをとくと堪能しました! なんだかんだ言ってていいヤツだったよ、彼は。

てなワケで、感想文はもう少し待ってねです。2話連続放映の時くらい短くまとめればいいのにねえ…(遠い目)


(2004.7.25初出)

第42話「彼の名を知らず」
粗筋:(アニメ公式サイトより)

賢者の石を求めるものは、必ず滅びる。いままた新しい伝説がリオールという一つの街を犠牲に、生み出されようとしていた。大総統の特命を受け、リオールの市街に攻め入るキンブリー率いるキメラ部隊。だが、その前にイジュヴァールでの復讐に滾るスカーが立ち塞がる。


一時間放映の2話目。しかしUPするのは一週間後。もっとこう、サクサクと進められないものかと自分を小一時間問いつめー。

8巻が出ましたね。東の国はニッポンより大きな大陸からのお友達編。そういやパンダ娘は、今どの辺をうろついているのだろう?

個人的に興味深かったのは巻末のアニメ関連おまけマンガ。
水島監督の『少年の成長を描きたいよね』との言に、『うちの主人公 最初っから力的レベル100だから』と荒川氏が返したのを見て、何だか妙に納得したというか、やはり分かっていてやっていたんだなと得心したというか。

道理で原作のエドに『少年の成長物語』な感じを受けないワケよ。なるほどねえ。
作者には他に描きたいテーマがあるのだろうし、そーいうエド兄を愛しているので、私的にはまったく問題なしですが。
アニメの成長する少年たちはこれからどうなっていくのやら。

「少年誌作家として そこはゆずれんのです」という言にも納得。ちょっと作者の本音を垣間見た気がしました。


とにもかくにもスカーの回。彼は最後まで彼でしかいられなかったなあとちょっと感慨深い。
密かに男性ファンが多いようですが、ああいう生き様に憧れるものなのでしょうか。刹那的な所は、今をときめく新撰組の土方に通じるモノがあるかも。
しかし彼、最期までやらかしてくれましたね。アニメはこれからどうするんだ?

冒頭、まだキンブリーご存命。アルの身体をゆっくりゆーっくり酸素を吸収して爆発物に変わるように組成したそうで。
爆発への執念たるや、うっかり尊敬してしまいそうです。

イっちゃった目をして今度こそ本当にリタイアのキンブリー。最後まで良く分からん男でした。
身体の感覚がなくても『何かヘン』なのは分かるらしいですね。呆然としてしまうアルです。

素人考えなのですが、何もしないでも爆発するもんなのかしらん? ダイナマイトだって火を点けなきゃ爆発しないし、アルもそっとしておいたら大丈夫なんじゃーとか思ったりしました。
まあ、いつ爆発するか分からないのは困るよな。

変化し始めた足がぐにゃりと潰れて動けないと泣きそうなアルと、困ったと途方に暮れるスカーの前にラスト姉さん登場。
スカーの腕に出来る事は破壊だけ、エドワードなら他の物質に練成し直し爆発を止める事も出来るだろうけれど。

貴方には賢者の石を作る目的があるはずと、アルに目もくれず手を握って促すラスト姉さんの色香に惑わないスカー。男として、それはどうかと思わなくもないぞ。
一途に想いを寄せている女性がいるヤツってのは、なかなかに手強いようで。

やはりあのひとと違う、あのひとはそんな事は言わなかったとラスト姉さんの手を振り解く、女性に対して大変失礼なスカーです。
ラスト姉さんがムッとするのも分かるわー。他の女と比べるなんて男として最低!
……何だか別な話になっちゃったぞ?

ってなワケで新OP。しばたさん的見所は掲示板の方に返信として書いたので、興味がある方はそちらをご参照のほど〜。
何だか皆深刻そうなのがちょっと寂しいです。つーか、亡き親友を偲んでいるらしい大佐って図は、あまり白日の下に曝け出して欲しくなかったかなーとか思う、腹黒くてオヤジな大佐じゃないと、しっくりこないらしいしばたさんです。

エドサイドは先週の引きと同じ。止め絵まで同じ。劇画だ劇画だ梶原一騎だっ(なんのコトやら)

ロゼに襲いかかるすんでの所でラースを捕まえるのに成功するエド兄。ロゼに離れているように言い、自分の腕でこれ以上錬金術は使わせないと床に拘束。
…錬金術って、色々な意味で怪しくて便利…(何か後ろ暗い妄想が駆け巡っているらしい)

そんなエドに向けられる懐かしい声。
『やめなさい。エドワード』

振り向けば、スライムからおかあさんの姿に戻ったスロウスが立っておりました。両手を広げて優しく微笑み、発する言葉は
『さあ。おいで』

母親恋しさにふらふらと近づくような素振りなワリに、エドの表情は険しく ─ 。
前から気になっていた、似すぎている。だけど考えないようにしていた。
あの日、オレたちがあんたを造った。

ただならぬ雰囲気に気づいてか、水に変化させて襲いかかる両手を石様のものに物質変換して防ぐエド。
『ならあんたは オレたちの罪だ!』

ってなコトで、スロウス@おかあさんVSエドです。
覚悟を決めていたのかスライム状で人間離れしているせいか、おかあさんの姿にも負けずに躊躇せず攻撃するエド兄は、ちょっとばかしカッコ良かったです。相変わらず豆が飛び跳ねているみたいだけれどな。

そして黒ドレスのスロウスはかなりセクシーでした。でも鎖骨のウロボロスは、ラスト姉さんと似たような感じでちと捻りが足りないかも。
どうせなら、胸の谷間からちらりと覗く位置にあれば良かったのに(オヤジ)

軍の内部にホムンクルスが入り込んでいたのかと呻くエド。その目的はと、更に問い詰めようとする所に、いつの間に戒めを解いたのか、ラースが襲いかかります。
「そのひとに触るな!」

そのひとですかー。スロウスの内部に居たので情が移ったのかなあ。彼女の身体の水を羊水として捕えると、ラースはホムンクルスとして生まれ直したと言えるかと。

おかあさんがスロウスだとすると、ラースはエドの弟みたいなモン? いや、スロウスを造ったのが兄弟なんだからー。
…ラースは兄弟にとっちゃ孫か!(んなワケありません)

ふざけたヨタ話はサテオキ。

挟み撃ちに遭ったエド兄、しっちゃかめっちゃかに石柱を練成してちゃっかり自分だけ脱出。ラースはともかく、スロウスはスライムになったら楽々脱出出来るんじゃ?
いつもながらに大雑把で乱暴な練成です。瞬時に物質の構成を造り変えるなんつー繊細な練成をするヤツと同一人物とはとても思えません。

石柱を上って降りる時に一瞬バランスを取る仕草が妙にプリティーでした。

ホッとするロゼを連れて争いの場から遠ざかった先にはライラが立っていました。
エドとのすれ違いざま、甘いわねと一言口にするライラ。
ホムンクルスの命はひとつじゃない。あれじゃトドメはさせないわ。

険悪な雰囲気に心配そうなロゼでしたが。何かと言うとつっかかっていたエド兄が大人になったよー(ちょっと感無量)
ライラの挑発ともとれる言葉を受け流し、照れ隠しのようににっかりと笑って、声が出るようになったんだなとロゼに告げるエド兄には和みました。
アニメも終わる頃になってようやっと、ケンカを買う以外の方法を覚えたんだねえ。

エドに言われて初めて声を取り戻した事に気づき、子供を抱きしめて嬉し涙を浮かべるロゼです。

軍サイドでは、アーチャーとタッカーが怪しい地下室で怪しく活動をしていました。
キンブリーと連絡が取れないとアーチャー。大総統の別名で動いているとのタッカーの言に、鋼の死体を見つけてくるだけでこんなに時間がかかるのかと、相当苛立っている模様。

エドの死体を見つける、生きていたら死体に仕立て上げるって事は、大総統から聞かされたのかしらん?

スカーと相打ちになったのか、それとも破壊を楽しんでいるのかと、待ってはおれんと檻に八つ当たりなぞしちゃったりして。
目の前にご馳走吊るされたまま待てを言いつけられた犬のよう。彼もまた軍の狗なんですねえ。

そんな苛々中のアーチャーの前に、一番の苛々の元がやってきました。
ここが君の司令室かと、やっぱり嫌味なあんたが私は好きだわーな大佐とホークアイさん登場。

タッカーのあまりの異形ぶりに、さすがのホークアイさんも驚きを隠せないようです。
そりゃあねえ。上下逆だもんねえ。

アームストロング少佐の登場で、事態を飲み込んだらしいアーチャー。私のやり方にはついて来れないという事かとの問いに、少佐殿曰く
『最初から貴方を支持した覚えなどない』

軍にはびこる不正を浮かび上がらせるために、敢えて汚泥に身を浸したのだ。
ああん、ステキ…(いつもながらにうっとり中)

水戸黄門で良く聞く、『裏切ったんじゃない 表返ったんだよっ』…ってヤツですな。
しかし表がマスタング大佐ってのは、何かが間違っている気がしないでもない(大佐に対して大変失礼な物言い)

少佐が自分をちーともさっぱり支持していないと知って結構ムッとしているアーチャー(つーかそれくらい気づけよ)、不正や悪を内包しない軍隊など有り得ないと嘯き、キメラの檻を開放してタッカーに襲わせるよう指示します。

こんなバカな真似をして何になると、言っても詮無いコトを訊く大佐に応えてアーチャー曰く、かつて貴方がイシュヴァールで認められたように ─
『今日は私が 英雄になる』

扉を閉めて大佐たちを閉じ込め、リオールに向けて軍を出陣させるアーチャーでありました。大総統の許可は貰っているのかな?

しかしアニメの大佐は、険しい顔をしていても受けっぽい。アームストロング少佐の側にいるせいか、何だか小さくて華奢だしー。ホークアイさんとほとんど変わらない背丈だしー。
受けっぽいというか…。色気振りまきすぎ? つーか、そう見えちゃうしばたさんに問題あり?(これが正解っぽい)

ビョーキな話はさておいて。

出立する軍隊を見下ろして、みんな死ぬね♪ とはしゃぐグラトニーを微笑ましく見守るブラッドレイ@プライド。
何だかとっても和やかなお顔なのが、却って怖い。

あの人の深き御心など人間風情には分からぬかと呟くプライド。
スカーを仕留めて来ればよし、しかし賢者の石の材料にでもなろうものなら ─ で、嬉しそうに賢者の石が出来るのと訊くグラトニーに、決して人間の手には渡らないと優しく諭します。
『つまり存在しないという事だ』

やはり大総統はカッコいいなあ。オヤジ万歳っ。

スカーサイド。アルの身体は大部分が真っ黒。しくしく。

悪いけれど何も思い出せないとのラストに、期待はしていなかったとスカー。
お前は兄さんが甦らせようとしたひとではない。ただ姿が似ているだけだ。

賢者の石で人間になれば同じ事だと言うラストでしたが、スカーの返答は否でした。
『死んだ者は甦らない』

誰でも身に染み付いて知っているこんな当たり前の事を、どうして人間は忘れてしまうのか。

そんなスカーは何やらアルに対して怪しい事を試みていました。

ただならぬ気配にスカーを止めようとするラストに、遺髪の入ったロケットを指し示し黙って見ていろと告げ、アルに手を出せないようにするつもりか、ロケットをアルの身体に繋いで右手を添え ─ 。
右腕を犠牲にしてアルに練成陣を移すという荒業をやってのけました。

アルは呆然としているのか意識を飛ばしているのか(気絶するってのは有り得ないんだよね?)無反応でしたね。

さすがに呆然として何をしたのと問うラストに答えるスカー。

この腕は兄から譲り受けたもの。兄は自らを練成陣とし、イシュヴァールの民の命を己が内へと封じ込めた。

後を継ぐのはラスト。
賢者の石を自分の内に練成するために。それは貴方に引き継がれた。

ってなコトで、スカーは更にアルに引き継がせたようです。

時間がない、身体全てを別の物質に変換しなければ爆発する ─ からってアルを賢者の石に仕立て上げますか。

兄弟にみすみす賢者の石を渡すのかとのラストに、成功するとは限らない、しかし成功すれば石は彼らのものだとスカー。
ああ、そうだわね…で収まるわけがないラスト姉さん。鋭い爪を伸ばして
『それじゃ困るのよ』

あくまでスカーに石を作るよう命令しますが、スカーは聞く耳持ちゃしない。
ここでオレを殺してお前の夢が叶うのかと逆に問われて躊躇しつつも殺そうと行動に移した所で、またもやオリジナルの記憶がフラッシュバック。
どうしてもスカーには手を出せないラスト姉さんでした。

ラスト姉さん自らが、他の物質に変換するしか術はないなんて教えちゃったがために、スカーは賢者の石に変換する事を思いついたのでわー。
口は災いのもと。

両腕失くしてこれからどうやって生活するんだろうと思っていましたが、どうもヤツはアルを賢者の石にすると決めた時点で生き残るつもりはなかったようですね。

アルが何かを呟いているのだけれど、これは最初の『兄さん』以外聞き取れませんでした。何を言ったのかちと気になります。

無事逃げおおせたらしいロゼたちとリオールの町の人々。そしてエド。

このまま、少しでも遠くの町へ逃げろとロゼに告げ、自分はスカーを捕まえると言います。

スカーを軍に引き渡すのと問うライラに、軍がリオールの民を許す条件はそれだけだとエド。
思わず嫌よと言うロゼに、エドは知っているだろと、等価交換だと諭し ─ 。

いつもと同じかと思ったら、兄貴ってばいつの間にか成長しているわー。
上手い事取引して何とか出来るかもしれないと、ない知恵しぼっているらしいエド兄です。

何というか。かたくなに等価交換にこだわっていたエドが初めて見せた、曖昧なというか緩やかな思考だったんじゃないかと。
頑固で潔癖なまでのかたくなさってのも潔いものだけれど、物事全てを白か黒かで判断するってのは、とても子供っぽい。
何でも0か1かで考えられるものじゃないものね。

たとえそう考えられたとしても、それが曖昧で未熟な生き物である人間にとって、本当に正しいかと言われるとそうだとは言いきれない。

…ってコトが実感として分かったのではないかと伺える、頑固なエド兄の思考が柔和になるさまを見て和みました。
さすがにいつまでも視野狭まったままじゃいられないしな。

軍に気づかれる前に遠くへ逃げろともう一度告げ、またねと言うロゼにああ、と応えるエドでしたが。
『いや。さよならだ。ロゼ』

『ああ』と応えてから『さよなら』をいうまでの短い時間に、軍がロゼにした仕打ちが頭をよぎったのか。
こんな台詞を吐いちゃう子供なんだよねえ、エドは。

リオールの町を取り囲んだ軍は、人気のない町の様子に戸惑っている模様。アーチャーはこれを奇襲と考えたようです。
そこへ落ちる人影はキンブリー。屋根の上にはスカー。

スカーは説得のために赴いていた国家錬金術師殿を殺害したとの大義名分をせしめてウハウハなアーチャー、嬉々として軍を侵攻させます。
これに成功すれば出世間違いなしと心の中で小躍りしていたコトでしょう。にやりと笑うアーチャーです。

しかし気になるのは、両腕のないスカーがどうやってキンブリーの死体を屋根の上に持っていったのか。
やはりラスト姉さんに手伝ってもらったのだろうか?

