活用力の到達目標化 【ver.2】
思考力、判断力、表現力などを「活用力」としてひとくくりにして、それを指導要録の評価の3観点の1つにして(現行は4観点)、さらにそれを到達目標化することが、教育課程部会の審議のなかで提案され、検討されています。
学ぶ内容を到達目標に明確化する、活用力を重視するという、今回の改訂の2つの流れにそい、それを結ぶものです。
これがそのまま通ると、改訂が現場にもたらす変化のなかでは、かなり大きな影響を及ぼすものになりそうです。
これは、6月25日の教育課程部会での、「到達目標、学習評価について」の報告です。
報告したのは、加藤明氏(京都ノートルダム女子大学)。加藤氏は、教育課程部会のもとに置く専門部会のひとつ教育課程企画特別部会の委員。
報告文書は、→ こちら (文科省サイト) 3ページもの。3ページ目が提案の具体的内容になっています。
評価の参考資料 → こちら (文科省サイト)
1,提案の内容
まず、現行の4観点と類型をつぎのように示します。
【向上目標(方向目標)】…一人一人の向上や成長を大切にする目標
@関心・意欲・態度
A思考力・判断力
【到達目標(達成目標)】…共通にここまではといった到達点をめざす目標
B表現・処理(技能)
C知識・理解
これにたいして、「評価の観点を次の3観点とし、到達目標化を図る」とします。
(1)学習に取り組む意欲・態度
(2)知識・技能の習得(現行では分離の、知識・理解と、表現・処理を1つにする)
(3)知識・技能の活用力(思考力・判断力・表現力など)
知識・理解と表現・処理の2つの観点を統合し、3観点にする変更だけでなく、3観点すべてに到達目標を設定するというものです。
活用力について、「学んだこのような知識や技能をこのように活用して問題解決を図る、表現する、といったように思考力や判断力、表現力などを知識・理解の活用力ととらえ、到達目標化して表す」とします。
意欲・態度は、「望ましい方向に情意が高まった場合に現れるであろうシンプトム(兆候、兆し)を到達目標群とし予め複数設定し、それに基づいて」評価するとします。意欲・態度も到達目標を設定し、評価するというものです。
これを私なりに図にしてみると―
現行4観点 |
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変更内容 |
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変更案3観点 |
【方向目標】 |
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【すべてに到達目標を設定】 |
@関心・意欲・態度
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筆頭項目は変わらず |
(1)意欲・態度
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シンプトムで到達目標群 |
A思考力・判断力
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「活用力」にして第3項目に |
(2)知識・技能の習得
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到達目標化
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【到達目標】 |
B表現・処理(技能)
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知識・理解と統合し第2項目に |
(3)知識・技能の活用力
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到達目標化
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C知識・理解
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表現・処理と統合し第2項目に
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シンプトム(兆候、兆し)とは、たとえば「自分から調べようとする」「自分の考えを出し、質問や発表をする」といったものです。
以下準備中です
○この提案についての議論
○これまでの観点別評価とどこがちがうのか
○全国学力テスト(B・活用)との関係
○PDCAサイクルのなかでの位置、役割
○学校現場になにをもたらすか
【ver.2 2007/8/18】
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