2019/11/21
ヴィンチェンツォ・ベッリーニのオペラ。

◎ベッリーニのオペラと言えば、『カプレーティとモンテッキ』『清教徒』
『ノルマ」『夢遊病の女』が有名ですよね。
今日は、この四作品を紹介したいと思います。

『カプレーティとモンテッキ』は、
以前アンナ・ネトルプコで紹介したので省きたいと思います。

◎それでは、先ず『清教徒』からです。

清教徒 I Puritani
初演 1835年1月25日 イタリア座(パリ)
原作 戯曲『議会党派と王党派』
台本 カルロ・ペーポリ
演奏時間 2時間30分

『清教徒(I Puritani)』は、ヴィンチェンツォ・ベッリーニ
(Vincenzo Bellini/1801年-1835年)によって作曲された最後のオペラです。
初演を大成功し飛ぶ鳥を落とす勢いのベッリーニでしたが、
『清教徒』初演のわずか8か月後に病により亡くなりました。

登場人物 詳細
エルヴィラ(ソプラノ) ヴァルトンの娘
アルトゥーロ(テノール) スチュアート王家につかえる騎士、エルヴィラの婚約者
ヴァルトン(バス) 城主で清教徒軍の首領、エルヴィラの父
ジョルジョ(バス) ヴァルトンの弟、退役大佐
リッカルド(バリトン) 大佐、アルトゥーロの恋敵、清教徒
ブルーノ(テノール) 士官、リッカルドの親友、清教徒
エンリケッタ(メゾソプラノ) 国王チャールズ1世の王妃


あらすじです。

17世紀のイングランド:清教徒革命の最中
議会派(清教徒)と王党派が対立しています。

第1幕

エルヴィラ(議会派の娘)とアルトゥーロ(王党派)は互いに愛し合い、婚約関係にありました。
しかしアルトゥーロが王妃を救うために逃亡したことで、自体は一変します。

逃亡中のアルトゥーロは議会より「死刑」が言い渡されます。
一方、エルヴィラは「アルトゥーロが別の女性と駆け落ちした」と勘違いし、正気を失います。

第2,3幕

やがて二人の誤解は解け再会を喜びますが、アルトゥーロが議会派に捕まり死刑となります。
しかし死刑に処せられる直前に、「議会派が王党派に勝利した」という知らせが入ってきます。

戦いが終わり、罪人は解放されることとなり、アルトゥーロも解放されます。
最後に二人は無事結ばれ、ハッピーエンドでオペラは終わります。


悲劇の多いオペラですが、この作品はハッピーエンドで終わります。




やはりこのシリーズのカラスが私としては最高にいいですね。


◎『ノルマ』です。

項目 データ
初演 1831年12月26日 ミラノ・スカラ座
原作 アレクサンドル・スーメの同名の舞台劇
台本 フェリーチェ・ロマーニ
演奏時間 2時間30分

『ノルマ(Norma)』は、ヴィンチェンツォ・ベッリーニ
(Vincenzo Bellini/1801年-1835年)によって作曲されたオペラです。
このオペラの劇中で歌われるアリア「清らかな女神よ(Casta Diva)」は、
コンサートでも度々取り上げられるとても美しい曲です。

登場人物 詳細
ポリオーネ(テノール) ローマ帝国、ガリア地方の総督
フラヴィオ(テノール) ポリオーネの友人
オロヴェーゾ(バス) ドルイド教徒の長
ノルマ(ソプラノ) 巫女の長、オロヴェーゾの娘。ポリオーネとの間に子供をもうける
アダルジーザ(Sp or Ms) 巫女
クロティルデ(ソプラノ) ノルマの侍女


紀元前50年頃、ガリア地方はローマ帝国に支配されています。

【第1幕】
ガリア人たちの不満はつのり、ローマ軍への闘いの気運が高まっています。

ポリオーネ(ローマ帝国のガリア地方の総督)は、
ノルマ(ガリア地方の巫女長)との間に子供(隠し子)をもうけています。
しかし、ノルマに飽きた彼は、アダルジーザ(ガリア地方の巫女)に恋をしてしまいます。


【第2幕】
アダルジーザもポリオーネに恋をしていましたが、
「ノルマとの友情」を選択し、ポリオーネに別れを告げます。
諦めきれないポリオーネはアダルジーザを迎えに行き、一緒にローマに連れて帰ろうとします。
しかし、迎えに行く途中でガリア人に捕らえられてしまいます。

巫女長ノルマは「アダルジーザを諦めるのであれば助ける」と語りますが、
ポリオーネはそれを拒否します。
ノルマは「自分自身とポリオーネ」に処刑を宣告します。
二人が処刑台へ上るところでオペラが終わります。



やはりこのシリーズのカラスが一番ですかね。あくまでも個人的ですが。


◎『夢遊病の女』です。

項目 データ
初演 1831年3月6日 ミラノ・カルカーノ劇場
原作 ユージューヌ・スクリーブ(Eugene Scribe/フランスの劇作家)
台本 フェリーチェ・ロマーニ
演奏時間 2時間20分

『夢遊病の女(La sonnambula)』は、ヴィンチェンツォ・ベッリーニ
(Vincenzo Bellini/1801年-1835年)によって作曲されたオペラです。
※『夢遊病の娘』とも訳されます。