そして落とされた国家錬金術師のカッコはなかなかに恥ずかしかったです。ちと哀れ。

軍は動かないはずだったのにと、スカーに付き従って何故か一緒に逃げているラストに、ならば神の御意志だろうと、知ったこっちゃないという風情のスカー。

しかしラストが銃弾に晒された時、反射的に間に割って入って代わりに弾を受けてしまいます。
顔色変えずにスカーが倒れたさまを見やり、撃ってきた相手を薙ぎ払い ─ 。
それから初めてスカーに駆け寄るラスト姉さんは、カッコ良くも可愛らしかったです。

バカね、私は簡単には死なないのよと、心配するがゆえにきつい言葉を吐くラストと、知っていたが身体が動いたとのスカーのやり取りは、微笑ましくて艶っぽいという相反した様相を見せてましたな。

ラストの貴方は私を好きだったの? との問いに、スカーはお前ではないと言い ─ オレは兄を憎んだと告白。

イシュヴァラの神に背き錬金術を学び、オレを生かすために腕をくれたと知っても、それでも憎むしかなかった。
エルリック兄弟は、互いが互いのために生きている。兄は弟を 弟は兄を愛している。

『俺も言いたかった。兄さんに愛していると』

羨ましかったのねえ、兄弟が。茶化したい気はマンマンなのだけれど、スカーのせつない想いに免じて見なかった振りをしましょう。
兄に対して抱いていた、憎いんだけど憎みきれない、心の奥底で欲しているという激情を、兄貴であるエドに重ねていたのかねえ。
道理でエドにつっかかるワケよ。

ラストに去るように告げ、最後の仕事に赴くスカーに名を尋ねる彼女への答えは
『我らの名は神より戴いたもの。しかし、神に背いた俺にもはや名はない』

黙って見送ったラストは軍がスカーを追う喧騒を聞きながら、別れの言葉を呟くのでした。

侵攻する軍を懸命に走って止めようとするエド。無事だったかって舌打ちするアーチャーってば大人げないヤツ。

リオールの町は降伏する、後はスカーだけだと叫ぶエドに、信じられないとアーチャー。
彼らは紅蓮の錬金術師を殺した。

それが大義名分かと怒鳴るエドに戦争は始まっていると、『戦争』という言葉を使うアーチャー。制圧でも鎮圧でも治安維持でもなく『戦争』する気だったんですね。もう隠す必要もないのね。

思わず胸倉掴んでアーチャーに迫るエドですが、スカー発見の報に色めき立つアーチャーや軍の皆には通じず。
国家錬金術師とはいっても、所詮はただのお子様でありました。

頭の先だけ残して真っ黒なアル。エドの血で描いた練成陣すら侵食されている?
アルの呟く言葉はただひとつ
『兄さん…』

最後の目的に向かってひた走るスカー。
痛みを与えては眠る事は出来ぬ。だがもうその心配はいらぬ。

そこだけ欠けた練成陣の上に倒れこみ自らの身体で完成させ、赤い光を放つスカーの最後の言葉も
『兄さん…』

変わる事を拒否したように、相変わらずの彼のまま、光の中に飲み込まれていったスカーです。

アルの絶叫に(痛みを感じているのか?)呼応して光る、町全体に描かれた巨大な練成陣。町の中だけでなくその周囲までに腕を伸ばして包み込む赤い光。

禍々しくも美しい光を黙って見つめるラストにプライド、ライラにリオールの町の人々。

驚愕を持って光を迎え入れたアーチャーは、そのまま飲み込まれ ─ 。エドの絶叫が虚しく響くのでありました。

そんなに大変なコトが起きていたというのに、マスタング大佐とアームストロング少佐はキメラ相手にのんびりと交戦中。
久々に火花散らし放題って感じ?

そこへ飛び込んで来たのは直属の部下たち。フュリー曹長が先頭だったのが意外でした。

アーチャー大佐は部隊を動かしたのかとのホークアイさんの問いを肯定し、しかし妙なんですと戸惑いを隠せない面々は、
リオールの町が真っ赤に光って部隊と連絡が取れないと報告。
さすがに大佐も大事が起こったと悟った模様です。

大事も大事。光が納まった後には町なぞ何処にもありゃしませんでした。
荒涼とした大地がただ広がる光景に、エドも助かった人たちも言葉がありません。

呆然と何が起きたんだと呟く傍らの兵士に生きているヤツらを運んでやれと告げて、スカーを探しに黄色い大地へ走っていったエドは、代わりに意外なものを見つけてしまいました。
『アル?』

兄さんと呟き、気が付いて大慌てでボク爆発しちゃうとあせるアルに萌え。
身体が元に戻っていると喜ぶ弟を、腰を抜かしながらもワケが分からないと苦笑いする兄貴に萌え。

兄弟萌え御用達の心和むシーンなのに。ああそれなのに。

キンブリーに爆弾にされちゃって、でもスカーさんが鎧を何か他のものに練成すれば助かるって言って、それで ─ とのアルの話にエド兄は気づいてしまった模様。

突然アルに腹を開けろといい、戸惑いつつも素直に従ったその中には、赤く光り輝く石の塊がありました。
『…兄さん…。これ なに…?』

さっき町で練成陣が作動した。スカーは賢者の石を練成した。自分の中にではなく ─ 。

エドの言葉の後を継いだのはラスト。
『ええ。そうよ坊や』

弟くん。貴方は賢者の石に練成されたわ。

何故そんな事をといきり立つエドに、賢者の石が出来たらその場で使うと言っていたラストは兄弟に行けと告げます。

すぐに貴方たちを追って全てが動き出す。

あんたも賢者の石が欲しかったんじゃないのかとの問いには答えずに背を向けるラスト。

突然のとんでもない事態に呆然とする兄弟と一緒に、私も呆然としながら以下次号です。


やってくれました♪ …と、懐かしいにもほどがある渚の『…』なーんてヤケになって歌いたくなるくらいに、最後の最後にやらかしてくれましたなあ、スカーは。

あんたの生き様は、共感はしないけれどいっそ立派と思えるほどに潔かった。今日のあんたは確かにカッコ良かった。
カッコ良かったけれどもーっ!
しかしまあ、とんでもないコトをしでかしてくれたものよ。

アーチャー率いる7,000名のほとんどの命でアルが甦りましたかそうですか。
その重みに15歳と14歳の子供に耐えろというのね。人間の命そのものを喰らって生き長らえた事を、これから先抱えていけってか。

非常事態であったとは分かっていても、スカーを恨まずにはいられないかも。しくしくしく。
思い起こせば、スカーの分解を防ぐためにエドが使った物質の変換という方法から、この回の賢者の石=アルが用意されていたのですねえ。

スカーの退場で、アニメはラストに向けて原作に別れを告げたって気がしています。
兄弟にとんでもない重石を持たせたアニメの鋼の錬金術師は、さてこれからどうなるのだろうと、ワクワクするよりも心配です。

願わくば幸せな最終回を迎えたい。…迎えたいなあ。……迎えられるといいなあ。

アーチャーは意外に早い退場でしたな。三角関係かと思ったら、あっさり一角が崩れちゃってつまんないったら(何を期待していたのかしばた)
まあ、ラース編以降はある意味『アーチャー編』と呼んでもいいくらいの活躍はしていたので本望かと。

しかしアーチャーってば、狡賢くて野心に燃えているワリには、正攻法で物事に当たる、生真面目で可愛らしいヤツでした。
でも、あれじゃマスタング大佐には勝てんよ。

この回は、派手さはないけれどシックで大人の雰囲気が漂っていて、演出と音楽が上手くはまっていたと思いました。

さてさて新ED。見所はやはり掲示板を見てもらうとして。
気になって気になってしょうがないのは、アームストロング少佐の慈愛に満ちた視線がマスタング大佐に向けられているように見えるコト。

どういうコトですか? これは。大佐なんか見てないでワタシを見て〜っ! って思うのですが?
オヤジのくせに生意気っ!(嫉妬してんなよしばた)

えーと。真面目に新EDを語るなら、冒頭の朽ち果てたエドの銀時計が今後の展開を暗示しているようで、ちょっと気になっています。


さて来週は。

逃げるという兄弟に、何処までも逃げていいよとほろりとしたり(しかし走るエド兄の作画は酷すぎませんかね?)お父さんの登場が気になったりしますが。

大佐と大総統の間で何やら起きそうで、それが一番気になるかな。

とにもかくにも、大佐の魔の手に私の少佐殿が堕ちませんように願うのみ(少佐は鋼の良心だもん!)


(2004.7.31初出)

第43話「野良犬は逃げ出した」
粗筋:(アニメ公式サイトより)

リオールの街から忽然と姿を消したエドとアル。「賢者の石」となったアルを追って、軍部が、そしてホムンクルスが迫る中、エドとアルはリゼンブールに向け、逃亡を続けていた。


連チャンの感想書き。

最近Web拍手が堕ちまくって…いやいや、落ちまくってとほほなしばたさんです(第一変換候補が『堕ちる』って何かイヤン)

心密かに残念に思っていたら、我サイトが縁で知り合った方の自宅サーバーをちょっとだけ間借りさせて頂ける事になりました。
今日、明日中に移転するつもりですので、これからは24時間サクサク動くかと思われます。その暁には、アニメや原作へのつっこみなどそっと聞かせてくださいませ。楽しみにしているんですよ♪

名前は出しませんが、この場を借りまして改めて御礼申し上げます。いやはや、人の縁は本当に奇妙で奇跡的ですらありますな。

Web拍手を嫌がる方も多いようですが(確かにウザいって感じるのは分かる)、気軽に訪れた方の反応が貰える手段のひとつとして、私は重宝させて貰っています:-)


えーと。感想文の最初は、その回全体の印象を大雑把にまとめたものを書いているのですが。
今回は『お父さん初登場』とか『ハボロイさん御用達の回』とか、『触れ合えない恋人たち(恋人違うから)ってせつない』…とか書こうと思いながら観ていたのですがー。
ラストのマスタング大佐絶叫告白で全てが吹き飛びました。

というワケで、もうビョーキでも腐女子でも何でもいいわいっ!
ロイエド…じゃなくてエドロイの回。終了! もうそれしか印象に残らんっ!!

『鋼同人の最大手はアニメである』って噂は本当だったのね…。

ウィンリィとシェスカがリゼンブールに到着。あまりにのどかな田舎っぷりにシェスカは茫然としている模様。
本屋は何処〜? とか思っているかも。
ウィンリィやエルリック兄弟は、ど田舎の子供たちだったんですねえ。エド兄を見る限りでは、田舎の子が純朴だなんて嘘ばっかだな(非常に失礼)

シェスカの反応に少々ムッと来ているらしいウィンリィは、自分を見ていた不審な男も一緒に下車しているのを見つけます。
あの男、電車の中でもずっと私の事を見ていたのよーとこそこそ耳打ちし、は? と聞き返すシェスカに、自分の世界に浸って
『分かるでしょう? 美人って罪よねえ』

ええ、罪ですね。某大佐とか某豆とかー。そのおかげで何万人のお嬢さんたちが踊らされているコトか…!
そしておばさんも踊らされています(爆)

ウィンリィの気の迷いではなったらしく、ストーカー親父は彼女に声をかけてきました。
サラじゃないか? と訊かれて違いますっ! とシェスカの手を掴んで脱兎のごとく逃げ出すウィンリィ。後に残された親父は茫然とするのみ。

遠く離れて一息つき、まったく知り合いの振りをするなんてー…と愚痴ったトコロで、ウィンリィは奇妙な事に気づいた模様。
『サラって…。お母さんの名前?』

ウィンリィ宅。ラッシュバレーで修行するんじゃなかったのかとのピナコばっちゃんの言葉を聞くと、最初は修行しに行くつもりだったんですね。
…ちゃんと初志貫徹しろよウィンリィ。兄弟のお目付け役なぞやっているヒマはないんじゃ?

兄弟はいつ帰って来るんだとの問いに答えを濁すウィンリィの耳にノックの音が。
ヤべっ! ヘンタイ親父が家にまで押しかけて来やがった! …くらいは思ったようです。慌てふためきバレバレの場所に隠れ、自分たちは居ないからーっ! と、あきれ顔のばっちゃんに頼み込みます。

ノックの主はやはりヘンタイ親父でした。
青ざめるウィンリィとは逆に、『愛の力』と輝いた表情のシェスカが笑える。

しかしこのヘンタイ親父、知らない間柄ではなかったようで。
ビックリしながらも帰ったのかい? と声をかけるばっちゃんに、オレの家見当たらないんだけどーなボケ親父。
慌てて出てきて、こいつ知り合いなのと訊くウィンリィに、あんたは小さかったからねえとばっちゃん。
『この人は エドとアルのお父さんだよ』

ってなワケで、ヘンタイ親父とかボケ親父とか散々書いてしまいましたが、兄弟のお父さん、ホーエンハイム氏の登場です。
ルックスを見る限り、エドはお父さん似っぽい。そうすると身長的には将来の展望は明るいか?
後30年もすると、エド兄はこんな感じのオヤジになるのかー。……いいじゃん(想像してちょっとうっとり)

思っていたよりも、とぼけたのほほん親父ですな。しかも人間じゃないっぽい匂いまで…。

OPのアルのナレーションが変わっていました。
賢者の石を手にしたものは等価交換の原則から開放される。ボクらはそれを求め手に入れた…ってコトで、『そしていつまでも幸せに暮らしました』で締めくくられたおとぎ話の、その後の話が始まります。

砂漠を走る兄弟。バテバテの兄貴に何だかすごく身体が軽い〜♪ な弟。
休憩しようかとのアルに、倒れる寸前みたいなバテ方なのに、エドの返事は
『ダメだ』

アルが言っていた、大総統がホムンクルスだというのは多分本当だ。今回の作戦は大総統が指揮している、エンヴィーがすり替われたとは思えない。それに大総統の秘書はホムンクルスだった。

エンヴィーが大総統とすり替わっていたなんて、いつの間に気づいていたのやら。
そりゃ傍観者の私らは知っているけどさー。物語の中のエドはいつ分かったのだろう? バレたようなシーンって思いつかないのだけれど。
大総統秘書の件から推測したのかしらん?

