1991年8月21日に大阪のザ・シンフォニーホールで行われた、一人の偉大な教育者の共通の薫陶を得た演奏家たち(漆原朝子、漆原啓子、小栗まち絵、景山誠治、久合田緑、五嶋みどり、澤和樹、店村眞積、西澤和江、葉加瀬太郎、渡辺剛という多彩なソリスト、小泉和裕氏指揮による126名ものメモリアルオーケストラ)による「モーツァルト・ヴァイオリンと管弦楽のための作品全曲演奏会」は、作曲家の没後200年を記念するこの年に世界中で行われた数え切れない演奏会の中でも、極めてユニークな存在であり、各方面から注目されました。
関西を中心に、日本を代表する弦楽器奏者、教育者をその門下から数多く輩出し、1985年に56歳の若さで世を去った東儀祐二先生の偉大な業績を偲び、またその教育理念を永久に残したいという門下の人々共通の思いを込め、その演奏会収益(約900万円)を基金として「東儀祐二奨学基金」が設立されました。
1993年より、同基金では毎日新聞社主催・日本放送協会後援の全日本学生コンクール の全国大会ヴァイオリン部門の優勝者(小・中・高校各部門)に対し「東儀賞」として、 トロフィーならびに賞状を送っています。また、東儀祐二先生が常任指揮者をつとめられた千里市民管弦楽団(現 千里フィルハーモニア・大阪)では特に関西在住の「東儀賞」受賞者との共演による「東儀賞受賞者演奏会」を主催しています。