[はじめてのクラシック]

 

CD・書籍の紹介

実際に聴いたり読んだりしてみましょう。


超有名曲の推薦CD

まずは有名曲のつまみ食いから。

 

 

 

 

アダージョ・カラヤン
マーラー:交響曲第5番よりアダージェット、マスネ:歌劇《タイス》より瞑想曲、バッハ:管弦楽組曲第3番よりアリア など
演奏:カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 (グラモフォン POCG-3441 \1,942 /Deutsche Grammophon 445-282-2♪♪


    カラヤンの残した膨大な録音から、ゆったりとしたテンポの曲(楽章)を集めたコンピレーションCD。個人的には曲を細切れにするのは好みませんが、カラヤンの死後企画されたCDなのに、そのコンセプトとカラヤンの演奏が妙にしっくりきてます。バッハのエア(いわゆる“G線上のアリア”)や、マーラーのアダージェットなど超有名曲が揃っているのも魅力です。


アシュケナージ/ショパン名曲集
ショパン:幻想即興曲(即興曲第4番)、別れの曲(練習曲第9番)、小犬のワルツ(ワルツ第6番)、英雄ポロネーズ(ポロネーズ第3番)、雨だれ(前奏曲第15番)、夜想曲第2番 ほか
演奏:アシュケナージ(ピアノ独奏) (ロンドン POCL-5001 \1,942)


    ショパンを聴いたのがきっかけでピアノを習いはじめる人も多いとか。ショパンが作曲したピアノ独奏曲の全集を完成しているアシュケナージの録音から、泣く子も黙る超有名曲を揃えたこのCDで、ため息がでるような美しい調べを楽しんで下さい。ショパンをことごとく聴き尽くしたいと思ったら、アシュケナージの全集 (ロンドン POCL-9671〜9683 \16,505) に挑戦してみましょう。


アレグリ:ミゼレーレ、パレストリーナ:教皇マルチェルスのミサ ほか
演奏:タリス・スコラーズ (Gimell 454939-2 ♪♪♪)


    ルネサンス時代の音楽というと、はるか昔の未熟な音楽と思われるかもしれませんが、同時代の建築や絵画と同様、21世紀に生きる私たちに感動を与えてくれる素晴らしい音楽がたくさんあります。
    アレグリは17世紀ローマ教皇庁の作曲家。《ミゼレーレ》は長らくヴァチカンのシスティナ礼拝堂の秘曲とされていたのを、少年モーツァルトが一度聴いただけで暗譜してしまったことで有名な(?)合唱曲ですが、最近のヒーリング音楽ブームのなかで注目されました。何回か現れる、ソプラノの超高音(ハイC=高い「ド」)が特長です。
    パレストリーナの《教皇マルチェルスのミサ》も、美しいメロディと、各声部が織り成すハーモニーが魅力の曲です。
    ルネサンスの音楽をもっと聴きたい方は、クラシックCD推薦版100中世・ルネサンス音楽編へ。


グローフェ:ミシシッピ組曲、グランドキャニオン組曲*
演奏:コステラネッツ/バーンスタイン*指揮、ニューヨーク・フィルハーモニック (CBS Sony MYK37759 ♪♪)


グローフェというと、音楽の教科書でも紹介された「グランドキャニオン組曲」、特にロバに乗って旅する旅人の姿をコミカルに描いた「山道を行く」が有名です。
あと、隠れ名曲が「ミシシッピ組曲」で、「アメリカ横断ウルトラクイズ」でクイズに正解したときの音楽等に用いられているので、これ知ってる!という曲がきっとあると思います。
この2曲をまとめて聴けるニューヨーク・フィル盤でどうぞ。


ビゼー:《アルルの女》組曲、《カルメン》組曲
演奏:デュトワ指揮 モントリオール交響楽団 (ロンドン POCL-5019 \1,942)


    《アルルの女》の「メヌエット」はフルートが大活躍する超有名曲。《カルメン》も「アラゴネーズ」「闘牛士の歌」など、これ知ってる!という曲がたっぷり入っています。いずれも、ビゼーのオペラ音楽をオーケストラのためにアレンジした組曲です。


ボスコフスキー・シュトラウスコンサート
ヨハン・シュトラウスU:ワルツ《美しく青きドナウ》、《こうもり》序曲、ヨハン・シュトラウスT:ラデツキー行進曲 ほか
演奏:ボスコフスキー指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (ロンドン POCL-5007 \1,942)