ちょっと謎…っていうか、少しばかり迂闊な台詞な気が〜。

軍に帰ればお前もオレも ─ と呟くエドに、じゃあやっぱりあの秘書の人はと、漠然とした疑惑が決定的になった事を悟るアル。
それ以上言うなと遮るエドに、ホムンクルスは人体練成に失敗して出来ると先生が言ったと問い詰めずにはいられません。

言うなって言ってんだろ! …と、エド兄キレて振り返った途端にアルと触れ合ったら ─ 。
二人して真理の門@師匠によれば手品の種のようなまやかし のビジョンを垣間見るという、ちょっとばかしヤバい展開が待っていました。

真理の門の前に立つ人影は一体何者なのだろう? アル?

ただ触っただけなのに何で? と茫然とするアルに、錬金術師であるオレが無意識に反応させたらしいとエド。
─ 賢者の石を。

兄さんは信じているの? ボクが賢者の石になったなんてと、まるで実感が沸かずに反論するアル。
大体、賢者の石ってこんな ─ との言葉に、誰も見た事がないんだ、どんな形をしていても不思議じゃない。

それよりあまりオレに近づくな。
うかつに触れるとまた練成反応が起こる。お前の身体を取り戻す前に、お前が消えちゃ意味がない。

…と、愛し合うのに触れ合えない2人です。せつない話(正しい説明なのに邪念が満ちているように感じるのは何故だろう?)

愛し合う恋人たちなのに触れ合えないという設定の、映画やドラマや小説を見た気がするのですが、どうしても思い出せません。触れると死んじゃうとか永遠に別れなければならないとか、そんな設定だった気がするんだけれど。…思い出せん。

似たようなものでは、私の愛するルトガー・ハウアーが出演した『レディ・ホーク』という映画がありましたっけ。
呪いのために、夜は狼の姿になる騎士と昼に鷹の姿に変わる美女。しかも変身している間は人間であることも忘れてしまうため、心を通わせる事すら出来ないという徹底振り。昼と夜の狭間の一瞬しか合間見えないってのがまたせつなくてねえ。

愛し合っているのに触れられない関係ってのは痛々しくも魅惑的。そして艶っぽい。
兄弟萌えの人はハラハラしつつもドキドキしたのではないでしょうか? …私はそうでした(^^;)

素直に兄弟が可哀想と思えない邪な気分はさておいて!

再び歩き出すエドに何処へ行くのかと問うアル。
兄貴のリゼンブールだとの意外な答えに、一番に手が回るよと訝しげです。

エドの言い分は、アルを追ってホムンクルスたちがきっとやってくる。
『あいつらに勝つために 手に入れなきゃならないものがある』

どうやら、母親の墓暴きすら辞さない覚悟のエドです。

軍部の皆様は撤退中。なんと生きていましたかアーチャー。しかし身体半分持っていかれたようで。
思わず『漂流教室』を思い出しちゃった人っていませんか?
自業自得とはいえ哀れです。

マスタング大佐と愉快な仲間たちは、とっても軍人っぽく活動していました。
陣が発動するまではスカーは生きていた事、キンブリーは既に死亡していた事。市民は脱出して無事だった事、そして兄弟は無事だが行方をくらました事など、続々と報告が上がってきていました。

さすがマスタング大佐がわざわざセントラルまで連れてきた子飼いの部下たち、普段のおちゃらけ振りからは想像出来ないようなきびきびした態度でありました。

そんなトコロへ大総統が現れます。大総統×ロイ(間違ってます)
狸と牙を隠した狗との会談です。

死者28名、重傷者67名、内士官5名(アーチャーがこれに入るんですな)。行方不明者900名余りとの大佐の報告。
アルの身体はざっと1000名弱の命で贖ったワケか。7000名よりはマシ…なワケないですね。

何が起こったか徹底的に調査しますとの大佐の言に、それを正確に知っている者がいると大総統。
『鋼の…エルリック兄弟だ』

スカーですかと恐る恐る(そうにしか聞こえなかったわ)尋ねる大佐が、なんつーかまあ儚げで乙女で頭を抱えそうでしたが。…もう可愛いから許す! もういいや。だって可愛いんだもんっ!

この回で、アニメの大佐に対して何かが吹っ切れたらしいしばたさんですよ。

それはサテオキ。

スカー討伐の任を与えられている訳でもないのにエルリック兄弟は現れてスカーと交流した。その結果が1000名にも及ぶ将兵の犠牲かと大佐を詰問する大総統。階級差も忘れて大佐をかばうホークアイさんを止める大佐ってのはちょっと萌え。
ホークアイさんらしからぬ感情の表し方だとは思いますけれどね。

首に縄つけておいた方が良かったかもねえ。ま、素直に縄かけられて大人しくするガキ共でもないか。

彼らに申し開きの機会を与えたいとさり気なく兄弟を庇う大佐は優しいねえ。
その言葉に、大佐自らが兄弟を捕える事を許しつつ、しかし取り逃がしたら君が申し開きをする事になると大総統。

信用なんかしていないのでしょう(するワケないけどね)、自分の部下を同行するよう告げます。
そこにアームストロング少佐がいるってトコロがなんというか…。

大総統はあくまで大佐が裏切らないよう、お目付け役として彼の部下以外の者たちを配下に付けたと思われるのですが、少佐がその一員に含まれているってコトは、大佐と少佐が密かに通じ合っているのを看破していてわざと尻尾を出させるつもりなのか、それとも少佐がばっちり大総統をだまくらかして信頼を得ているのか判断に迷います。

まあどちらだとしても、私は少佐の出番が増えるなら大歓迎ですけどね。ありがとう大総統。大感謝☆

私の情報では、エルリック兄弟はホムンクルスと名乗る不穏分子と共闘している可能性があると、いけしゃあしゃあと言ってのける大総統閣下。
捕えて連れて来い。もし手に余るようなら ─ 。
『その場で裁断する許可を与える』

賢者の石を前にして、さすがに本性を現してきた大総統@プライドです。

兄弟を良く知っている面々が戸惑いつつも激論を交わしている中、己の保身のためではないかとの疑惑にも動じず、大佐は命令は厳守する構え…に見えたんですけどねえ。

ま、その辺は後からのお楽しみってコトで。

何にしても全てを得心しているかのような、少佐殿の落ち着いた態度にシビれます。カッコいい…!(すみません。大佐は目に入っていません)

部下たちに見送られてセントラル行きの列車に乗り込んだプライドの行く先は、何かを心配そうに見上げているグラトニーが居る貨物室でした。

それとともに現れた、秘書の仮面を脱ぎ捨てたスロウス。
彼らの視線の先には、胸元のウロボロスを貫通して磔にされたラストの姿がありました。
みすみす賢者の石を取り逃した御仕置きを受けているのか。

妻の墓にもたれて朝日を浴びるお父さん。
訪れたウィンリィがボヤく、またここで夜明かしですかの台詞に、照れ隠しのように笑いながら時間の感覚が良く分からないってあんた…。
もしやボケ始まってるんでないのー?

だからちょっと旅に出るつもりで、何年も家に帰らなかったのだろうか?
そのせいで、エド兄がどんなに依怙地な子に育ったと思っているのよ。困ったお父さんだコト。
受ける印象は違えども、いつでも何処でもマイペースでオレさまなトコロは、エドと似た者親子って気もします。

妻が死んで何年だと尋ねつつ、子供たちの悲しみに思い至るお父さんは、ウィンリィの傍らの墓石の字を見てびっくり。
サラ…ロックベル。サラって君だろ?

この間も言ったでしょう? サラは私のお母さんですってなウィンリィは、ボケ老人を相手にしているようでした。

墓石の文字を撫でながら戦争で亡くなったのかと呟くお父さんに、ただの戦争じゃない殺されたと、心の中に鬱積した感情を吐き出すウィンリィ。

本当なら、味方の軍人に。敵も味方も平等に治療したからって。

哀しいねと呟くお父さんに、感情に任せて反論。

簡単に言わないでください! 哀しいんじゃありません。
私は両親を殺した軍人を知っている。その人が決して悪い人じゃない事も。だから、私もどうする事も出来ない。

だから哀しいと、同じ言葉を呟くお父さんです。

無条件に憎むにしては、兄弟やヒューズを通して大佐を知りすぎていたんですねえ。
憎みたくても憎めなくて苦しいっていうのは、やはり哀しいコトだと思われます。
両親に対して罪悪感すら感じているかも。

そんな彼女に、素直に憎ませてあげられない大佐も哀しいね。

こっそり2人を会話を聞いていたピナコばっちゃんは、何も言わずに立ち去るのでした。

…ってなシリアスなシーンが展開しているとは露知らず。お腹ペコペコで倒れちゃってるシェスカ。
他人の家だから台所を勝手にいじるのを遠慮しているというよりは、本がないのでお腹が空くんじゃないかと。
本さえあれば、ちょっとくらい食べたり寝たりしなくても大丈夫そうだもんね。

ノックの音にウィンリィかと喜び勇んで扉を開けますがー。自分の家でノックする人ってほとんどいないと思うぞ?

扉の前にいたのは意外な人物、ロス少尉とブロッシュ軍曹。
軍曹の、非の打ち所のないリゾートな格好が笑えます。

予想もつかない珍客に、見てはならないモノを見てしまったから追ってきたのですねーと、あたふたおろおろなシェスカ嬢、帰り道のウィンリィが慌てるような絹の裂ける叫びを上げ…ていたのに、実態はブロッシュ軍曹を足蹴にしていました。
なんか軍曹ボロボロなんですけどー。

兄弟の家の焼け跡前。
あの子たちの家がもうないなんて知らなかったと茫然としているロス少尉。彼女に取っては兄弟は『あの子たち』で、ただの子供なのですね。

エドたちが追われているってどういう事? とのウィンリィの問いにはブロッシュ軍曹が答えました。
緊急の電話が東方から大総統命でやってきた。鋼の錬金術師とその弟を捕獲しろと。彼らはリオール内乱の首謀者と接触がある。

子供相手にちゃんと敬語を使う軍曹が偉い。
自分と別れた後の兄弟の所業に何やってんのよ! と怒らずにはいられないウィンリィです。

ロス少尉へは、通信部の知り合いがこっそり教えてくれたらしいです。いいのか? 機密第一の通信部所属のヤツがそんなコトで。

まあ、あの兄弟は色々と目立っていたでしょうし、決して嫌がられていたとも思えない。むしろ可愛がられていたかもしれません。兄貴はともかく、弟の性格は可愛いしな。

今回の件で兄弟を知っている内部の人たちが、こっそり手助けしようと思っても不思議じゃないかも。
意外に愛されているねえ、兄弟。そう考えるとちょっと和むー♪

地元の警察に連絡が行っているって話は脅威かもしれないけれど、ハクロ少将編成の捜索隊はちっとも役に立たないと決め付けているしばたさん。
だって、あのハクロですよ?(仮にも将軍に対してとっても失礼)

特に兄弟を可愛がっている人たちは、わざわざ休暇を取って兄弟の故郷にやってきて、2人にこの事を教えるつもりだったようです。

いきなり休暇を取れだなんてデートだと思ったのにと、ちょっと拗ねてみせるブロッシュ軍曹。
わざわざお尋ね者に教えに行くなんてーってな言葉は少尉の逆鱗に触れました。
いくら大総統命だとはいえ、2人が反逆者なんて信じられない!

愛されてますねえ、兄弟。しみじみ。

でも、2人がここに帰ってくるかどうかはーと訊いてしまうウィンリィに、ロス少尉はにっこり笑って曰く
『帰ってくるわ』

たとえ家はなくても、ここは彼らの故郷でしょう?
『それに 貴方もいる』

その言葉に嬉しそうなウィンリィです。

…まさか墓暴きに帰ってくるたあ思っていないよな。
実際、ホムンクルスの弱点が元になった人間の遺骸ってな話がなかったら、兄弟が故郷に戻るかはちょっと疑問だったりして。
災いが親しい人たちに襲う事がないように、出来るだけ遠くに去ろうとするような気がします。

いつの間にいたのやら、昔は鉄道なんかなかったからなと、突然口を挟むお父さん。
この村から更に東に抜ける道なんてひとつもなかった。皆あの山を沢伝いに登ってやっと東に出たものだ ─ 。

あの沢は昔良く遊んだ。エドたちなら、きっとあっちからやってくると色めき立つウィンリィ。

『ありがとうおじさま!』発言に戸惑っちゃうホーエンハイム氏は、お約束だけど可愛らしかったです。
そしてシェスカは付き合わされて受難。

捜索隊が来たら上手い事足止めさせるわと子供たちに声をかけながら、ロス少尉は訝しげに首を捻ります。
鉄道がなかったって、100年以上前の話じゃ…?

