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科学的認識の進展による

二元論の復活


表現

表現は実態とともに世界を二元の存在として構成しています。
意識の存在は世界の表現を認識し、意識として世界を再表現しています。
存在は表現されていなければ認識できません。
物理場は相互作用で表現されて認識可能になります。
相互作用しない、表現されない物理場は認識できません。
もつれた量子も相互作用して認識可能になります。
量子は相互作用して波動性、あるいは量子性を表現して認識可能になります。
ヒトも生きているだけではなく、社会生活を担い、文化交流を担う人間性を表現して、人間として存在します。
表現は非物質的ですが、物質の有り様です。
表現は意識や認識の対象となる以前に、物質の性質として存在します。

存在は相互作用して互いを実現し、表現します。
存在それぞれの基本単位が相互作用して互いを構成要素として実現し、すべての存在構造を実現します。
物理場は相互作用によって互いを対生成し、存在を表現します。
生物は同化と異化の物質代謝を実現し、生命を表現します。
ヒトは物質代謝を社会関係に組織し、人間性を表現します。
すべての存在が表現され、すべての存在によって世界が表現されています。

表現は受容と双対します。
相互作用は互いを対象として、互いの表現を互いに受容します。
一体であった物が分割されれば、その断面は互いを表現し、互いを写し取ります。
受容されて存在は相互作用と互いの区別を表現します。
相互の関係と、区別されるそれぞれの個とが表現されます。
相互作用しなくて表現は実現せず、相互作用すれば互いの表現が互いに受容されます。

表現は存在の区別と関係です。
区別と関係を指定できれば何でも表現できます。
デジタル技術はまさに区別と関係の表現です。
デジタル化は桁=ビットを区別し、組合せ関係で表現します。
映像、音響だけでなく、匂い、味、触覚も分析し、デジタルで表現し、再現を目指しています。
区別と関係を明らかにできていない対象は理解できていません。
表現の区別と関係は秩序です。
秩序は区別と関係の実現であり、区別と関係の維持、保存です。
存在は秩序として実現します。
秩序がなければ対象にはならず、存在せず、受容もされません。
混沌も何らかの区別を表現して対象になります。

表現は保存されます。
表現は相互作用で実現し、受容されますが、次の相互作用が継起するまで保存されます。
継起する相互作用まで区別と関係が変化することなく保存され、継起する相互作用で受容され、再表現されます。
宇宙マイクロ波背景放射* は138億年前の宇宙晴れ上がりの表現ですが、1964年にベル研究所のアンテナと相互作用し、その雑音表現がベンジアスとウィルソンとに受容され、プリンストン大学へ伝わり、すなわち再表現され、その表現を受容したディッケによって解釈されました。
化石は手に取れる石ですが、対象表現として石化した生物の一部、あるいは 生痕* を表現しています。化石は過去の生物の表現を受容しています。過去の生物の表現は過去の生活環境を受容し、表現しています。過去の生活環境は当時の気候を受容し、表現しています。
表現は区別と関係が、表現秩序が変わらなければ、媒体を超えて保存されます。
デジタル機器のデータ表現は媒体に依存しません。
媒体を超えて保存される表現は媒体ごとに保存されます。
媒体をことにする表現の再現は複写=コピーです。
区別と関係の保存は数学で言うところの写像です。
秩序の再表現は複写=コピーです。
コピー機は紙の上にトナーの位置関係を再現します。
生命の世代交代は代謝秩序の複写です。
区別と関係が、表現秩序が同一であれば媒体が違っても同じ表現になります。

表現は継起する相互作用で多重化して再表現されます。
相互作用は継起し、並起する相互連関にあります。
相互作用の相互連関を経て表現は受容され、再表現されて重なります。
相互作用が継起することで受容された表現は継起した相互作用で上書きされます。
光は電磁波であり、存在としての波長と振幅とを表現しています。
光の波長と振幅の値は相互作用した電子の表現を受容しています。
反射、透過をすれば、そこでの電子との相互作用が上書きされた表現になります。
光線は色フィルターやプリズムを透過する毎に色が変化します。
対象表現は相互作用廉価を経て発展するとともに、相互作用関係を介して広がっています。
対象表現は相互作用廉価を経て積み重なる毎に先行する表現は薄まり、ついには受容できなくなります。

認識は意識での表現の受容です。
認識は神経信号の感覚表現、感情表現を受容し、意識としての表現を再受容します。
意識は感覚器が受容した表現を脳で再表現し、その再表現を再受容して実現しています。
表現は受容と双対して多重化しています。その意識での関係を整理して「表現の存在を整理する図解」にまとめました。
表現は存在対象の存在表現が受容される対象表現であり、認識されて表現対象を投影します。

認識は表現と受容の積み重ねです。脳で意識されるのは神経信号処理表現の受容です。
神経処理表現は 神経細胞の発火* 表現を受容しています。
神経細胞の発火表現は神経細胞の刺激に対するは イオンの流出入* 等の一連の生化学反応表現の受容であり、また、 感覚器官* の受容細胞の生化学反応表現の受容です。
感覚器官の受容細胞の生化学反応表現は感覚刺激物質との相互作用表現の受容です。
さらに先行する表現と受容の連なりがあります。
これは、表現と受容の連関過程の大雑把な概要でしかありません。

意識の表現は世界全体です。
意識は直接相互作用する対象だけでなく、記憶表現を対象化して表現全体、世界全体を再表現しています。
意識は世界の表現すべてを受容することはできませんが、認識主体を基点に全方向を受容し、世界を時空間的奥行きで再表現しています。

意識は表現に意味づけし、価値づけます。
対象表現に記憶表現を対応させて、意味づけます。
意識世界での対象表現の位置づけが意味づけです。
対象表現の意味づけ、価値づけは意識世界での評価であって、存在対象そのものに意味や価値はありません。
意識は意味づけた対象表現を表現対象として対象化します。
表現対象は人々の意識に共有され感覚、感情、観念、概念、理念として対象化され、外化されます。
外化される感覚、感情、観念、概念、理念は主に言語で表現されます。
言語表現がコミュニケーション外化の基本ですが、様々な媒体を用いて表現対象を具現化します。創作します。
人は鑑賞でなくても常に対象表現の内に表現対象を探索します。
人の認知には トップダウン処理* が組み込まれていて、錯覚までも生じます。

人は記憶表現を外化して表現します。
記憶表現は表現対象として外化され、対象操作を容易にします。
表現対象の一般的表現は符号、記号、情報です。
符号は表現対象表現の媒体です。
符号の表現は印です。
符号は印として他と区別される関係を表現します。
記号は表現対象の媒体であるとともに、表現対象の意味も表現します。
記号は符号として他と区別される関係を表現するとともに、表現対象としての他と区別される関係を表現します。
記号の符号としての表現は文字で言えば字体=フォントであり、能記=シニフィアンです。
記号の表現対象としての表現は文字の字義であり、所記=シニフィエです。
記号表現は国や地域文化によって異なりますが表現対象は共通で相互翻訳できます。
表現対象は人々の認識の発展に応じてより豊かに多様化します。
情報は表現対象間の区別と関係を表現します。
情報は表現を対象化する人によって意味、価値が異なります。
広く知られた情報の価値は低く、希であるほど、秘密であるほど価値があります。

存在そのものが表現であり、相互を区別する関係を表現しています。
意識は実践主体の視点から世界を受容し、再表現しています。
人の意識である世界表現は人によって異なりますが、相互理解可能です。
なぜなら、人々の意識にある世界表現は個別的でも、対象である世界の存在表現は一つです。

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暫定版:2023.09.12