'99/11/19〜23 八丈島


11月19日〜23日まで八丈島に行って来ました。

【陸】

前回、9月に訪れた際の回数券(6回リピート)の残り2枚の有効期限が11月末に切れるというので、23日(火)の祝日を利用して連休を作り、再度八丈島に行くことにしました。
と、10月下旬に思い立ち、インターネットで空席状況を調べると、土曜日発の飛行機は既に満席。
結局19日(金)も休んで5連休にしてしまいました。
5ヶ月になったばかりの娘を連れての旅行なので、荷物は可能な限り宅急便で送ってしまい、当日の手荷物はカメラ関係と娘のおむつや着替え、ベビーキャリーのみ。
娘はまだ7kg位なので抱っこひもで運べて移動も楽です。
前回(生後3ヶ月)より授乳間隔が伸びたし、お腹が空いてきてもちょっとなら我慢できるようになってきたので、移動と授乳のタイミングにもそんなに気を使わなくても大丈夫になってきました。
宿は前回と同じサトウダイビングロッジ。
畳の部屋とこじんまりした内風呂、洗濯機が子供連れ&長期滞在に便利です。
相変わらず、お食事が美味しかった。
今回は前回行けなかった温泉に行きました。
今回行った温泉には畳の待合室があったので、そこで夫と交代で子供を見てることが出来ました。

潜っている間子供はベビーシッターさんにお願いしました。
1日2本潜ると、だいたい10時〜3時ころまで、1日5時間くらい、1時間1000円でした。

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【海洋状況】

私たちが訪れる数日前に季節はずれの台風が発生していたようです。
とはいえ、滞在中はお天気に恵まれ、
  初日:旧八重根港、ナズマド
  2日目:ナズマド、ナズマド
  3日目:乙千代ヶ浜、乙千代ヶ浜
  4日目:ナズマド、ナズマド
と、なかなかの配分となりました。
東風の影響で前回潜って結構お気に入りだった底土港に潜れなかったのがちょっと残念。

水温は23度〜24度。やっぱり暖か〜い(^^)
6半で潜ってマスクの中に汗をかいていた人もいました。
透明度はあいにく(???)12m〜20mといったところ。
でも、伊豆で潜り慣れている私には充分な透明度です。

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【やはり気持ちよかったナズマド】

それは最終日の2本目。いよいよ今回の八丈のラストダイブです。
午前中はゆるい北潮が掛かっていたので、条件が良いときにしか見に行けないピグミーシーホースを見に行ったグループがありました。
そこで、私たちも見に行ってみることに。
同じグループだったカメラ派のTOMIYAさんと共にレンズはマクロ、ちょっと深いらしいので、撮ってない方は上方で待機することにしてして順番に撮ろうと段取りまで決めて出発したのですが、いざナズマドに着いてみると、素人目にも流れているのが分かるほど、まさに川の流れのようにブン流れている〜〜。
これでは、ピグミーシーホースの居る場所には絶対に行けません。
実を言うと、私はドリフト以外の流れている海は大の苦手!
流れの中を泳がないといけないと思うだけで、プレッシャーを感じてしまうんです。
思わず、ナズマドはあきらめて場所を変えようよ〜とお願いしようと思ったのですが、しばらく様子を見ていたBashiさんが、シュプールを追ってくれば体力も脚力もいらないんだけどな〜と申されるので、ここは一つ覚悟を決めて着いていくことに。
ところがところが、あら不思議。
確かに流れているんだけど、Bashiさんの後にくっついて泳ぐと、本当に行けちゃうんですね。たま〜に流れに向かって一生懸命泳がないといけない場面もあるんですが、あそこまで行けば流れも緩くなるに違いないと思うところまで頑張ると、ちゃんとそこで一息つけるんです。

途中ではちょっとしたドリフトも出来たりしてなかなか気分壮快。今回は残念ながらピグミーシーホースちゃんの所には行けませんでしたが、たまにはこんなダイビングも楽しいですね。

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【アカハチハゼ】

初日の旧八重根港。
ブリーフィングではアーチへ行ってアカハチハゼを見て、最後に八丈では珍しいカミソリウオのペアを見るという予定。
順調にアーチへ行き、途中黒ずんでいるクロユリハゼのペア、ヤッコエイ、真っ白で美しいウミウシ、エグレッタなどを見て帰ってきたのですが、アカハチハゼは見ないままカミソリウオのペアに辿り着きました。
きっとアカハチハゼはどこかへ行ってしまったんだな〜と思いながら残ったフィルムを全部使い切ってしまおうと、カミソリウオのペアとしばし遊びます。
気合いを入れて最後の1枚のシャッターを切って、ガイドのBashiさんを見ると壁のすぐ上で何かを見ています。
なにかな?と思って見に行くと、そこにはアカハチハゼがホバリングしているではないですか。
それも、それまで見たことがあった白い体に黄色い頭、顔に青いラインという姿ではなく、オリーブ色の体にオレンジ色の頭、青いラインという美しい子でした。

しかし、残念ながらカメラにフィルムはなく、また、今回の滞在中に旧八重根港にはもう行かなかったので、今回はその可愛い姿を見るだけで終わってしまいました。

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【ミツボシクロスズメの産卵?】
スズメダイの仲間は平らな岩肌などをきれいに掃除して産卵床を作り、産み付けられた卵を雄が一生懸命お世話します。
八丈島にはキホシスズメダイ、シコクスズメダイ、アマミスズメダイ、セダカスズメダイ、コガネスズメダイ、ミツボシクロスズメダイなどのスズメダイの仲間が住んでいますが、これらスズメダイの繁殖時期はそれぞれ微妙にずれているようなのです。
前回9月に来たときには、コガネスズメダイが丸い産卵床を作っていましたが、今回はキホシスズメダイ?が繁殖期のようでした。