八尾比丘尼っすか? お父さん。人魚の肉でも食ったか?
おかあさんも長い間生きていたのだろうか? ピナコばっちゃんはどの辺まで知っているのでしょうかねえ。
謎が謎呼ぶ兄弟のお父さんです。

さすが父親、読み通りに兄弟は沢を下っていました。人の気配に気づいたエド兄が土遁の術で隠れているトコロを、気が付かずに通り過ぎるブレダさんとファルマンさん。

兄弟を追うのは出世のためかーなどと、ちょっと子供には聞かせられない噂話をしているお二人。エルリック兄弟を取り逃がせば、大佐はリオールの事全ての責任を負わされる。

それを聞いたエド兄の『そういう事なら仕方ねえな』って言葉はちょっと意味深ですネ。
どんな含みを持っているのか判断に迷います。ちょっと推測出来んわ。

そんな兄弟の背後を取ったのはハボックさんとフュリーさん。兄弟の行動は大佐にもバレバレだったようで。
扱いが面倒なお父さんが2人もいて、兄弟ってば大変ねえ。

子供と侮らずにためらわずに銃口を向ける、咥え煙草のハボックさんはちょっとカッコ良かったです。
その後素直に立ち上がったと思ってホッと気を抜いちゃう、ちょっとお間抜けさんなトコロは可愛かったです。
エド兄がこんなに素直だったら、大佐の気苦労もないでしょうに(遠い目)

どけ! オレはもう軍には帰らない! と怒鳴り、機械鎧で銃口塞いで撃ってみろよと挑発するエドってば悪役そのもの。思わず止めに入ってしまうアルの気持ちが分かります。

でもそれが却って逆効果だったようで。驚いたハボックさんは、つい引き金を引いてしまい ─ 。
覚悟はしていたのでしょうが、心ならずも実際にハボックさんとフュリーさんを傷つけて、さすがのエドも立ち尽くしてしまいます。

ハボックさん、指飛ばなくて本当に良かったねえ。

仲間を傷つけて、それでも逃げる方を選んでしまう兄弟でありました。
しかし咄嗟に人間風船か、エド兄。あんたって本当にワケ分からん造詣センスの持ち主だのう。

ハボロイにラブな皆さんお待ちかね。オフィシャルで推進してくれている貴重なシーン。

ハボックさんの包帯は大佐手ずからですか? 大佐を見るハボックさんの至福の表情には意味があるのですか??
胸のポケットいいっスかの、はにかむ笑顔は一体…?

そして愛のマッチ!

同人界でだって、ここまでのものはなかなか見られやしません。それを地上波で小さいお子さんと共に観られるたあ、腐女子文化もここに極まれりっつーか、そんな目で見るヤツがいるなんて思わないでアニメスタッフは作っているのか。

きっと私が汚れているだけなのよね。素直に上官を慕う部下の図なんだよね。………とてもそれだけには見えんわーっ!!(しばたさん魂の叫び)

それはともかく。大佐に煙草を咥えさせて貰って、大佐に火をつけて貰って煙草が吸いたかったんですね。ずうずうしいコトこの上ないですね。ハボックさん♪

…落ち着いて本題に。

まだそれほど移動してはおりませんなと告げる少佐殿に、アルフォンスを水に浸ける訳にはいかないからだろうと大佐。
やはりあまり水の中にいると血印が流れてしまうのかしらん?

…ってなトコロに、絹を裂くような悲鳴を引き連れて珍客登場。ウィンリィは、機械いじりはともかく発明は苦手なようですネ。
ウィンリィもシェスカも可愛いお顔が台無し。

ハボックさんの驚愕も大佐のうげって顔も可愛いが、その横で表情変えないホークアイさんがちと笑える。
そして何処かの刀使いのように、銃弾一発で暴走自転車(?)を分解してしまうホークアイさんです。お見事。

騒乱罪でも食らったのか、何故か縄貰って連行されちゃってるお嬢さん方。
エルリック兄弟の事を誰に聞いたのかとの問いに、ふてくされて答えないウィンリィ。逆に2人が反逆者なんて本気で思っているのかと訊かれて、捕まえて取り調べれば分かる事と返すにべもないホークアイさん。

そうなると八つ当たりしたくなるのが人情ってなモンで。今度は遺恨のある大佐につっかかってしまいます。
エドたちを誘ったのは貴方じゃない! それなのに!

この人は軍内部での地位しか興味がないと、あまりな言われようだけれど半分は当たっているよなーなシェスカの言葉でも、一度堰切ってしまったウィンリィに感情は納まらないようです。

答えて! 私のお父さんとお母さんの時も同じだったの!?

振り向かない大佐と、厳しい顔でそれ以上言う事は許さないホークアイさんです。大人だね。

あっちこっちから追いかけられて大人気のエルリック兄弟は、一所懸命沢を下っておりました。
同じ石に飛び移った際、うかつに触るなと身を引くエドってば、せつないとか思うよりも先に、思春期の男の子が大好きな女の子の手に偶然触れちゃって、恥ずかしがって飛びのくって感じで微笑ましかったです。

って、和んでる間もなく空から大きな石つぶて。追っ手に追いつかれたようです。
エド兄のバカな大岩攻撃(ほんっと〜におバカ)はあっさり大佐に潰されて、ツーショットじゃなくて残念ねえな、痴話ゲンカ別れした2人の再会(大筋は当たっている説明…かな?)

何を逃げるな大佐に、そっちがおっかけるからだろなエド兄。
狗ってのはおっかけられると逃げるモンなんだよ。

躾けられた狗は決して飼い主の命には逆らわん。それともいつの間にか野良犬に戻ったのかって、大佐ってばお子様相手に大人気ないコト。
つーか、これ同人誌にでも出てきそうな言い回しですねえ。

軍の狗と罵られても目的のために耐える、それが君でなかったの? と中尉に諭され、周りはハボックさんたちに囲まれで、ちょっとばかしピンチな兄弟です。

軍の狗はもうやめだなエドに、聞き分けのない子供に戻るという事かと大佐。
…ワタシには、軍の狗の時でも十分聞き分けのない子供に見えたのですが、いかがなものですか?>マスタング大佐

捨て台詞吐きながら沢の水を巻き上げて無能な大佐を練成するエドですが、今日の大佐は一味違いました。
コクる気マンマンだったせい?

少佐一人に働かせると思いきや、中空の岩石にハボックさんの愛のマッチで火をつけて岩の内部の空気にちょちょいと細工し、大量の石つぶてを練成。
結束の力かよ。少佐殿と共同作業なんて、最近私の少佐に近づきすぎじゃありませんコト?
ちょっとジェラシ〜(大バカ)

兄を庇う弟に萌え萌えです。

偉そうに講釈たれる大佐に、イシュヴァール辺りじゃ役に立ったろうなと嫌味を言うエド。
ちょっと傷ついちゃったらしい大佐、お返しにまた岩を降らしてみたりして。

アレは兄弟に当たらないようにしてあげたんだろうか。そんな器用な事が可能なのだろうか?
結構繊細な練成とかするヤツなのかしらん? 大佐って。

逃げ場を失くした兄弟に、厳しい表情で歩み寄る大佐。聞き分けのない依怙地な子供にゲンコの一発でも降らせるかと思いきやー。

ウィンリィの制止の言葉に歩みを止め、息を吐いた大佐が語るのは、昔々の罪の物語。

かつて私は二人の人間を殺した。患者には敵も味方もないと、再三の治療中止の勧告に従わずに治療をしていた医師を。
だが、彼らが助けた患者が我々の敵となる。

私は命令によって 彼らを 撃った。

その時から誓った。たとえ命令であろうと理不尽な事に従うべきではない、従わなくていい立場になろうと。

食えないオヤジの胸の内は、純粋で熱かったんですねえ。十分若いぜマスタング大佐。
しかしまさか最後にあんな爆弾発言が待っているとは、この時の私は知る由もなかったのです。

続けて焔の二つ名に相応しく熱い男曰く。

お前たちを追うのは命令だからじゃない。お前たちに腹を立てているからだ。

何故 私の保護を求めず勝手に逃亡したっ!

エドの何だか嬉しそうな笑みを拝みつつ、ロイエドだよロイエドだよ! いやエドロイ!? …と、私が慌てふためきつつ次回です。


パパ初登場も、触れ合いたくても触れ合えない2人も愛のマッチも、最後の最後でマスタング大佐が吹き飛ばしてくれました。
いやー、アニメのやらかしには色々と頭を抱えさせて貰ったけれど、今回はいつもとは別な意味でショックです。

親の心子知らずというか、大佐は兄弟の心の港のつもりだったのネというかー。
不機嫌そうな顔をしているなとは思っていましたが、まさか心にあんな熱き想いを秘めていたとは読めなかったわ。

衆目の前でエドに告白する(してません)アニメの大佐には、何かもうこれでいいやーと、いっそ清清しい気分にさせられました。
いいよ、アニメの大佐はこれで。可憐でもオトメでもいいわ。オヤジ度がいまいちでもいい。もうこれで最後まで行ってくれいっ! …と、色々と吹っ切れましたよ。

これでまた腐女子御用達アニメとしての地位が一段と上がりそうですが、このこそばゆい位に可愛らしい大佐にも今日で慣れました。もうアニメには、好き勝手突き進んで欲しいです。違う意味で萌えそう。

だめだ。今回は真面目な考察をする気力がない。大佐の絶叫を観直してまたノックアウトされたわ。
…今まで真面目な考察なんてしたコトあったっけ?

とりあえず、ロイエド者やエドロイ者は色々と幸せだったかと。でもハボロイさんは悔しい展開だったかもしれませんネ。

アニメの演出は天然なのか、こちらに餌をくれているのか今回で分からなくなりました。今までは女の子サービスなんだろうなあと醒めた目で見ていたトコロがあったのですが。
もしかしたら普通の演出のつもりだったのか? これまで??

何にしろ、素直な大佐ってこそばゆいです(爆)


さて来週は。

これで2人の仲は進展するのかどっきどき!(してんなよ)
緊迫し続けている展開のワリには、土地柄なのかのんびり進行しそうです。閑話休題話でほっと一息つきたいトコロ。

パパと兄弟の再会は、エドの反応は読めるけれどアルがどう対応するかは興味あります。

しかし、来週まで今回のショックが抜けるかが心配だい。

(2004.8.2初出)

第44話「光のホーエンハイム」
粗筋:(アニメ公式サイトより)

リゼンブールに身を潜めているエドとアルの前にあらわれた意外な人物。それは十数年前に家族をおいて行方知れずになっていた二人の父・ホーエンハイムだった。


鋼のキャラクターソングが発売されるそうですね。

何だか気恥ずかしくなって床を転げまわる様が容易に想像出来そうな私には聴く勇気がないのですが、もしも買われた/聴かれた方がいたら、どんなものだったかこっそり教えて下さいませ。
いやー、キャラクターソングって、妙に面映くって気恥ずかしいのですが、皆様はいかがですか?

『映画ポスターの17歳エドが豆じゃない!』って情報を教えて頂いたのでググってみたら、来年の鋼映画公式サイトが出来ていました。まだ何もないけれど、確かに身長が伸びたらしいエド兄がー。

しかし比較物がないために、ホントに大きくなったかは微妙かなあ(いぢわる)
タバコの箱とか横に並べて置いてもらわなくてわ。

アルの姿がありませんが、TVアニメの展開のネタバレになるだろうから最終回を迎えるまではエドを拝むだけっぽいです。
ああ、鎧のままなのか元の身体なのか、それとも他の展開になっているのか気になるー。
あの服装じゃ、エドの手足がどうなったかも分からんしねえ。

アニメはロイエドじゃなくてエドロイ公認だったのかーと、うっかり納得してしまった回。アニメの大佐ってけなげで尽くすヤツで、思わず生暖かく見守ってしまいたくなります。
しかし一番の見所は、エドロイよりも『あの方』の正体よりも、大佐顔負けのナンパテクニックを披露するパパであろうと思われ(きっぱりと)
アニメの大佐なら貫禄負け、原作の彼だったらどっこいの腕前ってトコロか?
エド兄にもこの血が流れているのかと思うと、将来こんな兄貴の姿が見られるのかもと想像すると、ついつい大笑い。

セントラル旧市街を歩くライラとロゼ。廃れているというか荒れているようですが、鋼世界は結構貧富の差が激しいようですね。

他の皆が無事逃げたかどうか気にするロゼ。ライラに、東部には同じ肌の色の人が多いから上手く潜り込めたと思うと聞かされてホッとしながら、自分は反乱の首謀者と目されているとも言われて表情が曇りがちです。

ライラが案内したのは朽ちかけた教会でした。
レト神の聖堂に似ているとのロゼの言葉に、もっと古い、もう廃れた宗教のものだと答えるライラ。
さりげなく両手パンでステンドガラスを復元すると、祭壇には隠し扉が。

この教会が崇めていた宗教は、たったひとつの神しか認めず他の神は邪教とする事で信者を獲得したそうで。でもそのために多くの人間が死んだ、とても多くの。

宗教は人を救うためにあるのに酷いと思わず呟くロゼにライラ曰く
『人間は 神にはなれないから』

まさかと思うが今は廃れた古い宗教って、世界一のベストセラー本の発売元のアレですかー? と思っていたら、隠し通路の地下階段を降りると、オープニングで出てきた所らしい滝のある風景に仏像らしきものが。
もしや八百万の神? …じゃ一神教にならんか。謎だ。

何にしろ宗教が人を救うためのモノだけではないってのは、十字軍やらの歴史を紐解かなくても、今でも嫌になるほど見られるワケで。
宗教そのものに文句をつける気はありませんし、心の平安のためにも必要なものだろうなーと理解はしますがー。
その価値観で縛られたものの見方しか出来なくなったとしたらイヤだねえと思ってしまう、とっても日本人的宗教観を持っているしばたさん。八百万の神がいる国の人だからこれでいいのさーとか言ってちゃダメ?

