陣内会長のある華麗なる一日 part II

原作:陣内 克彦 代筆:大西 かつぴこ


序章 「我こそはその2」

親愛なる我が下僕達よ。 私が絶対的支配者にして永遠不滅の帝王『陣内 克彦』だ。
前回は結局イフリータの馬鹿者のせいでろくでもない作品に仕上がってしまったが・・・まぁ、ここは一つ気を取り直して今回こそは私の偉大なる姿を披露して進ぜよう。
きゃはっ、きゃはっ、きゃーっはっはっはっはっはっは!!!
きょーっほほほほほほほほほほほほほほっほっほっほっほっほっほ・・・ ×5746532546347回

そうそう、言い忘れていたが今回は前回とは趣向を変えて、第3者的立場からの視点で書いてある。何そうした方が私の偉大さを客観的に判断できるであろうということだ。
では始めるとしよう。

第1章「え?ウワサのお店?」

いきなりで恐縮だがここはロシュタリアである。 だれがなんと言おうとロシュタリアなんだってば!
ロシュタリアということは当然いるのが、この人達。

陣内菜々美(以下"菜")「ねーねー、誠っちゃん」
水原誠(以下"誠")「なんやのん、菜々美ちゃん」
「この街の西の外れに回転寿司の店が出来たんだって」
何故"回転"寿司かは聞かないでいただきたい。

「・・・なんでエルハザードに寿司があるんや?」
「知らないわよそんなこと。作者にでも聞いたら?」
だから聞くなって!

「作者?誰やそれ?」
「知らないってば!!それよかさ。行ってみようよ、お寿司屋さん」
「あ、ちょっと菜々美ちゃん、そんなに引っ張らんとって〜な」
「ほらほら〜、早くぅ」

第2章「店に入ってみたものの」

ここは*何故か*ロシュタリアで只一軒の回転寿司屋「露守他利屋」
・・・ネーミングが安直すぎたかも知れないが気にしてはいけない。
「あ、誠ちゃんここだよ、ここ!」
「ほな入ろか」
店員(以下"店")「いらっしゃいませ!こちらにどうぞ」
「へぇ、ほんまに回転寿司やねんな」
「だからそう言ってるじゃないの。あ、赤だし2つ頂戴」

「ほんなら戴こうか」
「私タコから食べよ〜っと」
「僕はまずネギトロや」
しかしいつまで待ってもタコもネギトロも流れてこない。

「ねー誠っちゃん」
「なんや?」
「さっきから流れてくるのって、カッパ巻きとガリと沢庵とワサビばっかりなんだけど」
「やっぱり異世界やからトロとかハマチってないんやろか?」
「私のタコはどうしてくれんのよ!」
「僕に言われても・・」

他の客「おい、なんでこんな安いネタしか流れてこないんだ!!」
「ほら、やっぱりタコもあるはずよ」
「なんで、そないにタコにこだわんのん?」
「ちょっと店員さん、一体どういうことなの!!」
「私にいわれてもこまります・・・他のネタもちゃんと握ってはいるんですけど、握るハシからあちらのお客様が・・・」
と店員が指差した先には・・・
おそらく3桁を軽く陵駕しているであろう、山と積み上げられた空き皿!さらにその向こうには何やら見慣れたシルエットが・・・
いや、本来あまり見慣れたくはないのだが否応無く見慣れさせられたあのシルエットが・・・

