第46話「人体練成」 粗筋:(アニメ公式サイトより) ホムンクルスとの戦いを決意したエドは、ラースの弱点を手に入れるためイズミの元を訪れる。一方、残されたアルが、賢者の石の使用法を知る為に向かった場所。それはショウ・タッカーの隠れ家だった。 ちょっと仕事が忙しくて休日出勤なぞしたので、今回の感想文はちまちまと平日に書きました。最近は土日にも時間が取りづらくてUPするのが遅くなる一方で申し訳なくー。 だったらコンパクトにまとめればいいものをと、毎回反省するのにも飽きてきた今日この頃。 『ドラクマは原作8巻に北の大国として既出ですよ』と教えて頂きました。さっそくコミックスをごそごそ。 ……おお、エド兄が偉そうに講釈たれとる時に出ていましたな。せっかく説明してくれたのに、右から左に素通りしてしまう鳥頭でごめんなさい。 パラケルスス=ホーエンハイムも、友人その他からパーフェクトガイドブックに載っていると伝え聞いて、そういやあったねえとその時やっと気づいた次第。 いかにいい加減に読み飛ばしているかが分かる微笑ましいエピソードです(ファンとしてダメすぎる) アニメスタッフの過去の作品には興味がなかったのでほとんど調べていなかったのですが、ストーリーエディターの會川昇氏は『うろつき童子』を手がけていたと、ひょんなコトから知りました。 うろつき童子。知らない人、もしくは名前だけは知っているけれど観た事はない人が圧倒的だと思われます(むしろ観たコトあるって人はぜひ連絡して欲しいくらい) それには理由があって実はこれ、80年代の18禁アニメなんですよね。普通の人の目に留まる所にないアダルトコーナーに置いてある作品です。 が、実はこれが真面目に面白い。本当に面白い。 硬派SFアニメとして、私の中では未だに最高ランクを保っているアニメです。 人気があったらしく色々とシリーズが出ましたが、私は一番最初のヤツが好きだなあ。水角獣さま(何と若本規夫が演っている)が出てるし。 触手だったりエログロだったりセックス&バイオレンスだったりしますが、そのストーリーの壮大さと(何せ地球の存亡に関わるエッチだからねえ)キャラクターの強烈さは、他の18禁アニメは足元にも及ばず、既存の名作と呼ばれるアニメに比べても引けを取らない出来でした。 私は天邪鬼が好きでねえ。水角獣さまとの一騎打ちは名シーンです。思い出すだけでうっとりしちゃう。 なるほど、結構シビアな所をついてくる脚本なワケよ。でもそのワリには詰めが甘いって気がしなくもないけれど。 會川氏が関わった作品ではヒオウ戦記も結構好きなのだけれど、それらに比べると鋼はちょっとばかし遠慮が入っている感じがします。監督色が強いのかしらん? それはさておき、何でうろつき童子なんか知っているかというとー。その辺は大人の事情ってコトで。 今でもレンタルビデオに並んでいるかは微妙ですが、18歳以上の大人な方は観て損なしだと断言します。いや、マジで。 展開はすっ飛ばしているのだけれど、意外にまったり気分で観られた回。身体がアニメの飛ばし方に慣れてきたようです。 誰かさんたちが密かに昇進していたので、これから何と呼ぼうか困ってしまったしばたさん(バカ) 空はこんなに青いのに〜。タッカー氏と地下室へ続く暗ーい階段を降りるアルフォンスくん。 来てくれると思っていたと、さっきまで泣いていたくせに何だか自信たっぷりなタッカー。 色々会ったが本質的に、私と君たちは非常に近い。それ故にエドワードくんは私に会いたくないのかな。 兄さんは賢者の石を使いたくないのだと答えるアルに、それは奇妙な話だと訝しがります。 兄弟が賢者の石を手に入れたとの推測はたったにしても、まーさかアル本体が賢者の石とは思ってもいないらしい。そりゃそうだ。 君たち兄弟は ─ と言いよどむタッカーの後を継いできっぱりとアルが告げるのは、いつも口にしている言葉。 失ったものを取り戻すために旅をしてきた。それがボクたちの全てだ。 こいつの笑顔ってホントに悪魔的だよなと見る度に思う、片頬歪めた笑みを浮かべるタッカー氏です。 そうか、タッカーと兄弟は根っこが似ているのか。…どの辺が? 欲望に忠実な所とか、目的のためにはなりふり構わない所だろうか。 似ていると言われればそうかもしれないけれど、タッカーと兄弟が似ているというよりは、大抵の人間が持っている、どす黒くて御しがたいドロドロした何かが、たまたま表に現れた者同士って感じかにゃーと思うのですが。 タッカーは表に出しすぎだけどな。 でも、エドがタッカーに同属嫌悪を持っているってのは当たっていると思われます(いぢわる) 地下室にはスカーの腕の文様と同種の練成陣がそこかしこに描き込まれ、その真ん中にぽつんと水槽がありました。 中にあった物は ─ あった『者』かな? 多くの動物たちの命で造られたらしい、ニーナの姿をしたキメラたち。 用意は出来た。後は肉体と、多くの動物たちが捧げてくれた命を繋ぐだけ。─ 賢者の石で。 どうして賢者の石の事を知ったんですと訊かずにはおられないアルに、簡単な推理だとタッカーは答えます。 アーチャーの負った傷を見れば何があったのかは分かる。その中心にスカー。傷の男。 そして君たちが逃走したと聞いた。 キング・ブラッドレイが欲しがるものはひとつ。賢者の石だ。 大総統がホムンクルスだと知っていたのかとの問いに、バカにした様子さえ見せて答える大人気ないタッカー。 私が何年第五研究所で過ごしたと思っている。そこには彼らが出入りし、そしてあの人も。 あの人とはホムンクルスを育て導いた人。 その人はもしかして ─ ? と更に問いただそうとするアルを制して、本物の賢者の石を出してくれと両手を広げてアルの身体にタッカーが触れた途端、赤く光り輝く文様が浮かび上がり ─ 。 『触らないでください。ボクが賢者の石なんです』 さすがにビックリしたらしいタッカー。エドが賢者の石を使わない理由がようやっと分かったよう。 一応、まだ人の心の機微が分かっているのかしらん。 賢者の石を使ったらボクがどうなるか分からないから、ちゃんと研究するまでは賢者の石は使わない。その前にホムンクルスをどうにかしたいとの兄貴の見解を告げる兄ですが、本人は複雑な心境のようで。 兄さんがボクを心配しているのは分かっています。でもボクは兄さんを元に戻してあげたいんです。 その方法が分かるならと、過酷な状況に陥っているのは自分なのに、健気な弟の心意気に涙するしばたさんです。 エド兄ってホントに愛されてるなあ。この幸せモンっ! もちろん賢者の石の使い方を教えようとタッカー氏。ただし 『その力を私にも使わせてもらいたい』 等価交換だとほざくタッカーってホントに悪魔のようですな。兄弟の心を惑わしてくれます。アルも必死なのは分かるけどー。 ムチャはいかんよ。キミに何かあったら兄貴が泣くぞ。 で、ここでOPなのですが。今回初めて気になったのが、最後の線路の上に立つ兄弟のシーン。 エドは振り向くのに、アルは背を向けたままですよね。何だかその後姿が妙に気になってしまいました。 なんて事ない演出上のカットだとは思うのだけれどー。最終回を暗示していたらイヤだなーとか思っちゃったりして。 ダンテ宅にて師匠と再会中のエド兄。文献や資料はほとんど処分されているようです。 ダンテさんてどういう人だったんですか? とのエドの素朴な疑問に、錬金術師が身に着けているお馴染みの紋章を受け継いだ偉大な錬金術師だと師匠は答えます。しかしその後に付け加えた言葉は。 『 ─ そう思っていた』 訝しげに訊き返すエドに師匠が言うには、ダンテは錬金術の知識を非常に巧妙且つ徹底的に隠していたそうな。 それって当たり前じゃん? と尚師匠の言わんとする事が分からないらしいエドに、その方法が徹底していたと繰り返します。 錬金術が人のためのものだというのなら、何故隠す? あの人はこの森の中に住んで誰とも会わない生活を選んだ。何のためだ? …とか問われても、前途洋洋、時間は無限にあると思える伸び盛りの子供に分かるワケないよなあ。 ってなトコロで師匠の回想。 深い森を出て、町で人々と共に暮らす決心をしたらしい若き日のイズミさん。 『錬金術師よ大衆のためにあれ』を実践する自分の行動を、師匠であるダンテに喜んで貰えると思っていたら、どうやら風向きが違ったようで。 必要としている人のために錬金術を使うというイズミさんに手向けるダンテの言葉はきっついモノでした。 感謝されて一生過ごすの? ならいっそ、今度徴募される事になった国家錬金術師にでもなったら? あまりの言葉に貴方は人間が好きではないのかと叫ぶイズミさんに、ダンテはあくまで穏やかに出て行けと告げ ─ 。 『どうして好きになれるのかしら。あんな自分勝手で何のとりえもない生き物が』 ちょっと火薬の使い方を覚えただけで戦争だらけの世の中にしてしまう愚かな生き物。 そんな生き物が、錬金術の秘密を知り尽くしたらどれほどの悲劇が起こるかと、それを憂いてなのか人と接触しない生活を選んだ…のかしらねえ? それでも私も貴方も人間だと叫ぶ言葉も虚しく、ただ静かに全てを拒否するダンテです。 どうやら年老いたダンテの姿の時には既に、人間でいる事を放棄していたようですな。もしかしたら、400年前から既に人である事をやめてしまっていたのかもしれません。 愚かな人間とダンテとを繋ぐ糸がホーエンハイムだとしたら。ホーエンハイムへ向ける愛情だけが、彼女が人としての実感を保てるものだとしたら。 ほんっとーにパパって罪作りな男ですな。 ホントにそうなんじゃないかと思える言葉が師匠の口から語られます。 彼女の前で決して出してはならない名前があった。『光のホーエンハイム』 何でここでクソ親父の名前が出てくるんじゃい! …と思ったかは定かではありませんが、意外な名前にちっと驚いたらしいエド兄。これだけは捨てられなかったらしいと示された一通の古ぼけた手紙を手に取ります。 それは、ホーエンハイムからダンテに当てた(多分熱烈な)恋文。 中身を読んで、とってもバツが悪そうに赤面するエド兄が初々しくて可愛かった…つーか、パパってば一体何を書いたんだ? 君の××はしっとりと××で、ピンクの××は××のようでーとか、18歳未満のお子様は読んじゃいけませんってなコトが書いてあったんじゃないだろうな? いっくらクソ親父が見境ない女好きだとしても、20も年上のババアに手ぇ出すようなバカな真似はしないんじゃー? と、行間を読むとそんなコトを言いながら慌てて反論するエドに、そんな事は問題ではないと落ち着いて対応する師匠。 ここにキリスト暦で年号が記されている。今では使われていない古い宗教に基づくものだ。 これによればこの手紙は、400年前に書かれている。 キリスト暦かよ! ますますアニメの鋼の設定が分からなくなってきたなあ。 鋼の世界観が20世紀初頭。パラケルスス存命が1493〜1541年。となると400年前というのはまさに本人というのも有り得るって意見を頂きましたが、キリスト暦が過去の遺物ってコトになるとまた話が変わってきちゃいますな。 錬金術が廃れずに発達したパラレル世界って思えばいいのかしらん? 錬金術が生き残った代わりにキリスト教は廃れたんですかねえ。 この世界では宗教そのものが形骸化しちゃってるのかなあ等と、どうでもいいトコロが気になるっつーか、このての考察は知識がないし苦手だーっ! どなたかエレガントな解釈をしてやって下さい。私にはムリ(最初から放棄している辺りがダメすぎ) 話を戻して。 『ホムンクルスたちを操っている人物=ダンテ』との推測に師弟揃って辿り着いたようですが。 結論はまだ早いと告げつつも、もしもの場合の覚悟を尋ねる師匠に、黙って窓の外を睨むエド兄であります。 ダンテの館の前でエドを見送る師匠夫妻。何の力にもなれず悪いとの言葉からすると、子供の遺骸を手元に残す事はしていなかったようです。 詫びる師匠にやっぱり自分たちだけでやりますと気遣いながら、目を伏せて紡いだ言葉は。 『ごめんなさい』 バカ者と呟く師匠に、深々と頭を下げながら同じ言葉を繰り返すエドです。 一瞬『ごめんなさい』の意味が取れなかったのですが。ラースの事だったのですね。気づくの遅いっ。 師匠にしてみれば、生んだ子供と育てた子供が殺し合うってな展開でしょうからつらいでしょうねえ。 友人はこの辺の師匠のあり方にひっかかったようですが、アニメの師匠の描き方には忸怩たる思いはあるものの、今回のは心境としては分かりやすいので、私はあまりひっかからなかったです。 つーか、アニメの女性の描き方はそーいうモンだと割りきった(爽やかに) アニメにかかればハボックさんだって受けっぽくなっちゃうぞーと、捨てられた子犬のような目をしたハボックさん。 そんな儚げな表情をしてしまうくらいに、大佐と離れ離れになるのがイヤなのねえ。 いやまあ、アニメ。脱力するというか、思わず投げやりな気分になってしまったというか。 そういやハボック受けって読んだ事ないかもな。今度探してみよう。 それはサテオキ。 北方遠征の前にハボックさんを見舞いに来たらしいマスタング大佐とホークアイさん。 あまりに寂しそうなハボックさんを見かねてか、時間だと伝えに来たフュリーさんを悪性の水虫が脳に転移という、ムチャな理由でムリヤリお隣のベッドに押し倒しー。 おお、今日は攻めの大佐ですか? これまた新鮮な組み合わせ(間違っています) 『仲間が増える』と告げた時は、すっげー腹黒そうな表情していたしねえ。ここの所あまりに受けっぽしかったので、軌道修正にかかったのかしらん。 ベッドに押し倒した後に、おもむろにメガネを取るというマニアックな事をしてみせて、更に美女に野暮ったい黒ぶちメガネをかけさせるという、更にマニアックな事をしでかして悦に入る、久々にオヤジな大佐に心和みました。 顔色変えずに『ご冗談を』とすました表情で、メガネを外すのではなく位置を直すホークアイさんにも萌えです。 この2人のコンビは楽しいですな。 やっぱりオヤジな大佐を見ていると落ち着きます。可憐さとオヤジさを両方同時に語れるマスタング大佐って偉大かもしれません(それは気の迷いですよしばたさん) 北方遠征部隊の壮行式。ハクロ将軍の晴れ舞台。 こいつは大佐にも良いように扱われていますが、大総統にも同じくらい便利に使われている模様。 原作で間抜けな役で登場してしまったがために、墓穴掘りまくって自分では気が付かない役回りを貰っていますな。可哀想に(生暖かく見守りつつ) それはともかく。大総統と大佐のタヌキ同士の化かし合いもともかく。 (北方遠征の任が『君にかけられた疑いが根も葉もないと信じている証』とほざく大総統も大総統だが、『光栄に思います』と受けて立つ大佐もいい根性してるよな) さり気なく『ロイ・マスタング准将』と『アレックス・ルイ・アームストロング中佐』になっちゃってるではあーりませんか。 これから大佐って書けなくなるのか。ロイとかマスタング准将とか? むーん、困ったなあ。 大佐…じゃなくてロイはともかく、アームストロング少佐はもっと困る。アレックスって書いても誰の事だかイメージ沸かないし。 困った困った(本気で悩んでいるしばたさん) 激励に応えつつも、北方に主要部隊が集中してセントラルの守りが手薄になる事を憂うアームストロング中佐に、案ずるなと告げる大総統。 『フランク・アーチャーが張り切っておる』 生きてはいるけど張り切っているかどうかはちょっと微妙だねえな、身体半分もぎ取られた状態のまま絶叫するアーチャー氏でございます。 大総統の執務室には、書棚の陰に地下の秘密基地に通じるエレベーターがありました。初代バイオハザードの寄宿舎を思い出す私はクリスファン。 秘密基地というか地下都市のよう。オープニングのエレベーターがこれのようですな。 おつかれさまでしたとのダンテの言葉に、へりくだってお辞儀する軍事国家では実質的に一番偉い人であろう大総統閣下。 …と書いていて、そういや政治家って出てきたコトないなあとちょっと思いました。軍=政府なのかしらん。 北には賢者の石伝説がない、戦火を広げて追いつめても賢者の石を作ろうとする人間は現れないとのブラッドレイ@プライドの言に、それでもいいと答えるダンテ。 今回は軍の統率が目的なんだから。 賢者の石に近づくものは滅びる。それは軍人であっても例外ではない。 マスタング@ちょっと前まで大佐だけではなく、ヒューズの一件に関わった者は皆戦死する。 って事は、ロス少尉やブロッシュ軍曹も北方行き決定、ウィンリィやシェスカも風前の灯火って所か。 ぶっちゃけ、邪魔者は皆殺しってコトですな。大雑把というか大胆というか。あとくされなくてスッキリするって言えばそうだけれど。 やはりダンテは、人である事を既に放棄しているみたいです。でも人という種に対して何の感情も抱いていないのか、憎しみを抱いているのかは微妙。 何も感じないなら処置なしだけど、憎しみと愛情は紙一重だからな。どちらなのかちょっと読みきれません。 これから先分かるかな。 北方に行った者は全て戦死する。エンヴィーによって…ってな話をしている所に、北方にいるはずのエンヴィー登場。 ダンテも知らなかったらしくやんわりとたしなめますが、エンヴィーは完全にキレている様。 