ウロボロス組。ラスト姉さんはまだ磔にされたまま。心配そうなグラトニーが可愛い。
どうしてあの2人を見逃したのと、一番若いらしいのにスロウスは偉そうですな。どうしてこんなにえばりんぼさんなのだろうか?
もしや、エドのえばりんぼ気質はお母さん似だったのか? 衝撃の事実だわー(事実と違います)

彼らを消すのはスロウスとラースの役目ではなかったのかと返答するラストに、今度はやると答えるラース。
スロウスに、あなたは人間になりたくないのと問うラスト姉さん。もちろんスロウスの答えはなりたい。そして理由は
『人間になれと生まれてきた』

それ以外の目的なんて(ない)との言葉は、なるほどねえと納得してしまいました。人間になって何がしたいかじゃなくて、人間になる事自体が生きる意味なのね。希望ではなくあくまで目的。
目的のための目的かー。それは虚しい。道理でホムンクルスの皆様は虚無感に溢れているワケよ。

そんな話をしていると、正面の大きな扉が開きました。何故か怯えるラース。
ラースもグラトニーも跪いて迎えた相手はロゼとライラ。
ってなワケで、アニメの『あの方』はライラ、厳密に言うとライラの中の人でした。

原作とは違って『お父様』ではありませんでしたな。ライラの中の人はその後明らかになるのですがー。
思わせぶりな登場をしたワリには早いリタイアだと思ったよ。

大佐の絶叫告白再び。これ聞くと何だか腰が砕けるわー。しかし、見れば見るほどその後のエド兄のにやりとする表情は意味深。

…と大佐も思ったのか、ついついコクっちゃったものの気恥ずかしくなったのか、それともガキに鼻で笑われたとでも思ったのか、怒りつつも何だかうっすら頬染めちゃって言葉に詰まっています。
こんな表情の大佐が見られるなんてねえ。思わず遠い目になっちゃいますが…なんかもういいや。可愛いから全て許すっ!(ちょっと投げやり)

そんな大人気ない大佐に助け舟を出すのは、私の(だからあんたのと違うって)アームストロング少佐。
大佐の代わりに兄弟に何があったと訊ねる少佐に、意を決したようにアルが口にした言葉は、とてもじゃないが信じられない事実。
『キングブラッドレイは ホムンクルスです』

これには大佐も少佐もその他大勢もあ然とするしかなかったようですな。大佐のハァ? って顔が可愛かったぞっと。
…くそー。ヤツに『可愛い』発言をしちゃう自分が何だか悔しい。

一番早く正気に戻ったのはファルマンさん。ホムンクルスっつったら人造人間だなやと、久々に歩く百科事典ぶりを発揮。
それを受けてエドが言うには、やつらは賢者の石を狙いこの国を暗躍しているとの事。

思わずありえないと呟く大佐と、大総統をかばう発言をする少佐殿。
大総統は第五研究所の事はご存知ではなかった。軍内部の腐敗を嘆いておられたのだ。

でも、ボクは見たんですと叫ぶアル。大総統にはウロボロスの印があったと。

姿を変えるホムンクルスもいたはずだと反論する少佐殿に、大総統秘書もホムンクルスだと、またもや爆弾発言のエドですが。
宇宙人なのにーと、すんごく不満そうなシェスカが可愛い。そんなに宇宙人でいて欲しかったのね。うんうん。
牛な方もさり気なく登場でしたな。

大総統もダグラス秘書官もホムンクルスだとしたら目的は何だと、さすがにちょっと信じられないわーなホークアイさんに、何だか難しそうな表情の大佐。

そんな所へ、話を聞きつけたその他大勢が登場。こりゃ困ったぜな大佐を補佐するのはまたもや少佐殿。そんなに甲斐甲斐しくオヤジのフォローしなくてもいいのにー。義理堅い所もス・テ・キ☆

彼らをリオールに戻し、そして適当な理由をつけてしばらくセントラルに戻らないよう足止めすると、自慢の筋肉で結局何の役にも立たなかった方々を煙に巻いて少佐退場。早く戻ってきてね。じゃないと寂しくて泣いちゃう。

どうでもいいけど、アームストロング少佐が側につき従っていると、大佐が非常に華奢で小さくて可愛らしく見えますねえ。
大佐の言葉を先回りしてリゼンブールに行くのですなと告げる少佐殿に頷く大佐に至っては、思わず遠い目になる位に儚げでした。

リゼンブールへ赴く一行。
気まずそうにハボックさんの安否を尋ねるエドに、無事だと答えるブレダさん。フュリーさんと先に帰されたってコトはしばらく登場なしか。せっかく愛のマッチが役に立ったのにねえ。ハボックさん可愛そう。

しかしハボックさんに帰られたら、ちょいと思いついた小ネタが書けないではないか。このままお蔵入りかー。ちえっ。

それはさておき。

無事を聞いてほんの少しだけ表情を緩め、この兄貴の口から謝罪の言葉を聞けるたあ長生きはしてみるモンだな(ホントにエドのファン?)な『悪かったな』な言葉に、複雑な表情で眉根を寄せるウィンリィです。

と、何かが足りないのに気がついた模様。銀時計は?

軍を辞める話が本当なら国家錬金術師ではいられないわねとしみじみと口にするホークアイさんに、いやそうじゃなくてアーチャーに取り上げられたじゃんと答えるエド兄。

それを聞いたホークアイさん、不思議そうに
『アルくんに届けてもらったのに?』

皆の注目を一心に浴びて冷や汗ダラダラなアル。ごめんなさい兄さん。あれ失くなっちゃったー。てへ☆(てへは余計)

兄貴のドスのきいた声に、弟の言い訳はフル回転。
ち、違うの! キンブリーがスカーさんに投げ捨てて、そしたらあの赤い石がでろーっと出てきて、それがスカーさんの腕に吸収されてーっ!
兄貴がシリアスな表情になっていてもお構いなしに、ジェズチャーつきで頑張って言い訳するアルがもう可愛いったらっ!

何で銀時計に赤い石が入ってるんだよと苦々しげに口にするエドに呼応するかの如く、錬金増幅剤と称してそんな仕掛けをと呟く大佐。

今日はマスタング大佐告白デーらしいですね。
イシュヴァール戦でグラン准将が赤い石を支給したと言う大佐に、聞き捨てならないエド。
じゃああんたは、軍が賢者の石を作っていると知っていて何も言わず ─ !

マルコーが逃亡し(研究は)打ち切りられたと思っていた。それに材料が人間だなんて知らなかったってのが大佐の言い分らしいですが。
そんなのオレさまエド兄に通じる言い訳じゃありゃしません。詰め寄って胸倉に掴みかかりとにかく一言。
『信用できねえっ!』

赤い石が忘れられず それでオレたちに賢者の石を見つけさせようとしたってのは、さすがに穿ちすぎって感はしますが。

しっかしまあ、大佐と再会してからのエド兄ってば、それまでの線の細さは影を潜めてオトコ前度がアップしているような。
それに比例するかのごとく大佐の受けっぽさアップ…ってコトは、アニメはエドロイ派?
このエドなら容易に襲えそうです。大佐うかうかしてると食われるぞ。がんばりゃー。

閑話休題。

エドを止めようとしたアルは、ついでに兄貴の身体に触ってしまったらしく、赤い光を放ちながら弾き飛ばされて川に落ちちゃいます。
ヤッペーと血相を変えて弟の名を叫ぶエド兄。アルって水につかっちゃダメなんじゃーと青ざめるウィンリィ。

アルの命は風前の灯火!? …と思いきや、はーい! の元気な返事と共に、イルカのような見事なジャンプを披露するアルフォンスくん14歳です。
こわばった表情の兄貴へ嬉しそうに
『兄さん! ボク泳げる! 泳げるよ兄さん!』

沈みながらそんなに嬉しそうに言われてもねえ。慌てて引き上げに走るエド兄です。あんたも溺れたら大変なんだからね?

嬉しすぎてぼうっとしているらしいアル。何だかとっても幸せそう。
水に浸かっては血印が消えてしまうのではなかったのかとの大佐の言葉を、首を捻りながら肯定するエドに、その心配はないみたいですと答えるアル。
やっぱり賢者の石になっちゃったせいかな?

兄に囁いて(萌え萌え)頭を取ってみせると、エドの描いた血印は赤く光り輝いていました。

分かったからと慌てるエドに訝しげな面々。ホークアイさんには『賢者の石』ってな言葉を聞きとがめられたりして。
とっても下手にその場を取り繕うエドと、ようやっと引き締まった顔を見た気がする大佐です。

賢者の石化して2人が触れ合えないという過酷な環境ですが、アルがちょっぴり幸せそうなのは良かったです。

リゼンブール潜入のご一行。皆で木陰に隠れている図って何だか妙に笑える。大佐の気難しそうな表情も、逆に可愛らしくて笑える。

軍はまだ到着していないようだとほっとした御一行の前に、滂沱のブロッシュ軍曹が登場。
追っ手かと緊張する皆に、違いますーとウィンリィ。

ブロッシュ軍曹の前に飛び出してどうしたのかと訊ねてみれば、ロス少尉がーと、更に激しく泣き出す始末でした。

ってコトで、これでパパファン急上昇だろうなと思って見ていた、今回の最重要ポイントです。

『あの方』の正体よりも大事なのかって?
もちろん、大きいお姉さんたちにはこっちの方が大事に決まっているぢゃないですか(きっぱりと)

堅物だろうロス少尉の頬すら染めさせる、エドパパことホーエンハイム氏のナンパテクニックをとくとご覧あれ。

ロス少尉の黒髪を大鷲の羽の色に喩え、あんなに美しいものには二度とお目にかかれないと思っていたと、少尉の目を見詰めて、微笑みつつも真摯に言葉を紡ぐパパ。前回のボケ老人の様相を呈していたアレは何かと思わずにいられないほどの口八丁です。

そういやエドも口八丁は大得意だったな。やはり親子ねえ。
マスタング大佐が対抗意識をめらめらと燃やしていたら大笑い。

深刻そうだと思ったのにコレかいと呆れる面々と、仕事一筋の少尉がすっかりメロメロにー! と、やはり滂沱のブロッシュ軍曹。
でもあの相手の人って誰? と、弟は兄に尋ねてみるも、兄の姿はそこにはなく一目散に走っておりました。

『なーにナンパしとるかーっ!』
で、さり気なくロス少尉の髪を掻き揚げる実の父親を殴り飛ばす、十数年ぶりの親子の再会はワイルドなものでしたな。

十何年ぶりに帰ってきてこのザマか! クソ親父! との兄貴の言葉に写真そっくりだと駆け出すアル。
お父さんだ! お父さんだ!

でも鎧の身体となった自分に気が付いてしまって鈍る足です。せつないのう。

未だ座り込んでいるパパに、こんな姿じゃ分からないかもしれないけれど ─ と恐る恐る切り出すアルに、にっこり笑ってパパ。
『アルフォンス。大きくなったなあ』

大きくなったと言えば大きくはなったよなって茶々はさておき。
一目で自分がアルフォンスだという事を分かってもらえて、とっても嬉しそうなアルです。

エドワードとパパに名を呼ばれた時の兄貴も初々しかった。なんだかんだ言って、また会えたのがちょっぴり嬉しいらしいですよ。
でもパパは禁忌の言葉を口にしてしまったのだった。

まだ牛乳が嫌いだろと指摘されて、今度は飛び蹴りを食らわせる、鬼嫁…もとい、鬼息子のエド兄です。

夜。パパはお家に入れてもらえないらしい。容赦のないお子様よのう、エドは。
外を窺うホークアイさんはともかく、穏やかにエドを…じゃなくて(オトメはすぐに事実を捏造するモノ)一同を見守る大佐って何だかこそばゆい〜っ!

誤解しないでと頬を赤らめて言われてもねえなロス少尉。旅の話を聞かせていただいていただけです。
でも楽しそうだったって無邪気にウィンリィに指摘されて、だって紳士なんですものと、テーブルにのの字を描く代わりにパンをちぎっちゃう少尉です。

…初対面の女の髪に触っても紳士と呼ばせるか。うーむ、凄腕のたらしテクニックですね。

香水など微妙に漂わせて軍にはいないタイプです…ってロス少尉、食べ物は粗末にしないようにね。
すっかりいじけて人が変わっちゃってるブロッシュ軍曹に、彼が何故機嫌が悪いのかまるで分からないニブチンなロス少尉でありました。

香水も嫌いだったんだよなーと、思い出したようにぼそりと呟くエド兄。
あの放蕩親父ときたら、アルが生まれてすぐに出て行きやがったくせに、いつまでも残り香だけは残していきやがってうっとうしいったらありゃしない…と、要約すればそんなコトを話していました。…微妙にJAROに連絡されそうな誇大表現な気もする。

リオールで会ったライラが同じ香りの香水をつけていた…って、パパの香りだったのか!
ライラの香水を『嫌い』と言った時のエドの微妙な表情はそのためだったのですね。匂いってのは自分でも驚くほど記憶に直結していたりしますものねえ。
昔親しんだ匂いと同じものを感じると、それが何か思い出せなくても涙が出るほど懐かしく感じる時ってありませんか?

どうでもいいけど、パパの香水はディオールのファーレンハイト系を希望。

ライラさんに会ったの? ダンテさんの所から無事に逃げたんだと嬉しそうなアルの『ダンテ』の名に反応するパパ。
中のドタバタを無視して一人でシリアスモードに突入しています。
とばっちり食っちゃったデンに肩を落として、パパはごめんよと呟くのでした。

ホーエンハイム×ロイ(だから一般コンテンツで『×』はやめとけしばた)
大総統は結婚もしているし子供もいる、若い頃の写真も拝見しているって何処で見せてもらったのか追及してもいいモンですか?>大佐(怪しい話の読みすぎ)

あの偉そう大佐が敬語を使っているってのは、パパが錬金術師年して大先輩に当たるからなのかしらん?

ホムンクルスは生まれた時は人間の姿などしていないとパパ。
栄養源である赤い石を与えると、固有の力を持ち姿を得る。

人間の命を食料に? とちょっと驚いちゃってる大佐に頷き続けるのは、ホムンクルスなら少しづつ年を取ったように姿を変える事も出来るだろうし、子供は養子かもしれないとの事。
『だが 所詮はホムンクルスだ』

第五研究所で赤い石を作っていたと言ったが、ホムンクルスは錬金術が使えない。なのに何故作り方を教える事が出来る?

問われた大佐の推測は、彼らを育て、操る者がいる…?

だがまあ、彼らがホムンクルスだとしても、この国は何とかやっているし軍も機能している。気にしなければいいと大あくびしながら言うパパを、反論せずに苦笑してみやる大佐です。がー。

マズいよ可愛いよ、私だったらその場で押し倒して既成事実作っちゃうよな可愛らしい表情するなー。
今までとは違ったホーエンハイム×ロイが見られそうで、これから先が楽しみじゃないか!

…ヤバいなあ。まだ大佐の告白が後を引いているわ。男の子お断り感想文になっているのう。

アニメの可憐な大佐をパパの毒牙にかけないためか、突如アル登場、アルを見上げる顔までもが可憐な大佐って…。どうしよう。しばたさんってば大佐を見る目がおかしくなったままで直りません。困ったもんだー。

気を取り直して。

どうしてホムンクルスは錬金術を使えないんですか? とのアルの問いに、門の向こう側から来たからだと簡潔に答え、でもそれ以上は言う気はないらしいパパ。

それよりお母さんの事やお前たちの事を話しておくれーとフレンドリーなパパに嬉しそうなアルだけど。
出ました依怙地なエド兄。こいつが素直になる事は、パパが物語世界から退場する時までないような気がするぞ。

何も話す事はないと言い放ち、錬金術に失敗して手足と身体を失った。それだけだとにべもない態度。

錬金術なんてものは ─ と、何だか重要な事をしゃべりそうなパパだったのに、意地張りまくりのエド兄は聞く耳持ちゃしない。
私は聞きたかったのに邪魔しないでよー。

うるさい! 今さら帰って来て父親面するな! 母さんはずっとあんたを待ってたんだーと、ちょっとは話し合えよ大人なんだろと、とってもガキっぽい兄貴が微笑ましかったです。これで大人扱いしろって言われても、そりは出来ない相談ー。

問答無用で弟を引っ張っていきますが(直接触れないからフンドシ引っ張ってましたな)、そろそろアルも兄貴のワガママばかり聞いてはいられないぞってコトで、ボクは父さんと寝ると宣言し、これみよがしにパパに甘えてみせるのでした。
いい性格してるわー、アル。

後に残されたエド兄は、何を思っていたのか。…こうやってみんな大人になっていくんだよー。にやにやにや。

我が家の焼け跡で野宿するパパと息子。
ボクの身体賢者の石で元に戻せるかなとのアルの問いに、賢者の石で誰かの身体に魂を定着させる事は出来るとパパ。
アルの身体は等価交換で失われた。身体を代価にして何かを得たはずだ。それを全て返せば戻ってくる。

エドが片手片足を代償として得たのは真理(…なのかどうかは分からねど)、ならアルは代わりに何を得たのかを考えると怖い考えになりそうなのですがー。
もしかしてアレか? 前に匂わせていた記憶が薄れているって辺りと何か関係があったりするのか?

