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 サテン・カートリッジの紹介ページ3です。

 
こわれたサテンM−14を修理しました。

 ヤフオクで針の取れた物を入手しました。

 針が取れている、といってもカンチレバーの先端ごと取れています。
従って、針を単に接着するような修理はできません。
写真は、修理後の勇姿です。

修理は、カンチレバー前側を一部切って、そこに他のカンチレバーを接木しました。

接木するカンチレバーは、ダイナベクターのルビーカンチレバーです。
おおらかな時代に頂いていた物です。

修理後を真横から見るとルビーのカンチレバーしか見えません。
針の前側も補強として接着剤を付けています。
古くなった接着剤は弱くなっているので、針の全周に渡り接着剤を付け直したかったのですが、止めておきました。
それは、次回何らかの機会に行なう事としました。
写真では分かりませんが、少しだけ針が傾いています。
仕方がないので、カンチレバーの根本の部分、テンションワイヤーに相当する部分で調整しています。

さて、実際に音を出すと今まで聴いていたM−14,15,117とは少し異なります。
サテンの特徴は少し薄れて、ダイナベクターの特徴が出ています。
針圧は、1.2gで鳴らしました。
ルビーカンチレバーなのでトップヘビーになっていると思いますが、問題なくトレースしています。
音は、少しきつい音に聴こえます。
振動系のあいまいさがなくなったのだと思います。

修理してすぐにオーディオファブにて周波数特性の測定をしてもらいました。
15kHz以上でレスポンスが落ちており、振動系の重量増のためということでした。
周波数の落ちは、聴く分には全くわかりません。

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 しかし、この修理は成功だと思います。
古めの録音のジャズがはっきりと鳴り録音が蘇えった感じがします。
サテンとダイナベクターの技術の融合です。
大昔、ダイナベクターから頂いたカンチレバーが役に立ちました。
本来は、ダイナベクター社のカートリッジが壊れた時の修理のために頂いた物です。
おおらかな時代のおおらかな対応に大変感謝です。

後日、XSD−15、TSD 15 Nと音の比較をしてみました。
この時のサテンの針圧は1.5gとしましたが、情報量、音の厚さ、こちらのほうが上でした。
サテンの場合、コイルとカンチレバーがリンクを通じて接続されていますが、これが音を悪くしているかもしれません。
直接つながり、かつ回転運動せずに直線運動する作りになれば更に良くなるであろう事が想像できます。
但し、これが針交換ができる良さであり、この良し悪しは相殺されるどころかメリットになっています。

以上、参考になれば幸いです。

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