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寄りみち

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最新号

寄りみち(VOL.90, 2001年2月号)

寒さも旨さに一役かっている

 2週間続けて週末に雪、川崎では雪を見るのも年に数えるほど、まして、こんな大雪は3年ぶりくらいでしょうか。
 雪に慣れない私たちは滑ったり、交通渋滞などなど大変ですが雪はすごくキレイですね。
 シンシンと降っている時は他の音も消され静かでまわりは白くなり、日常から離れたようで好きです。ただ降った後を考えると少し気が重くなりますが。
 立春をむかえる今月はどうかな、また雪が降るのでしょうか?

 2月は寒さの一番厳しい月、酒蔵では秋から始まった酒造り普通酒で始まり本醸造酒・・・順々に仕込まれていって今頃は低温醗酵が必要な吟醸酒が仕込まれているころです。
 最高級品質を目指して行われる吟醸造り蔵内はピンと緊張した空気が流れているのでしょう。「寒さが厳しい方が良い酒が出来る」と言います。飲べえとしては旨い酒を期待してこの寒さに耐えねば・・・ね。
 寒さを利用する酒造り、蔵人はもっと寒い中で酒造りをしていると思うと頭が下がります。
 今年のこの寒さでお燗酒を楽しむ方がグッと増えています。
 少し前ですといい日本酒は冷やして楽しむだけという方も多かったのですが季節や料理にあわせて飲み方を変えるというのはとても楽しいですね。燗酒のグッと旨い季節、寒さもいっしょに、うんと楽しみたいですね。

酒ばやしが新しくなりました

 当店では旨い日本酒を扱っている事を知ってもらうために店頭に下げている酒ばやし、本来は新酒の頃に青々した物と変えられる酒ばやしですが当店でもやっと青くなりました。
 酒ばやしは杉の葉を束ねて直径40センチぐらいの球状にしたもので江戸時代からの酒蔵の看板でした。

 その年の新酒の出来たのを知らせるために酒蔵の軒先に吊り下げられます。
 造り酒屋の看板はなぜ杉玉の酒ばやしということになったのでしょうか。完成したモロミを搾って清酒にするのですが搾る時にまずモロミを酒袋(モロミが5〜9リットル入る袋で昔は木綿の太糸を荒く織ったもので渋染めして使っていた)に入れて搾る為の装置・酒槽(さかぶね・四角い大きな箱の様なもの)に酒袋を並べ重ね搾ってゆきます。

 この作業を槽掛け(ふながけ)といいます。
 一回の槽掛けで500枚くらいの酒袋が使われるそうです。
 昔、杉の葉はこの作業の時に使われました。酒袋は酒造りの終わった春にきれいに洗ってしまわれ、搾る前にまた洗われますが、なかなか穴には気が付かないのだそうです。
 いざモロミを入れて穴があいているとモロミが酒槽の中に漏れてしまいます。少しならいいのですが大量になると、何のために搾っているのかわからなくなってしまいます。
 こんな時に穴に杉の葉を詰めて一時しのぎをします。このために酒蔵の中には杉の葉が積まれていたそうです。
 搾り終わって酒粕を酒袋から取り除く酒粕はがしのときに穴のある酒袋は取り除かれ、杉の葉が残ります。
 使い終わって蔵の外へ置かれた杉の葉が・・・、だんだん杉の葉が置かれている頃には新酒が搾られているという目印となり、「新酒ができたよ」の看板、酒ばやしへと変化していったのだそうです。そして、この習慣が次第に造り酒屋の看板として常に店頭に吊るされる様になりました。
 酒ばやしは新酒の頃は若々しい緑色、それが次の酒造りをむかえる頃には落ちついた茶色へと変わります。
 造り酒屋の目印の看板にも日本酒の熟成の変化の様に季節感があるのはおもしろいですね。

★お店にきたら、母の力作の酒ばやしをぜひ見て下さいね。

酒箱開き

 1月21日(日)、第44回目の幻の日本酒を飲む会 木陰浮月粋人盃「酒箱開き」を行いました。52名の参加となり会場は熱気ムンムン。
 出品大吟醸酒は23種類、それぞれのお蔵の個性が本当にキラキラと輝いておりました。毎年1月に行っている”酒箱開き”はアットホームな感じです。
 その一つには「おつまみ一人、一品持ち込み」が大きなキーポイントになるのでしょうか。50名の参加があれば50種類のおつまみが集まるんです。
 大吟醸のくらべ飲みと同時につまみ食いの連続、連続。楽しいこと、忙しいこと。”わっ、このおつまみ誰が作ったの”なんて自然と輪が生まれます。
 また石本酒造の蔵元は「お燗の旨さ」を提唱されておりますので、今回、特撰吟醸をお燗つけを試してみました。お燗番が必要と思いきや、出席者の中から自然に発生、キレイについた燗酒のホッとする事、米の旨みがグッと開いておりました。
 また今回は、利守酒造様のご協力によって酒米「赤磐雄町」をおにぎりにして食べることができました。
 みな様、酒米の帝王を食した感想はいかがでしたでしょう?