あのホムンクルスを倒せば ─ って、やっぱり兄貴の事が気になるのか呟くアル。
パパに聞きとがめられて慌てて誤魔化し、お父さんはすごいなーと素直な息子を演じてみせる、可愛らしくもしたたかなアルフォンスくんです。

夜中語らったお父さんは、朝食を取りに行っている間に何処かに消えてしまいました。お父さんと呟き茫然とするアル。
なのに、こんな事ならもっと痛めつけときゃ良かったなーと、兄貴は気のない返事。
また旅に出たんだろと腰を上げようとしない意地っ張りに業を煮やし、ボク一人で探すモン! とまた出かけようとするのを止めるのはマスタング大佐でした。

とうとう軍の捜索隊がやってきたようで。
我々が行って帰らせるとの大佐の言葉に、お尋ね者を匿っていいのかよと皮肉げなエド。どう見てもエド兄の方が悪役っぽいねえ。

君らの話を全面的に信じた訳ではない。自分なりに大総統の真実を見極めるつもりだ ─ って、どうしてアニメの大佐はこんなに可憐なの?
やっぱり目がおかしくなっているんだわー。もう昔のオヤジな大佐を望む私には戻れないのかしら(T-T)

もしそれで真実だと分かったら? と尋ねる堅い表情のシェスカの肩を叩く事で応える大佐と、拍子抜けした表情でそれを見送るシェスカ嬢です。

ホークアイさんの一瞬の間の後の敬礼が意味深だな。今まで築いて来た地位も、野望すら引き換えにする事も辞さない、大佐には並々ならぬ覚悟があるのかもしれませんな。愛だねえ(そうか?)
エド兄ちーとも分かっていないようですが。

地下室に押し込められた兄弟とシェスカ。
父さんは何処に行っちゃったんだろうなアルに、それより大佐はどうやって大総統たちの正体を調べるつもりなのかと、大佐が気になるエド兄。愛だねえ(違うと思う)

あの秘書官はまだ4年位しか居ないはずとの兄弟の言葉に、ジュリエット・ダグラスは少なくとも14年は軍にいるはずだとシェスカ談。
そんなワケがないんだとのエドの言葉に反論し、彼女が一般人を誤射した軍人、イシュヴァール内戦の原因だと反論します。

エドの答えは
『あれ 嘘』

イシュバール開戦の原因は、軍の特殊部隊が作った。
回想シーンではロアさんとかマーテルさんが元気。しくしくしく。

愕然とするシェスカを見やっていたエド兄、ハタと思いついた模様。

イシュヴァール内戦も賢者の石のため?
イシュヴァール人を戦争で追いつめれば、大いなる術で賢者の石を作る者がいるかもしれない。

そこまでやる!? と茫然とするアルに、全部ホムンクルスが仕組んでいたんだと苦々しげに言葉を吐くエド。
それを聞いたシェスカの呟き。
『ヒューズさんはそこまで気づいて ─ 殺されたんですね』

寝耳に水の兄弟の驚きは相当だったようで。
暴れるぞ兄弟! 燃え尽きるほどヒート! …ってな具合にターボエンジン振り切った怒りぶりでエド兄とアルが表に乱入。
壊したものは後で元通りにしておけなー。

ふざけやがって! セントラルを出てすぐじゃないか! それをオレたちには内緒にーで、ウィンリィも知っていた事に気づいて非常に悔しそうです。

あのブチキレ状態のワリには、ウィンリィを突き飛ばして問答無用に外に出なかったってのは不思議。アルならシェスカなぞすぐにでも振り切れるだろうに。
無意識かもしれませんが、結構自分らの置かれている立場が分かっているのかもしれない兄弟ですな。

だからといって、猪突猛進のエド兄が静まるワケもなし。
ヒューズ中佐が殺されたならそれはオレたちのせいだ。なのにあいつはー! と怒りを収める事が出来ません。

そこに登場するのはピナコばっちゃんの一喝。『いいかげんにおし!』
あの人は意地悪で教えなかった訳じゃないだろ?

ヒューズって人の話は聞いた。よくして貰ったそうだね。だけどマスタングさんはお前たちに復讐なんて考えて欲しくない、そんな事よりもっと大事な事があるって言いたかったんじゃないかね?

…そうかなあ?(ここで疑問を差し挟んではいけませんよしばたさん)

大佐の真意がどうかはともかく、明らかに階級が下っぽい人に頭を下げて頑張る小さな(何でこんなに小さく華奢に見えるんだ?)大佐の姿が、けなげで何だか尽くす妻ってな雰囲気で(妻かよ…)ほろりときました。いい意味でも悪い意味でも。
何にしろ、兄弟ってば愛されてるねえ。

でもと納得出来ないらしいエドに、シェスカの駄目押し。
私、ずっと誤解していました。大佐はヒューズ准将の事なんてどうでもいいんだって。
でも、もしかしたら ─ 。

偉くなる。この国で一番。それが約束だから。
そのためには復讐なんて個人的な感情よりも出世の道を探る。

何か子供たちに色々と看破されてますよ、大佐。次に会ったらきっと暖かい慈愛に満ちた目をされるかと思われます。
気恥ずかしいだろうけれど頑張れー。

大佐は大人だねとのアルの言葉にそんなのありかよ! と、納得したくても出来ないエド兄。
大事な人が殺されて、その犯人も分かって、でもその仇より大事な事がある。それが大人のやり方ってコトかよ!

お前だって目的のために軍の狗になったじゃないかとぱっちゃんにつっこまれ、悔しげにエドが言った言葉は。
『あのやろう…やっぱ…嫌いだ』

けなげに尽くしているワリには報われないねえ。
まあ、私的には大佐を好きなんて言うエド兄はありえねーので問題なし。むしろ良く言った。

…ロイエドな方々ごめんなさい。ほら、心の中と口にする言葉が必ずしも一致しているとは限らないじゃないですかーと、ついついフォローに走ってしまう小心者なしばたさん。
私もロイエド者なハズなんだけどねえ。ちとズレてるようです。

誰か来るよ! と珍しく真剣な表情のグラトニー。バカ言わないでと磔にされつつも優しく応対するラストってば、やはりグラトニーが可愛いと思っているようなー。

誰も入って来ないはずの場所にやってきたのは光のホーエンハイム。
…カッコいいじゃん。うっかり見惚れてしまいましたよ。

迎えるのはライラ。ようこそいらっしゃいました。主人はあいにく ─ 。

それがライラという娘の身体かねとのパパの言葉に、よく分かったわねとライラ@ダンテの登場です。
やっぱり私の事が忘れられなかった? って浮気か!? パパ。それとも昔の恋人??

名前は息子たちから聞いた。しかしそうでなくてもすぐに分かる。その香水の匂い。

私を助けにでも来てくれたのかしらとのダンテの言葉に、その逆だと応えるパパ。
その返事に憎々しげに表情を歪めグラトニーに攻撃の命を下し ─ 。

昼間のパパはちょっと違って強かった。エドの台詞じゃないけれど格が違います。

怯えるグラトニーに恐れる事はないとダンテ。
彼はあの身体で長く生き過ぎている。もう限界に近いはずよ。

両手パンの練成ばっか。パパも真理を見たクチなのだろうか。だとしたら何を持っていかれたのだろう。頭のネジを2、3本とかだったら笑…えないのう。

しかし氷のアルですかー。今の季節にはぜひとも欲しいアイテムですね。

限界が近いのは確かだ。だがそれは君も同じだと、ナイフか何かでわき腹を掠めると、服に隠れていた、若いお嬢さんにはそぐわない腐れかけた肉体が覗きました。

腐敗する肉体を服で誤魔化せても匂いは誤魔化せない…ってなコトで、腐臭を隠すための香水だったようですね。
そしてパパも同じ香りを身につけていたってコトはー。

これ以上息子たちを迷わせるのはやめてくれとパパ。
約束してくれるなら、その身体が朽ち始めた訳を教えてあげる。

リゼンブールでは、弟に告げずに一人で母親の墓を掘るエドがいました。
遺骸を手にしてごめんと呟くエドの心痛にもらい泣きしつつ、緊迫したまま以下次号です。


この回で大きいお姉さんを中心に人気赤丸急上昇だったんじゃないかと思われるパパ@ホーエンハイム氏。
隙がありありのボケ親父かと思いきや、ロス少尉をナンパするただ事ではないテクニックを披露し(初対面から女の髪触って嫌がられないなんて凄すぎ)、謎と残り香を振りまくダンディさを兼ね備えているとは侮れません。

大佐、このままだとキャラ的に食われるぞ。頑張れ! けなげなだけじゃエドに捨てられるぞー(おや?)

今回はパパの回ではありましたが、私的にはエド兄の『大佐嫌い』発言が大変おいしゅうございました。
心の中はどうであれ、口に上るのは『嫌い』とか『いけ好かない』とかの方がロイエドっぽく思ってしまうしばたさん。

…うーむ、今回も男の子お断りの感想文だなあ。軌道修正しなくちゃ。

ライラ=ダンテは友人が唱えていた説でした。大当たりでしたな。
早すぎる退場だとは思っていましたが、ライラに乗り移っていたとは考えなかったわ。その可能性に気が付かない辺りがオバカすぎ。

ライラがこんなに重要な役だってのは、初登場でヨキの側に居た頃からだったのでしょうかね?
時々第4話を引っ張ってくる所から察するに、最初から再登場は予定されていたとは思うのですが、そうなるとダンテの所にライラが来たのは偶然だったのかはちと気になるトコロ。

クローンでしたーとか錬金術で分裂させましたーとか、実はホムンクルスでーすとか、そんなワケ分からんオチが待っていそうな気がするのは穿ちすぎか。

ま、ない頭で推測しても間違って恥かくだけだと思われるので、アニメがどう説明してくれるのかじっくり待つといたしましょう。

どうしてダンテが賢者の石を作らないのだろうか ─ とか謎ばっかだし。

どうでもいいコトではありますが、腐敗していく身体っていったら、普通は心臓から遠い手足の末端から腐っていきそうな気がするのですがー。
胴体からってのは、やはりビジュアル的に美しくないからだろうか。
そしてエドが小さい頃からパパは香水をまとっていたという事は、ずっと緩々と腐り続けているってオチがあるのだろうか。

何にしても、パパは思ったより面白いキャラになってますね。今後の活躍が楽しみです。
もうちょっと頑張ってねー。最終回の前の回くらいまでは頑張ってねー(どうせ途中でリタイアすると思っていたりして(^^;))


さーて来週のサザエさんは? …ってネタを、ベタベタで恥ずかしいと思いつつ一度やってみたかった。←大バカ

恥ずかしいのを堪えてやってみたけれど、残念ながら次週は一回休み。
オリンピックを見ろってコトだそうですが、私はその時は夏祭り@コミケ帰りで新幹線の中じゃないかな。

一応14日の鋼の日を覗いてみる予定ですが、負け犬根性丸出しで昼頃からまったり行こうと思っています。
もしもサークル参加するよーってな方がいらしたら、こっそり教えてくれると目的が出来て喜びます。気が向いたらどぞよろしく。

次回はダンテとパパの関係や兄貴の決意とか気になりますが、大総統と大佐の直接対決が待っているようで、ハラハラしつつも興味深々。
とにもかくにも、最終回前に大佐がリタイアしませんように(不吉なコトを)


(2004.8.10初出)

第45話「心を劣化させるもの」
粗筋:(アニメ公式サイトより)

セントラル旧市街。その地下に広がる巨大都市遺跡の一角。向かい合う光のホーエンハイムとダンテ。彼らに纏わる永き因縁。それは、4百年前に遡る。彼らがついに辿りついた、あの日から・・・。


アニメもクライマックスなら原作も突っ走りまくって、どちらを観てもハラハラドキドキする今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

特に原作のあの展開は、某大佐とか某少尉のファンの方は悶絶しながら読まれたのではないかと思います。いやー、少年マンガにしては凄まじい方向に話が転がっていますねえ。
容赦のない大佐に胸ときめいた大きいお姉さんなワタシ。やっぱり大佐はこうじゃないと。何だかホッとするわー。
しかし大佐ってば「跪け」って…。女王さまか?

戦う少尉さんは遊び慣れているのかにゃーと思っていたら、意外とおくてのようですな。ボインな美女と裸のお付き合いまでは到達してなかったようで。手くらいは握ったんだろうな?

…という嵐を呼ぶ展開の9月号に関して速報として教えて頂いた情報は、
『エドの右手が壊れていたとき三つ編みしてくれていたのは少佐だった(Q&Aにて)』
でした。
このサイトと私の事をよく分かっていらっしゃる。確かにこれは最重要な情報ですね!

中学時代からの友人がいきなり鋼掲示板に現れて振ってきた話題に関連して、ちょいと調べたエルリック家面々の名前の由来を忘備録代わりにメモしてみる。
しかし彼女がまさかこの場に現れるたあ。ビビった(^^;)

「シザーハンズ」(いい映画です)の主人公から取ったというエドワード(Edward)は、「富裕(繁栄)・守護(者)」の意を持つ古英語名「Eadweard」に由来。
アルフォンス(Alphonse)は「高貴な・素早い」の意を持つ古独語から由来しているらしい。
どちらもいい名前ですね。

お母さんのトリシャ(Trisha)は「Patricia」の短縮形。
「Patricia」及び「Patrick」はラテン語「patricius」が語源で、同じくラテン語の「pater」に由来する。「pater」は「父,創始者,神父,(父なる)神」…を意味するそうで。
意図したものかは知らないけれど、なかなかに含みがあるような。

お父さんのホーエンハイムはー。
何処かで見たような名前だなと思ったら、それもそのはず超有名な錬金術師の「パラケルスス(Paracelsus)」の本名、
「テオフラトゥス・フィリップス・アウレオールス・ボンバトゥス・フォン・ホーエンハイム (Theophrastus Philippus Aureolus Bombastus Von Hohenheim)」
から取ったものでしょうね。しっかしムダに長っ!

