'99/09/14〜19 八丈島 No.4


いつものように長い長いログもこれで最後。
トピックス編です。

【マンタフィーバー】

底土港で2本潜って大満足だったある日、同じ宿の人がオアサ根にてブラックマンタを見たという!大きさは3畳程!!
その人が持っていたVX-1000(SONYの高性能デジタルビデオ)にははっきりと大きなマンタが写っているではないですか。
さすがの八丈でもマンタはとっても珍しいらしい。

そこで、早速次の日オアサ根に入ってみることにしました。
しかし昨日見られたからといって今日も見られるというものではないということは皆さんご承知の通りです。
たま〜に、マンタが現れないかと中層に目をやりながら、それでもヒオドシベラygや回りで指をふらふらさせると一緒に踊ってくれるムギワラエビなどと遊んでエグジット。。。というときに同じボートに乗り合わせた別のサービスのガイドさんがあっちでマンタが出たよと教えてくれました。
それを聞いてしばし根につかまって中層を眺めていましたがマンタは見れず(;_;)
同じ時に同じ場所に潜って私たちだけ見ることが出来ないという、以前神子元で見損なった3mのシロワニ以来の悔しさを味わってしまいました(T_T)
しかし、一番悔しがっていたのは実はBashiさんでした。
どうやらブラックマンタさんは根に居着いたらしいということで2本目は最大水深20m、マンタが出るまで中層をwatchingのマンタ勝負を挑むことに。
Bashiさんはマンタを写真に撮るべくカメラを引っぱり出してきて念入りに準備をして気合い充分。みんなに「そんなに準備したら絶対見られないよ」なんて言われながらも期待感は止められないって感じです。

で、結局2本目は。。。ちょっと透明度が落ちてしまって視界が悪い中、中層を見続けました57分。
雰囲気は良かったんですけどね〜、残念ながらマンタさんは現れませんでした。
私は小物wathingをするつもりだったのに、中層が気になるものだから全然小物探しにも集中できず。
それでも、いつ現れるかという緊張感が楽しいダイビングでした(T_T)

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【チョウチョウウオ玉】

底土港のアーチへ行くと何故かチョウチョウウオが沢山集まっています。普段はペアで行動することが多いチョウチョウウオですが、繁殖行動で集まっていて、これをナズリングと言うらしいです。
ユウゼンも春と秋に集まってユウゼン玉になるらしいのですがそれと同じでしょうか。ユウゼン玉も見てみたいです。

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【ニザダイ玉】

翌日朝再びチョウチョウウオ玉を見に行こうとアーチを訪れると、アーチ手前にニザダイ玉発見。
八丈島ならではの大型サイズのニザダイが何百匹も集まっている。
こちらはどうやら集まっての朝のお食事らしい。
パウダーブルーサージョンフィッシュが集まった美しい写真は見たことがあるけど、ニザダイも同じように集まってお食事をする習性があるんですね。

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【コガシラベラのグループ産卵】

潮通しの良さそうな根の頭では体長5cm程のコガシラベラが沢山集まってグループ産卵の準備をしていました。
そのグループの上方にはグループ産卵に参加しているお魚より一回り大きく色の美しいオスが待機していました。
実は、グループ産卵に参加するのは産まれながらのオス(一次オス)とメスで、上方で待機しているのは大きなメスが性転換してなわばりを持つようになった二次オスなんだそうです。

なわばりを確保した二次オスがメスとカップリングして産卵する際、体の小さな一次オスオスが隙をうかがって放精するのは川魚などでよく見られますが、今回は一次オスとメスのグループ産卵に立派な二次オスが隙をうかがって参加しようとしていたのが面白かったです。

ちなみに、二次オスとメスのカップルに一次オスが割り込んで放精することをストリーキングと言うらしいです。(今回のは逆ストリーキング)
ニシキベラやヤマブキベラでもこんな行動が見られるらしい。
(rectured by 新堀さん)

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【ガラスハゼと卵】

ムチカラマツの一部、4cm程ポリプが枯れて黒くなっているものがありました。
何だろうと思ってみてみると、新堀さんがボードに「ガラスハゼ」と書きました。ガラスハゼは分かっていたのでにっこりしてOKサインを返すと、「の産卵床。ポリプを枯らして卵を産みます。」と書いてくれました。
なるほど、黒い部分には小さな小さな卵が沢山産み付けてありました。かわいい(^^)