無礼な振舞いを制するプライドに、逆に人間もどきと食ってかかったりしちゃいます。 キレた原因は『あいつ』 ダンテがプライドやグリードを造ったのと同じようにオレを ─ オレたちを弄んだ…ってコトで。 光のホーエンハイムがエンヴィーの生みの親のようです。 ヤツは何処だと叫び、揶揄するプライドを弾き飛ばして馬乗りになって床を殴りつけ、ダンテに死んだと言われても聞く耳持ちません。 あいつが死ぬわけない。オレが殺すんだから。 魂と肉体と精神の結合を解いた。死んだも同じだと穏やかに諭されて更に激昂した模様。 何で来たのを教えなかったと、あいつはオレがー! …と、やっぱり床を殴ってクレーター作っちゃう、細身の肢体からは想像も出来んくらいのパワーの持ち主ですねえ。 息子たちはまだ生きているとの言葉は耳に入らなくても、彼らが賢者の石を手に入れたというのは理解出来たようです。 このままだとあの子たち、全てを取り戻してしまう。 させないと呟くエンヴィーに、ダンテが言うのは 『不公平ね。あの子たちだけが全てを取り戻し、あの人の一番大切な子供だった貴方が何も得られない』 あいつらの目の前で賢者の石を取り上げられる顔を、全てを失う顔を見たいと、新たな目的に壮絶に笑うエンヴィーであります。 ってなコトで、エンヴィーがエドに特別の憎しみを持っていたのはこの辺りに何かがありそうです。 ダンテの言葉からすると、エンヴィーをただ造ったってワケではなく、何かしら特別な関わりがあるっぽい。 もしかしたら、ホーエンハイムとダンテの子供としてエンヴィーというホムンクルスを造ったりしたのかにゃーとか思ったりして。 そうなると、エンヴィーも『父親に捨てられた子供』になるワケですが(エドの場合は『父親に捨てられたと信じていた子供』かな) さて、ホントの所はどうなんでしょ。 しかし、この時のたじろぐプライドとかエンヴィーに殴り飛ばされるプライドっつーのがなんつーかこう。 アニメにかかればキング・ブラッドレイだって受けになっちゃうんだねえと、ちと思ってしまったしばたさん(大バカ) 兄弟が取った宿には賢者の石奪還三人組がおりました。キレイな姐さん2人組+子供。ラースってばベッドの上で楽しそう。 こいつは邪気がない分始末におえないって感じですねえ。 エドに当てた置手紙でアル@賢者の石がタッカーの手元にある事を知るラストにスロウス。 タッカーは何のためにアルを呼び寄せたと思うかとのラストの問いに、決まっていると応えるスロウス。 あの役に立たないキメラを完成させるためよ。 スロウスの言葉に眉を顰めて『彼の娘よ』と言うラスト姉さん。スカーと関わって人間的な感情に目覚めたのだろうか。 タッカーは第五研究所色々と学んでいる。賢者の石についてもとのスロウス。それを聞いてラストは独り言のように呟きます。 それを知れば鋼の兄弟は賢者の石の使い方が分かるわけね ─ 。 不穏な言葉に何を考えているのと問いただされて、答えずに微笑するラストです。 後を頼むと告げるスロウスに行っちゃうの? と甘えた声を上げて抱きつく、すっかり懐いちゃっているラース。 お母さんの頃の気分を思い出しているのか、ただ単にダンテの言いつけを守って世話しているのか、スロウスの方の態度は微妙だなあ。 タッカーさんとアル。一緒に準備をしているようです。 まったくキミの兄上は天才だ、七つの角のある練成陣をとっさに思いついてみせた。 …天才と何とかは紙一重だと思うとか言っちゃダメ? 私はエドのファンですよー。ホントですよー(棒読み) やーい真似しーと弟くんにいぢめられて、発展させたんだいっ! と言い訳するタッカーに、大人ってズルいと純真な子供は思ったかもしれません。 エド兄は真実に迫っていたそうですがー。七つの角の練成陣のどの辺が真実なのかその内明らかになるのだろうか。 この方法を使えば賢者の石を発動させられる事にも気づいているだろうとの言葉に、ボクの身を案じてと呟くアル。 キミの肉体を再生させる事を優先すればいいだけのことなのに、彼はまるでもう賢者の石を使う事に興味がないようだね。 何故? と思わず問うアルにそれは多分 ─ と、さすがのタッカーも言いよどんでしまいます。 タッカーが口にするのを憚るほど、賢者の石が造られた時の光景は凄まじかったようです。エドがトラウマ状態になったのもムリないコトよ。 それはさておきと、何気なくアルを練成陣の方に誘い、素直な子供が言う事聞いたら。 ホント大人って汚い。いきなり発動するアル@賢者の石。赤く光り輝き文様が浮かび上がり、上下に描かれた陣の中央に置かれた水槽の上で宙に浮き ─ 。 『先に代価を払ってもらうよ』 待ってください! と叫ぶアルの言葉は耳に入らず(今回、人の話を聞かないヤツらが出張るなあ。エンヴィーといいタッカーといい)、もうすぐだよニーナという言葉を漏らして陣に両手をついた途端、絶叫するアルフォンスくんです。 五感がないアルが思わず絶叫するほどの感覚って一体何なのだろうと、スカーが陣を発動させた時からちょっと気になっているコトです。 ようやっと兄貴がお帰り。お出迎えはアルではなくラストとラースでした。 頭に尖った爪先を突きつけ、元気そうねとのたまうラスト姉さん。 弟から聞いた、お前が何者かは知っていると呟くエドに、私は私だとラストは答えますが。 『いいや、違う』 ってなコトで、スカーの持っていたオリジナルの遺髪が入ったロケットで、まんまとラストの動きを封じる事に成功したエド兄。 が、そこで勝負がつくわけがなく。今度はラースがボクの手足返せーと、某カシマレイコさんのやうに迫ってきたり。 エドVSラース。これで何回戦目かな? エドの義手をもぎ取り自分の鎧へと練成、力だけならラースの方が強いらしくベッドに押し倒されるエドですが(事実なのに、何だかやらしいシーンに思えるのは何故だろう?) 命乞いなら聞けないと勝ち誇るラースに、首を絞められながらも腕でも足でも持っていけと言い放つエド。 オレには最高の機械鎧技師がいる。もっとカッチョいいのをつけてくれるさ。 思わずいきり立つラースに、エドはひとつ聞きたいと更にたたみかけます。 オレから腕や足を奪って取り付けて それでお前は人間になるのか。 機械鎧になっても鎧になっていてもそれがどうした。人間だ。 だけどお前はどうだ。 やはりくどき上手な光のホーエンハイムの息子だねえとしみじみするほどに、口が達者なエド兄です。 思わず怯んだらしいラースを弾き飛ばし、間に壁を練成…なんて一連の行動を、ラストは固まったまま眺めていました。 何やってるんだとイライラしながら絡まっていたロケットをむしり取られ、こいつらを倒さなければあの方に言いつけるぞ! と子供に命令されてシャキーンなラスト姉さんは、越後屋に『先生! やっておくんなせい!』…と言われる浪人のようでした(時代劇好きなんです…) 見直して気が付いたのだけれど『こいつらを倒さないと』で複数形だったんですね。 アルは賢者の石なんだから、倒しちゃったら却って怒られると思うのだがどうよ? ラースくん? 窓から逃げたけれども、路地を挟んで前門の狼後門の虎の様相で絶対絶命なエド兄。 しかし、『やれよ、ラスト』って随分偉そうだよなあ。裏切りモンってコトで、ラスト姉さんへの風当たりが強いようです。 あんたも人間になりたいんだよなと言い放つエドに、賢者の石があればと答えるラスト。 弟くんはタッカーの元でその方法を学んでいるわ。 しかし話はそこでは終わらず、もうちょっと続きがありました。 『もし、その方法が分かったら。─ あたしを 人間にしてくれる?』 そしてラースに攻撃をしかける、決定的な裏切りの烙印を刻むラスト姉さんでございます。 その後のやり取り中(『何の真似だ』『言ったでしょ』『やめてくれ』てトコロ)のラストとエドが、一方的に別れを告げられて詰め寄る彼女と『やめてくれ。キミとはもう終わったんだ』等と思わず口にする彼氏に見えた、何だか目がおかしいしばたさん。 閑話休題。 オレがお前たちを人間にするなんて本気で思っているのか? と何だか照れてるように言うエドに、どうして? と逆に問いかけるラスト。 私たちを人間にしてしまえば貴方たちはもう追われる事はない。敵がいなくなるのよ。 いちいちもっともな言い分に、さすがのへらず口エド兄も、咄嗟には反論出来ないようです。 裏切り者と叫びつつ再び襲いかかるラースを迎え撃つラスト。が、敵もさる者、出番の多いスカーのロケットを使って動きを封じてしまいます。 あの人に賢者の石を届ければ人間にしてくれるって聞いただろと、何処でこんな真似覚えたのかなあな女王さま踏みつけのラースに、踏みつけられたラスト姉さんの答えは『信じられない』 あの人は自分が生き続けるために賢者の石を欲している。そのためにいくつもの戦争を(引き起こした) あの人は私たちを人間になどしない。 それを聞いてもラースは動揺する事なく、却って笑って自分の力で人間になると告げ ─ 。 痛いよー痛いよー。指先って痛いんだよー。ラースに爪をもぎ取られて絶叫するラスト姉さん。痛覚は人並みにあるのね、やはり。 あの人の言っていた通りだ、ラストは信用出来ないまではともかく、妙齢の女性に対しておばはんはないだろう? エドとラストの協力プレイなんて世にも珍しいモンのおかげで、バチが当たって一回死んでしまったラースでした。 口は災いの元。ちょっと若いからって生意気なガキめ!(何故そんなに怒るのかしばた) 夜道を仲良くランデブー中のラスト姉さんとエド兄。…どうしてか『エドとラスト』ではなくて『ラストとエド』って書いてしまうわ。 エド兄ってば、女という女の尻に敷かれているやうなのは気のせいか。 早く行かないとタッカーはスロウスが狙っていると告げるラストに、居場所が分かるのかのエド兄。 国家錬金術師になる前に彼が働いていた工場が近くにある。 急がなければならないのに、ラストを呼び止めてエドが問うのはとっても基本的な事。 何故人間になりたい? あんたたちは無敵だ。いつまでもその姿でいられる。なんだか知らねえが楽しそうに生きてる。 それなのに、なんでまた人間になりたい。 ラストが寂しそうに笑って答えたのは 『残酷な事を言うのね』 なら、何故あなたの弟は元に戻らなくちゃいけないの? 思わず言葉に詰まるエドに、それと同じ事だと告げて先を行くラスト姉さんでありました。 あの人とはオレの知っているヤツかと訊ねられて、人間になったら教えてあげるだったり、オレはまだあんたの弱点を持っているのを忘れるなと叫ばれて、忘れるわけがないと呟いてみたり。 ラスト姉さんはやはり挙動不審です。 タッカーの元では賢者の石の力でニーナが甦っていました。─ 人形として。 嬉しそうなタッカーと茫然とするアルの前にスロウス登場。残暑厳しいですね。涼しそうですよねえ、スロウスって。 おめでとうと穏やかに告げるスロウスに怯えるタッカー。そんな様子にスロウスは、魂のない人形に興味はないと言い放ちます。 魂を繋ぎ止める事が出来るのは強力な意志だけ。貴方にはムリだったわね。 つまり、エド兄は魂を繋ぎ止めてしまうほどにアルのコトを愛していると。アルエド(逆でも可)万歳!ってコトですよね?(何かが根本的に間違っている気がするぞ) お母さんの姿で声で、アルにいらっしゃいと呼びかけるスロウス。 せっかくの賢者の石をこれ以上減らす訳にはいかないわ。 減る? と訝しげなアルに向かってスロウスが指差した所を見やると。 ぽっかりと別な空間に繋がっているような深淵を覗かせて欠けた鎧の身体。 助けを求めるように兄を呼ぶアルに、一体この子はどれほど痛い目にあったら幸せになれるんだよーっ! と、とほほな気分になりつつ次まで待てやってなトコロです。 裏切ってみたり人間になる事に固執している、挙動不審なラスト姉さんですが。 実はラストが人間になりたがる理由ってちょっと分からなかったりして。 元々が生身の身体であったアルと、不老不死の生物として生まれたラストでは全然違うんじゃないかなーと思っちゃうのですが。 今のラストは昔のラストではないって事なのかなあ。オリジナルの人間の記憶が甦ったおかげで、人間になる…戻る事に渇望しているとか? でもその前から、今と同じくらい人間になりたがっていたようだったし、不老不死に飽きるほど長く生きたってワケでもなさそうだし。 『忘れる訳がない』ものがオリジナルの肉体の一部なのでしょうが、スカーの憧れのひととラストは全然別の人格だと思うんだけどな。ラスト=基となった人間って図式はありえないと考えていたのだけれど。 もしそうだったら、スロウス=兄弟のおかあさん…になるのかなあ。それはちょっと兄弟には過酷すぎる気がする。 どうもホムンクルスと、基となった人間の関係が今ひとつ曖昧で分かりづらいです。そのせいで、ラストの苦悩が今ひとつ伝わって来ないって感じ。 最後まで行けば謎は全て解ける…のかねえ。映画もあるから微妙? とにもかくにも、日和見ってもいいから兄弟には幸せになって欲しいと本気で願っている大人気ないしばたさんです。 さて来週は(って今日じゃん) エドVSスロウスっぽいですが。そして決着まで着いちゃってるようですが。 何かもの凄くハードな展開がてぐすね引いてお待ちかねって感じー。せめて感想文は明るく…出来るといいねえ(ささやかな希望) (2004.9.4初出)
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第47話「ホムンクルス封印」 粗筋:(アニメ公式サイトより) 賢者の石となったアルを巡り、対峙するエドとスロウス。アルはいまだスロウスに母親の面影を感じ、惑う。侵した罪。本当の贖罪を、自らの手で果たす為、エドは今、スロウスに立ち向かう。 アニメって50話で終了かと思ったら51話目があるんですね。最終話が1時間SPになったらどうしようかと今から心配です。書くの大変そうー(バカ) 『アニメ無事満了の無事ってのはTVのリモコンを投げつけるような最終回だったとしても、『無事』ってことになりますかっ!?』 …と、尋ねられましたが。 いやー、どうでしょう。微妙ですな。 まあひとつの作品として終わっていれば出来上がった物への文句は言いません。 ……文句は言わんが泣き言なら言うぞ! ゴルァっ! そうならないように頑張ってもらいましょう。兄弟が幸せになってくれればもっとよし。でも身も蓋もないような『幸せ』だけは勘弁だいっ。 そして『映画エドの中身がアル』とか『SEED2の後番が鋼2』ってのは噂だけにしといてください(鋼2は危ねーな) 表面上はホムンクルス対エルリック兄弟のアクション編。しかしひとたび考え始めると、ちょっくらヤバい展開の話。 そりゃホムンクルスは人間ではないんだけどさー。けどさー。兄弟はいつまでたっても受難だのう。 ホラー仕立ての今回、一番不気味なのはウィンリィだと思うのですが皆様はいかがでしたか? アルとスロウス。…アルとお母さんと言った方がいいのかな。 いらっしゃいアルフォンス、痛かったわねと懐かしい日々そのままに、ぽっかりと口を開けた鎧を覗き込むスロウス。 でも大丈夫。すぐに直してあげる。─ 子供の頃みたいに。 その言葉に昔々を思い出し、思わず母さんと呼びかけてしまうアルに優しく微笑むスロウスです。 おっと。実はお母さんだった頃の記憶が結構残っていたんですねえ。そういや光のホーエンハイムの事も覚えていたようだし。 だったら何で平気な顔して殺しにかかるのかにゃあと思っていたら、記憶があるが故ってのがその後明らかになっていきます。 そんな頃のラースはまだ死亡中。 門の内の闇に追いかけられ、必死で逃げている内に幼い頃に心も身体も戻っていき、ついには赤ん坊の姿に。 優しく抱き上げる女性。愛しげに抱かれて安心しきった笑顔で見上げる顔はイズミさんだったりスロウスだったり。 絶叫と共に目覚めたラースはただひとつ、『母親』を求めて歩き出すのでした。 目がイっちゃってて怖い。 アーニーメーは、ホントにこのての女性の描き方がお好きですなあ。いや、別にいいんだけどねけどね(でも嫌そう) 暗示的な描き方のワリには、狙いがステレオタイプで恣意的な感じがしてしまって、私としては気恥ずかしいっつーか、胃にもたれるといおうかで、思わず遠い目になってしまったり。 アニメの女性観はこーいうモンと割りきったつもりだったんだけどな。 ホムンクルスの女性の方が、よっぽど感情移入出来るってのも困りもの。 おててつないで引率中。 色々ありすぎてボウっとしているのか大人しくスロウスの後を着いて行くアル。 去っていく二人にもう一度チャンスをくれとタッカーは追いすがりますが、逆にスロウスに溺れかけさせられます。 苦しそうなお父さんを見ても何の反応も示さないニーナ。アルもボケっと突っ立って、ただ見ているだけです。 タッカーが苦しむ姿が確かに目に入っているのに、上からの物音の方が気になるよう。 『…兄さん?』 ヤバいぞアルフォンスくん。母親恋しですっかりスロウスの毒気に当てられたか? …と、ちと心配になりましたが、あの兄貴の弟であるアルフォンスくんはそれほどやわな根性はしていなかったようです。 上には予想通り、エドがスタンバっていました。廃工場に転がっていた銃身で簡易の機械鎧を練成…って、軍需工場だったのか。 