    元旦のNHK・BS放送の中継ですっかりおなじみになった、ウィーンの“ニューイヤーコンサート”。このコンサートの指揮を長年担当したボスコフスキーによる本場のウィンナ・ワルツ集。もっとウィンナ・ワルツを聴きたいと思ったら、皇帝円舞曲、ワルツ《春の声》などが収録された続編 (ロンドン POCL-5057 \1,942) をどうぞ。さらに、ウィンナ・ワルツの魅力にとりつかれてしまったあなたのために、ボスコフスキーによるCD12枚の大全集もあります (ロンドン POCL-9736〜9747 \14,563)


ラヴェル:ボレロ
演奏:クリュイタンス指揮、パリ音楽院管弦楽団 (東芝EMI TOCE-3162 \1,650/EMI France CZS 767-897-2♪


    《ボレロ》は、ラヴェルの作品のなかでもっとも人気の高い1曲。定評のあるクリュイタンスの演奏でどうぞ。 

 


長めの曲も聴いてみましょう

交響曲や協奏曲、オペラなど、ちょっと規模の大きな曲にも挑戦してみましょう。

ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界より》
演奏:カラヤン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(グラモフォン POCG-50017 \1,714)


第2楽章の旋律「家路」があまりにも有名な《新世界交響曲》。私の通った小学校では下校時の音楽に使われていました。カラヤンは、名門ウィーン・フィルに、ドヴォルザークの魅力的な旋律を心ゆくまで歌わせています。


モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 K.488
演奏:アシュケナージ(ピアノ独奏&指揮)、フィルハーモニア管弦楽団(ロンドン POCL-5036 \1,942)


    楽しさいっぱいの第1・第3楽章と、哀愁に満ちた第2楽章の落差が激しい曲ですが、どちらもモーツァルトの素顔です。第2楽章は、確か「愛は地球を救う」の枠で放送されたアニメに効果的に使われていたと思います(記憶があいまいですが・・・)。アシュケナージがピアノを弾きながら指揮も担当したこの演奏は、安心して聴くことができます。


グリーグ:ピアノ協奏曲
演奏:リパッティ(ピアノ独奏)、ガリエラ指揮、フィルハーモニア管弦楽団(EMI TOCE-3155 \1,650)


小学校・中学校の音楽の授業で必ず聴くはずの超有名曲。冒頭、ティンパニのトレモロに導かれてピアノのカデンツァが始まる部分は、特になじみ深いと思います。全曲を通してグリーグ特有の美しいメロディを楽しめるのですが、特に第2楽章は、まるでショパンのノクターンを聴いているような夢想的な雰囲気に包まれています。
夭折のピアニスト、リパッティの演奏は録音が古い(1947年)のが難点ですが、この曲の抒情的な面を十分に表現しています。


J.シュトラウスU:オペレッタ《こうもり》全曲
演奏:プライ(バリトン:アイゼンシュタイン)、ヴァラディ(ソプラノ:ロザリンデ)、コロ(テノール:アルフレート)、クライバー指揮、バイエルン国立管弦楽団 ほか(Grammophon 415 646-2♪♪♪)


私がオペラ/オペレッタを聴くきっかけになった曲。めっぽう楽しい筋立てのオペレッタで、歌って踊ってという楽しく明るい雰囲気が全編にあふれています。劇中の音楽のダイジェスト版といえる《序曲》を聴くだけでも、心がうきうきしてきます。
このオペレッタ、CDで聴いても十分に楽しめますが、映像付きのほうが楽しみがより大きいかもしれません。確かこの指揮者・オーケストラのコンビで、歌手がちょっと違う公演のライブがLDになっています。以前、NHK−BSで放映されていました。

 


BGMクラシック

TVドラマ、CM等で使われたクラシックを紹介します。映画の中のクラシックは cinema classic でどうぞ。

チャイコフスキー:《なつかしい土地の思い出》 〜 第2曲「スケルツォ」
演奏:諏訪内 晶子(ヴァイオリン) モル(ピアノ) (PHILIPS PHCP-11001 \2,718/PHILIPS 454480-2 ♪♪♪


    諏訪内さんは、トヨタ:クラウン(?)のCMに出演していました。そこで流れていたのがこの曲。ちなみに《なつかしい土地の思い出》で有名なのは、第3曲「メロディー」のほうです。


