1959年7月、西独フランクフルトでの世界ペン大会に出席したときのドイツ紙の記事。下はパリの記事です。

世界ペン大会の記事
「Lokaler Teil」は「地方の部
 (地域のニュース)」の意。
以下、次のような内容が書いてあります。

第三十回世界ペン会議 フランクフルトで開催。

第三十回世界ペン会議が月曜の朝開催されたパウロ教会では、シャッターを切るのにファインダーを列に沿ってのぞくだけでよかった。――それだけできっと、一人や二人の著名人が必ずやフィルムに映っているのだった。ここに挙げた例では左から:日本人コルジロ・セリザワ(訳注:Kohjiro のはずが Koljiro になっている)、アメリカ人エルマー・ライス そして インドの外交官バドゥル・ウドゥ・ディン ティアブィ。(フランクフルト・ルントシャウ 写真:ヴァイナー)

フランスでの記事 フランクフルトにおける世界ペン大会のフランスでの記事
筆者 ジャニンヌ・ブイスヌーズ(女性)

ヘス首相主催のヴィスバーデンのカジノにての晩餐会に招かれて、参加者が集合した。日本のペン会長である(訳注:副会長の誤り)芹沢光治良氏と、しばし会話を交わす。他の出席者達がモーニング姿のところ、伝統的な儀式のいでたち。「アイダ夫人」がよかった、女性によって書かれたのかと思ったと言うと、それは最大のお褒め言葉ですと微笑む。ピエラールは私達に、次から次へと紹介役を務める。
(中略)
川端康成を含めた4人に<ゲーテのメダル>が贈られた。

その他の記事 (左上)こんにちわ、パリ! 作家:芹沢光治良
「ああ、シャンゼリゼの広場を日本に運んでいけたら!」

小柄で、大きな眼鏡の向こうに茶目っ気のある目。髪も眉もほとんど白く、機敏な動作の芹沢光治良氏である。ビールを飲んでくつろいでいる。日本では百万の出版数をほこる作家である。言葉を捜しながらゆっくり話す。「パリではゆったりしています。思うままに歩き回れます」
――散歩しながら何に目をひかれますか?
「小鳥や鳩、沢山いますね」
聖人フランソア?いや、芹沢氏には観察力があるのだ。

(右下)ユネスコでのペンクラブ主催のサイン即売会の会場は大賑わいだった。アルマン ピエラールは彼が監修した、芹沢光治良のアイダ夫人を紹介していた。