争いが絶えないのに武器造っている工場が閉鎖されたってコトは、実は軍縮に向かっているのか、それともただ単に経営が下手だったのか。 エドの目の前に現れる2人。 母親の顔をしたものをホムンクルスと呼び、アルから離れろと怒鳴るエド。 戸惑いつつ呼びかけるくる弟にオレもやられたと答えて、その後付け加える言葉は 『だがそいつは母さんじゃない』 どんなに姿が似ていても、そいつに魂はないんだ。 投げかけられた言葉にスロウスは酷い事を言うのねと微笑み、母の声で名を呼ばれても、しかめ面を変えないエド兄は頑固者ですな。 何と殺されていなかったタッカー。のこのこと未練たらしく現れます。 『貴方の役目は終わり』とのスロウスの言葉に、てっきりあのまま溺れさせたと思ったのですが。アルの目の前で命まで奪うのは気が引けたのだろうか。 それとも、魂はなくても娘の目の前で父親を殺すのをためらったのだろうか。 わざわざアルだけを呼び出してーって、それは誤解だよ、エド兄。アルが黙っていただけ。 弟にムチャしでかした挙句傷物にされて、怒り心頭の兄貴です(正しい説明…ですよね?) アルとエドのやりとりが、等価交換なのと彼氏を庇う娘と、その男にそそのかされたんだろ! と怒鳴るガンコ親父に見えた私ってば、生活に疲れているのだろうか…。 『後でぶっ飛ばす予定のヤロウどもリスト』を作成する決心を、エド兄はしたらしい。 とにかくオレと来いと怒鳴るエドに、それは出来ないとアルの代わりに答えるスロウス。 あんたはアルを元に戻すのか、それとも残った体全部、あの人とやらに使うつもりかと詰問されても、スロウスはただ微笑するばかり。 アルにどけるように怒鳴って(今回はエキサイトしまくりだなあ)業を煮やして実力行使に持ち込む兄貴です。 スロウスVSエド。 銃身使って作った義手を再練成して機関銃装備。いつもは接近戦用武器なのに珍しいコト。 等価交換をくどいほど強調するワリには、非常にアニメ的な尽きない弾丸が何だか微笑ましかったです。 スライムと化したスロウスに遠慮なく鉛玉をぶち込むエド。元に戻る隙を与えません。とばっちり食ったタッカーは可哀想だけれど、よく弾に当たらなかったねえ。この後も出番がありそうで良かったね。 あまりに酷い光景に見かねたのか、スロウスとの間に飛び出すアルにどいてろ! と、今日は怒鳴ってばかりの兄貴。 スライムの中から顔だけ出して痛いわと言われてもねえ。 そういやドレスも一緒にスライム化してますな。つーコトはスロウスは素っ裸と一緒か。モザイク入れないと放映コードにひっかかるぞー。 ただでは死なないのは分かっていると、おもむろに走り出すエドを追いかけるスロウス。肩を揺らして走る兄貴と違う滑らかな走りですがー。…足音聞こえているけどちゃんと走っているのか? 見えない下半身がどうなっているか想像すると、何だか笑える。 水と化した腕を伸ばしてエドを捕まえるスロウスですが。もがきながらもにやりと笑うエドの表情に、捕えられたのは自分だと悟ります。 グリードを倒した時、ダンテさんの家に描いてあった練成陣だ。これ ホムンクルスを封印するものだろ。 さすが天才児っつーか抜け目ないっつーか錬金術バカっつーか。 見る影もなく打ちひしがれていても、錬金術に関係する事には興味を抱かずにはいられないらしいですな。 頭がいいのね、でもこれだけじゃ足りないと落ち着いて語るスロウスに分かっていると受けて立ちます。 ホムンクルスの唯一の弱点 人体練成をして甦らせようとした肉体の一部。 ポケットから小箱を取り出し、おもむろにスロウスめがけて突進してそれを体内に突っ込むと、彼女は形が保てなくなってしまいました。 つーコトで、事態の急変に驚愕して箱の中身を訊ねるアルに、苦々しくエドが答えたのは。 『このホムンクルスを生んだ人体練成の ─ 対象者だ』 茫然としてかあさんと呟いたアル、しかしこの兄あってこの弟は、こんな事で事態に呑まれるようなタマではなかった。 一転して自分に黙って母親の墓を暴いた事を詰問する気の強さを発揮します。可愛い声していい根性しとるわ。 対するエドの答えはとっても兄貴らしいもの。 『こんな事をするのはオレだけでいいんだ!』 兄弟ゲンカは和みますねえ(この緊迫の場面であんた…) 子供2人が意地張っている隙を縫って、スロウスはこっそり手を伸ばし何とか練成陣を消そうと試みますが、その努力を見ていた某人がそんな事をしても練成陣は消えないと静かに告げました。 『この爪で 深く刻んでおいたから』 てなワケでラスト登場。エド兄は美人の姉さんと2人仲良く共同作業か。羨ましいねえ。 ありがとよと、ふてくされた表情でも一応礼を言い、投げてよこしたロケットを弾き飛ばすラスト。別にこんなものが欲しくてやったわけじゃない。 ロケットが触れても普通の状態だったってコトは、一瞬触れただけなら大丈夫なのかしらん。そういやグリードは、自分の頭蓋骨を持ち歩いていましたね。 頭だけ実体化し何故と問うスロウスに、本当に何も覚えていないのかと逆に問いかけるラスト。 私は思い出した。ほんのわずかだけど。 私たちに記憶があるわけがない。人体練成をした術者の想いが強すぎて 死んだ者の記憶が焼きつけられただけなのかもしれない。 だけど、それでも記憶がある。私は イシュヴァールの女だった ─ 。 貴方にもし 自分が生み出される前の記憶が戻るとしたら その時地獄を見るのは貴方なのに。 やめろと叫ぶエドの気持ちは分かるなあ。自分たちの記憶のあるホムンクルスを殺す(エドが可哀想なので破壊するって言葉を使ってあげるべきかのう)となったら、人以外のものを倒すのではなくて『親殺し』になっちゃうものね。 あれは母親じゃないと言い聞かせる事で非情な振舞いを自らに強いているだろうに。ラストも酷い真似をする。 酷いと思ったのはアルもだったらしい。 ラストに兄が気を取られている内に、かあさんの遺骸を手に取ると放り投げてしまいます。切り札は窓を破って外に。 何しているんだと叫び(ホントに叫んでばかり)駆け寄るエドを弾き飛ばすアル。 『かあさんの身体でこんな事をしちゃいけないっ!』 あれでスロウスの動きが封じられたという事で、スロウスは自分たちが生み出してしまったホムンクルスだと知りつつも、アルには彼女を葬る事は出来ない模様。 まあアルの反応の方が普通で、エド兄はあっさり割りきりすぎているって感もあるのですが、兄と弟、守る者と守られる者の違いが出てるのかなあとも思ったり。 だったら私が殺ると言い放つラスト。苦しそうに赤い石を吐き出し続け、助けを求めるようにアルに手を差し伸べるスロウスを容赦なく切り刻みます。つーても、水に戻るだけだけど。 まだ封印出来るから拾って来いと命令されて走り出すエド兄は忠犬って感じですな。ワンワン。 外に出てみたならば、唯一無二の切り札を先に拾っているラースがいました。こっちはスロウスの忠犬。 これでママを苛めようとしたんだなと呟くラースに、あいつはお前の母親じゃないと諭すエド。お前のものを全て奪うと決めたんだと笑うのに、オレの母親でもないと告げますが。ラースがエドの言葉を聞いた試しがあっただろうか(反語表現) だったらボクが貰うと、他人の話なんかいっこも聞きやしないラースです。 箱を渡せと言われて渡すワケもなく、あろうことか自分の身体の内に融合させちゃう始末。意地っ張りの子供って、何やらかすか分かりませんねえ。 窓破って工場の中にこんにちわなエドVSラースの第○回戦(数えるのも面倒だ) 子供の目に飛び込んできたのは、スロウスが形を取り戻す度に薙ぎ払うラストでした。あれでも死亡回数に入るのだろうか? 自分では手を出せないものの、アルはラストを止める事も出来ないようです。ぼんやりとスロウスが攻撃を受けるのをただ眺めているだけっていうのはアルっぽくない気がー。 この子は基本的には優しい子だけれど、それだけじゃない気の強さと度量の深さを持っているからね。エドより成長株だと思います。 何だかこんな無気力な老人みたいにぼんやりしているのって、アルフォンス・エルリックっぽくないなあ。 閑話休題。 ママに何をする! とのラースの言葉に振り返るアルに応えるようにエドが呟いたのは。 『こいつは母親を求めて その代わりを見つけたんだ』 やめろって言ってるんだ! と叫びつつ、ベルトコンベアにのったままの銃を次々と融合して、何処かの最後の階級は准将殿のような悪趣味なガトリングガンもどきを練成して攻撃。だから弾は何処から〜やってくるの〜。 銃をちょっとづつ削って弾に練成し直しているのかなあ。その内氷が解けるように銃もなくなっちゃうのかしらん。 ラストがいなくなった隙に欠けた鎧の部分から、アルの身体の内部に入り込むスロウス。マーテルさんと同じ要領でアルの身体の自由を奪い、勝手に動かして連れ出してしまいます。 後を追いかけようとして銃を撃ち続けるラースに阻まれるエドと、果敢にも飛び出して銃身をぶった切るラスト。カッコいいぜ姐さんっ! ラースは私が(相手をする)とエドを促し、ラースに向き直って微笑み、ママのおっぱいが恋しい年でもないでしょうと言い放ち、そして容赦なく串刺しにするラスト姉さん大暴れの巻ですな。 また殺されて復活したラース、口にするのは何度でも生き返るという言葉。それへのラストの答えは。 『赤い石の数だけ、ね』 だからそれが尽きるまで 何度でも殺してあげる。 赤い石=命ひとつですか。でも赤い石の大きさって不揃いだよなあ。量じゃなくて数が問題なの? だったら砂粒くらい細かく砕いて摂取すれば、まさしく『不老不死』ですねえ(…と屁理屈を言ってみる) 逃げ惑いながらもボクはあいつになると叫ぶラースに、そんな事をして何になると、もっともな事を言うラスト。 だとしたら、何のためにボクはここにいる! っつーラースの叫びは悲痛ですな。 でもねえ、誰だってそうなんだよねえ。自分が何のために存在するかなんて、言える人の方が珍しい。それが自信を持って言える人って、むしろうさんくさいと思ってしまうのは偏見か。 ラースが倒れた場所には運良く(ラストにとっては運悪く)スカーのロケットが落ちていました。 これで一気に形成逆転、元々が間違いだと告げるラストに、にやりと笑って 『忘れてた? ボクは錬金術が使えるんだよ』 ラストの足元には練成陣が。ご都合主…げふんげふん。 咄嗟に逃げようと踵を返すラストの足元にロケットを放り投げて、練成陣に手をつくラースです。 アルとスロウスに追いついたエド。呼ぶ声に振り向いたのはアルなのか、中のスロウスなのか。 悲痛な声と共に兄に拳を向ける弟。ごめん、自由にならないんだ! エドの方もアルの身体に触れると賢者の石が反応しかける様に、触ったら何が起こるか分からないとにっちもさっちもいかずに歯ぎしり状態。 兄弟の窮地を微笑んで見守るスロウスが、母親だった時の記憶を持っているとは思っていなかったのですがねえ。 そうみたいね、だから手を引いてと告げるスロウスに思わずかあさんと呼びかけてしまうアルに、分かっただろと言うエド。こいつは母さんじゃない。 母さんならこんな事は言わない。アルを盾にしてオレを殴ったりしない。 吹っ飛ばされてぶつかった机の上に何やら刻むエドに気づき、弟に触れられないため練成陣を使うのだとスロウスは悟ります。でも 『描く時間は与えない』 …いやー、てっきりエドは両手パンの練成しか出来なくなったのかにゃー等と思っていましたが、普通に練成陣使ったスタンダードな練成が出来たんですね。 そういや、賢者の石を練成しかけた時だって練成陣を描いていたもんねえ。 だったら右腕壊されてアルに大穴開けられた時も練成陣でやりゃ良かったのに。やはり魂の定着関係は両手パンじゃないと出来ないってオチなのだろうか。 両手つかないと練成陣を発動出来ないってワケでもなさそうだし。ラストに襲われたマルコーは片手で発動させたし、第一話の壊したラジオを直したアルはかざしただけで手すらついてないし。 …と書いていて、そういやアニメのマルコーは、ラストとグラトニーの訪問以降消息不明だった事を思い出しました。 あのまま死んだ事にでもなって忘れ去られたままなのか、もう一華咲かせるコトが出来るのか。 それはサテオキ。 時間は与えないとの言葉通り、間断なく襲いかかるスロウスに十分だと叫び、弟の力を借りて(この時だけ自由に動けたのかアルは。ご都合以下略)ふたつの机を合わせると、そこには完成した練成陣が。 それを見てスロウスが目を見張って怯んでいる隙に兄弟仲良く陣に手をつき、スロウスの身体を他の物質に練成したらしいです。 完成した練成陣にビックリしたのか、それとも単純な陣を描いたエドに昔の幼い兄弟の姿を見て躊躇したのか、スロウスの驚愕の真意は掴めませんな。 兄弟が初めて描いた練成陣かと思ったけれど、ちょっと違っていたし。もしそうだったら深読みが美味しくなったのに残念。 ラースの手により封印され中のラストは、赤い石を吐きながら苦しんでおりました。吐きつくした様子を見やってラースが言うのは 『望みどおりじゃないか』 人間になって死にたかったんだろ? 死にたかったとの言葉をラスト姉さんも繰り返して呟いて、スカー兄弟を脳裏に浮かべて微笑み ─ 。 そうか。私は死にたかったのか。 刃を振り下ろして引導を渡すラースは斃れたラストを見下ろし、人間になったら死ぬだけかと無表情に呟きます。 じゃあ、完全な人間って何だ? 視線の先にいる怯えて口がきけないタッカーに、答えられないのか人間のくせに! と叫ぶラースの気持ちは分かるがー。 だから、そのての問いに答えられる人間っていないのよ。あんたらが『完全なホムンクルスって何ぞや』と問われても答えられないだろう事と一緒なのよ。 本当にアニメの鋼は答えの出せない問答ばっかり仕掛けてきますねえ。答えが出せなくても考えろとのメッセージなのだろうけれどもね(…と、いい方に解釈しておこう) 逃げるタッカーを苦々しげに見逃し、『ママを守る』という自分で見つけた目的を果たそうとするらしいラースです。 固まったスロウスと兄弟。 アルにごめんというエドと、ボクこそごめんと返す兄弟は仲直り中。可愛らしいねえ。 そういやラストはどうしたと、一仕事終わって余裕が出来たのか他の事が気になったエドですが、何だかアルの様子がおかしい。 あの夜私は貴方を見たと、生まれた日の記憶を口にするスロウス。 スライムより更にホラーなあの姿のまま這い出した先には、赤い石を手にしたダンテがいました。 『あのひとの子供だもの。こうなるのは分かっていたわ』 ─ って、密かに静かーに兄弟を観察していたのかダンテ。幼児狙いのストーカーかい。 段々と元の身体に戻っていく過程で、強烈にこびりついて苦しめるのは覚えのない記憶のようです。 子供が居て 二人 それに夫 ─ 。幸せで でもとても哀しい。 人間になれば分かる、その手伝いをしてあげる。賢者の石を見つけるのよとのダンテの言葉で、初めて人間になる欲望を得るようですね。記憶と今の自分とを結びつけるために人間になりたいのか。 …って、絶対だまくらかしてるだろう、ダンテ。 スロウスの身柄を預けられてイシュヴァールの一件で利用した空きの軍籍を使うというプライドですが、そんな有名人の籍を使うから、ヒューズやシェスカにバレちゃったのでは? もっと名のない、天涯孤独な一介の戦死者とか使えば良かったのに。 細胞を振動させて発熱しているのかと驚愕のエド兄。あの水の一粒一粒が細胞の塊だったりするのかいと、そもそも細胞があるのかいと、私も驚愕です。 水に戻ってアルの身体を包み込み、お腹の中から顔だけ見せてエドに呼びかけるスロウス。 母さんの振りをするのはやめろ! 以前に気色悪っとか他の反応があってもいいのじゃー。慣れきったか、エド兄。 記憶も何もないくせにと吐き捨てるエドに、記憶ならあると答えるスロウス。 ラストが言っていた通り、貴方たちの中の母親への想いがそのまま焼きついただけかもしれないけれど。 嘘だ! だったらこんな事は出来ないと否定するエドにスロウスが告げたのは 『だから 出来るのよ』 記憶がある。貴方たちの母親としての記憶。なのに母親は死んでいる。 私は人間じゃない。私は ─ 誰? 私は貴方たちを殺す。そうすれば母親じゃないと証明出来るわね。 貴方たちがいなくなってくれなきゃ 私はこの記憶に苦しめられる。母親でもないのに母親だと ─ 。 『貴方たちを 愛してしまいそうになる。私を作った 憎いはずの貴方たちを』 これは一本取られたねなスロウスの言い分でした。 なるほど、記憶がないからではなく、なまじ記憶がこびりついているから出来る所業だったのか。 自分は自分なハズなのに、居座っている誰かがそうある事を邪魔して、兄弟の母親でもないのに、むしろ忌まわしい存在として自分を生み出した、殺しても飽き足らないほど憎いヤツラなのに、情が移るのを抑えられないのか。 これはきつそう。そうなった原因を元から絶ちたいと思ってもしょうがないかもしれません。 でもラストはスカーに会うまで、基となった人物の記憶を忘れ去っていたみたいだよなーと思いつつ、うっかり納得してしまいました。 独白の終わりと共に、猛然とエドに襲いかかるスロウス。まるで全ての禍根を今から断つといわんばかりです。 どうすればいいんだと思わず兄に頼っちゃうアルと、これがオレたちの罪の形だと弟の分も受けて立つ気概の、とっても兄貴らしいエドであります。 