第一章 「カンマを伴う分詞句」をめぐる一般的形勢、及び基礎的作業
第5節 「脈絡内照応性」と「カンマ」の関係
〔注1−51〕
受け手は必ずしも主辞あるいは述辞の中に「新しい情報」なり「異和を感じさせる情報」を見出すのではない([1−31]参照)。「名詞句の指示内容とそれについて語られることがらの組み合わせ」の中に一つの情報を見出し、その情報が受け手によって様々に判断されることになるのである。
「新情報」は、必ずしも述辞の中に含まれているわけではなく、二つの要素(主辞と述辞…引用者)の結合[connexion]の中に、これら二つの要素が組み合わされているという事実の中に、即ち、ネクサス[nexus]の中に内在するのが常である。
(Jespersen, The Philosophy of Grammar, p.145)
("nexus”については同書、第8章以降を参照。"junction"と"nexus”の違いについては[7−8]参照。更に[1−31]の末尾近くを参照。"junction"と"nexus"の違いに関する記述をThe Philosophy of Grammarから引用してある)
(〔注1−51〕 了)
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