2019/11/09
J.S.バッハの「ロ短調ミサ曲」
カール・リヒター

マタイ受難曲も素晴らしいですが、
ロ短調ミサ曲も素晴らしいですね。
私個人としてはマタイ受難曲の方が好きですが、
カールリヒターのこのミサ曲を一番に挙げる人も多いと思います。
間違いなく、彼の最高傑作と思うのですが、
宗教曲であること、2時間にも及ぶ大曲であること、
高い演奏技術を求められることから、
実際、耳にされた方は意外と少ないかもしれませんね。

この曲を初めて聞いたのは随分と前ですが、
実に衝撃的でした。
冒頭合唱が鳴り響いた瞬間、打たれたようになり、
その緊張が2時間ずっと、いえ、後半にいけばいくほど集中力は増していき、
聞き終わった時には声が出せないほどの衝撃でした。
しかも、その感動は消えることなく、
その後、音楽の感じ方が全く変わってしまいました。
圧倒的な音楽の力でした。
「Dona nobis pacem(私たちに平和を与え給え)」
この曲の最後の合唱曲の歌詞です。

勿論、キリスト教の典礼音楽ですから
本来はキリスト教の神に向かって、平和を願う祈りなのですが、
音楽では宗教の違いを超えて世界全体へ、
平和の訪れを希求する万人の強い祈りが沸き上がります。
この思いが広がっていけば、すでにそこには平和があると思います。
多くの方にこの曲を知っていただきたい。
そしてこの曲が宗教の壁を越えて、
また後世に伝わったらな〜と思っています。
何か宗教家みたいなことを言っちゃいましたが、
そんな気持ちにさせてくれる「ロ短調ミサ曲」です。
この盤です。是非聴いてみてください。

ウエスタンスピリッツのスピーカーケーブル群は、
この「カールリヒターミサ曲」を十二分に聴かせてくれます。
それは実に感動的です。
それではまた。


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