刃を練成して切りつけても、相手は液体と化してしまってのれんに腕押しぬかに釘と、ことわざ講座を開くなしばた。 防戦一方にエドが陥っている時にママと叫んでやってきたのはラース。母親としての記憶がそうさせるのか、思わず振り向いた隙に実体化したままの胸を貫く刃に、びっくりした表情から優しく微笑み ─ 。 エドに向けてなのかラースへなのか、私は母親じゃないのよ、貴方を包んであげるつもりはと口にしている途中で、貫いた刃を中心に光り輝くと、途端に弾け散ってしまいました。 あらかじめナトリウムに練成しておいた機械鎧とスロウスの水分との化学反応だそうで。いやー、錬金術って科学なんですねえ。 中学生の頃に金属ナトリウムと水を反応させる実験を見たのを思い出しました。参考資料とかリンクしてみたり。 雨のように降り注ぐスロウスの身体。ママと叫びつつ必死で水をかき集めるラースにやめろと告げるエド。 こいつは誰のママでもない。ママは死んだんだ。 しかしこれでも死なないスロウスってば、ターミネーター2のT-1000みたいだのう。 どんな事をしても私は死なないと、ホラーな様相で復活するスロウス。そんな彼女が自分を置いて逝ってしまったと感じた時の孤独感が耐えがたかったのか、お子様ラースは後先考えずにその身体と融合する事を選びます。 あらあらまあまあ、あんたアレ持ったままじゃんー。 つーか今日は表現がいちいちグロいよな。昔ブラックジャックで見たような姿に変わった2人に唸ってしまったしばたさん。 表現の良し悪しはさておき、規制の厳しいお子様御用達時間でようやります。一緒に観ているお父さんお母さんがビビりそう。 笑うラースとは違い、茫然としているスロウス。ラース、何をした。 そいつはオレが持ってきた母さんの一部を身体に取り込んだと告げるエド。そんなに近くにあっちゃ動けないだろ? スロウスの構成物質の全てを他の物質に再構築すると言い放つ兄に、不可能だと叫ぶアル。 人体は練成出来ない。 エドが不気味なほど静かに応えるは。 グリードとの戦いで気づいた。オレはあいつの構成元素を組み替えた。 キンブリーがやっていたように一部の元素を組み替えるんじゃない。全体を組み替える事も出来る。 何故なら、ホムンクルスは 『人間ではないから』 えーと、つまりホムンクルスはゾウリムシとかアメーバみたいな単細胞生物により近いって事になるの…かな?(私に科学の知識などない) 炭素の鎧が剥がれたグリードは筋肉をまとっていたのだけれど、アレも構成元素としてはひとつのものだったのかしらん。 そーいうモンだと納得すればいいんだよな。うんうん。今回は重箱の隅が気になるシーンが多いのう。 動けないスロウスを両手パンで練成するエド。様子のおかしいスロウスに動揺するラースに離れろと告げます。 エドが行ったのは、水からエタノールへの再構築。 常温で 気化する ─ 。 ゆっくりと中空に霧散していくスロウスと黙って見守る兄弟。 そして今回一番ホラーな、突然現れたウィンリィの不気味な笑顔で以下次号です。こ、怖かったよー。ホントにあの笑顔は不気味だったよーっ! 怖くて泣きそうになりましたい(結構マジ) ホムンクルス対兄弟と考えれば普通にアクションものとして観られるのですが。 スロウスに母親としての兄弟の記憶が残っているとなったら、一歩間違えれば親殺しの大罪ってコトかのう。 すごいっつーか、ちょっと兄弟可哀想すぎるんじゃと言おうか。 スロウスは母親ではない、人間ですらないという事だけが救いだったでしょうに、自分の事を覚えているエセとは言え母親と同じ記憶を持った、感情があって意志の疎通が出来る生き物を15の子供に殺させるかい。 …とか考えると、ちょっと子供には見せられない陰惨な話になりますな。 そこまで考えてみる必要がないっつっちゃそうだとも思うけれど。 私は兄弟揃ってファンだから、彼らがあまりつらい目にばかり遭うと哀しくなってきちゃいます。今つらい分ばっちり幸せになって欲しいもんだけどねえ。 …と思いつつ、スロウスが兄弟を殺したい理由は上手いモンだと思いました。記憶がないってよりも納得出来る。 まあ、ラストはキレイさっぱり記憶がなかったようだけれどそれは個体差? …等とつっこみたくなりますけれどね。 術者の想いの強さが関係するのだろうか。 きつい話だけれど、深く考えなければ面白かったです。何気に科学番組の様相を醸し出していたのも楽しかったな。 どんな展開になっても、一本の作品として決着してくれるのを期待しています。続きは映画を観てねってのはナシにしてねー。 それにしてもウィンリィ。もう不気味で不気味でしょうがなかったんだけれどー。 あの陰惨な場面で微笑む彼女は怖すぎなのですが。謎だ。謎すぎる…。 さーて次回は。 題名とエドの独白に、まさか兄弟離れ離れとかってそういう展開? やめてよーっ! とかなり心配なしばたさん。 まだ2人とも子供なんだから一緒のままだっていいじゃん。しくしくしく。 それはサテオキ。ホラーなウィンリィの真意が気になりつつ……トリンガム兄弟!? むーん、まさか彼らをまたアニメで拝める日が来ようとは。彼らの父が残した『錬金術を使うな』との言いつけが密かに気になっていたので、謎が解けるのを期待します。 しかし大佐の(エドも大佐って呼んでたしこれでいっかー)七五三みたいなスーツにボルサリーノって…うっかり笑って和んでしまいそうだわ(大失礼) (2004.9.5初出)
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第48話「さようなら」 粗筋:(アニメ公式サイトより) スロウスの構成物質をすべてエタノールに再構築したエド。それは自分達が侵した罪への避けては通れない道だった。一方、北方に送られた部隊では、不穏な空気が漂い出していた。 ハガレン研究所DXが出るそうで。金搾り取ってくれるよな□エニックス、でもそんなモンまで買わないも〜…と、ガンガン誌上の広告を醒めた目で見ていましたが。 ネジ巻きアルフォンスくん全プレって何!? ツボだよ好きなんだよこのてのカタカタおもちゃ! おまけ目当てで思わず買っちゃうじゃん! 小説の方を買って応募するかなあ。くそー、商売上手だスクエニ。他のモンだったら素通り出来たのにっ。 ひねくれ者の大きなお姉さんも、ネジ巻きには弱いものです。 今月の鋼は大佐とアルの独壇場でございましたな。それとホークアイさんか。ロイアイさんの皆様は、しみじみと幸せを噛みしめただろうと思われます。いいよなあ、ノーマルカップリング。心洗われるのう。 相変わらず怒涛の展開でしたが、皆様ご無事だといいのですが。無事じゃなかったアレは、やはりアニメと原作のコラボ企画だったのだろうか? それはともかく、大佐の胴回りは原作くらいがっしりしていた方が好みです。アニメは細すぎじゃよ。 ラストスパートに向けてか、皆が心境を語りまくる回。アニメのマスタング大佐(面倒なので今までの階級で)は、照れくさくなるくらいに熱い男だよ。ま、これはこれで良し。 アニメのエド側と大佐側がこれからどう行動していくのか、2本の道が再び交わる時が来るのかと心配しつつ興味深いです。 ほら、私これでもロイエド者だからー。……とてもそうは見えないけどな。 北方最前線で軍展開…かと思ったら、どうやらセントラルに程近い場所でぐずぐずしている模様。下っ端たちが早く行かにゃあと苛立たしげです。 偉いなあ真面目だなあ。私だったらこれ幸いにとサボりまくっているトコロです。 イライラしている方々の視線の先のテントには、指揮権を任されたマスタング大佐じゃなくて准将と、アームストロングやっぱり少佐の方がいいがおりました。 んもー、ブラッドレイ大総統も後ちょっとで最終回だっちゅーに階級あげんなよ! …と、本気で迷惑に思っているしばたさん。 その後の展開もアレだし、階級は前の通りでいきますので以後よろしく。 おそらく戸惑い命に従わぬ者も多いだろうし散発的な戦闘になる、しかし犠牲は最小限に留めますと、私の少佐殿の力強い言葉に黙ってうなづくマスタング大佐。 敬礼を掲げて出て行き、子飼いの部下たちもそれに応え ─ た後の含み笑いは何? つーか、大佐の顎が四角いんですけれどー。 誰かが化けているのはバレバレだけど、髪の色に誤魔化されて身代わりが彼だと気が付かなかった私は大バカ者です。 北方で始末されるはずのちょっと偉い方々を前にしての、アームストロング少佐の言葉は爆弾そのものでした。 『これより 我らはセントラルに帰還する』 現在の兵を持って中央司令部を制圧するとの言葉に、反乱を起こすつもりかと驚く人々。そりゃそうだ。 大総統のお側に国を私し、道を誤らせる奸族があると断言し、証拠を求める輩には自らの肉体で納得させる少佐殿であります。 …私も説得されたい(ぼそり) 蒸発中のスロウス@おかあさん。 いつまでもくっついていたラースは手ひどい火傷を負った模様。何気にエドの手足は無事だったりして。 見詰めていたエドが目を逸らした瞬間にスロウスの声が。 『よく 出来たわね』 後片付けもちゃんとするのよ。 兄弟の驚愕をよそに、昔の笑顔で宙に霧散していくスロウスです。 …って、最後の最後で母親に戻って逝くのかよ。酷い女だのう。今までの中で最高の嫌がらせとしか思えないぞ。 『元に戻れない点ではスロウスは死を迎えたといえるが、物質がまだ残っているなら気化した状態で死を迎えることも出来ず、あんな思いを抱え何も出来ない状態で生きているかも、と思うと残酷だ』 とのご意見を頂きましたが。 うーむ、まったくもってその通り。つーか呼吸をしないアルやホムンクルスのラースはともかく、そう考えるとエドは、スロウスだった物体を体内に取り入れているってコトになるのですね。うっひゃー。 風に乗って遠い町まで運ばれちゃったりなんかして、それを吸い込んだ人がスロウス化していったりして。空気感染する貞子だったらイヤだねえ。 水とナトリウムとの化学反応なら水酸化ナトリウムになるんじゃー。アレ被ったら体がぬるぬるするくらいじゃ済まないんじゃーってな点も指摘されてましたな。 …そうなんですよね。水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)は石鹸作りに使われたりするそうですが、皮膚についたらただれるし、目に入ると失明する危険もあるんだそうで。ナトリウムと水が反応すると水素も発生するからますます危険だったはず。 エド兄、面の皮厚いな(で、済む問題か?) 閑話休題。 茫然としている兄弟と号泣するラースの前に、貞子なみに不気味なウィンリィが登場。 心配で来ちゃったはともかく、とうとうやっつけたのねはありえね〜。 ここに至って、初めて彼女は彼だったのだと分かった私ってば鈍すぎです。 お前は違うとエドに看破されて、迫ってくるアルに向かって、私本当は貴方が〜の言葉と、切なげな表情に惑わされたのか戸惑った隙をついて、ウィンリィ@エンヴィーはアルの捕獲に成功します。 偽者だと分かっていたろうに、どうしてあんな言葉で躊躇したのか、じっくり小一時間は問い詰めたい気分でいっぱいですよ、アルフォンスくん。 もしかして少女小説なんかの読みすぎじゃ? ムダだよ、賢者の石になったとのアルの言葉になんだってねえと答えるエンヴィー。ここ壊されても平気かどうか試してみるかと、血印を殴るエンヴィーはエド兄に負けず劣らず乱暴者。 アルに触るなと叫ぶ健気な兄貴に、心配しなくてもいいとすっかり悪役が板についているエンヴィー。 あの人の元に運ぶだけだから。 あの人ってのは、ラストの言っていたホムンクルスを支配し不老不死になるために賢者の石を探していたヤツかとのエドの問いに、曖昧な態度を見せるエンヴィーですが、余計な一言を付け加えるのを忘れませんでした。 ただ、お前たちともまんざら関係がない訳じゃないんだ。 もしかして、あんたたちの上に居るのは。かあさんをわざわざ仲間に引き入れた、そんな事をするのはーって、おお、兄弟たちってばそっちの結論に辿り着いていたのか。 まさか父さんがそんな事をするわけがないと叫ぶアルです。 そりゃそうだよねえ。ダンテさん真っ二つだったもんねえ。まさかライラに乗り移って生きているとは思わないよねえ。 お父さんまたすぐに行方をくらませちゃったしねえ。 …パパ誤解されまくりだな。可哀想だが自業自得か? 兄弟のお父さん=あの人説を分かっているくせに否定せずに、よっこらしょとアルを担いで去ろうとするエンヴィー。 それを止めたのは、意外な事にラースでありました。 タックルを受けたエンヴィーが、相手が違うだろってのはもっともな言葉ですが、子供には子供の言い分があった。 そいつを使えば何でも出来るんだろ? そいつを使えばかあさんが戻ってくる、そうだろ? いい加減にしろと蹴られて吹き飛ぶラースをついついかばってしまう、結構優しいお兄ちゃんなエド。去って行くアルを追おうとするのを、その庇った子供に引き止められてしまいます。 お前たちのせいだ。お前たちのせいでママが ─ と、泣きながら殴りかかるラースに防戦一方のエド。 お前たちのママだったくせにとの言葉は突き刺さったのか、まともに食らって地面に転がるエドに馬乗りになって止めを刺しそうなラース。 ここでタイミング良くイズミ師匠が登場して制止。様式美。 お前には関係がないなラースに、お前が殺したいのは私のはずだの師匠。ラースの返答はちょっと厳しいモンでしたな。 お前はママじゃない! お前なんか知らない! 子供の心理もなかなか複雑だよなって感じで、エドも師匠もほったらかして何処かへ走り去っていくラースです。 突然やってきた師匠と、ムリがたたったのか義足がちとイカれ気味になって上手く立てない不肖の弟子の会話。 大丈夫かとの言葉には答えずに、あいつは泣いていたとぼそりと呟くエド。 オレは泣く事も出来なかった。なのにあいつは泣いていた。まるで オレの代わりみたいに ─ 。 エドの独白にもういいと告げ、今はアルだと師匠。こんな私だが少しは助けになるだろう。 だから来たと微笑む師匠にほっとした顔をして、素直に肩を借りるエド兄です。ああ、小さくて可愛らしいコト。 ほうほう、泣きたかったんだね。それが自覚出来ただけでも進歩かもねえなどと思ったしばたさん。 どうもエドは、大切な感情の発露である『泣く』という感覚が、抑え込みすぎて鈍っているというか、ぶっちゃけ気がついてないんじゃーなどと思ったりする時があります。 寒いと感じないばかりに凍死しちゃうとか、お腹が空いた感覚がないために餓死しちゃうとか、まあその辺の基本的な部分の危うさを兄貴に垣間見たりして。 『どろろ』で寒さ(だったか暑さだったか)を感じない事を羨ましがるどろろに、百鬼丸が寒さや暑さを感じない事がどれほど危険な事かを説明をしているエピソードが印象深くて、そんな事をふと思ってしまったしばたさんです。 コミックスが手元にないので間違っていたら御容赦。 所変わってセントラル。お懐かしやのトリンガム兄弟再登場。 早く行かないとーとせかす弟に、本を漁るのに夢中な兄貴。目の色変わっています。エドとアルに早く会いたいと、はにかむ弟には和みますねえ。 しかし現実は無常でした。地獄の沙汰も本屋も金次第。特に専門書は高いからねえ。 だからといって、本との出会いは一期一会。ここで逃したら次はないぜっ! と、本好きにはもっともな理由でツケを頼むが断られ。 うちは国家錬金術師さまにご贔屓にされてるんだーなんて言っちゃったモンだから、子供は田舎で使った手を都会でも使う賭けに出ました。 見事賭けは大失敗。お尋ね者のエルリック兄弟の名なんか騙るものだから、即刻お縄に。フレッチャーも巻き添え食って可哀想に。 何やったの兄さんと事態が未だに飲み込めない弟と、セントラルは怖い所だと田舎モン丸出しの兄貴です。 何か兄貴ってばキャラ変わってないか? なりはデカくても中身は14歳。きっとこっちが本性なんだろうねえ、砂礫の大地の時は精一杯背伸びしていたんだねと思うと微笑ましい。 廃工場跡には、ホムンクルス封印の練成陣とラストのペンダントが転がっているだけでした。 その前で残ったホムンクルスの数を数える2人。 子供と、何でも食べるヤツと、何にでも化けるヤツ。それに大総統。 そして、その上に居る者 ─ 。 兄貴はやはり『あの人=パパ』説を捨てていないのかな? そんな2人の前にニーナの人形を腕に抱いたタッカーが現れました。 挨拶するように促しても反応を見せない魂のない人形。既におかしくなっているのか(というか、おかしくなりっぱなしだったのか)、自分が練成に使用したはずのアレキサンダーを探すタッカー。 再び暗闇に戻るタッカーを放置しつつ、魂のない人形があの人の罪の形だとエドは呟きます。 それを抱いて生きていく。それでいい。 大人になったなと声をかけられて、義肢の応急処置を施しながら戸惑った表情を見せ、自嘲気味に笑う兄貴。 国家錬金術師になった時、とっくに大人になったんだと思っていました。 弟子の成長を、嬉しそうにというよりは寂しそうに見詰める師匠の視線には気が付いたのかどうか。 これからどうするとの言葉に、居場所が分かっているホムンクルスは一匹だけだと答えるエド。