ところで、旧八重根港を潜っていると、ミツボシクロスズメのペアが岩にお腹をこすりつけて産卵しているような仕草が見られました。
ところが、岩には卵は産み付けられていません。
もし本当に産卵行動だとしたら、この時期には珍しいことなのだそうです。
この後本当に産卵したのか、ただ似たような行動を取っていただけなのか、なかなか興味があります。

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【テングダイ】

前回見られなくて今回見られたお魚にテングダイが居ます。
テングダイをはじめてみたのはIOP(伊豆海洋公園)の3番の根で結構深かったのですが、今回のテングダイは20m位の比較的浅いところでたくさん見かけました。
12匹位の群になっているときがあってなかなか壮観(^^)

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【ホウセキキントキ】

ホウセキキントキの群は何故かぼ〜っと固まって、積極的に移動している風でもないのに居場所がちょっとずつ変わっていきます。
あんなにぼ〜っとしていて他の魚に襲われたりしないんだろうか。
岩の下などに居るときは赤っぽいのが多いのですが、外に出てきて群れているときは白っぽいときが多いような気がします。
また、時には横縞(頭-尾の体軸に対して垂直方向の縞)を出していたりして、いろんな体色が見られます。

ところで、岩の下でゴマヒレキントキが居たのですが、これまた体色をいろいろ変えるので、ホウセキキントキと見分けがつきにくい。
名前の通り、ヒレにゴマ粒のような斑点がついているのが目印です。

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【コガシラベラに擬態するクロスジギンポ】

9月に来たときには潮通しの良い崖の上などでグループ産卵していたコガシラベラですが、今回はナズマドの入り口付近、浅いところで群れているのが見られました。
ところで、群れていたコガシラベラは目立つ黒い縦縞が見られる小型のものでしたが、この中に泳ぎ方が違う子が一人。
何と、そっくりの模様をしたクロスジギンポ君だったのです。
じわじわとプレッシャーをかけて近寄っていくと、コガシラベラの群はいや〜んと逃げていきますが、クロスジギンポ君だけはちゃっかりと巣穴に逃げ込むのです。
群の効果を利用しつつ、いざとなると単独で巣穴に逃げ込むとは何とちゃっかりしていることか!

そう言えば、ホンソメワケベラに擬態しているニセクロスジギンポといい、彼らはなかなか侮りがたいですね。

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【ヒレナガスズメダイyg】

暇なときに図鑑をぱらぱらと見ていると、きれいな模様の魚の名前はすぐに覚えられて、一度は見てみたいな〜なんて思ったりしませんか。
ヒオドシベラyg、カンムリベラyg、ツユベラygなど親と似ても似つかない可愛らしい色のお魚はベラの仲間に多いですね。
お昼を食べた後図鑑をぱらぱら見ながら発見したのがヒレナガスズメダイyg。スズメダイの仲間では親と全然違う模様で可愛らしい幼魚はミヤコキセンスズメダイ位しか思い浮かばなかったんですが、このヒレナガスズメダイの幼魚は濃紺と黄色の縞々でとても可愛いんです。(親は全然可愛くない。。。)
新堀さんにヒレナガスズメダイygを見てみたい、なんて言っていたんですが、まさか本当に見られるとは。
次の日の1本目のナズマドで、そろそろダイビングも終盤にさしかかった頃、ちょっと先を行っていた新堀さんが高々とスレートを掲げてどうだ〜っとばかりに誇らしそうにポーズを取っています。近寄ってみるとスレートには「ヒレナガスズメダイ」の文字が!

図鑑の写真通りの姿でちょろちょろ逃げ隠れしている姿は本当に可愛かったです。

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【タイドプールも面白い】

前回はタイドプールを覗く余裕はなかったのですが、今回はタイドプールも覗いてみました。
ナズマド横のタイドプールには美しいミヤコキセンスズメダイが居たり、何故かアカハチハゼ(こっちのは普通の色)が居たり、乙千代ヶ浜のタイドプールには一時期IOPでも話題になったタスキモンガラ(でも隠れちゃって私は見られなかった(;_;)が居たりします。

あんな狭いところなのにギンユゴイやリュウキュウハタンポが群れていたり、ちっちゃなオヤビッチャやシマハギが沢山居たりして意外とお魚が沢山居て面白いです。

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【講習って重要だな〜】

お魚ではないんですが、今回驚いたことを一つ。
初日にご一緒させていただいた男性はまだOW取り立てで、つい最近10本記念をしたところでした。
ところが、この方、中性浮力はバッチリ、美しい水中姿勢とフィンキックはビキナーとは思えません。

お話を伺うと、オタハラ部長に講習をしてもらったとか。
きっときっちり教えてもらったんだろうな〜、やっぱり講習って重要だな〜と思うと同時に、その直前に水中で出会った立ち泳ぎ軍団が哀れに思えてきたりして。。。

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以上、長かったですが今回のログはこんなところです。
このほか私のログブックには、本当に希種なのかというほど沢山見たトモシビイトヒキベラや、ニューギニアベラ他沢山のお魚の名前が書いてあります。
お勧めシーズンはGWの次の週あたりだとか。
そのころまた行きたいです。