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ピュアストレートトーンアームの制作、ページ1

メーカー製プレーヤ付属のトーンアームを改造してピュアストレートトーンアームを作成しました。  2019.1.15

 まるでCDのような音が出て、LPレコードが蘇りました。
 ショート、セミロング、超ロングと3種類作成しました。
TD521のアームボード全体を交換する方式としました。


左が超ロング、右がセミロングです。
メーカー製を改造するにあたり、何を使うかをまず検討しました。
入手先は当然ヤフオクです。
条件として、単品アームは高いので、(普及品)プレーヤーに付属のアームを使う。
上下の回転軸とアームパイプの根本の角度が90度のものでなければならない。
パイプはねじで止められている。
で、それに見合った条件で安い物を探しました。

第一弾は、テクニクス SL-3300からアームを取り外したものでしたが、アームレストはありませんでした。
これを使い、ステンレスパイプ、外径9.5mm、肉厚0.5mmのもの使いストレートアームとしました。
パイプ長は、165mmで、有効長でDV-505とほぼ同じとしたものでした。
これで音出ししてみますと、低域がしっかりと出てまるでCDを鳴らしているように感じました。
パイプ長210mmのセミロング品も作成し、ピュアストレートアームの音が確かに良いことを確認しました。
DV-505との比較云々ではなかったので、速攻DV-505は売却しました。
メーカー製アームが無くなるのは今後の音比較の点では少々問題でした。
ですが、仕舞ってしまうだけでしたので、有効利用してもらうのと各種資金の為の両面からでした。
当初はピボット受け部分はそのままとしパイプのみを交換しました。
後でワンポイントサポートに改造したものを作り、比較して全てをワンポイントサポートにしました。

パイプ長210mmのセミロング品は、長さの為とパイプがステンレスで重いので、カーボンパイプ化を検討しました。
カーボンパイプは、3Kカーボンパイプ斜め織 直径10mm、肉厚1mmというものを購入しました。
カーボン繊維を斜め織してありますので非常に強度が高くなっている、との事でした。
曲げてみますとステンレスパイプよりも2倍くらい曲がるようでした。
織り方からすると、綾織りの変形のようで、平織りよりも強度が下がるようでした。
又、ターンテーブルは、SL-D3UとSL-3300を入手し、トーンアームのみ取り外しました。
これでセミロング品を作ってみますと、低域がややゆったりし、中域の情報量が増したように聴こえます。
今まで聴いていたオフセットアームの音を全体的にアップしたように聴こえます。
レコードの音がCDのように聴こえるのではなく、更に良いレコードの音に聴こえました。
やはりパイプがやわらかいのが原因のようです。


改造は、SL-D3U、SL-3300のトーンアームをフル活用しています。
追加部品は、アルミの穴あき板と左右の重り、ねじ、テープ、鉛板です。

もう少し丈夫なカーボンパイプはないかと探した結果、釣り具用の物 (*) を発見しました。
これは、カーボン糸を0度方向、90度方向、±45度方向に巻いているもので通常の縦横織(0、90度)よりも強度が出ます。
届いてみますと、±45度は密になっていませんが、曲げてもほとんど曲がりません。
定尺が40cmなのでまずはこのまま使うことにしました。
さすがに超ロング、安定して鳴りますし、丈夫なパイプで低音がほとんどふにゃつきません


最後にステンレスパイプで、カーボンパイプのセミロングと同じ重りを使える長さ、180mmで準ショートアームを作りました。
長さが短い分、盤の始めと終わりの部分でやや荒っぽい音になるようですが、CDのようなしっかりとした低音が出ます。


さて、制作方法ですが、他にも応用が利くと思います。
基本的には、テクニクスの上記2製品アームの改造方法です。
テクニクス SL-3300,SL-D3U に付属のアームは、右側写真のようにピボット受けのオフセットアームです。


この2機種は、銀色・円盤型の上下・回転部分と黒い筒形回転部分、固定用コの字部分からできています。
これよりピボット軸受けを外し、そのネジを再利用します。
円盤型回転部分に穴あきパネルのLアングルを軸受けネジで止め、端部に重り(角型スペーサー)を取り付けます。
このスペーサーは10mm角なのですが、現行品にはないようです。
Lアングルを取り付けた上側にアルミ板をねじ止めし軸受け(写真は、3300の下側軸受け)を付けます。
手持ちの穴あきアルミ板が小さかった為、コの字の一体型にはできませんでした。
黒い円筒回転部分は、何らかの方法でトーンアームベースに取り付けします。


左がSL-3300流用品、白濁している部分は、テフロンテープです。
アームケーブルが動きやすくなるように貼っています。
右は、SL-D3U流用品、無理やり風にねじ止めしています。
なお、重りに追加しているのはラテラルバランス調整用のねじです。
又、アームパイプは、直径9.5mmのステンレスパイプはそのまま入りますが、直径10mmのカーボンパイプは穴を広げて入れています。
針圧調整重りは、そのままでは使えず、鉛板を巻き付けています。
超ロングの場合は、元の重り2個に鉛板を巻き付けています。

写真ではわかりにくいのですが、元の部品をそのまま利用している為、厳密にはワンポイントサポートではなく、ボールベアリングによる多点サポートとなっています。
今後宝石サポートに変更しようかと考えています。
アーム側に使用するトーンアームコネクタは、市販品がなく自作しています。
詳細は写真より類推して下さい。



以上、説明終了です。
アームを簡単に交換できるタイプのプレーヤーをお持ちの方は一度試してみる価値はあります。
ピュアストレートアームを使うと、レコードの認識が変わります。
デジタルでビットレート、サンプリング周波数を上げていかなくても、アナログでも十分かと思ってしまいます。

以上、ピュアストレートアームの制作でした。

 次は、超ロング改良です。こちらです。

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