大総統追撃を決意しているようです。 大人になったと思っている内はまだまだ半人前なんですよねえ。半人前だと自覚しないと一人前にはなれない。 幾ら年食ってもそうなのだけれど、年を取れば『大人』になれる訳ではない代わりに、子供でも経験を積めば大人になれるかと言ったら、それは違うとも思うです。 14、15歳って、その境目が微妙なお年頃ですな。子供とは言いがたいけれど大人にはなりきれないって感じか。 美味しい年齢設定だのう(うっとりするな) 塹壕の中からライフルのスコープを覗いてみるものの、つい先日までの同僚を撃つ事が出来ずにため息をつく兵。分かるわー…って、どっち側の兵士だったのかしらん。反乱軍か正規軍(って言い方でいいものか)だったのか。 すっかり囲まれてしまいましたなとのアームストロング少佐の言にも黙っている大佐じゃない人。新准将殿の計画もずさんだなあと、ブレダさんに揶揄されても黙っている大佐の身代わりの人。 いやいや、マスタング殿の計画はここで時間を稼ぎ、セントラルの兵をこちらに向かわせる事だ ─ って辺りでもう辛抱たまらんかったらしく、自分でバラしてしまいました。 てなコトで、こんな大それたコトしてて大丈夫かよーっ! と、情けなさ全開のハボックさん登場。 何も泣きそうな表情しなくてもいいじゃん。目が泳いでますよ? しっかりしたまえ、我輩がついておると頼もしい爽やかな笑顔でがっしり肩を掴まれる、羨ましくてよだれ出そうなハボックさんと後1人。 それになかなか似合っておると、ホークアイさんは水虫が脳に回って重症なフュリーさんでした。 正体を明かす前に、ホークアイさんに化けた姿が画面の端にちらりと映っておりましたが、目つきこそ厳しいものの背丈は小さいし、よく見れば化けているって分かりましたな。 優秀な部下を入院中としてセントラルに置いておいたのはこのため。すると病院の方にはー。 病室で背中で騙って…いやいや語っているのは、マスタング大佐@金髪バージョンでした。一瞬どきりとしたバカはこの私。思いの外似合っていた…と思ったのは気のせい気のせい(ちょっと心落ち着かせています) 黙っていてくれと、看護師さんをだまくらかす大佐と実力行使に出るホークアイさん。 極秘任務です。絶対に口外しないように。 胡散臭い…じゃなくて! 爽やかな笑顔ですまないね、なーんてたぶらかす、ホーエンハイムに対抗しているらしいマスタング大佐です。 何を怒っているんだ? 別にー? と、まるでエドとウィンリィ並みの幼馴染風会話を交わす大佐とホークアイさん。 今月号のガンガンを観た後だと妙に心和むのう…って、大佐はともかく、ホークアイさんのビクトリア時代調 裏町の少年探偵団コスプレはいかがなものか。 にべもないホークアイさんの態度にため息をつきながら、ハボックたちは上手く動いてくれたらしいなと表情を引き締める大佐です。 大佐の陽動に、ものの見事に引っかかってくれるハクロ将軍。マスタングの部隊の所へ急げー! と、無能ぶりをいかんなく発揮しております。 その後大総統におだてられて、薦められたらしい上等の葉巻の香りを堪能しながら満足げに去る姿に至っては、いっそ爽やかなほどです。無能なヤツに無能と言っても面白くない事を示す好例ですな>ハクロ将軍 大総統はマスタング大佐やアームストロング少佐の反乱を予期していたそうで。信用している事を示すために上の階級を授けたそうな。 あんたがそんなしちめんどくさい事をするから私が混乱するのよ! キーっ! そうなると、北で全滅させるというのはブラフだったのか、それとも路線変更を図ったのか。 ヒューズの近くに居たロス少尉とブロッシュ軍曹はセントラル勤務のままだしのう。 帰宅する事を告げ、エルリック兄弟を語った者どもは処分しろと、何考えているのかやっぱり分からない大総統@プライドです。 ダンテは今回の件を何処まで把握しているんでしょうね。そしてプライドは大佐の動きをどの辺まで読んでいるのか。 まさか素直に反乱を起こすとも思っていないだろうしな。 牢の中のトリンガム兄弟。 何でエドワード・エルリックなんて名乗ったのと訊く弟に、金がアレだったんだからしょうがないだろと、照れ隠しなのかぶっきらぼうに答える兄貴。 しょうがない兄にため息をつきながら、父さんの日記を渡してあげないといけないのにと呟くフレッチャーに、反論出来ずに拗ねてみせるラッセルです。和む〜じゃなくて。 やはり兄弟の父親が鍵のひとつを握っていたのね。 そんな失意の2人の元に訪れたのは、未だ無事なロス少尉とブロッシュ軍曹でありました。いつもセットで仲良しさんだよね、このコンビも。 マスタング大佐、男殺しの手腕を発揮するの図。 元々あった改築だったのか、それからしてデッチあげたのか、ワインのカーヴ(貯蔵庫ですな)に関する工事で何かしらやらかす模様です。 …って、ポイントはそんな所ではなく。 やはりマスタング大佐の、男殺しのあどけない笑顔に全てが集約されると思うのだがどうよ。私がこの大工の棟梁だったら、クラクラして間違いなく襲っちゃいますね。 レディキラーの上にエースキラーか。この点ではホーエンハイムに勝てそうですねえ。 あの笑顔で上層部に食い込んだと言われても信じてしまいそうです。中身はオヤジのくせにロイったら恐ろしい子! 路地裏でお着替え。もし見かけたらその場で美味しく食べ…って話題はここにはふさわしくないのでこの辺で(今さらって気がしないでもない) 首尾を少年探偵団なホークアイさんに報告しつつ、彼女からはエルリック兄弟逮捕の報を聞く大佐。 曇った表情の下では何を考えていたのか。あのバカガキ共は大人しくしていられんのかっ! …とか思っていたんじゃないかとー。 まあ、アニメの大佐は私の中のオヤジとは違って、もっと心優しいみたいですね。 中央司令部に突入の、後先考えない師弟。 大総統が居るか居ないかくらい調べておけ! と美しい顔を歪めて叫ぶ師匠に、子供の誕生日だから先に帰るなんて知るかーっ! と、こちらも怒鳴る不肖の弟子。似た者親子。 八方塞がりの状態から救い出してくれたのは、トリンガム兄弟とロス少尉たちでした。触手〜(ほんとに触手好きだなしばた) お前たちは偽者…って、エド兄ってば失礼なヤツ。怒鳴るラッセルに、彼らは貴方たちに間違えられて逮捕されたと簡潔に状況説明するロス少尉。 迷惑な話だ、こーんなに背の丈も違うのに〜と、ここぞとばかりに逆襲に入るトリンガム兄に、挑発と分かっていても食ってかからずにはいられない、大人になったはずのエド兄です。和む〜。 しかし、話も聞かずに処刑とは穏やかじゃない。というか、ちょっとばかし手口がずさんすぎって気もします。 賢者の石が現実に現れたせいかしらん。今まで慎重に被っていた羊の皮を脱ぐのはまだ早いんじゃ? せっかく会えたけどオレたちすぐに行かなきゃならないと告げるエド。どちらにの言葉に大総統のご自宅かな? と、ホムンクルスを追及する手を緩める気はないようです。 そんなエドに、慌ててお父さんの日記の切れ端を渡すフレッチャー。どうして鋼の弟くんたちは、こうまで可愛らしいのだろう。兄貴〜ずは乱暴者でがさつなのに。 セントラル時代の事が書いてあるというその日記には、わざわざセントラルまで来るだけの情報があったようです。 読むなり顔色を変えて師匠を呼ぶエドに、覗き込んで驚愕する師匠…たちの背後から爆発音が。 崩れた壁の向こうからは。……びみょ〜な姿に成り変わったアーチャーが立っていました。 ふざけたギミックといい、カッコいいんだか悪いんだか判別し難いフォルムといい、第五研究所で侵入者封じの細工及び自爆装置を作ったヤツの作品ではないかと思われます。 しかし口からバズーカはないよなあ。 問答無用に攻撃してくるアーチャーの相手を買って出るイズミ師匠。日記に書いてあった通りに行けとエドを促します。 少しは師匠らしい事をさせろ。 師匠の意を汲んでか素直に言葉に従うエドと、巻き添え食ったトリンガム兄弟が逃げるのは良いとして、軍人たるロス少尉とブロッシュ軍曹までその場を後にするとは思いませんでした。 やはりデタラメ人間の万国ビックリショーには付き合っていられないと思ったのだろうか。それも詮無いコトよのう(しみじみ) 中央司令部の外では、さり気なくマスタング大佐が動向を窺っていました。 大佐が手を貸す必要もないようですねとのホークアイさんの言葉に、あいつらが黙って捕まっているタマか、分かりきった事だと、興味なさげに答える大佐。 内心は心配で心配でおろおろしてたんだぜー。アニメの大佐だったらきっとそう(原作の大佐でも少しはそうだろう) 大人としてなのか性格なのか、筋金入った意地っ張り屋さんです。あー楽しい。 鋼のは大丈夫だろうか、怪我なんかしてないだろうかー…等と心で泣いていたせいか(そんな事実はありません)、監督…もとい神様が哀れに思って偶然の出会いを用意してくれました。 ってなコトで、走り去ろうとする車にマスタング大佐が乗っているとは露知らず、貸してくれと直談判するエド兄でございます。 あんたの乱暴な運転じゃとても貸せん。絶対貸せんよ、エド兄。 第一声が自分を捕まえに来たのかーってトコロに、子供らしい頑なさが見られますね。 これがアニメでは最後になるのか? 車内でのロイエドなツーショット。ホークアイさん居心地悪そう。 何処に行くのかと尋ねるエドに、大総統の自宅がある地区に行くと答える大佐。 何の用があるのかと更に訊いても、それには答えない相手に聞くまでもないかと呟くエド。 でも、警戒されているだろう? アームストロング少佐が(『中佐』じゃなくて『少佐』と呼んでましたな)反乱を起こしてくれていると大佐は応えます。 まさか私がセントラルに潜伏しているとは思うまい。 …かなあ。ヤバい気はするんだけれどなあ。 しかしアニメの大佐の内面は若い。 戦争で手柄をあげて大総統になるんじゃなかったのかとエドに訊かれ、中尉が口を挟むのを制して(あのスカしまくった仕草がたまりませんです)曰く。 全ての悪を呑み込んで自分の夢を実現する それが正しいやり方だと思っていた。 今大総統と直接戦ってもあんたに正義はない、もし倒せても二度と上には立てない、大衆が認めないと子供のワリには良く分かってるじゃんなエドの忠告を聞いても尚、あの男が許せないそうですな、大佐は。 ヒューズ中佐の敵討ちかと問われて、素直に肯定するマスタング大佐って、ほんっとーに気恥ずかしい位に若いなあ。 さすが公衆の面前でエドにコクっただけの事はあります。 ヒューズのためには今まで積み上げて来たものを捨てても惜しくはないと、ヒューロイな方々がグッジョブ! と拳を握ったであろう台詞の後に、目先の子供にも手を出す大佐(間違ってはいないけれど微妙に違うと思いますしばたさん) お前だってそうだろう。弟のために軍の狗である事も辞めた。 大人の振りして呑み込んだ悪を吐き出す。 お互い、子供のように自分の思いに忠実に生きようとしているのだ。 軍の狗になった事自体が弟のためでしたよねーと、合っているようで微妙に食い違っている部分はさておいて(さておくのか) 自分の行動が子供じみていると分かってやっている大佐は、なんだかんだ言って普通に大人ですな。 これで落とせるはず(何を?)でしたが、お子様は大佐が思っているよりずっと頑固だった模様です。 一緒に来るなとまたしてもコクる大佐へ、沈黙を守ってからエドが呟く言葉は。 軍属になってみたけど、戦争なんて何処かの誰かがオレらの知らない所で始めて終わる、自分たちには関係のないものだって思っていた。 でも、賢者の石を造らせるために戦争を操るヤツがいる。だから賢者の石を求める人が居る限り 戦争は続く。 そしてその心は 誰の中にもある。 ホムンクルスが戦争に火を注ぐ。だけどそれを造ったのは人体練成だ。 オレたちの心が 知恵が 造ってしまったものにすぎない。 だとしたら オレたちに関係のない戦争なんて、ない。 子供らしい純粋で頑なな思い。限界を知っている大人であるのはマスタング大佐。 それはあまりに大きすぎる、我々に出来る事はいつだって目の前にある事だけだと諭されても、それで止まるようなら軍の狗にすらならなかっただろうねえ。 あの人と呼ばれているヤツを見つけて倒し、賢者の石を消滅させると決意を語るエド。 誰も二度とそんなものを思い出せないように。誰の記憶からも消えるように。 賢者の石を造り出したのは自分たちの心だと言い、賢者の石で失くしたものを取り戻すのが夢だったのだろうと問われ、自分たちの夢だけ叶えても仕方がないと答えます。 夢よりも大事な事かとの大佐の呟きに、苦渋に満ちた表情でそれでも応えるエド。 いつだってある。自分よりも 夢よりも大事な事 ─。 大人になったんだか頑なな子供のままなんだか、判断に困るな、今回のエド兄の言動は。 結局大佐の誘いには乗らずに一人で行動する事を選んだエド。別れのシーン。 どうでもいいが、ホークアイさんが車から降りないのは2人に気を使っているのだろうか。だったらキスシーンのひとつもかませや(子供番組だっちゅーに) 別れの際に敬礼しかけて留まり、手を差し伸べる大佐にたじろぎつつも、気を取り直してその手を取る…かと思いきや、手のひら叩いてにやりと笑みを漏らす男前なエド兄。 エドロイだー。やっぱりアニメはエドロイだー。 別れの言葉を交わして、振り返らずに別々に歩き出す2人に哀愁を感じつつ、はてさてこれからどうなる事やらと思いを馳せて以下次号です。 大佐が若いー。エドも若いが大佐も若い。 子供相手に本音をバリバリ漏らす大佐は、エドを一人前と認めたのか誰かにしゃべってしまいたかったのか、結構微妙な所です。 まあ最終回も近いので、一人前と認めたコトにしておきましょう。もう部下じゃないしね。 しかし何気にヒューロイさんが感涙する展開でしたな。 ヒューズのためなら全てを捨てても惜しくないそうですよ。これがホークアイさんやハボックさんやエルリック兄弟でもやっぱり同じ行動を取るかもしれませんが。 マンガと違ってモノローグ手法を使うのに不向きな媒体のためか、己の口からコクりまくるエドとか大佐って、ちょっぴり気恥ずかしいです。 何にしろ、大佐とエドが馴れ合う展開にはならなくて良かった。 別れを告げても逆方向に歩いていっても、何だかこの2人は結局同じ位置に立っているような気がします。 つーか、そのくらいの妄想はさせてくれ。 最終回までに2人が会う機会があるんでしょうかね? あって欲しいような、このままお互いの道をひた走って欲しいような、なかなかに複雑な心境です。 大佐とエドが出会うと他の場面がすっ飛んでしまう、結構普通にロイエド者なしばたさん。 さて来週は。 エドのパチもんみたいな短髪の彼はどちらさま? テーブルガタガタのグラトニーが可愛いなあとか、駆け込みで出てきた大総統の息子に意味はあるのかとか、ラッセルまたも登場かーとか思いつつ。 西暦1916年といったら第一次世界大戦真っ只中と記憶しておるですが、9月2日に何が起こったかは分からずじまい。 っていうかー。鋼の世界設定ってどうなってるの? ホントに核戦争で一度滅びかけたオチだったら暴れるからね、私。 (2004.9.18初出)
