第3節 ある教科書が自ら身を置いた窮境
〔注6-15〕 様変わりした世界で思う存分跳びはねることの困難さを窺わせる「悪戦苦闘」の一端については[6-6]に示したCGELの記述を参照。 日本の学習用文法書に限らず、英語で書かれた文法書も(6-12)(Many ships and planes have mysteriously disappeared in this area, known as the Bermuda Triangle.)中の形態の-ed分詞句を《細心に》避けている(これと真正面から取り組むことを避けている)ように見える(この形態の「-ing分詞句」に関する数少ない記述の一つであるKruisinga & Eradesの記述については第二章第5節末尾近くを参照。CGELの記述についても同節参照)。回避が意図的であるのか意識することなく行われているのか、その原因については正直なところ見当がつかない。確かなことは(6-12)中の-ed分詞句と正面から向き合う瞬間に、分詞句の世界は卒然として様変わりし、もはや思うがまま身動きすることも難しいように感じられるに至るということだ。
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