会員証2001

2001年のカードができました!

 毎年、鈴木浩之さんが会員カードを作って下さっています。今年のカードには、酒箱開きで楽しんだお酒を入れてくれました。いつもありがとうございます。


今月の酒・味だより

 そろそろ、吟醸酒、大吟醸酒などのしぼりたて生酒などの限定品が入荷してまいります。
 日本酒好きには、こたえられぬ季節ですね。これらの限定品は販売量が少ないものも多くあります。自分のお気に入りの蔵元の限定品お飲み逃しのないように!
 お酒は逃げないといいますが、なんだか忙しいですね。

酒一筋しぼりたて純米吟醸 500ml…1500円

もちろん赤磐雄町米で醸されています。
フルーティーな香り、お米の旨みがやわらかくひろがって、やさしい口当たりのやや辛口。
香りの良いお酒を少しだけのみたい時にも500ml瓶なのでおすすめです。

富久長 純米吟醸「中汲み槽しぼり」 720ml…1550円、1800ml…3050円

パイン系の熟したくだもののような香りが際立つ。
口に含んだ感じも、さわやかで、そしてのびのびとして、ポカポカしはじめる春先の日なたの様な躍動感を感じる。香りと旨みがうまく調和していて少し乾いた感じもあるが、そのひきぎわがいさぎよくていい。
「ちょっと一杯やらない」とつい彼女(もちろん逆もあり)を誘いたくなる様なお酒です。

※ 「中汲み」…モロミを搾りはじめて中頃にとれる部分のことです。

酔鯨 純米吟醸あらばしり 720ml…1942円、1800ml…2820円

酒米、「松山三井」の持ち味でしょうか。花を想わせる様な上立香、新酒のわりにソフトに味が広がってくる。ビシッとオシのある酸が酒の輪郭をハッキリとさせている。

手取川 吟醸あらばしり 720ml…1457円、1800ml…2913円

ほどよい吟香。あまり強く主張せずに軽快なタッチでスイスイ飲めてしまう。
味の輪郭をしっかりと感じとれるバランスの良さ、久しぶりに、きき酒とは別に飲んで旨い酒の減り方に驚いた1本でした。その晩、女房と食事をしながらこの酒を楽しんだのですが、気が付くと、1升瓶の底5cmぐらい、手遅れでした…。

※ あらばしり…モロミを酒袋に詰めて、槽という大きな四角い箱(酒を搾る昔ながらの道具)に入れます。この時、最初に自然に流れ出す白く濁った清酒のことを「荒走り(あらばしり)」といいます。独特の香りとフレッシュな味は、この季節ならではの旬の味わいです。

★ 府中誉 太平海本醸造「無加圧」あらばしり 1800ml…2900円、残りわずかです。
★ 神亀 かめ口純米あらばしり 1800ml…4300円入荷してます。

一時パート2 入荷!能代喜久水酒造 1800ml…4000円

純米吟醸活性にごり酒
お待たせです。パート2は田身の酒のモロミから汲んだそうです。(今年はパート4まで発売予定)

※ 活性にごり酒…醗酵したモロミをあらく濾したものを火入れせずに瓶に詰めました。生酒なので酵母が生きていて瓶の中で醗酵しつづけて、醗酵による炭酸ガスを含んでいるのでシュワシュワと発泡している。開栓要注意。

★ 神亀 純米活性にごり酒 入荷しています。1800ml…3200円、720ml…1600円

菊姫 無濾過山廃純米生原酒 山田錦 VS 五百万石 1800ml…3434円

『米のちがいは、本当に味の違い!』わっかりやす〜
えっ〜、菊姫が五百万石だって…ウフフ…菊姫さん遊んでくれましたね〜。ワクワク、ドキドキです。
「山田錦」と「五百万石」の米からくる旨みの違いを全く同じ規格で私たちに感じさせてあげようなんて…ニクイですね。
今ほど「山田錦」が手に入らず、買い付けに苦労されていた頃「五百万石」でキッチリ醸しておりましたから、ちょっとなつかしくなりますよね。菊姫ファンは回想しながら、涙、涙。(次は雄町?)
無濾過「五百万石」…おっ、いい色してんじゃん!!しかもうっすらとおりからみ!甘ずっぱい、ピチピチはじける様な味わいが、一気に駆けぬけてゆく、スピード感、山廃モトのダイナミックさを感じつつ、口中ではしとやかな味の広がりの余韻を感じる。☆1月ロットの「山田錦」無濾過も入荷してます。

★ 甕貯蔵 特別純米酒「一年寝太郎」 入荷中 限定3500本、1800ml…3100円

★ 室町古備前大甕で仕込まれた「道楽仕込」中旬に入荷!

★ 酒一筋「田植酒」、満寿泉大吟醸生酒も入荷いたします!



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