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第49話「扉の向こうへ」 粗筋:(アニメ公式サイトより) 連れさられたアルを追って、セントラルに向かったエド。そこで再会したトリンガム兄弟より、エドは、第五研究所の先にあった、『賢者の石』に纏わる、巨大な研究場の所在を教えられる。 さてさて。残す所、後2回と相成りましたアニメ『鋼の錬金術師』 感想文の方も、何だかんだとありつつも一週間を越える遅延もなく、コンプリートは目の前となってきました。 まあ、最初の4回分は記憶に頼って書いたものですけれどもね。 ここまで続けて来られたのも、有形無形の訪問者さまのお陰だと思っております。 やはりカウンタが回ったりメッセージを頂いたりすると、誰だか知らないけれど見ている方々がいるのだなと、気合いの入った怠け者すら張り切ろうってモンです。 ここまで来たら、最後までお付き合い頂けるとありがたいです。 それはサテオキ。いつも通りダラダラと行きますか。 この期に及んでアニメ名物禅問答の回。だからそんな詭弁を弄して子供をいぢめるなって。 さり気なくパパ再登場だったりホーエンハイム×エドだったりしましたが、とにかくツェッペリンに受けてしまったしばたさん。 なるほど、確かに1916年当時だな。 ブラッドレイ宅。大総統という地位のためか厳重警備…って、ちょっと多すぎないか? 曲がりなりにも中央への反乱が起きている所為かもしれません。つーか、普段からこんなだったら税金ドロボ…げほげほ。 この豪邸は、官邸というよりは個人持ちって感じですな。となるとブラッドレイ@プライドは、金持ちの家に婿養子に入ったのかしらん。 駆け込みで登場のご家族。誕生日プレゼントを貰って嬉しそうな、利発な坊ちゃんも登場。 大佐たちが突入した時に、『お父さんをいじめないでっ!』なーんてお涙頂戴の展開に持っていくための布石だろうか等と思う、根性曲がりのしばたさん。良い子はこんな大人にならないでね。 とにもかくにも、プライドは良いお父さん&主人振りを発揮しているようですね。 やはり家族に何がしかの愛情を抱いている…のかなあ? 頼もしくも優しいお父さんの笑顔と暖かな周りの人々の祝福を受けている坊ちゃんとは大違いに、アルフォンスくんは乱暴に扱われておりました。 どうでもいいが、何故にベッドルーム。攫われたのがエドだったら、そりゃもう大変なコトに〜(一体頭の中で何が駆け巡っているのか) ここは何処なのかと問うアルに、あの人の所だと答えるエンヴィー。 あの人っつったら、ホムンクルスに賢者の石を探させているヤツかよとの言には、それだけじゃなくて、あいつらを見つけて集めて一人前にしてあげてるんだよーとも答えます。 人間になりたいホムンクルスを騙しているんだに返された、騙される方がバカだという言葉で、エンヴィーはラストたちとは違い、全てを知っているのだとアルは悟ります。 あの人は自分のために賢者の石が欲しいんだ。それがどうした。 ボクはただ、人間が苦しむ姿を見られりゃそれでいい…って、一応彼も人間になりたがっていたような? ラストたちの手前、合わせていたのだろうか。 聞き捨てならない言葉に一矢報おうとするアルを軽くあしらい、足げにしてのエンヴィーの言葉は、それは知らせないでおいて欲しかった事でした。 お前が賢者の石になるために、スカーは何人殺したと思っている。 リオールに突入した兵のうち、7000人が一瞬で消えた。死んじゃいない、皆此処にいる。 スカーの腕に封じ込まれたイシュヴァールの民の命も含め、何千何万の命がアルの中にあると告げるエンヴィー。 『有効に使わないとな』 エンヴィーが去って行く音を聞きながら、去来するのは自分は死ぬはずだったという言葉。 人体練成に失敗した時。第五研究所で。キンブリーの手にかかった時。 『それでも 何で生きている…?』 茫然としたまま兄を、父を呼ぶアルです。 正味7000人+1種族分の命を贖って賢者の石が造られ、賢者の石になったお陰で自分は生き長らえている…って、過酷過ぎるよなあ。 賢者の石を造るのに、町とか国単位の人間の命が要るという事はとうに分かっていただろうに、アルはその事実に気がついていなかったのか、もしくは気がつかない振りをしていたのか。 心の均衡を保つ為には、気がついてはいけない事実だったようなー。 兄貴は賢者の石が出来る瞬間を目の当たりにした事で、全てを諦める事になっても、石を永久に葬り去る決心をしたっぽいですな。 何にしても酷い話だ。めでたしめでたしで終わらせる積もりはないんだろうなあ、きっと。鬱ウツうつ…。 ライラがロゼを連れてやってきた朽ち果てた聖堂で、イライラしながら誰かを待っているトリンガム兄弟。 待ち人はエドでした。 彼らの父親が記した日記の場所がまさに此処。 赤い水の精製方法を探してセントラルに来たトリンガム父は、才能があったのでしょう、第五研究所の出入りから始まり、赤い水を賢者の石にまで練成するには人の命が要るとほのめかす、一人の錬金術師に出会ったそうな。 そして連れて来られたのが、今彼らのいる場所。本当の研究所。 第五研究所は秘密への入り口に過ぎない、本当はもっと巨大な人体実験場があったと呟くエド。 確かに此処は、オレたちが探していた場所らしい。 ついてこようとするトリンガム兄弟を制し、一人で赴くエド兄。 フレッチャーの心配そうな、何だか分からないけれどアルくんが危ないなんでしょ? との言葉に微笑んで、 『大丈夫。あいつはちょっと迷子になっているだけだ』 秘密への扉を開けて背を向けるエドを呼び止め、オレたちが日記を見せたのは、お前に賢者の石を造って欲しいからじゃないと告げます。エドの返事は 『分かっている』 奈落の底へ向かう階段を降りる、見えなくなったエドの背に、生きて還って来いと叫ばずにはいられないラッセルです。 トリンガム父を聖堂に連れて来たのはマルコーで、真実の奥の奥とは本当の研究所がある所を示す…のかな。 これが真実の奥の奥だったとしたら、個人的には今ひとつ。もう少し捻りがあると思っていたのだが。 まあ、これから先でどんでん返しがあるかもしれないので、それを待ちますか。マルコー再登場とか。 それはサテオキ。ラッセル×エドも美味しいねえ。年下攻(シリアスなシーンで妄想するのはやめましょう) 古い宗教の神殿から地下へ地下へと降りて行くと、そこは雪国…って、書くのも恥ずかしいネタ(でもやる) 突然、セントラルの下に別の街が広がっておりました。 町もそりゃ気になりますが。通路に仏像があったり、水脈に仏像があったりって…。 古い宗教はどうして東洋チャンポンなんですかー? これにはきっと深い意味があるのですよね?? あまりに異様な光景に思わず息を呑むエド。 トリンガム父は、建築様式から400年前の都市と推定しました。その頃、セントラルの位置にあった街が一夜にして消滅したという伝説もあるそうで。 錬金術師が何かの実験を行い、都市を丸ごとひとつ地下に閉じ込めたのではないかとも考えます。 それに繋げたエドの推測は。 ひとつの街の人間全てを賢者の石の生贄として使う。そして人が一人も居なくなった事を誤魔化すために、街そのものを消してしまう。 そんな事を考えたヤツがいるのか ─ 。 静まり返る地下都市で、あんたは全部知っていたんじゃないのかと、父親に向かって声の限りに叫ぶエド兄であります。 確かにホーエンハイムがこの地下都市に関する何かをやらかしたのだろうし、全てを知っているのでしょうな。 どうやら別次元で親子再会が実現したようですし、父親として彼が息子にどう真実を伝えるのかは興味があります。 ぼんやりと生気が抜けたようなロゼと所在なさげなグラトニー。ラストが帰って来なくて心配らしいです。 物欲しそうにロゼを覗き込んだ所をダンテにたしなめられて、慌てて逃げていきます。 この人は大事な身体なんだからと、うっとりとロゼを見つめるダンテ。 嘗め回すように視線を這わせ、ステキねと呟いて輪郭を指でなぞる、ちょっとこの時間帯ではマズいのではーなダンテの態度。 エドとアルが好きになるのもムリはないわ。あの人の子供たちが。 …って、いつそんな事実が発覚したのか? ウィンリィに訊かれたらスパナで殴られそうな発言です。ダンテじゃなくて兄弟が>スパナの刑 ラストはどうしたのと、テーブルがたがたのグラトニー。可愛いのう。 ダンテはラストの所在などどうでもいいらしく、おざなりに返事してロゼに執着しています。とぼとぼと去るグラトニーがまた可愛い。お腹が空く事よりもラストが大事なのね。 ドレスを用意しなきゃ。綺麗な姿でお出迎えしなくちゃねと弾んだ声でダンテが言った所で訪問者が。 ただし、待ち人ではありませんでした。 招かれざる訪問者は、息せき切って駆けて来たラース。 あいつは、賢者の石は何処だとエンヴィーに食ってかかるラースに、どういう事かとダンテは眉を顰めます。 叫び続けるラースは、良い子にしていないと人間にしてあげないと告げる彼女に、時間がないんだと訴えます。 ママが、ママが消えちゃうっ! ママの単語に訝しげなダンテに、スロウスの事だとやれやれとエンヴィー。 スロウスはママなどではない、ホムンクルスに母親は居ないと諭す言葉も耳に入らず、ひたすらスロウスの復活を願うラースは、ダンテの不興を買った模様。 『人間みたいな事を言わないで』 それでも母親を求め、きつい御仕置きを受けるはめになりました。 まあアレですな。ホムンクルスの方がダンテよりよほど人間らしいですな。 グリードに忠誠を誓って守ろうとしたキメラの方が、彼らを虐殺した軍人より人間らしく見えたみたいに。 中央司令部では、アーチャーが大暴れしていました。多勢に無勢で師匠は分が悪そうです。 これは楽しいと浮かれ調子のアーチャーですがー。カッコ悪いと思うぞ? 機能はともかく造詣は。 エドワード・エルリックが機械鎧を付けているのも当然だ…ってあんた。元の身体に戻るために、兄弟がどれほど血の涙を流して来たか、ちっともさっぱり理解していないのね。 自分基準でしか物事を捉えられない近視眼は、これだからイヤなのよ。お前みたいなのが軍人かと、師匠にあきれられるのもムリありません。 今からでも遅くはない、私の部下になれとか臆面もなく言いきる辺り、マイペースというか世界は自分を中心に回っていると信じて疑わないというかー。 北とも西とも南とも戦争の準備が出来ている、大陸は統一の時代を迎えるそうで。ホントに戦争好きねえ。 それで自分が死ぬかもなんて考えた事もないんじゃ? 幸せなヤツ。 興味がないと答える師匠は(少しは人見てもの言えよ、アーチャー)、言う事聞かないなら死ねと、0か1かの選択肢しか持っていないアーチャーの猛攻をかろうじて防ぐものの、疲れがたたってか血を吐いてしまいます。 絶体絶命のピンチに颯爽と現れたのは、逃げたと前回しばたさんにあらぬ疑いをかけられたロス少尉とブロッシュ軍曹。 戻ってくるとは本気で思っていませんでした。ごめんなさい。 しかも二人だけではありませんでした。 アーチャーのやり口に疑問を持つ者はそれなりに居たようです。きっと兄弟反乱の報から忸怩たる思いを持っていた方々ではないかと。 弟子を心配する師匠に、エドたちは日記に書かれた場所に行っているだろうと告げ、あの子たちを信じてくれたのかとの問いには、子供を信じて守ってやるのが大人の仕事と言われたと、ヒューズの言葉を口にするロス少尉です。 兄貴は良くも悪くも裏表のないヤツだし、弟は無条件に可愛いしで、何だかんだ言って兄弟は、結構可愛がられていた存在だったのではと思われます。 子供の言い分を信じる気になるだけの積み重ねが、兄弟にはあったのでしょう。良い子たちだもんね。無鉄砲だけどね。 エドは一人で沈黙の街の外周を回っておりました。 音楽が鳴っているのに気づいたのか、一際大きく瀟洒な建物へ赴いて、重い扉を開いてみます。ロイヤルオペラハウス? 深紅のカーテンで彩られた豪華な大ホールの中には、踊り狂…失礼、一心不乱に踊るロゼの姿がありました。赤い靴を履いているみたいというよりは、オルゴールの機械仕掛けの人形のよう。 異様な光景に茫然とするエドを焦点の合わない目でみとめて、その名を呼ぶロゼ。 やっと来てくれた…。 所変わってリゼンブール。こちらはまだ日が落ちていないようです。やはりセントラルとは結構な距離がある地域なのですね。 ザリガニにちょっかい出して鼻を挟まれ痛い目を見るデン。これで思い知ったでしょうと説教しながらウィンリィが助け舟を出しました。 ホント痛い目に遭わないと覚えないんだから。 その言葉にハッとするシェスカ。真実の扉の開け口を見つけたようです。 訝しげなウィンリィへ、己の考えをまとめるように口にするのは、ヒューズが残した『全て逆なんじゃないか』との言葉に関して。 私たちはホムンクルスたちが賢者の石を造らせようとしているのだと考えていました。だけど、それが逆だったら。 完成ギリギリまできてそれを取り上げる。そして証拠となる人々を全て消す。 噂が流れ、賢者の石に近づけば滅びると ─ 。 やがて人々は賢者の石に怯えて 『近づかないように なる…?』 でも危険に近づかないようにしてくれるんだから逆にいい人ですよねーと、生じてしまう矛盾点に頭を抱えるシェスカ。 ウィンリィも、どんなに危険でも、人間はやはり求め続けるんじゃないのかと呟きます。 危険なのはわかっていても、ザリガニにちょっかい出さずにはいられないデンのように。でも。 痛みを与える教訓を、与えられるのは神様だけと、シェスカは考えるようです。 手痛い教訓を与えられる神様ってのが本当にいるかはともかく。神の代行者を語る(騙るか?)人物はいるようです。 どういう成り行きでこうなったんだろうな、ロゼとエドのダンスシーン。リードされまくりは男として情けないぞ、エド兄。 足踏まないだけ偉い? どうしてここに居ると戸惑うエドに、待っていたと答えるロゼ。ずっと、ずっと ─ 。 何かを訴えるような眼差しに、ついつい頬を染めるエド…ってば初々しいねえ。そのまま流された所も見てみたかったけれど、残念ながら理性が勝ったようで、頑張ってロゼを突き放しアルの所在を尋ねますが。 どうやら彼女はホントに知らない模様です。 赤ちゃんの事しか頭にないのか、泣き声が聞こえるとそれにだけ反応しちゃうロゼ。 彼女の赤ん坊を抱いていたのは、おめかししたライラ@ダンテでした。 ロゼのいつものドレスの頃から思っていたですが。お洒落したらしい二人を見て確信したですがー。 ダンテってセンス悪いよね。 もう少し上品なドレスはなかったのだろうか。400年前の流行ってヤツ? 踊ってあげればいいのに、ずっと貴方を待っていたのよーって、あのがさつな兄貴がダンスって図は笑う所としか思えませんよ、私には。 しかし、にくい人って…。言葉使いがやはり年寄りっぽい。それだけで正体がバレそうです。 当たり前だけれど、ダンテの事をライラと呼ぶエド。お前がロゼをここへ連れてきたのかとの問いに、古い錬金術師しか知らない街だとダンテに聞いていたと答えます。 当たり障りのない世間話をする気はさらさらないらしいエド兄、いきなり核心へ。 ダンテさんが何で殺されたのか聞いていなかったと言われて、グリードが殺したと言ったでしょと、こちらは当たり障りのない返答。 けれどもエドの答えは 『それは嘘だ』 ダンテさんの屋敷に残されていた練成陣はホムンクルスの動きを止めるためのものだった。あそこにはグリードの基となった人物の骨もあった。 グリードはダンテさんに手出し出来なかったはずだ。 でも確かにダンテさんは死んだと告げるライラ@ダンテにエドが答えるのは あそこにあったのは魂の抜け殻だったとしたら ─ 。 賢者の石の力で肉体から肉体へ乗り移り、何百年も生きている人間がいるとしたら。 いつから予測をつけていたのか、目の前の人物はライラの肉体に魂を定着したダンテだと看破し、泣き落としにかかる所を実力行使で正体を暴きます。 とにもかくにも乱暴者。正解だったから良かったものの、間違っていたらヤバかったぞー? 飛んでくる槍を両手パンで消滅させて、バレちゃったダンテです。 ホントにいつ頃から気がついていたのでしょうね。グリードの死にもめげずに情報だけは抜け目なく手に入れていたってか。 将来が楽しみといえばいいか、可愛げのないガキと言ったらいいのか。 ライラで何人目だとの問いに、10人はやっていないとダンテ。 だってその度に賢者の石を使わなくちゃいけないのよ? 地下都市の住人を消し去って賢者の石を造ったのはともかく、一晩で消滅した東の国は日本ってオチかしらん。 言っておくけど、造ったのは私ではないとの言葉に、エドが苦々しげに呟く人物は『光のホーエンハイム』 自分の父親の事をそんな風に呼んではいけないわと、たしなめられたりして。 あいつも同じように生き長らえて来たのか、何のためにと叫ぶエドへのダンテの答えは 『我々にはその価値があるから』 人間に賢者の石は扱えない。人間が近づかないように、完成に失敗すると全てを消滅させて、賢者の石に近づくと滅ぶという伝説を残す。 それでも近づいた者からはギリギリで取り上げて大切に使う。人間に賢者の石を与えたら、何をするか分からないから。 『私はこの世界を愚かな人間が壊さないためにしているのよ』 生き長らえて、世界を守っていると言ってもいいと、エドでなくてもふざけんな! とつっこみを入れたくなるへ理屈を、臆面もなく言ってのけるダンテです。 まあ、お前も人間だと突きつけられて、もう違うなどと言ってしまうヤツの言葉を理解するのは難しいですねえ。 人間を愚かだと言うワリには、自分への執着は卑小な人間そのままって気がー。 緊迫の場面に飛び込んできたのはラストを捜すグラトニー。エドの気が逸れた隙にロゼに近づき、いとおしむようにその身体を抱いてダンテが言ったのは 『残念だわ。この娘の身体に入ってホーエンハイムの息子と恋をしてみるのが楽しみだったのに』 そーいう不健康な発想はやめなさい。考える事がババアですよ、ダンテ。 第一そんなコトしたら、ウィンリィの猛攻にエドの命が幾つあっても足りないと思われー。 今度はロゼの身体かとの言を肯定し、賢者の石も手に入ったと告げるダンテ。 その言葉に最重要用件を思い出した、医者は…じゃなくて、アルは何処だのエド兄に、ラストは何処のグラトニーです(そろそろねじ式は通じないネタになったかな) 血相を変えてラストを捜し求めるグラトニーに、そいつに訊けとエドを示し、ご指名を受けたエドは右腕をご馳走…しなかったね。 機械鎧に齧りつくグラトニーは、エドにラストはオレのせいで死んだ、ラースに封印されたと告げられると、敵のエドを食べちゃう事もなく、ダンテの呼び声にも応えずに、その名を呼びながら去って行ってしまいました。 この間から、エンヴィー以外のホムンクルスがやけに人間っぽく描かれているようなー。 人間であるはずのダンテとの対比なのかなあ、やはり。 去るグラトニーより目の前の敵だったらしいエド。さっさとダンテに戦いを挑みます。 ってトコロでダンテVSエド。肉弾戦の男の子に、傀儡を使う女。 懐に飛び込んで切り裂いたドレスの胸元は、腐れ崩れかけておりました。 やっぱりなとエド。魂を定着し続けるなんて、いつまでも続くモンじゃない。 バカな事を続けて来たリバウンド、等価交換だと言い放つエドに、まだそんな子供の理屈を信じているのかとダンテ。 