ところで、「日本の海水魚」(山渓)のガラスハゼのところには親が卵の部分の上に乗ってあたかも卵を守っているような写真が載っていますが、私が見たところ、親はムチカラマツの産卵床から離れたところに居て、私が卵に顔を近づけて観察しても我関せずって感じでした。
確かに私もカメラを持っていたら、親をちょっと卵の方に追いやって写真を撮りたいと思ったでしょうが、写真一枚から受け取る印象を考えると作為はいかんな〜とも思ったりして。
#山渓の図鑑の写真が作為的であると言っているわけではありません

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【イナセギンポは面白い】

イナセギンポってオウゴンニジギンポにそっくりだけどパチキが入っていないヤツなんですが、こいつは普段はふらふら泳いでいるんです。
ところが、ちょっと追いかけたりしてやると巣穴に逃げ込むんですね。
で、巣穴に逃げ込んで、ギンポだから穴から顔を出すのですが、何故かそのときに顔に白い線がはっきりと出るんです。
泳いでいるときは白い線ははっきりとはしていない。
これは面白い(^^)

ついつい、ちょっとプレッシャーを掛けて巣穴に追い込んだり、ちょっと身を引いて巣穴から出てくるのを見たりして、白い線が出たり薄くなったりするのを楽しんでしまいました。
#イナセギンポ君にしてみたら迷惑な話だ。。。

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【ヘラルドコガネとクログチニザygの複雑な関係】

ナズマドは三角根の壁際に黄色いお魚が2匹。
黄色いヤッコなのでヘラルドコガネヤッコが2匹居るのかと思ったら、ボードには「ヘラルドコガネとクログチニザ」と書いてあるではないですか。
よ〜く見てみる。。。。同じにしか見えない(^^;;
もっとよ〜く見てみる。そう言われてみれば顔やヒレがちょっと違うかな???
それにしてもなんてそっくりなんでしょう。
図鑑を調べてみると(「日本の海水魚」山渓)、
    クログチニザ 「コガネヤッコ、ヘラルドコガネヤッコ、ナメラヤッコなどに類似しており一種の擬態と考えられている」
    ヘラルドコガネヤッコ 「モンツキハギの幼魚と類似している」
    ナメラヤッコ 「クログチニザの幼魚期のモデルとも考えられている」
    コガネヤッコ 「ヘラルドコガネヤッコと類似するが(略)区別できる」「ナメラヤッコとの雑種が出来やすい」
    モンツキハギ 擬態に関する記載なし

このうちの誰かが毒でも持っているのでしょうか?
いったい誰が誰をまねているの???

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【横着者のヘラヤガラ?】

八丈島ではたくさん見られるヘラヤガラですが、大きなヘラヤガラが、アカハタの上のカーブにぴったりと沿って泳ぐのを見かけました。アカハタの方は何となく迷惑そう。
「私はハタよ〜。あなた達を狙っているわけではないのよ〜。」とハタのふりをして小魚に近づき餌を捕るのでしょうか?
それにしてもまっ黄色のヘラヤガラがアカハタにくっついていても目立つだけのような気も。

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【甲斐性なしのタテキン】

八丈では大小さまざまなタテジマキンチャクダイを見ることが出来るのですが、タテキンって体の大きさに合わせてグルグルがシマシマになるわけじゃないんですね。
立派なシマシマのタテキンの大人は体の大きさに関わらずちゃんと自分のなわばりを持って一国一城の主として暮らしているんです。
グルグル模様の幼魚はまだ子供だからなわばりに居ても大人から攻撃を受けないようになっているのです。
ところで、図体ばかり大きくなってもなわばりを持つだけの甲斐性のないタテキンは。。。。。
体は大きいのにグルグルマークで攻撃しないでねの合図。
こんな甲斐性なしのタテキンを見ると思わずニンマリしてしまいます。
グルグルが崩れて縞になり掛かっているのを見ると、おっ頑張れよなんて応援したくなったりして(^^)
以上、例によって長〜いログもこれで終わりです。
ここまでおつきあい下さった方、どうもありがとうございました。
おかげさまですっかり八丈菌に感染してしまいました。
今回はカメラ不調につき思ったように写真が撮れなかったので次はいつ???とカレンダーとにらめっこしています。