No. | 作者 | 歌 | コメント |
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20 | 元良親王 | わびぬれば今はた同じ難波なる みをつくしても逢はむとぞ思ふ |
[みかきもり] ミステリー要素のある名探偵コナンだけに「から紅の恋歌(ラブレター)」のタイトルは 「から紅」の色から殺人事件を連想します。「山川に」「このたびは」「奥山に」「嵐吹く」 「小倉山」「ちはやぶる」と紅葉に関係する和歌が殺害予告のように届きます。 タイトルの通りです。(こんなラブレターはほしくないですが…) 映画を見終わった後、2017年から百人一首20番と17番で「から紅の恋歌(ラブレター)」 なんだなと思いました。 また21作目だけに「今来むと」の歌をモチーフにしたところがあるように感じます。 ----- 「今度会ったとき嫁にとってやるから」とあなたが言ったばかりにそれを信じて長い年月が 経ちましたが、ありぁ~というオチつきが待っていたとは。 ----- この映画に出てくる競技かるた会の会長の名前(皐月会 阿知波研介、名頃会 名頃鹿雄) が気になって調べてみました。次の歌が関係するように思います。 コナンを見た後この歌を知ると、興味深く感じます。 (藤原定家)「阿波の大真珠」の悲しい出来事を詠んだ歌 なごの海人の 潜(かず)く白玉 たまさかに 出でて帰らぬ 闇路ともがな (万葉集 巻七 1417)羇旅の歌(巻七の巻末) 名児の海を 朝こぎ来れば 海中(わたなか)に 鹿子(かこ)ぞ鳴くなる あはれその鹿子 |
17 | 在原業平 | ちはやぶる神代も聞かず龍田川 からくれなゐに水くくるとは |
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21 | 素性法師 | 今来むといひしばかりに長月の 有明の月を待ち出でつるかな |
■参考文献 ・百人一首 全訳注 有吉 保 (講談社学術文庫) ・全訳古語辞典(第二版) 宮腰 賢、桜井 満 (旺文社) ・新訂 新訓 万葉集 上巻 佐佐木 信綱 (岩波文庫) ・「名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)」パンフレット ■参考URL ・兵庫歴史研究会/[神戸にあった古代の難波]その6 名児の浜の赤石 ・脱線あざらしブログ!/【コナン】から紅の恋歌(ラブレター)ネタバレ感想・紅葉vs和葉!告白の行方は?