第3章「店内騒然店員蒼然!」

「あ、あれは・・・」
バグロム!?」
「ちゅ〜ことは・・・」
「まさか、お兄ちゃんも!」
と視線をそらすとその先に・・・・
「やっぱりおったわ・・・・」
「ってことは、お兄ちゃんが私のタコを掠め取ってたのね」
「だからなんでタコやのん?」
「ちょっと!!お兄ちゃん!!!」
陣内克彦(以下"陣")「む、菜々美ではないか、それに水原誠まで。貴様等こんな所で何をしておる」
「それはこっちの台詞よ!!なんでお兄ちゃんがロシュタリアにいるのよ」
「簡単な話だ。ここに寿司屋が出来たと聞いたので食べにきたのだ。そしたらこ奴等も寿司を食いたいと言うので連れてきたまでよ」
「よう、バグロム兵なんか店に入れてくれたな」
「ふふふふ、私の頭脳を見くびるな。バグロム兵を連れていては入れてもらえんのは百も承知よ!!だからちゃんと変装させてきたのだ!!」
「・・・・変装って、その頬っ被りと唐草マントのことか?」
「その通り、完璧な変装だろ?」
「・・・・・」
「んなことはどうでもいいわよ!!!それより私のタコ返してよ、私のタコ!!」
「だからなんでタコなんやぁ!」
「た、タコ?何を言っとるんだ、お前?」
「お兄ちゃん達がそんなとこに陣取ってるから、こっちに全然まわってこないじゃないの!」
「ふん、そんなことは私の知ったことではない。回転寿司では早いもの勝ちなのだ」
「ちょっとはこっちに回してくれてもいいじゃない!!」
「甘いな菜々美、回転寿司とは弱肉強食の世界。弱い者は食うべからず、だ」
「・・・弱肉強食て、いつからそうなったんや」
「ぐぐぐぐぐぐ、もういいわよ!お兄さんタコ30人前!大至急握って頂戴!!」
「え?あー、はい、わかりました」
いそいでタコを握る店員。握っては流し握っては流す。 しかし・・・

第4章「そしていつもの混沌の日々・・・」

「おぉ、タコが大量に流れて来たわ。そらカツヲもっと食え!!ワカメこれはお前の分だ。ディーバ、お前ももっと食べないか!」
「あぁぁぁ!ちょっと何すんのよ、お兄ちゃん!!そのタコ私のよ!」
「ん、何の話だ?」
「とぼけようったって、そうは行かないんだからね!そのタコ頼んだのは私なんだから私のタコよ!!」
「知らんなぁ、何か証拠でもあるのか?名前は書いておらんかったようだが
「店員さん!あのタコは私が頼んだものでしょ!?」
「え?あ、えーと・・・」
「誰が頼もうがそんなことは関係ない。コンベアに載って流れてきた以上、誰でもとる権利があるのだ!!くわーっかっかっかっかっかっかっかっか」
「ま、全く屁理屈だけは相変わらずなんだから」
ディーバ(以下"デ")「陣内殿我々はもう十分食べたのだから彼らに回してやってもよいではないか」
「そうはいかん!!水原誠に食わせる寿司なんぞこのエルハザードには存在せん!いや、あってはならんのだぁ!!!」
「・・・あ、あんなぁ陣内、お前何考えとんのや」
「そうよ!お兄ちゃんってば、いっつもいつも自己中心的なんだから。自分がそ〜んなに偉いとでも思ってるの!?」
「実際に偉いのだ、いたしかたあるまい。私こそ神によって選ばれたる支配者!この世界、いやこの宇宙すべてを手中にすべく運命づけられた至高の存在!きさまら一般人とはすべからく異なるのだよ。きょわーっはっはっはっはっはっは・・」

ばっしゃーーー!

突然ブラックアウトする陣内の視界。いや、この色は濃い茶色か?

「な、なんだ?何が起こったのだ?前が見えんぞ、何がどうしたというのだ?おのれ菜々美何をした、卑怯ではないか」
「ちょっとお醤油をかけただけよ!それに卑怯はお兄ちゃんでしょ!」
「おのれ菜々美、実の兄に向かってなんたる振る舞い!もうゆるさん!」
「それはこっちの台詞よ!!」

「!!!!▽●◎%∝!!!!」

菜々美と陣内は仁義なき斗いへと突入してしまった。しかし、その一方でとことんマイペースな連中もいたりする。

イフリータ(以下"イ")「誠様ぁ、このウニおいしいですよぉ」
「あぁ、イフリータおおきに」
「なんだもうお茶がないではないか、イフリータ入れてやれ」
「はぁい!」

とぽとぽとぽとぽ

「あ、どうもすんません気ぃつこてもろて」
「ほれ、まだまだあるぞ。どんどん食べるが良い」
「はぁ、でも。菜々美ちゃんと陣内が・・・」
「何、腹が空いたら止めるであろう」
「そうですね、ほないただきま〜す」

・・・とことん平和な連中である。

「お、終わりかぁ!?終わりなのか、これで!!そんなばかな!私が全く活躍していないではないかぁ!!」
「ちょっと聞いてるの?だいたいお兄ちゃんは昔っからね〜!」

どうやら誠は陣内を出し抜き、無事寿司にありつけたようである。
めでたし、めでたし。

・・・・本当か?


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