パラケルススはタロットカードの魔術師の絵柄のモデルになったり、何より賢者の石を持っていてホムンクルスを造った事で有名な錬金術師…と、ググったら載っていました。

何処かで見たような名前 ─ というのは、遥か昔に錬金術やら神秘主義やらの怪しい本を読み散らかしていたせい。
その頃は本を見つけるのも一苦労だったものですが、最近の錬金術流行りで一般書店でも見かけるようになって、気恥ずかしいやら、気軽に手に入るようになって嬉しいやら。

ついでに調べたマスタング大佐のファーストネームのロイ(Roy)には、ゲール語の「赤」や古仏語の「王」の意味があるそうです。
王ですかー。名前負けしなければ大総統も夢ではないか。情熱の赤いバラ〜♪(あたしンちの母風に)


ずっと盛り上がりっぱなしなので何だか慣れてきて、結構まったりと観る事が出来た回。
謎の一端が明らかになったかと思ったら、また新たな謎が現れたようなー。未だ見ぬ北方には何があるのか? パパの出番はもう来ないのか?
そしてアームストロング少佐は最後まで無事で、映画に出演してくれるのかがとっても気になります。鋼世界ではいい人は長生き出来ないっぽいからねえ。

パパVSダンテ。四百年ぶりの再会。
不老不死は、人魚の肉の代わりに賢者の石と人間の命で贖えるらしいです。自分が若く美しく生き残るためなら、他人の命など取るに足らないものだってか。

心の劣化について別の意味をパパが説明していましたが、摂理に逆らって手段を選ばず永遠に近く生き永らえる事は、知らず己の精神を侵すのかもしれません。

何人もの旦那をとっかえひっかえしてきたダンテ。色々女をくどいていた(?)ワリには、最後の最後でただ一人の女性を本気で愛したホーエンハイム。

ダンテ曰く、パパは『四百年前、初めて会ったまだ何も知らない私に愛を囁いてくれた』そうですが。

その頃はホントの愛を知らなかったって事なのだろうか。おかあさんに会って、四百年も時間をかけて初めて愛する事を知ったって事ですかねえ。パパってば、実はかなりおくてっつーかむしろ鈍い?
賢者の石の研究で、恋愛どころじゃなかったのかしらん。

四百年前。魔女狩りから逃れた人々や黒死病(ペストですな)で死を待つだけの人々を使って、実験に実験を重ねて賢者の石を造り出す事に成功したパパ。
命を『利用』ではなく『使用』するんですねえ。

既に両手パンで練成しているって事は、真理の門に辿り着いた後の話らしい。そしてやはり賢者の石を造るには大量の命を消費しなければならないらしいですな。痛々しい話だコト。
当時のダンテは巻き毛がチャーミングな可愛い系の娘だったっぽい。

見事賢者の石を造り上げたパパ。しかしその反動でうっかり死にかけた所を助けたのがダンテでありました。
咄嗟に出来上がったばかりの賢者の石で、他人の身体にパパの魂を定着させるという荒業を敢行します。
愛を囁かれて既に恋人気分だったらしい。でもそこまでしたのに、赤い糸はパパには繋がっていなかったのねえ。

永遠の命とは、賢者の石で他人の身体に自分の魂を定着させて生き永らえる事。定着させる身体の元の魂は何処に行ってしまうのだろうかとの疑問は残るかな。
追い出されて強制的に黄泉へと旅立たせられるのか、それとも身体の中でひっそりと眠り続けているのか。

オリジナルのライラは何処に行ったんでしょうかね?

自分たちが賢者の石を追い求めさせられたのはダンテの命を繋ぐためだったとの話に、さすがに驚愕を隠せないラスト。グラトニーもお腹が空いたのを忘れて深刻そうです。

パパがダンテの元を去ってから必要だったってコトは、ダンテには賢者の石を造れないという事なんでしょうけれど。
自分だって錬金術師なのだから、四百年も生きてたら造る事が出来てもいいんじゃー。赤い石を造れるならついでに練成しちゃえばいいんじゃーと思っちゃうんだけどねえ。
パパは造り方を教えてくれなかったのか、知っていたからといってどうする事も出来ないものなのか。

何故私の前から姿を消したの? と問うダンテへのパパの返事は。
『永遠の命など ありえない』

四百年前って言ったら、まさかホーエンハイムは実在したパラケルスス本人ってコト!? …かと一瞬慌てましたが、パラケルススが活躍したのは1550年代(命日は1541年9月24日らしい)、四百年後は1950年頃になるので、現実世界とはリンクしないようですね。

いやー、核戦争か何かで一度絶滅寸前にまで追い込まれた人類が復興して出来た(そのせいで微妙にローテクだったり)、新たな文化圏での物語って、昔のマンガやアニメで使い古された設定なのかと思っちゃったわ。猿の惑星。

『料理は科学』派のウィンリィと『料理は芸術』派のシェスカ。2人でパイの製作中。女の子のいる画面って華やいでいいわねえ(オヤジ)
どちらもそれぞれ一理あると思いますが、正確な技術と分量の上に創意工夫があると思うので、彼女らの実力からだとウィンリィに軍配があがるかな。

気弱い言動のワリには、シェスカは意外と頑固者。
ところで、ウィンリィ作のタイマーつきオーブンが微妙にボロボロなのは何故だろう。余り物で作ったのだろうか。

そんな2人の可愛らしい議論の最中、電話のベルの音が。ヤバい電話かとギクリとし、私客分だしーやら、もう家族よ! やらで受話器を取るのを譲り合い。
ピナコばっちゃんに怒鳴られてようやっと取った電話はエルリック兄弟へのものでした。

ショウちゃんから電話ー。一度会いたいって泣きながら言ってたよーとアルに伝えるウィンリィ。咄嗟にパイの上に連絡先を絞り出したか。器用なヤツ。

ショウちゃんって誰よ? と分からなかったらしいアルですが、脳内データベースを検索したらヒットした人物がいたらしい。
ハッとなった所でばっちゃんに知り合いかと尋ねられ、咄嗟にアルは気が付かない振りをします。
この兄弟、嘘つくの下手だよなあ。微笑ましいヤツら。

そんな所に泥だらけの兄登場。
『兄さんだ!』と無邪気に声を上げつつ、さり気なくウィンリィの力作の上に書かれた電話番号を隠滅しちゃいます。
兄貴は兄貴で、泥だらけになった本当の理由を語らず。そりゃ『かあさんの墓暴いて遺骸を持ち帰りました』とは言えんよな。

兄弟揃って相手のために下手な嘘をつく様子は、ちょっぴり切ない光景だけれど、それにもまして可愛らしいものです。
それはともかく、エド兄は欲望に忠実なヤツだった。腹が減っては戦は出来んしー。

セントラル。直談判するのかと思いきや、大総統+お偉いさんたちの前で正式な報告という手順を踏むマスタング大佐。

エドを国家錬金術師に推薦したのはハクロ将軍だったのかー。そんな話ってあった…かな? もう覚えてないわ。
単純バカで扱いやすい為か、大佐は上手い事ハクロをおだてたりすかしたりして、自分に都合がいい様に動かしているみたいですね。
やっぱり食えんオトコだよ。

1年前に(やはり1年経ってたか)エドがレト教教主の錬金術の悪用を暴いた。しかしその後も教主は健在、結果的に軍事介入を行う事になったと事件のあらましを説明する視聴者に優しい将軍たちに、その介入の仕方がマズかったんじゃねーの? と言いたげな口ぶりの大佐。
ハクロが私の作戦を批判するのかと怒鳴っていましたがー。はっきり無能だと言われたようなモンだと思いますう。

そんなハクロを遮ったのは、この国で一番偉い人。
これまでの功績を見れば、マスタング大佐はわが国に忠誠を誓う優秀な軍人である事は明らかだと一応はフォローしつつ(この時大佐は頭を下げてんだよねえ。気配りのオトコ)、しかしエルリック兄弟の探索を中止したのは下せんと不満そうです。

エルリック兄弟は故郷に帰るとばかり思っていたが、まっすぐ北を目指したようだと、平気な顔して嘘八百をつく大佐。

北にはドラクマと呼ばれる蛮族がいるそうで。
…アテネオリンピック記念?(ドラクマはギリシャの通貨単位)

アームストロング少佐の部隊が既に北方探索を開始しているって…。危なくないよね? ないよね??
と、少佐の身を案じていたら、大佐ってば公衆の面前でブラッドレイ@プライド相手に勝負に出た模様。

(エルリック兄弟探索より)重大な情報を耳にし帰還したとの言葉に人払いを提案するブラッドレイと、それには及ばないと2人きりの状態を避ける大佐。
2人きりになったら身が危ないものね(どーいう風に危ないかってのは訊かないお約束で)

それはともかく思いきった手に出たものよ。今まで築き上げた地位と名誉と、それに命を賭けたバクチっぽい。

秘書官ジュリエット・ダグラスに関しての事だと言い出す大佐には、事情を知らなけりゃ唐突に何言い出すんだヒヨっこが とか思うね、私も。

そう思われる事もお構いなしに、彼女の軍籍に重大な疑問があると先を続ける大佐。そして
『ヒューズ准将殺害の状況に 彼女が関わっていた可能性があります』

額に汗しながらも一気に勝負に出ましたな。ヒューズのためエドのため頑張っています。

しかし相手もどよめく将軍陣たちとは違い、一国の頂点で生き残り続ける身。一筋縄ではいきません。
日の当たる世界は自分のものだと告げるように、カーテンを開けて逆光の中大佐を見つめるブラッドレイと、一瞬眩しさに怯みつつも、その視線を受けて立つ大佐でありました。

やるコトは時々男前なのだがー。いかんせん、ビジュアルがひたすら受けだよなあ、アニメの大佐って(しみじみと)

部屋から出てくる大佐をじっと待っていたホークアイさん。くっ! オヤジのくせに美女に心配してもらうとは生意気なっ!
しかしさすがに今回は、ポーカーフェイスでい続けるのはきつかったようで。
心配するなと言いたげに笑う表情は硬く、しかも汗だく。何だか泣きそうな表情で汗を拭いてあげるホークアイさんです。

ロイアイさん御用達シーンだけどー。美女に汗ふかせるたあ、アニメの大佐って幸薄そうで華奢な印象があるワリには美味しい所をかっさらっていくよなあ。
か弱い振りして要領のいいオトコだよ。何だか悔しい。

銃の暴発だもん。やはり酷い怪我だったんだねえ…と同情したハボックさんは、病院で白く燃え尽きておりました。
自分に好意を抱いていた看護師さんを、見舞いに来た大佐に横からかっさらわれた模様。
ハボックさんに追い討ちをかけるブレダさんの楽しそうなコト。

だからあの童顔の何処が一目惚れするほどいいのかと、一度とことん問いつめてみたいものです(大佐ファンにケンカを売るような発言に、内心ビクビクしている小心者のしばたさん)

そう言えば聞きましたよ、また大胆な事をしましたねえで、なんでわざわざ相手を刺激するような真似をと訊ねられたお人は、黙って窓から外なんぞ眺めていました。

マスタング大佐は、頭は回るがこちらが気恥ずかしい位に内心は熱いオトコのようです。

大総統がホムンクルスであるかどうかはどうでもいい。

しかし、ホムンクルスと名乗る連中は 長きに渡って賢者の石製造のため人々を犠牲にしてきた。
イシュヴァール内戦も 賢者の石を生み出させるため仕組まれた可能性がある。

人が賢者の石を求める時はどういう時か。
富 栄光 支配 永遠の命 ─ 絶望。

自分の周りのものの命が失われる。人は絶望に捕らわれた時 唯一の希望として賢者の石を求める。
戦争という異常な状況の中であれば 他人の命を犠牲にしてはならないというモラルも消し飛ぶだろう。

確かに今の大総統になってからこの国はいつも何処かしらと戦争をしていると、シリアスな空気にいつまでも白いままではいられなかったハボックさんが呟き、連戦連勝だがなと、ブレダさんが皮肉げに言葉を繋ぎます。

戦争をする事にも文句はない。我々は軍人だと、更に後を継ぐのは最近多弁だねえな大佐。

しかしそれが 人を絶望の淵にたたせ 賢者の石を造らせるためのものだとしたら ─ 。

とんでもない仮説に驚愕するしかない面々に、はらわた煮えくりかえっているような厳しい目をしたマスタング大佐です。

国を守るためでも利益を得るためでもなく、賢者の石を造るために己と他者の命を弄ばれたってコトだけでも屈辱的だろうに、その目的がただ一人のワガママな女をほんのちょっぴり生きながらえさせるためだけだ、なーんて知ったら、大佐怒り過ぎて血管切れそうです。

ホント酷い話。
でもそこまでダンテを追い込んだのがホーエンハイムだとしたら。ホーエンハイムにそんな行動を取らせた原因がエドとアルのおかあさんだとしたら。
本当に酷い悲劇。

CM明けからエド兄のセミヌード。サービス?
相変わらず引き締まった腹筋だけれどちょっと痩せたかねえ。苦労しているから。

ただのお水でカラーリングに、思わず拍手しちゃうウィンリィ。髪を垂らすエドが色っぽいとかバカなコトを思っていたのはワタシです。性よのう…。

それはさておき、髪を赤だったりピンクだったりに染めている方々にとっては羨ましい限りの技術です。
茶髪なら髪が伸びてきても境目が目立たないかもしれないけれど、くっきりはっきり染めている人にとっては、魂を売ってでも手に入れたい錬金術でしょう(そんなに大げさなコトか?)

