2019/11/08
クレンペラーのマタイ受難曲

11月2日に天国へと召された弟の葬式が、
7日・8日と無事執り行われました。享年67歳でした。
これから日を追うごとに寂しさが増すことと思いますが、
悲しんでばかりはいられないので、
土・日と営業したいと思います。
葬式も無事済んだら、音楽が聴きたくなりました。
マタイ受難曲が聴きたくなりました。
余りにも有名な曲なので、
振ったマエストロは沢山いますが、
私はクレンペラーのマタイ受難曲が一番好きです。
最新24bitリマスタリングで蘇る叙事詩的名演。
クレンペラーによる巨大で重〜い『マタイ受難曲』は最高です。
演奏時間トータル223分。
異様なまでの重さと巨大なスケールで圧倒する『マタイ受難曲』。
そこではさまざまなパートが強い存在感を示しており、
直情的な表現は無いにも関わらず、
キリストの受難の物語を巡る慟哭・憧憬・達観といった
複雑で多様な要素のそれぞれが聴き手の胸に深く迫ってきます。
第1部第1曲や第1部終曲では緊張の持続に驚かされますが、
同じ遅いテンポでもエンディング近くのバスの名アリア
「Mache dich, mein Herze」では包容力に満ちたやさしさを感じさせるのが印象的。
この『マタイ』は、メンゲルベルクフルトヴェングラーなど
往年の情緒的な演奏とはだいぶタイプが異なるとはいえ、
近年常識化した軽快なピリオド様式とはさらに大きくスタイルが異なっており、
どちらかというとマーラーやブルックナーなど
後期ロマン派以降の音楽がお好きな方に受け入れられやすいものと思われます。
この解釈方針を受容することさえできれば、感動の深さはまさに圧倒的です。
そしてその音の良さにも圧倒されます。
私は限りなくアナログの優しい音に近いと思います。
このアルバムです。聴けば聴くほど素晴らしいです。
是非聴いてみて下さい。

ウエスタンスピリッツのスピーカーケーブル群は、
アナログの為でなくデジタルの音を、優しく分厚く奏でる為に作られたといっても、
決して過言ではないような気がします。
くどいようですが、クレンペラーのマタイ受難曲は格別です。
貴方も聞きたくなる時が必ず来ると思うので、
その前に是非聴いてみて下さい。
それではまた。


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