鋼名物、答えの出せない問答の始まりです。 理屈じゃない、錬金術の、この世界の原則だとエドは言います。 あんただってそう言っていたじゃないか。何かを得るためには同等の代価が必要になる。 対するダンテ曰く。 何でも平等にしろとか不公平だとか、子供に限って言う事だ。等価交換なんてない。 『だったら逆に、代価を払えば必ず何かを得られるの?』 そうさと答え、だから人はその代価を払うために努力をすると言うエドに、それを反論に使うのは、ちょっと卑怯だよなあなダンテの言葉。 でもヘンね。だって、同じ代価を払っても 同じものが得られるとは限らないわ。 国家錬金術師試験の勉強に時間を費やす、それは代価。でも実際に通るのはほんの一握り。 そもそも錬金術は、同じように学んでもその実力には大きな差が生まれる。 そして、人の命も平等ではない。 言葉に詰まるエドの隙をついて、ロゼから赤ん坊を取り上げ、土くれの竜の口に咥えさせるダンテ。 そのままでは赤ん坊は死ぬ。本当に簡単に殺す事が出来る。 その子は努力して、必死に生きるための代価を払っているが、得られるのは『死』だけ。 どんなに生きる努力をしても人は死ぬ時は死ぬ。何の努力もせずに一生を裕福に暮らせる者に比べれば随分と不公平、 『この世は随分と残酷ね』 エドの言う通り、詭弁だと私も思います。 赤ん坊を助けるエドに向かってダンテが告げるは 『等価交換というのは、弱者が自分を慰める言い訳なのよ』 代価を支払えば自分はもっと幸せになれるはずなのに。 この子は言い訳する必要なんてない! と叫ぶエドに、やはり親子だと笑うダンテ。 ホーエンハイムが消えた時のように赤ん坊の身体に描かれた練成陣が光り輝き、エドは真理の門の前に立ち ─ 。 ダンテの香水はラベンダーだったのか? 時を駆けてしまったらしいエド兄です。 髪の短いエドは、現在休止中の荒川氏のサイトにあった『短髪だったらこんなカンジ?』エドだそうで…って、私も見ていたのにすっかり忘れていたわ。 とにもかくにも三つ編みの方が似合いますな、エド兄は。 誰だこれって、髪切っただけで自分だって分からなくなるのか等とつっこんでいたら、空襲警報と共に突然ホーエンハイム氏登場。 あんたは身体を渡り歩いて最終的に今の姿になったんだよね? だったらこの当時は違う姿のはずだよね? とか思っていたら。 何でクソ親父がここに居るんだよなエドに、何言っているんだエドワードくん等とのたまうjホーエンハイム。 あんたはダンテの所に居るんじゃないのか、何だここは、この顔は手はどうしちまったんだと困惑している姿に顎を掴んでキス…はしませんでしたな。何処かのオヤジとは違って。 『お前、私の息子のエドワードか?』 どうして此処にいると訊かれてもねえ。しかしのんびり親子の再会をやっているヒマはなかったようです。 ヤツらが来る。 ヤツらって? の問いに出て来た単語は『ツェッペリン』 ツェッペリンかよ飛行船かよヒンデンブルク号かよ! と、エドの驚愕をよそに大笑いしつつ、でも笑う所じゃないよねと反省しながら、次どうなるよです。 エドとダンテの問答ですが。 この世は平等ではありえない。代価を払っても同等のものを得られるとは限らない。 富める者と貧しい者、生まれる地域、時代によって人生の初めから不公平は生じている。 努力しただけ報われる者は一握りしかいない。努力は天賦の才能には敵わない…とかとか。 このての例なら幾らでも挙げる事が出来ますな。そしてどれもこれも、いちいちお説ごもっとも、貴方の仰る通りですーとしか言い様がない。 この問答に意味があるのかからして疑問ですが(エドの詭弁って言葉が一番的確な答えかもしれん)、この世に厳然としてある不公平を踏まえて、そこからどう進んで行くかって方に話を持っていかない事には、ただの言葉遊びになってしまいます。 最終回までにエドは、アニメはどんな答えを用意するのか。結論を視聴者に委ねるなら、どんな判断材料を提起してくれるのかに興味津々だったりして。 つーか、その辺つっこむ気があるのかしらん? ここに来て、あれほど繰り返してきた等価交換の原則を否定するのだから、何かしら納得出来るものを見せて欲しいモンです。 はてさてどうなる事やら。 今回の怒涛の展開に面食らった方がいたようで。私も面食らったというか、ツェッペリンに思わず吹き出しちゃったというかー。 飛行船はともかく固有名詞が出て来るとは思わなかったわ。 アニメの鋼の世界設定がますます分からなくなったしばたさんです。 まさか真面目に人類は核で滅びそうになってから再興しましたーってオチじゃないよね? よね?? 何を狙って現実世界とリンクさせるんでしょうねえ。 どうでもいい事ですが、エドとダンテのシーンで回る画面と魚眼レンズっぽい視点の演出が多かったですな。演出家のマイブームなのだろうか? さて来週は。 これまたストレートな題名。アンニュイな皆様の表情に一抹の不安を覚えるのですが、主要人物の『死』でテーマを語るような楽はしないと信じています。 信じたいんですけどー。展開次第じゃ暴れそう。 とにかく原作で元気な皆さんには無事で居て欲しいモンです。頼むよアニメ〜。 (2004.9.21初出)
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第50話「死」 粗筋:(アニメ公式サイトより) ロゼの赤ん坊から出現した門に呑み込まれたエドは、門の向こう側の世界へと飛ばされる。そこは20世紀初頭のロンドンだった。混乱の中、街を襲うツェッペリンから逃げるエド。その頃ダンテはグラトニーにアルを食べさせ、完全な賢者の石を得ようとしていた。アルに襲いかかっていくグラトニー。そして門の向こう側の世界では……。 新ハードが出るのでお安くなっていたゲームボーイアドバンスSPを買いました。これで小さいお友達とレジェンズバトルが出来ます。……遊んでくれそうなお友達が思いつかないわー(大バカ) ま、まあそれはともかく、現在は妹から借りて初代逆転裁判で遊んでいます。異議ありっ! せっかくだから、GBA対応の鋼ゲームでも遊んでみようかと思っていたり。まだ鋼のゲームはどれもやっていないんですよねえ。 PS2の「翔べない天使」は、『その内中古市場にどっさりやってきて、値段も下がるだろうからそれまで待っていよー♪』…と、思ったまま存在を忘れていた体たらく。 でも今回の「赤きエリクシルの悪魔」はちょっと面白そうなので、やってみようかと思っています。中古で安かったら。 腐っても格闘ゲーマーとしては「ドリームカーニバル」も気にはなっているのだけれど、どうも最近流行り(?)の3D画面に2D半のキャラってのが苦手で食指が動きません。 結構面白いらしいんですけどねえ。中古で安かったら…って、ファンとして新品を買う気概はないのかしばた。 予告も出せない、ちょっと待てやな怒涛の回。何ていうか……最終回間近ですネ(せ、せめて爽やかに振舞おう) それはさておき(さておくか!)、さり気なく大佐モテモテだったりロイエドだったりもともかく。大総統のアンダーシャツには参りました…って、着眼点が間違っています。 運命の扉を叩くのはツェッペリン。 警報が鳴り響き灯は消え、軍隊の勧誘らしいポスターがベタベタ張ってある街を、とにもかくにもひた走る親子。 この街は何だと驚愕するエドの中で声がしました。 『きみは 誰?』 目眩と頭痛で狭まる視野の中で、今在るこの肉体は自分のものではないとエドは悟った模様。 空から降り注ぐ爆弾に破壊される街。高台から避難した人々が不安げに見守る空には、大きな鉄の塊と自在に飛び回る飛行機。 空をあんなに自在に飛び回る機械が? と驚愕しっぱなしのエド兄に、パパはこの世界は錬金術の代わりに機械技術が発達したらしいと説明します。 そのため、我々には理解出来ない機械もある。 茫然としつつも、『この世界』との単語を聞きとがめたエドに、気がつかなかったのかとパパ。 『ここは 門の向こう側だ』 懺悔します。パパの台詞を聞いて一番初めに思った事は 『陳腐な展開〜』 でした orz なるほどそうくるか。だから妙に現実世界とリンクさせたピースを配置していたのか…とは思いつつ。 このての展開は、ちょっと手垢がつきすぎているって気がしなくもなく。平行世界のバリエーション物と考えればいいのか。 とにもかくにも沈黙の中、暗さに磨きのかかったアルのいつもの口上で、前夜祭の始まりです。 夕暮れ時のセントラル郊外。疲弊しきった兵が哀れ。身体というより味方同士が争わなければならない精神の疲れの方が大きそうです。 テーブルと通信機だけの簡易の司令部では、最終回にも出番作ってよね! の私の少佐殿と、すっかり大佐に化けるのを諦めたらしいハボックさんが難しい顔をしていました。 混乱していて詳しい事は分からないが、中央司令部で何かあったらしいと通信中(か傍受なのか)のファルマンさん。 それに、まあよいと答える少佐殿。 どうせハクロ少将辺りが集めてくる寄せ集めの兵だって、軍の皆に無能だと知られているのねハクロ将軍。 それでも出世するとは軍の七不思議(その答えは扱いやすいからだと思われ) しかし大佐ってばもてますねえ。…男に。 その間に大佐が思いを遂げてくれればそれでよし…って、何だか恋のキューピットのやうな台詞を吐くファルマンさんに、大佐が何をするのか薄々気づいているのに、オレたちもつくづくバカだよなあと自嘲するハボックさん。 それを微笑んで見守るアームストロング少佐って…。 増援がついたとの知らせに(フュリーさんは『中佐』と呼んでましたね)立ち上がりかける少佐殿(でも私は『少佐』で)を制して、今更大佐の振りもないでしょと自分が行く旨を告げ、最前線でゴツい機関銃をぶっ放すハボックさんに至っては、愛も最高潮って感じです。 ただの腹黒オヤジではないのですねえ。どの辺が命掛けても惜しくないと思えるほどいいのか、じっくり問い詰めたい気分ではありますが、まあ言うだけの事はやるヤツなんでしょう。 大総統宅。 部屋で読書しながらくつろぐ大総統と、プレゼントされた機関車で一心に遊ぶ坊ちゃん…かと思ったら、坊ちゃんは何かお父さんに言いたい事がある模様。 目が合って、慌てて逸らしてしまいます。 他に何か欲しいものがあったのかと優しく尋ねるブラッドレイに、気まずそうに坊ちゃんが言うのは 『ごめんなさい』 家政婦は見た! …って、この間からベタなネタが好きだなしばた。 お笑いにもならない戯言はさておき、坊ちゃんが見てしまったのは、尊敬するお父さんが難しい顔をして覗いていた、本棚に隠してある金庫。 怒られる思ったのでしょうが、ブラッドレイは物分りのいい優しいお父さんでした。 覗き見してしまった金庫を明るい所で見せ、お父さんの宝物だと息子に明快に告げるブラッドレイ@プライド。 もう少しお前が大人になったらあげるつもりだった。 本当? と、ほっとしながら訊き返す坊ちゃんに、ブラッドレイはそれまでは預かっておいてくれと小さな金の鍵を渡しました。 私の命は君に委ねられた。しっかり守ってくれたまえ。 その言葉に嬉しそうに敬礼して応える坊ちゃんです。 汗だくの表情からして、金庫の中身はプライドの基となった人間の遺骸(大きさから推察すると骨かなあ)だと思われます。 となると、坊ちゃんに金庫の鍵を渡したのが吉と出るか凶と出るか。 今私の脳裏には、ものすごーく陳腐でベタな展開が広がっているのですが、どうかこの展開にだけはならないで欲しいにゃーと思います。 そんな微笑ましい親子の会話は、騒がしい物音に遮られました。 廊下に心配そうな顔をして立っている奥さん、旦那に訊かれて外の方たちが不審人物を見たらしいと伝えます。 大総統自らが開けた扉の外には、敬礼する凛々しいホークアイさんが立っておりました。 足元の、その他大勢のやられ役を倒したのもホークアイさん? 放心した顔をしているように見えましたが、フランケンシュタイナーでも食らったか?(…って、ここ読んでいる人が分からないような話を。いわゆる幸せ投げですって、これでも普通は通じませんよしばたさん) 表の騒ぎで警備の方々が浮き足立っている隙に侵入するマスタング大佐。 おお、アニメの大佐は華奢なせいか機敏ですね。でも次の日腰が痛い〜とか喚いていそうだなどと、大変失礼な感想を持ったしばたさん。 お年のせいか、走り方はちょっと重い。いっつもエド兄の身軽な身のこなしを見ているから余計そう思うかな。 お互い年には勝てませんね(イヤな連帯感だ…) 中央司令部ではアーチャー大暴れ。歯向かう者は全て敵とばかりに至近距離で口からバズーカ食らわすわ、手榴弾食らってもめげず、伝令に走ってきた兵士を聞く事だけ聞いたら投げ捨てるわでもう大変です。 手榴弾で一旦大人しくなった隙に、行きましょうと師匠に声をかけるロス少尉。 何処にとの問いに、我々の仲間が一斉蜂起する予定だと告げます。うなずく師匠。 大総統の自宅で何かあったと知ったアーチャー。手榴弾の直撃を受けて無傷なワケはないのですが、イっちゃった目で閣下のご自宅に向かうらしいアーチャーです。 あんたが行くと事態がややこしくなると思うのだが。でも大佐にとっては天の助けになるかもしれませんねえ。 アーチャーが着ている半分の軍服って特注なのかなあと思いながら見ていたら、肩の階級章のアップに目が行きました。 それを見る限り、どうやらまだアーチャー『大佐』のようですね。 一斉蜂起を目論んだのは誰だったのでしょう。前から仕組まれていたのか自然発生的に起こったのか。 プライドは大総統として軍人として非の打ち所がなかったと思われるので、自発的に起こったとしても、その種を蒔いたヤツはいると考えられます。 それをやったのがマスタング大佐だったとしたら、やっぱり食えない男だね。 門の向こう側のエルリック親子。 ところで『エルリック』姓は、現在ホーエンハイムの魂が入っている人のものなのだろうか。それともお母さんの姓で婿養子って線かしらん? この世界には『死』が満ちていると、いきなり今回のサブタイトルに言及するホーエンハイムパパ。 この世界では大量に命を奪うガスも使われた。未来ではもっと効率よく人が死ぬ…って、パパは時を駆ける中年になったのか? お前も見ただろう? とのパパの言葉に、門を通った時に垣間見たらしいキノコ雲が目に浮かぶエド。 核の事をいっているのなら『大量に』の部分はともかく、決して『効率よく』ではないようなー。残留放射能とか大変だし。 ここでパパってば、衝撃の発言。 その過去から未来にいたる全ての命が 錬金術の源となる。 『源』とは何の話かと言い返すエドの言葉尻を奪って等価交換か? と問います。 しかし、壊れたラジオを元に戻すために必要なのは 同じ質量だけじゃない。復元するエネルギーが必要なはずだ。 それを無視して等価交換などありえない。 子供にはちょっとばかし重過ぎる真実。 この世界で死んでいく命が門を抜けてオレたちの錬金術のエネルギーになる…? 茫然と父親を見上げてから、苦々しげに呟くエド兄です。 我々はここに小さな門を持っていると、息子を見つめて胸に手を当てるパパ。 錬金術師はこの門を開けて、そこからこの世界に繋がり命を搾取して力にしている。 等価交換はないと同じ事をいう、やっぱりあの女の仲間だなと、エド兄ってば直視したくない話なのか、微妙に外れた部分につっかかりますな。 ダンテに会ったのかとの言葉に、400年前のラブレターも見たぜエロオヤジとエド(多少脚色が入っています) あんたたちは二人で身体を乗り移りながら生き長らえてきたんだろうと、詰め寄る息子に沈黙を持って応えるパパ。 何で母さんと結婚したとの問いは、子供にとっては是が非でもはっきりさせたいコトだったかと。 人並みに子供を持つ遊びでもしてみたかったのかとの、子供らしくない(逆にそんな拗ね方をするってトコロがお子様だとも思いますが)発言のエドに、とっても簡潔にパパは答えました。 『愛していたからだ』 母さんを、トリシャを愛していた。初めて愛を知った。 あーうー。その理屈は分かる。分かるんだけどねパパ。 人の気持ちに鎖はつけられないけれども、パパの気持ちは分かるけれども、恋ってそういうものだとも分かっているけれども。 やはりダンテが哀れで救われない。エンヴィーもな。 嘘だとその言葉を両断するエド兄。だったら何で ─ ! パパは黙って上着の袖をめくると、ダンテと同じく腐敗が広がった肉体が現れました。 腐れかけた身体を見せたくなかった…。 錬金術師の力の源は私らの命だったそうで。『全ての命』というからには、人間以外の命も含まれるのでしょうが。 どうしてだろう? 命=人間って図式を感じてしまいます。 賢者の石が人間の命、断末魔の怨嗟のこもった命で造られるからそう感じるのかな。 門のこちら側の命を生贄にして、あちら側の命をエネルギーにして賢者の石が造られるのだと考えると、何とまあ非効率的で呪いに満ちたアイテムだろうと思わずにはいられません。 こんなモンで望みを叶えても、絶対に幸せにはなれなさそう。つーか呪われそう。 門のこちら側ではアルがピーンチ。 練成陣の真ん中で身動き取れずに青く光り輝いています。 食っちゃえよと、頭抱えて脂汗を流しているグラトニーをそそのかすエンヴィー。 