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オイラーの公式と競技かるた

今頃ですが(^^;、映画「博士の愛した数式」(2005年製作)の DVDを借りてきて見ました。 この中で下記の式が出てきます(映画ではiとπは逆)。

なんだろうと思って調べると、オイラーの公式でθ=πにしたら このオイラーの等式(かのノーベル賞物理学者ファインマンさんが 宝石と呼んだらしい)になるのがわかって、ふと競技かるたに重なる なあと思いました。

下記のオイラーの公式で左辺は極座標(長さr=1,角度θ)、 右辺は直交座標(実軸x=cosθ,虚軸y=sinθ)というふうな 座標の変換式ともいえます。

オイラーの公式


オイラーの公式の幾何学的表現




競技かるたをするとき、次のような流れで暗記する人も多いことと思います。

@各段ごとに札の並びを覚える。
 図1で「せ」の札は自陣中段(y軸)の右側の外から2枚目(x軸)にあるというように、 直交座標的に覚えている。

図1.各段の札の暗記(直交座標的な暗記)



A出だしの音が同じ札の位置関係を覚える。
 「むすめふさほせ…」(一度覚えたら場にある札だけ)と順に言いながら 暗記もれの札がないようにして、出だしの音が同じ札の位置関係を図形で覚える。
 図2で「す」「さ」「せ」のS音で始まる札の位置関係を図形で覚えるとともに、 どのように取るか作戦を考える。

図2.出だしの音が同じ札の暗記(幾何学的な暗記)



B置いた手からの直線的位置関係で各札の位置を覚える。
 各札に対して直線的に行くのが基本的に最も早いため、置いた手から扇形を イメージして各札の位置を覚える。

図3.各札の暗記(極座標的な暗記)



そして基本的には扇形をイメージして直線的に札を取りに行きます。

図4.出札を取る(極座標的な取り)



見事に直交座標から極座標に座標変換をしてますね。
そうやって座標変換して札を1枚1枚減らしていって、最後は枚数を 0にするゲームが競技かるたともいえるでしょう。

また競技かるたは相手(Enemy)と自分(I)とランダムに札を読む読手がいて ゲームができます。審判が原則いないため、相手と自分とでどちらが札を とったかを決めます。
e: 相手。(形が払い手をしているようにも見える)
i: 自分。(形が札に手を伸ばしているようにも見える)
π: 読手。(πと乱数は関係が深い。形が読手の使う読み台にも見える)
eがiより大きな文字: かるた道の精神が表現されているように感じる。

そう思ってあらためてこのオイラーの等式を見ると、宝石とも呼ばれる この数式が競技かるたを表現しているように見えてきます。

オイラーの等式





映画「博士の愛した数式」公式サイト
http://www.hakase-movie.com/


オイラーの公式


e:自然対数の底(ネイピア数)
i:虚数単位
θ:角度(ラジアン)


オイラーの等式 (上式でθ=π)


e:自然対数の底(ネイピア数)
i:虚数単位
π:円周率



この文章はMIKAへの下記メールをホームページ用に書き改めたものです。
From: Kazuhiko Hase
Date: Wed, 17 Sep 2008 06:49:21 +0900
Subject: MIKA) 博士の愛した数式


上記のメールの内容が難しかったみたいで(^^; この映画がオイラーの公式で
できていておもしろいなあという趣旨で次のメールを出しています。
From: Kazuhiko Hase
Date: Mon, 22 Sep 2008 06:38:59 +0900
Subject: MIKA) Re: 博士の愛した数式
メール本文はこちら


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