ミラノでの初演では当時のスター歌手たちを揃え大成功を収め、
すぐに他の都市でも上演されました。
『夢遊病の娘』はこれまでのベッリーニのオペラに比べて、
単純で素朴であったため新しいベッリーニの音楽として評価されたそうです。
一方同年のベッリーニのオペラ『ノルマ』などと比べると重厚さに欠けるため、
地方によっては評価が別れました。

ここではベッリーニのオペラ『夢遊病の女(La sonnambula)』
のあらすじを紹介したいと思います。

登場人物 詳細
アミーナ(ソプラノ) 村で評判の美人、自覚症状なしで夢遊病にかかっている
エルヴィーノ(テノール) 若い村の地主、アミーナの婚約者
リーザ(ソプラノ) 宿屋の女主人。エルヴィーノに恋をしている
テレサ(メゾソプラノ) アミーナの養母
ロドルフォ伯爵(バス) 久しぶりに帰郷したこの村の領主

など

あらすじです。

アミーナとエルヴィーノは結婚を約束しています。

そんな時「夢遊病」にかかっているアミーナは夜中に無意識に彷徨い、
ロドルフォ伯爵のベットで寝てしまいます。
エルヴィーノは恋人の潔白を信じず、別の女性に結婚まで申し込んでしまいます。

 夢遊病・・無意識の状態で、歩いたりし再び眠りにつく。
その間の出来事は記憶にない。

その後、エルヴィーノは「アミーナの夢遊病の様子」を直接目にします。
そしてエルヴィーノは彼女の潔白を理解し、彼女に謝罪します。

二人のよりが戻り、ハッピーエンドでオペラが終わります。


この作品も珍しくハッピーエンドで終わっています。
やはりスカラ座シリーズのカラスはいいですね。右はナタリーデセイ(ソプラノ)がとってもいいです。

     

この三作品はどれも人気のある作品です。
カラスからの長い月日の中に、素晴らしいソプラノ歌手がたくさんいます。
探せばきっと、もっとあなたの気にいった作品が有ると思います。
自分で検索して、聴いてみたらよかったなんて言うのも、音楽の楽しみ方ですよね。


カラスを多く挙げたので、ついでにこの一枚。
カラスの『トスカ』数多い中で、この一枚が最高です。

『トスカ』あらすじと解説(プッチーニ)

項目 データ
初演 1900年1月14日 コスタンツィ劇場(ローマ)
原作 ヴィクトリアン・サルドゥの同名の戯曲
台本 ルイージ・イッリカ、ジュゼッペ・ジャコーザ
演奏時間 1時間50分

『トスカ(Tosca)』は、ジャコモ・プッチーニ
(Giacomo Puccini/1858年-1924年)によって作曲されたオペラです。
劇中では、数多くあるオペラの中でも特に人気のある有名なアリアが美しく歌われます。

プッチーニは同名の戯曲をみて、すぐにこの台本に惹かれたそうです。
しかし「トスカ」をオペラ化する権利は、一度はアルベルト・フランケッティのものになってしまいます。
その後フランケッティが無償でオペラ化の権利をプッチーニに譲り、この傑作は生まれました。

 フランケッティは裕福な貴族出身の作曲家でした。
そのため敵対心が薄く「ライバルのプッチーニに権利を譲ることも、
抵抗がなかった」のではと言われています。
彼は「アンドレア・シェニエ」の権利もジョルダーノに無償で譲りました。

ここではプッチーニのオペラ『トスカ』のあらすじを紹介したいと思います

登場人物 詳細
フローリア・トスカ(ソプラノ) 有名な歌手
マリオ・カヴァラドッシ(テノール) 画家でトスカの恋人
スカルピア男爵(バリトン) ローマ市の警視総監
アンジェロッティ(バス) 前ローマ共和国統領、脱獄してきた政治犯
スポレッタ(テノール) スカルピアの副官
堂守(バス) 聖アンドレア・デラ・ヴァレ教会の番人



あらすじザックリ

1800年6月:ナポレオン軍が欧州で勢いを増し、ローマ共和国が廃止され教皇国家が復活した頃

カヴァラドッシ(画家)はアンジェロッティ(脱獄してきた政治犯、前ローマ共和国統領)の逃亡を手助けします。
そのことが明らかになり、カヴァラドッシはスカルピア(警視総監)に捕らえられ死刑が告げられます。

トスカ(カヴァラドッシの恋人)がスカルピアを殺し、恋人を助けようとしますが、最後に悲劇が待ち受けています。
カヴァラドッシは処刑されてしまい、最後にトスカもそれを追って自殺します。

 主要な登場人物3人(トスカ、カヴァラドッシ、スカルピア)は、すべて命を落としてしまいます。

カラスは『トスカ』を何枚も残していますが、この『トスカ』が個人的には最高だと思います。
テノール・バス・バリトンも最高です。肉声というのは実に素晴らしいですね。


こちらの『トスカ』も大変素晴らしいと思います。

前回にも紹介しましたが、アイーダを演奏中に急性心筋梗塞で亡くなってしまった、
ジュゼッペシノーポリの『トスカ』です。
ミレッラ・フレーニ(ソプラノ)、プラシド・ドミンゴ(テノール)のトスカ。
このソプラノとテノールは最高ですね。録音も大変素晴らしいです。


また、あなたは今のオーディオに満足していますか。
お金をかけているが、何か今一つ違うような気がする・・と思っている方、
その原因はスピーカーケーブルにあります。
ウエスタンスピリッツのケーブルに変えてみてください。
見違えるようないい音に変貌する事間違いありません。
それではまた。

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