アメリカ旅行E

翌日、ニューヨークに向かってバスで出動!カナダ内とかボストンとか考えたけど、世界最大の都市であるニューヨークには一週間はいないといけないような気がしていた。日程を考えると、そろそろホビーにも連絡しなければならない。連絡は手紙ですることになっていた。ニューヨークの次ならそのままリッチモンドに行けるので、何日何時ごろに到着するかを連絡できる。何しろロスに入ってから2週間がすでに経過しているのだ。

アメリカに入る税関で入国審査をする。日本人らしき同じぐらいの歳の男性が、入国審査を行っている。なぜか言い合いしているように見えたので、注意してやり取りの内容聞いてみた。

「I'm visitor!」

俺と同じような一人旅のようだが、この日本人は豪快すぎる。英語がほとんど話せない。そのくせ大声で適当に英語はなしている。当時「visitor」と言う宇宙からの来訪者の映画がやっていたが、髭面のその様相と、その勢いは正に「VISITOR」だった。こいつは宇宙人なのか??

※通常は旅の目的は「sightseeing」(観光)でも、彼は「visitor」(訪問者または来訪者)と叫んでいたのだった。すげー奴!

つい助太刀をして、税関と彼の代わりに話しをした。彼も大学生で、英語はまったく出来ないけどカナダの牧場に3ヶ月滞在していたらしい。少しは話せるようになったが、「F○○K」など、一般に使わない汚い言葉ばかりをノートに書き込んでいる。何の勉強なんだか・・。変な人だけど、すごく気があってしまった。

俺は一人旅にこだわっていたが、彼はニューヨークだけは一緒にいようとシツコク迫ってきた。いろいろ本を読んでみると、世界中でニューヨークのYHのみが、盗難を気をつけるようにとか、物騒なこと書いてあった事もあり、昼は別行動で夜は一緒に飯を食うことにした。食事にお金をかけたくなかったので、キッチン付のツインルームをウィークリーで借りることにした。交渉の結果、2人で割ると一泊13ドル。ニューヨークのYHよりも安い!しかも、TVと冷蔵庫が付いていた。

この一週間は、レタスとパンと肉などを買い、朝晩は外食せずにキッチンで料理した。節約するにはぴったりの環境だ!

「こりゃいいな〜!」

ニューヨークの町は、本当にすごかった。人が多いのはもちろんだが、建物や見所が多すぎる。とても一週間では見切れない。パトカーが赤信号の交差点を通過するためだけにサイレンを鳴らした。世界中の人種が生活しており、人々には活気にあふれている。そのエネルギーには、圧倒されるばかりだ。

夜のエンパイアステートビルに登るとすごい夜景が飛び込んできた。まるで巨大宇宙船の要塞のコクピットに乗っているようだ!東京の夜景もすごいが、マンハッタンの夜景は、ビルがすごく高いせいか、光の量が比較にならない。SF映画の世界にいるようだ。

「すごい!!これが、世界一の都市なんだ!!」

翌日になると、「自由の女神」を見に行く。念願の落書きだらけの地下鉄に乗り、フェリーでリバティー島に渡る。そこでは、なんと誕生日フェスティバル中だった。なんと今日は「自由の女神」の誕生日だったのだ。1886年10月28日に完成と言うことらしい。

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お祭りムードの中、「自由の女神」に登ってみる。彼女の王冠には窓がありマンハッタン島が望めるのだ!今日はさすがにすごい込んでいた。順番に並んで人の後についてゆっくり登る。上にあがるほど、どんどん幅も頭上も狭くなり、かがみながら出なければ登れない。一般家庭の階段より狭い。

「なんだか、日本の大仏に登っているようだな〜」

混み具合や狭さが、日本を思い起こした。後ろが詰まっているので、上では一分も景色を見ていられない。

自由の女神に日本を感じてしまった。

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マンハッタンでは、ブロードウェイミュージカルも是非見なければならないもののひとつだ。ブロードウェイにはミュージカルの劇場がたくさん並んでいる。それぞれが、違う演目を行っており、できるだけ見ようと考えた。結局チケットが取れたのは、「コーラスライン」と「Cat's」だけだった。

なんとお金が無さ過ぎて、立ち見のみしか買えない。でも、立ち見なら10ドルで見れるし、新宿の映画館のようにぎっしり詰め込まない(立ち見でも寄りかかれるように一人づつ、ひじ置きがある)。収入が少ない人でも十分見れるすばらしさ。しかも、東京の劇場ぐらいのそんなに広くないものだった。アクターとの距離が近いので引き込まれてしまう。これが、ブロードウェイ。みんなすごいおしゃれをして、全劇場満員になる。終わって外に出ると、リムジンが、20台以上並んでいた。

内容は背筋が寒くなった。目が離せなかった。

すごい!

こんな、すばらしい歌声とダンスを見たことも聴いたことも無かった。

話は完全に理解できないけど、それでも世界一と言われるだけがある!

時間を忘れて見入ってしまう。

もっと見たかった〜!でも、時間とお金が許してくれないのだ。

「ハロウィーン。」

当時の日本では、英語の教科書でしか聞いたことも無かった。確かにお土産屋には多くのグッツが売っていたが、「ふ〜ん」ぐらいだった。しかし10月30日の夜になると、マンハッタンは日本のお祭り騒ぎ!すごい人手で、みんなが仮想して町を練り歩く。多くの大きなオブジェを担いだり、子供からも「trick or treat?」と、何度も話しかけられる。ここはどこなんだ?俺はなんて幸せなんだ!

すげー!マンハッタン!!すげー!ニューヨーク!すげーアメリカ!!

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本当にあっという間の一週間。俺は死ぬんではないかと思うほど楽しい日々だった。

また行きたいぞ〜!NY!!夢の世界だ!!

ルームメイトも最高に楽しかった。貿易すると言ってたけどどうしてんだろう?あの時はどうもありがとう!!

明日はついにホビーに会いに行くぞ!!

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