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みかきもりの気ままに小倉百人一首

2012/08/05 美しい数字「小野小町」
(2012/08/09 説明修正)

小倉百人一首は、三十六歌仙(6x6)から25名(5x5)が選ばれるなど平方数が意識されます。
百人一首の100(10x10)もまた平方数です。
Wikipediaで「100」を調べると100という数字はとても美しい数字でした。

No. 作者 解釈
9 小野小町 花の色は移りにけりないたづらに
わが身世にふるながめせし間に
[みかきもり]
100という数字は以下のような性質があり、とても美しい数字だと感じます。
・平方数 100 = 102
・1から4までの立方数の和(= 4番目の三角数の平方)
  100 = 13 + 23 + 33 + 43 = (1 + 2 + 3 + 4)2
・ピタゴラス数 102 = 62 + 82
・最初の9つの素数の和 100 = 2 + 3 + 5 + 7 + 11 + 13 + 17 + 19 + 23
・基数と指数を交換した数の和 100 = 26 + 62
・素因数分解 100 = 22 x 52 = (2 x 5)2 にこにこ(満点の笑顔)

1からn番目までの立方数の和はn番目の三角数の平方に等しいという関係があります。 三角数10(=1+2+3+4)はピタゴラスにとって「神聖な数」として特に大事な数とされました。 100はその三角数10の平方数です。
ちなみに六歌仙の6(=1+2+3=1x2x3)は三角数であり完全数です。 三十六歌仙の36はその三角数であり完全数である6の平方数です。

100という数字を使った数のパズルに小町算があります。
1□2□3□4□5□6□7□8□9 = 100 という数式の□の中に、+,-,×,÷,空白 のいずれかを一つずつ入れて正しい数式を完成させるというものです。
以下は解答例です。
・1+2+3-4+5+6+78+9 = 100
・123-45-67+89 = 100
・1×2×3×4+5+6+7×8+9 = 100
・1+2+3+4+5+6+7+8×9 = 100
・1×2×3-4×5+6×7+8×9 = 100
・123+45-67+8-9 = 100

小町算は小野小町からとった名前です。
小野小町は六歌仙の一人で絶世の美女といわれ、その詳細は明らかではありませんが、仁明天皇の更衣だった小野吉子だという説があります。
「吉子」の文字を分解すると、吉「+-□」と子「一了」になります。名前の「子」は「一了」で一(最初)から了(最後)まですなわち一生を意味します。
また小野小町には深草少将の百夜通いの伝説があります。
+-を1から9までの□に入れて100になるまでがんばりましょうということで小町算と名付けられたのかもしれませんね。

花の色は移りにけりないたづらに わが身世にふるながめせし間に
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数式の形は変化に富んで、それをながめているといたづらに時間が過ぎて行きます。
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この小野小町「花の色は」の歌番号は9です。
・平方数 9 = 32
・1から2までの立方数の和(= 2番目の三角数の平方)
  9 = 13 + 23 = (1 + 2)2
9という数字は、平方数であり、1から2までの立方数の和(= 2番目の三角数の平方)で、数字の美しさが感じられます。 また「九」は中国では「久」に通じるとともに最大の奇数(吉数)の文字で幸運の数字です。
定家は小野小町の美しさと吉子の名前に掛けて百人一首の9番に小野小町を据えたのではないでしょうか。

P.S.
1から2までの立方数の和(= 2番目の三角数の平方)は9で、9小野小町でした。
1から3までの立方数の和(= 3番目の三角数の平方)は36です。
・平方数 36 = 62
・1から3までの立方数の和(= 3番目の三角数の平方)
  36 = 13 + 23 + 33 = (1 + 2 + 3)2
歌番号36は清原深養父「夏の夜は」です。
清原深養父は晩年洛北に補陀落寺を建立して隠棲したと伝えられます。補陀落寺(ふだらくじ)は小野小町の終焉の地として、通称小町寺と呼ばれています。


■参考文献
・超訳百人一首 うた恋い。2      杉田 圭   (メディアファクトリー)
・百人一首 全訳注          有吉 保   (講談社学術文庫)
・全訳古語辞典(第二版)       宮腰 賢、桜井 満(旺文社)

■参考URL
・Wikipedia 100Wikipedia 9Wikipedia 36Wikipedia 立方数Wikipedia 三角数Wikipedia 完全数Wikipedia 小町算Wikipedia 小野小町Wikipedia 百夜通いWikipedia 清原深養父Key:雑学事典/ピタゴラス千人万首 小野小町わたしの青秀庵/京の名所旧跡巡り(補陀洛寺)

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