みどりの黒髪と変身したエドですが、眉が地毛のままっつーのがなんとなく微笑ましいというか、兄貴らしい大雑把さといおうか。

アルも変身していました。筋骨隆々なブロンズ像に。あのモーツアルト風の巻き毛はなにー? モデルはやはりアームストロング少佐なのだろうか。
どうせなら美人でナイスバディな姉ちゃんの像にしてやればいいものを。…そしたら中に入らないか。

怯えるウィンリィにくつくつ笑うエド兄が微笑ましかったです。なーごーむー。

しかし和んでばかりもいられませんでした。
また行っちゃうのと俯きながら問うウィンリィに、やらなきゃいけない事があるとエド。
それは知っている、アルの身体を元に戻す事でしょ? だったらここに隠れて研究すればいいと努めて明るく言葉をかけるウィンリィですが。

言葉を継いだのはエドでもアルでもなくて、食事の支度をしていたはずのシェスカでした。
『ヒューズさんの 復讐ですか?』

エドの答えは『復讐はしない』
そうでなければスカーが逝った意味がない。

それでもしなきゃならない事があるのだと、復讐よりも大切なものを探す事よりも優先させる何かへ対して、固い決意を秘めているらしい兄貴です。
大人の表情になっていたねえ。感慨深いというか一抹の寂しさを覚えるというか。

今度ばかりはエドの決意に口を挟めないと悟ったのか、言葉をかけるのではなく髪を編む事に思いを込めるウィンリィ。
最初は照れながら拒否したものの、ウィンリィの心を汲んで好きにさせるエド。

いいねえ。思春期だねえ。青春やねえ。心和ませながら、ものすっごく遠い目になってしまったしばたさんです。

汽車を見送るお嬢さん方。泣かずに見送ったんだね。偉いよ。
しかし兄さんのカッコ…。怪しい…。怪しすぎるよエド。染めなかった眉毛と金の瞳は怪しい黒メガネで隠したのかー。

ここは笑う所と違うよねと自重しつつも、やっぱりうっかり笑ってしまったしばたさんです。

ブロンズ像になりながらもお父さんの心配をするアル。そんなパパは昔の女と対峙中でした。

魂の劣化という言葉を使うパパ。
肉体の移動を繰り返す度に魂がすり減ってしまい、肉体を維持するだけの力がなくなってしまった。

このまま滅んでいくのだと諭すパパに、賢者の石でまた新しい肉体に移ると答えるダンテ。

その新しい身体に移って間もないはずだとの言葉ですが、移ったのはグリードさんの命日のあの日なのかしらん。
ライラはダンテの忠実な付き人だったみたいだけれど、彼女が自発的に従っていたのか、それとも既に魅入られ操られていたのか今ひとつ判然としないですな。どっちだったのだろう。

また新しい身体に移る! と己が生き残るためなら何を犠牲にしてもいいと思っているらしいダンテ。ある意味とっても正直な女性ですな。

賢者の石はどうする。私が残した最後のひとつは使ってしまったはずだとのパパに、そのためにその子たちが新しい賢者の石を造ってくれたとラストたちを見やるダンテ。
『イシュヴァールの男が 貴方の息子を賢者の石に変えた』

驚きながら、初めから分かっていても気が付かないふりをしていたらしい沈痛のパパです。

それではやはりと叫ぶラストに(それでもダンテ『様』なんだよねえ。哀れ)、まだ分からないのかと歩み寄るパパ。

ダンテの背後にある階段から降りてきたのは、ロゼの赤ん坊を抱いたお前がオレには最後の女〜♪ な、兄弟が造り上げたホムンクルスであるスロウス@トリシャでありました。

走馬灯のように思い出す愛する女性との出会い。幸せな時間。花の髪飾りをプレゼントしたあの時。エドが、アルが生まれた日。子供たちと妻との穏やかな日々。

一瞬移った金属みたいな画像は何ぞやと思ったら、どうやら3話でおかあさんがいまわの際に欲しがった、パパが練成した花の髪飾りだったようです。
エドは小さすぎて覚えていないのかもしれないけれど、パパに錬金術を習っていたらしいひとコマもありましたな。

そして愛し合う日々に訪れる肉体の崩壊という破滅の影。優しく見守る愛しい女性…って、我が子と一緒に観ていたお父さんお母さんがビビるような描写も含まれていましたね。
『どうしてこのひとたちはだかなの?』と、無邪気に質問された親御さんもいたに違いない。

鋼アニメのターゲット視聴者層ってよう分からんなあ。実は大きいお姉さんたちが本命なのか?

エドワードとアルフォンスを見た時気づいていて良かったはずだった。彼らが何をしたのか。
─ いや、分かっていた。でも信じたくなかったんだ。
『トリシャ。君はいつまでも可愛いよ』

ああー、パパってば悲嘆にくれていても女たらしっ!

そんなパパを、頬を染めて微笑んだトリシャとは違って、表情を変えずにありがとうと言い放って束縛するスロウスであります。

身動き取れないパパに赤ん坊を抱いて近づくダンテ。貴方がいなくなってから私も色々と研究したのなら、賢者の石を自分で造ればいいのに。

研究していたのは、錬金術の力の源である真理の門。
あの向こうには何があるのか。あの門を開く方法はないのか。

あの門は 私たちの内にある ─ 。

そして、魂と精神と肉体の結びつきのまだ弱い、例えば赤ん坊のような場合、より強くあの門を呼び寄せる。

ホーエンハイムの頬にいとおしげに手のひらを添え、実験してみましょうかと、腹に練成陣を描いた泣き叫ぶ赤ん坊を投げ上げるダンテです。

ポン(と膝を打ち) なるほど。真理の門ってイデの発動みたいなモンだったのかー(…というネタを理解してくれる人はどの位いるのだろう?)

現れた赤ん坊を掲げた門。静かに開く扉から覗く無数の目。
エドとアルはきっと大丈夫。キミの 子供だ ─ 。

最後の言葉を最愛の人に語りかけ、門の中へと引き込まれるホーエンハイム氏でありました。

あの後赤ん坊はナイスキャッチされた模様。無事ダンテの腕の中におりました。
門に反応したのか煩い! と叫びつつ凄い形相で走ってくるラースを優しく抱きとめるスロウス。やはり元がおかあさんなだけあって、子供の扱いが上手いようです。

大丈夫、お前はあの門の向こうに還る事はないと泣きじゃくる子供に声をかけ、賢者の石をここに持ってくるように命令します。
命を下されたのはラースにスロウス、そしてラスト。

貴方がもう一度生まれ変わるためにと呟くラストに、自分の魂の定着の後で貴方たちを今度こそ人間にしてあげると答えるダンテ。
『でも 私の気持ち次第なのよ』

人間になりたいという欲望というか刷り込まれた使命は、ダンテによって植えつけられたのか、それともホムンクルスが持っている本能のようなものなのか、ちょっと気になるしばたさん。

無事赤ん坊が手元に戻ってホッとするロゼ。綺麗なドレスを身に纏い豪華な生活を送っているようです。
もっと食べないとと気遣わしげなライラ@ダンテですが。
『私のドレスのサイズに合わないじゃない』

門の鍵と新しい肉体と賢者の石が三種揃った、リオールの町のロゼという存在はダンテの格好の獲物だったようです。

ロゼの事を、ずっと教主を観察していたウロボロス組を通して、ダンテが知っていたのだとすると。
エンヴィーが起こさせたであろう内乱も軍の介入も仕組まれたものなら、ロゼに子供を生ませるって事までもダンテが仕組んだものかもしれませんね。
そう考えるとエグい話。

足止めされた汽車では、エルリック兄弟捜索隊が検問を行っていました。
髪や目の色を変えている可能性もある。大男とドチビだ。チビの方は豆粒くらい小さいから見落とすなよと、やたらとチビが強調されているエド兄ですがー。
シークレットブーツ装備か。しかし上げ底にもほどがあるのう。

拳を震わせつつも耐えるエドに、探しているのはアリンコみたいなヤツだと、更なる追い討ちをかけられちゃったり。
いいじゃん、小さいっていい事よ。狭い通路も通れるしー(生暖かく見守りつつ)

それでも耐えていたエド兄の背後で、妙な青銅の置物があると報告する声が。
通達の鎧より大きいようだとの報告に念のためにハンマーで砕くと、とぼけた面のワリには勘のいいオヤジのようです。

これが美女の像だったら砕かれずに済んだかもしれませんが、男の筋肉などに興味はない模様(当たり前)
思いっきりハンマー振り上げアルは風前の灯火…ってトコロで、シークレットブーツ脱いだエド兄登場。

噂の豆チビ! の言葉に飛び蹴り食らわすのを必死で耐え、アルと一緒に逃げ出します。
ブロンズ像から飛び出すアルは、自由の女神から飛び出したシャイニング・ガンダムのやうでした。

先に行けと弟を促し、どうやら両手パン練成が出来るようになったらしいアルを制止して、自分が足止めを引き受ける兄貴です。

エドの黒髪は、以前の変装よりお似合いですな。なかなか新鮮で可愛いじゃん。

安宿の一室。錬金術を使うのを止めるエドに納得出来ないアル。両手を合わせようとする弟を怒鳴る兄貴の言い分は、(賢者の石であるアルが)錬金術を使ったらどうなるか分からない。
ゆっくり研究してお前を元に戻してやるからと、エド兄は弟を賢者の石として使う気はないようです。
当たり前だよなー。

しかし賢者の石にはなっちゃうわ最愛の兄に触れる事は出来ないわ、錬金術で兄貴を助ける事さえ出来ないとは、アルを襲う試練って過酷すぎるわ。しくしくしく。

一人部屋を出ようとするエドに行き場所を問うアル。
あの野郎が言っていただろ。ホムンクルスを操っているヤツがいるって。
そいつを見つけるために 必要なものがあるんだ。

ボクも行くと腰を上げかけるアルに、すぐ戻るからと告げ
『お留守番。一人で出来るだろ?』
兄貴の表情をするエドに、それ以上強く言えない健気な弟でありました。この兄弟はどうしてこう可愛らしいのかーっ!

一人置いていかれたアルは、一度は元のように腰掛けるものの、弾かれたように立ち上がり廊下に出 ─ 。電話なんか見つけちゃいます。電話する先はウィンリィのメモした番号。

アームストロング少佐とマスタング大佐のツーショット。二人揃って北方遠征の指揮官を拝命だそうで。
最近、大佐の野郎ってば私の少佐殿と仲良すぎてジェラシーなのですがー(大バカ)

決まりですかなと呟く少佐に頷く大佐。
秘書官の件でエドとアルに接触を持った事は分かったはずだ。なのに咎めもなくいきなりの前線送り。

口をふさぐだけならセントラルでも襲いますがとの少佐の問いに、ヒューズの件がある、また同じ方法をとれば怪しまれると大佐。
『戦場なら 好きに殺せるという訳だろう』

その後文書が見つかっても握りつぶせる。

まだ大総統=ホムンクルスが信じられないらしい少佐殿、その動揺を口にするとマスタング大佐は厳しい顔で歩みを止め ─ 。

シェスカから託された資料を何度読み返してもどうしても解けなかった。これが最後のパーツだった。
『自らしっぽを出したな。ホムンクルスめ』

その頃の大総統@プライドは、優雅にお茶の最中でありました。…カッコいいなあ(オヤジ好き)

エドは師匠と再会中。
ここにそのまま居るとは思いませんでしたと言うエドに、灯台もと暗しと答える師匠。
それにダンテの持ち物を少し調べてみたかった。

何かあったのかと尋ねるエドに後で話すと告げ、先に用件を訊く師匠に、多分また怒られると思いますと俯くエド。

促す師匠へエドの言った、どうしても手に入れなければいけない物とは、予想はついたもののやっぱりとんでもないお願いでした。
『先生の死んだ子供の身体の一部 残っていませんか』

顔色を変えた後に師匠が呟いた戦うんだなとの言葉に、覚悟を決めた表情ではいと答えるエドです。

その頃のアルは、ショウちゃんことショー・タッカー氏を訪ねていました。
廃工場の中で泣きながらアルを待っていたタッカー。

よく来てくれたねと言葉をかけるタッカーの手にはキメラのニーナが。そんなタッカーにアルが告げた言葉は。
『賢者の石の使い方 教えてください』

毎週盛り上がりまくりねえと遠い目をしつつ、兄弟の行く末を案じつつ以下次号です。


イシュヴァールの内乱もリオールの暴動も、全ての原因はホーエンハイムだったのか。
ダンテが諸悪の根元だろうとも言えますが、彼女の気持ちって分かるような気がするのであまり責める気になれません。

命を救ってくれた、自分が愛を囁いたおかげで愛されていると信じていた少女を、ホーエンハイムは最後の最後で置いてけぼりにしたのだと考えると、ホント酷い男。
ホーエンハイムはトリシャに会って初めて真実の愛を知ったってコトかもしれませんが、ダンテにとっては裏切り以外の何ものでもない。

緩々と死に近づいていく憔悴の時、一番心が通じ合う人が欲しい時に、信じていた男が去って行ったんだもの。そりゃ荒れるわい。
意地でも生き永らえようと依怙地になってもしょうがないよねえとか思ってしまいます。

まあ、ホーエンハイムがトリシャに出会わなければこんな事態にならなかったかもしれないとか、そもそもダンテが賢者の石使って魂の定着なんかしなければ、こんなややこしい事にならなかったのにとか、つきつめていくとタマゴが先かニワトリが先かって話になりそうですけれどね。

心を劣化させるものは、肉体を渡り歩く事だけではなく、摂理に逆らった時間そのものって気がします。
永遠の命より安らぎと愛を得るために一人の女を見捨てた男と、執着だけで他人の未来を犠牲にして生きる事を選ぶ取り残された女と、さてどちらがより悪なのか。

物事難しく考えたくない私には向かない話だ。

どちらにしても兄弟受難です。幸薄いお子様たちだねえ。どうか幸せになって欲しいよ。

ここの所ずーっとクライマックス状態なので、さすがにそろそろダレてきましたが、兄弟それぞれお互いに言えない秘密を抱えて(それが相手を想ってのコトってのがまた萌える)、さてこれからどうするのだろうかと思うと心配です。

エドもアルも言動も考えも十分に大人なのだと思えるのだけれど、受ける印象が何とも儚げで脆い小さな子供たちなんですよね。
アニメは勿論、原作のあのエド兄だって、時おり無力な小さな子供に見えてしまいます。

おかげさまで、アニメやマンガを見ている間は本気で兄弟を心配したり幸せになって欲しいと願っている、いい年したしばたさんです。


さて来週は。

ニーナがいっぱいー。…綾波?
北方に行っているらしいエンヴィーも登場で、ウロボロス組の皆様大暴れでしょうか。

アニメ名物湿っぽい回かなー。だとしたら気合をいれなきゃなあ(すっごく嫌そう)


(2004.8.23初出)