プッチーニ:歌劇《ジャンニ・スキッキ》 〜 私のお父さん
演奏:ストルツマン(クラリネット)ほか (RCA BVCF-1535 \2,427/RCA 09026-68072-2 ♪♪♪


    ホンダ:アコード・ワゴンのCM、映画《眺めのいい部屋》で使われている曲。もともとはオペラで歌われるアリアですが、このCDではクラリネットのためにアレンジして演奏しています。


ロッシーニ:歌劇《どろぼうかささぎ》序曲
演奏:アバド指揮、ロンドン交響楽団(グラモフォン POCG-6009 \1,456)


    村上春樹の小説《ねじまき鳥クロニクル》の冒頭に登場する曲。

    台所でスパゲティーをゆでているときに、電話がかかってきた。僕はFM放送にあわせて
    ロッシーニの『泥棒かささぎ』の序曲を口笛で吹いていた。スパゲティーをゆでるにはまず
    うってつけの音楽だった。
    電話のベルが聞こえたとき、無視しようかとも思った。スパゲティーはゆであがる寸前だ
    ったし、クラウディオ・アバドは今まさにロンドン交響楽団をその音楽的ピークに持ち上げ
    ようとしていたのだ。
    (※《ねじまき鳥クロニクル》第1部の1頁より引用)

    第1部のタイトルにもなっています。ロッシーニの序曲というと《ウィリアム・テル》や《セビリャの理髪師》が有名ですが、《どろぼうかささぎ》も、元気が出る良い曲です。私は朝の通勤時によく聴きます。

 

クラシックの本

評論家の意見も聞いてみましょう。クラシックの森を散策する時、道案内になるかもしれません。はじめは立ち読みで・・・。

タイトル

著者

出版社

定価

コメント

ヨーロッパ音楽旅行案内

福原 信夫著/東亜音楽社編

東亜音楽社
ISBN 4-8110-0205-9

\2,300

ヨーロッパの各都市を「音楽」という観点から紹介する、異色の旅行案内。
ふつうの観光旅行でも十分に使えると思えるのは、ヨーロッパの歴史・文化と音楽が密接な関係にある証拠かもしれません。

クラシックの自由時間

吉松 隆(構成・編)

立風書房
ISBN 4-651-82025-5

\1,359

作曲家でもある吉松さんが、楽しく(時には冗談も交えて)、クラシックの世界へと誘ってくれます。

クラシック用語辞典

200クラシック用語辞典編纂委員会

立風書房
ISBN 4-651-82021-2

\1,400

「音楽性」「円熟」「カリスマ性」「神童」「ウィーン・ブランド」「拍手/ブーイング」などの語も登場する、ちょっと(相当?)変わった音楽辞典。
ユニークな執筆者たちが「学校では教えてくれない」切り口からクラシック音楽を解説してくれます。

新版・不滅の名曲はこのCDで

志鳥 栄八郎

朝日新聞社
4-02-256243-9

\1,893

レコード芸術誌などでおなじみの志鳥さんが、極めつけの名盤を教えてくれます。

はじめてのクラシック

黒田 恭一

講談社現代新書
4-06-148874-0

\534

優しい語り口で、クラシック初心者にも判りやすく、クラシックの世界を紹介してくれます。

クラシックの快楽

キーワード辞典編集部編

洋泉社

\1,300

単なる作曲家紹介に止まらない、ちょっとこだわりのあるクラシックガイド。

クラシックの快楽2

キーワード辞典編集部編

洋泉社
4-89691-063-X

\1,320

「クラシックの快楽」の第2弾。ますますパワーアップしています。

村上春樹の音楽図鑑

小西 慶太

ジャパン・ミックス
4-88321-177-0

\1,456

村上春樹の作品で流れされていた音楽を、作品の抜粋とともに紹介する本。村上ファンにはたまらない一冊です。

楽器への招待

柴田 南雄

新潮文庫
4-10-131201-X

\514

作曲家の柴田さん(1916-1996)が、ヴァイオリン、リュート、胡弓、ビルマの竪琴など、古今東西の楽器を写真入りで紹介してくれます。

レコード芸術(月刊誌)

音楽之友社

\1,190

新譜の月評、アーティストへのインタビューなど、音楽の「いま」をタイムリーに紹介してくれます。
また、新譜の「さわり」を聴ける付録CDは、CD購入の参考になります。

 

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