お前の中で完全な石にしちまえよ。 しかしグラトニーは、食欲よりもラストの方が大事でした。エンヴィーが怒鳴っても、ラストを探してさ迷うばかり。 そんなグラトニーをダンテは優しくなぐさめ…るワケがなく、いきなり口の中に手をつっこんで舌をひっこ抜く勢いで掴みます。 若いフリしててもやる事は豪胆つーか、年頃の娘らしくないというかー。さすがのエンヴィーも、げっと引いた模様。 グラトニーの舌に描かれたウロボロスが光り輝いたかと思ったら、食欲魔人が誕生していました。 元々赤い石の製造用に造ったホムンクルスよ。精神なんて必要ない。 すっかりホラーなお顔になってしまったグラトニーです。 赤い石製造用って…何処から出すんだ? 赤い石。口からならまだ許せるけど(気持ち悪いけど)、下からだったらすっげーイヤだのう。 …あー、今ちょっと想像しちゃった。 今度はあちら側。ころころ切り替わってめんどい。 ダンテは自分の力では賢者の石を造れないそうな。門を見てもダメなのか。造るためには材料以外の何が必要なのか。 もしかしたら『強い意志』かな。だとしたらダンテにそれがあるとは思えないので、賢者の石が造れないのも、人間を追い詰めて造らせるのにも納得。 ホーエンハイムへの執着は強そうだけれど、似ているようで違う種類だろうし。 閑話休題。 だからずっと姿を消していたとパパ。だがパパの代わりに兄弟に目をつけたと知って姿を現し、結局門の向こうに送られた。 ダンテは私が門の中で、魂と精神と肉体を分離させられさ迷っていると思っているだろう。だが私は、あの門を抜ける事が出来た。 エドの身体は門の中にあるとパパ。 この世界は、錬金術が発達しなかった鋼世界だそうで。なのでエドのそっくりさんもアルのそっくりさんも居るらしい。 …ぜひともこっち世界の兄弟を拝みたいものよ(フィクションですからねしばたさん) 魂と精神だけがその『エドワード』(名前まで一緒になるもんなのか)の肉体に引かれて宿ったのだろう。 なーんて話をしているトコロにこちら世界の軍人が。 あからさまに怪しいパパを捕えに来たのかと思ったら、敬礼をして耳打ち。 チャーチル将軍がお目にかかりたいって…。もしかしてアレか? 後のイギリス首相のウィンストン・チャーチルのコトか? パパってば、右も左も分からない世界にやってきたのに、錬金術も使えないのに、上手く立ち回ってそれなりの地位にいるようです。 亀の甲より年の功なんですねえ。驚異的に要領がいいとも言えるな。 去るパパを追いかけるエド。そんな息子に送ったパパの言葉は 『自分の中の門を開け』 門の中で自分の身体を探せ。 あんたも帰るんだろと尋ねるエドに、私は帰れないとパパ。 私の肉体は既に門を通り抜けてしまった。錬金術は使えないと言うのに、憎んでいるはずの父親に、何とかしてやると訴えるエド兄。 あー可愛い。パパと一緒に慈愛に満ちた眼差しをしてしまいますよ。 でもパパに帰る気はないようです。 私はここで、この身体で死んでいく。トリシャが愛してくれたこの顔形で ─ 。 そして、等価交換が真実でないと知りほっとしているとも、パパは穏やかに告げます。 何かを得るために必ず代価が必要だとは限らない。親が子供を愛する時、そこに代価も報酬もありえない。 走り去る車と反対方向を歩くエド。それでもやはり、等価交換を信じていたいらしいです。 頑張ったらそれだけ何かが得られる。努力したら誰でも公平に報われる。代価を払えば平等に幸せを掴める。 現実はそうではないと知っていても、子供の理屈だと分かっていても。 それなら子供のままでいいと言い、代価を払っても報われない事があるなんて思いたくないと考えるエド兄です。 自分で子供じみた事を考えていると分かっているなら、大人になったねえと思いますな。まあ、多分そうでしょう。 ニーナの件でもスカーの件でもロゼの事でも。代価を払っても平等に幸福になれるワケがないって事をあれだけ経験していても、理想論だと理解しつつ頑張るエド兄ってば偉いと思うです。 理想を本当にするべく頑張って欲しいもの。…頑張らせてやってよねー!(…と、何かに訴える) しかし直後に、等価交換は理想論であるという事を、エドは文字通り身を持って知るハメになるのであった。 撃墜されて落ちるツェッペリン。車の進行と反対の方向に突き刺さる機体。 顔色を変えるパパの危惧が現実となり、運悪く残骸の下敷きになったエド。こちらの世界で両手パンが出来るワケもなく ─ 。 即死を免れたのが奇跡としか言い様がない(もしくはご都合主義…とは言ってはいけないコト)状態でしたが、奇跡はここまで。 再び降ってきた瓦礫に飲み込まれる小さな身体です。エドワードという名前には、身長が伸び悩むという呪いでもかかっているのだろうか…とか、この緊迫した場面で考えるなよ、しばた。 大総統宅。 ホークアイさんは、マスタング准将が大総統の命を狙ってセントラルに潜伏しているとの報を持ってきた模様。 そんな時に背後で不審な物音が響きました。 音の方へ行きかける兵をトボけた言動と共に制し、怯える家族を『万一を考えて』司令部へと命令して預けていきます。 大総統閣下に質問でーす。命より大事なのは家族ですかー? それとも坊ちゃんの持っている鍵ですかー? サーベル片手に階下へ降りる大総統@プライド。 カーヴの扉を閉める事で出来上がる練成陣が、鉄の扉を溶接してしまいます。 ……言っていいですか? 急場とはいえ下手くそな陣だよなー。 やっぱりマスタング大佐に絵心はないらしい。 ってなワケで、カーヴの中では大佐がお待ちかねでした。 一人で来てくれると思っていましたって、それぢゃまるで恋する乙女の台詞ですよ。 君が私の期待を裏切ったのは初めてかなと、トボけた言動は相変わらずなプライドに、最初に裏切ったのは貴方だと、ケツの青い若造みたいなコトを言ってみる大佐。 私がホムンクルスだと言う事かと、眼帯の下から現れたウロボロスの瞳に、覚悟していたとはいえさすがに驚く、頑張れ大佐! です。 何とか気を取り直して、貴方が人間であろうとなかろうと大した問題ではないと言い放つ大佐に、なら良いではないかと、やっぱり飄々としているプライド。 私が大総統になって以来、度重なる戦争で異民族は排除され、領土は拡大を続けている。 だがそれは全て賢者の石を生み出すためだとの反論に、にっこり笑うプライドは怖いのう。 戦争によって絶望的になった人が賢者の石を求めるとの言に、人は愚かだとプライド。 愚かな人間に賢者の石を造らせるのかと問われて、だから破滅しないように取り上げて救ってやっているのだと、事もなげに答えます。 言わば我々は神の使徒だ。 それに答えて大佐曰く 『神などいない!』 そうかもしれん、だが悪魔ならいる。 『お前たち錬金術師だ』 とうとう牙を剥き出しにしたプライドです。 本当に神の使徒なら、賢者の石を造る必要がない世界になるように手助けすればいいのにねえ。詭弁にすらならない、神の代理人を騙るお話。 プライドVS大佐。 大工の棟梁を色仕掛けで懐柔して(微妙に何かが違っているようなー)密閉空間を用意したものの、空気の流れが見える最強の眼に見破られて、せっかくの壁に穴開けられちゃいます。 おかげで防戦一方の大佐ですなあ。まあ可愛いからいいや…って、見るべきトコロが間違っている気がするけれど、腐女子ならこんなモンだよなあ。 プライドの、密閉空間の爆発力は開放空間の比ではないと言った後の『さぞ素晴らしい焔の錬金術が見られただろう』って言葉すら「うわー、何だかやらしー」とか思ったしー。 クライマックスの最中でも、萌えセンサーはバリバリ稼動しますよ orz それはともかく。密閉空間を作ってその場に大佐も居合わせているってコトは、心中覚悟だったって事かしらん。あそこで爆発が起こったら、大佐が無事でいられるとは思えない。 個人的にはホムンクルスは倒すけれども、自分が死ぬ気も部下を死なせる気もさらさらないって方が好みですな。 実際の状況はともかく心意気として。 防戦しながらも、とにもかくにも焔で一矢報いた大佐。壁に穴を開けられたとはいえ、それなりに密閉された空間だけあって、焔の威力はなかなかのものでした。が。 当然、大佐が無傷でいられるワケもなく。 倒れながらもどうにかこうにか見上げた視線の先には、ホムンクルスが立っていました。 なんつーかもう、玄人だ。つーか誰の趣味!? 黒のアンダーシャツ(というかレオタードというか)から胸毛の生えた逞しい胸を覗かせる、とある趣味の方々に絶大な支持を受けそうなプライドの立ち姿です。 大佐絶体絶命! よりも何よりも、そのお姿で微笑みながらサーベルを構えるプライドに悶えました。 こちらも絶体絶命のアル。 食欲魔人のグラトニーはアルの元に歩を進め、ダンテはうっとりとロゼを見つめ中。 でも主役が到着するまでにアルが食べられたら元も子もないわけで。やっぱり邪魔者が入りました。 アルに駆け寄るラースを、錬金術を使わせては駄目だとエンヴィーに抑えさせるダンテ。 ボクのママを生き返らせて! と叫ぶ子供を問答無用で門の前に連れて行き、錬金術が使える所以であるエドの手足を引きちぎらせます。 いけない子ね。今賢者の石は最大に活性化されている。なのにこんな所で錬金術を使ったら練成が始まってしまうじゃないの。 いやー、子供の手足を引きちぎってみせる子供御用達時間のアニメっつーのも珍しいねえ。 表現の良し悪しはさておいて、思いきりという点では感心します。 まだ使えると思って生かしておいたのにと呟くダンテでしたが、エンヴィーは驚愕したままでした。 門が、消えてない…っ! 門の扉をムリヤリこじ開けて出て来た者は。さーて、満を持して真打ちエド兄の登場であります。 かなりビックリしたせいか、『おチビちゃん』じゃなくて『エド』と呼びかけるエンヴィーに、妙に萌えました。 本人無我夢中だったらしく、弟の呼ぶ声と鉄の右手でようやっと戻ってきた事に気がついた模様。 あっちの命が死んだためだってコトで、向こう側のエドワードくんは、知らない誰かに身体を乗っ取られたまま儚い命を終えたらしいですね。 物語世界ではよくある話ですがー。雑魚キャラの宿命とはいえ哀れだのう。 またあっち側の命を使ったのかと肩を落とす兄貴です。 エドがやって来なかったら、『エドワード』くんは助かっていたかってのは、ワリと微妙。 死因は違えど、やはり同日同時刻に死ぬ運命にあるって展開が王道かと。…って言ってみても、打ちひしがれた子供への慰めにはならんね。 すごいじゃないかエドワードくん などといいつつマルコー再登場!? …かと思いきや、やっぱりグラトニーのお食事になっていた説が正解でしたな。ここぞとばかりに化けまくるエンヴィー。 妙に芝居がかったヒューズに笑える。 分かってんだろ? ドクターマルコーを大総統に預けたのはお前じゃないかと言い放ち、とっくにそいつの腹の中だ、お前が殺したようなものだと詭弁を弄します。 ホムンクルスの方々は、胡散臭い発言を、もっともらしく言う事がお得意ですね。 ついでに言うと このオレもと、ヒューズの姿でエドに襲いかかるエンヴィー。 やりにくいだろ、知ってる顔はよ。 エドVSエンヴィー@色々バージョン。 ヒューズの姿をしたエンヴィーの後ろを取って首を締め上げ、お前の力はそれだけかと、こちらも口では負けていないエド兄。 ホムンクルスは何匹も倒した。母さんの顔をしていても倒した。 そう自分に言い聞かせているエドを揶揄する如く、お母さんではなくスロウスの姿で腕から逃れるエンヴィーです。 あーえげつない。 錬金術で応戦しようとするエドを制するダンテ。 聞く耳持たない兄貴に、ボクはどうなってもいいけど弟は知らないよー? と、エンヴィーったら本当にえげつない。 賢者の石@アルが活性化している、周りで練成反応が起こったらどうなるか分からないと告げられて、最大の武器を封じられたエド兄です。 しかし、気合いの入った乱暴者はこれ位でめげなかった。 床にクレーターを作るパワーを持つホムンクルスを相手に頑張る兄貴。でもやっぱり分が悪そう。 ボクの方がずっと強いんだからと、華麗な空中回転なぞ披露して余裕ぶっこいていたお陰で、子供に邪魔されエドには馬乗りになって殴られと、エンヴィーは慢心は身滅ぼす事を、言葉通り身を持って教えてくれましたな。 お母さんやらマルコーやらヒューズやらと、色々エド兄が知っている顔を出しては見るものの、ブチ切れた兄貴の拳は止まりません。 とうとうマスタング大佐の顔を出しちゃうエンヴィー。しっかし大佐って黒のハイネックが似合わないねえ。 大佐の顔での私を殺す気かとの言に、今まで誰が出ても躊躇なく殴ってきたというのに一瞬手を止め、それからにやりと笑って、一番殴りやすい顔だと思いきり横っ面張り倒すエド兄って図は、私的にとっても美味しゅうございました。 まあ、しばたさんの脳内エドは、躊躇の顔など見せずに嬉々として殴っていますが(今頭の中でシミュレーション中) ロイエド者にあるまじき感性で申し訳ない。 本当の顔を見せろと殴り続けるエド兄を見守るその他大勢の方々。食欲だけの存在になったはずのグラトニーまで足を止めているのは何故? ここで食っちゃ話にならんから? ひとの姿を借りて心につけこむだけがお前に出来る事かとの言葉に応えるように、見せつけた『本当の顔』は。 若かりし頃のホーエンハイムでありました。 スロウスの一件でお母さんを殴れても、心の交流を果たした後で父親を殴れなかったらしいエドはちょっと可哀想。 予想通り、エンヴィーはダンテとホーエンハイムの間に出来た子供の成れの果てだったよう。 ついでにホーエンハイムが初めて造ったホムンクルスでもあったのですね。賢者の石を造れるだけの能力を持ってしても人体練成は成功しないらしい。 結局、人体練成=ホムンクルスの練成って図式になっちゃうのか。 そしてヤツはボクを捨てた。分かるだろう? ボクがヤツを嫌いなワケが。 『嫉妬(Envy)』の名を冠するだけの事はあったようです。 言葉と共にエドの胸を貫くエンヴィー。抵抗ひとつせずに凶刃を受けるエド。崩れる身体。 茫然と、意味が掴めないかのようにあどけなく兄を呼ぶアルに、血だまりに沈むエドの姿に正気を取り戻して絶叫するロゼ。 最終回前にこれかーと、しばたさん頭を抱えつつ、いよいよオーラスです。 アニメのやらかしには慣れたつもりでしたが。またやらかしてくれましたねえ。サブタイトルを体現するのが主人公とは思いもよらず。 短い間に2度も死んだエド兄に、お疲れ様って言うのも虚しいのう。 何か瞳孔開いたようなんすけどー。アレで助かったら詐欺だと思うんですけどー。 ひとつの身体に心がふたつ…なーんてオチだったら、テレビ画面にリモコン投げつけても許されますか? この展開だと、アニメポスターすらネタバレになりかねないような気がしますね。 衝撃の展開がてんこ盛りの回だったのですが、私が一番初めに思ったのは、『何だか陳腐な話』…だったりします。 最後の串刺しになったエドを含め、何処かで見た感が否めない。どうしてだろう、妙に手垢がついて新鮮味がないような気分がしてしまいます。 期待が大きすぎたせいとも思えないのだけれど。何にしても偉そう発言だな。 エンヴィーの正体は予想通りだったワケですが。 ホーエンハイムは、結局捨てた息子に愛した人との子供を殺された(死んだかどうかはともかく現象として)事になるのですね。 というか、そもそも彼がダンテの元を去ったのが一連の悲劇の元凶になったのかと考えると、アニメの鋼は痴話ゲンカに巻き込まれた、哀れなその他大勢って図ですか? そう考えると何かヤだ。 ホーエンハイムがエンヴィーを息子としていた時間があって、それをエンヴィーは幸せに感じていたとしたら。 息子と自分を愛してくれている女の元から姿を消して、真実の愛する女性と穏やかな時間を過ごす事を選んだホーエンハイムが許せないのは当たり前って気がします。 ホーエンハイムがエドと一緒にムリにでも還ってくれば、この悲劇を止められたかもしれない等と思うと、お母さんの愛した姿のまま死んで行きたいなんてのんびり言ってる場合じゃないのでは? このアニメって、恋は世界を滅亡させる事になろうとも逆らえないものであるとか、男は自分勝手な生き物であるってのがテーマだったのだろうか。 少年の成長物語じゃなかったのかー。知らなかったよ。 ………成長させてやってよ(T-T) さて来週は。 文句言っても心配しても、暴れちゃっても後1回。 こうなったらアニメの結末をしっかり見届けようと心に決めたしばたさん。 最後の感想文を『良かった』で締め括れるか、『責任者出て来い! ゴルァ!』と暴れるハメになるかはアニメ次第。 何にしろ、文句言いつつ楽しんできましたから、最後もめいっぱい楽しもうと思います。 驚く結末と言ったら『逆に皆幸せになるってこと以外驚く事など有り得えない』とのご意見に、私も激しく同意です。 一番ビビるのが、『そして皆が幸せに暮らしました』なオチですね。 さて、それ以上にビックリさせて貰えるでしょうか。 たーのーしーみーにーしーてーまーすーかーらーねー!(…と怨嗟に満ちた声で) (2004.9.26初出)
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