2019/12/01
リヒャルト・ワーグナー
パルジファルです。

第1幕

第2幕

第3幕

大変宗教色の濃い作品で、パルジファルを聴くにはあらすじザックリでは退屈する作品です。
イタリアやフランスのオペラは、あらすじザックリでも楽しく聴くことが出来ますが、
ワーグナーの一連のオペラは、その旋律は実に美しいものですが、
あらすじをある程度分かったうえで聴かないと、退屈するかもしれません。



ヘルベルト・フォン・カラヤン
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団
ワルター・ハーゲン・グロル(合唱指揮)

パルジファル:ペーター・ホフマン
グルネマンツ:クルト・モル
クンドリー:ドゥニヤ・ヴェイソヴィチ
アンフォルタス:ジョゼ・ヴァン・ダム
ティトゥレル:ヴィクター・フォン・ハーレム
クリングゾール:ジークムント・ニムスゲルン

第1の聖杯騎士:クラエス・アーカン・アーンシェ
第2の聖杯騎士:クルト・リドル
第1の小姓:マリヨン・ランブリクス
第2の小姓:アンネ・イェヴァング
第3の小姓:ハンナ・ホプフナー
第4の小姓:ジョージ・ディッキー
花の乙女:バーバラ・ヘンドリックス
花の乙女:ジャネット・ペリー
花の乙女:ドリス・ゾッフェル
花の乙女:インガ・ニールセン
花の乙女:オードリー・ミッチェル
花の乙女:ロハンギス・ヤシュメ
アルト独唱:ハンナ・シュヴァルツ

1979,80年
ベルリン、フィルハーモニー

バイロイト祝祭管弦楽団に長く在籍していた眞峯紀一郎さんは、
カラヤンについて「オペラの指揮は、ただ楽譜を見て棒を振るだけでなく、
もっと大きな観点から作品を俯瞰する必要があります。
カラヤンはそれを見事にこなせる人でした。私は個人的に、
カラヤンは“オペラ指揮者”だったと考えています。
カラヤンは音楽から演出に至る全てを自分でコントロールする人で
(そんなところが原因となって、バイロイトではヴィーラントと仲違いしたのですが……)、
スコアもテキストも完璧に暗譜して、歌手の所作などにも全部指示を出していました。」
と語っています。
なぜ、この文章を引用したかというと、ビルギット・ニルソンが上演中、
カラヤンに指示を出してもらおうと救いを求めたとき、
カラヤンは目をつぶって指揮していたので気がついてもらえなかったと怒っていたのを思い出したからです。
この録音は、ワーグナーにこだわり続けたカラヤンが残した録音の中でも、
最高の出来ではないでしょうか。
カラヤンは、「パルジファル」の録音は70歳になってからと語っていたそうですが、
この録音はカラヤンのワーグナー演奏の集大成のように思えます。
カラヤン初のデジタル・セッションということもあり、今が時と思って「パルジファル」を選んだのでしょうか。
歌手選びでは、こだわりが裏目に出ることもあるカラヤンですが、
この録音は文句のつけようがないです。この演奏であれば、
ペーター・ホフマンよりルネ・コロのほうがふさわしかったと思いますが、
カラヤンは「ローエングリン」で懲りたのかもしれませんね。
興味深いのは、クンドリーにドゥニヤ・ヴェイソヴィチという歌手をあてていること。
カラヤン指揮の「さまよえるオランダ人」で、ゼンタを歌っていた人です。ヤノヴィッツの声質で、
低いほうの声域を伸ばしたような人。カラヤン好みの声の歌手なのだそうですが、
他では名前を見たことがない人なんです。



『パルシファル』の決定盤!
クナッパーツブッシュのステレオ・ライヴ!

1962年ステレオ録音。バイロイトが伝説だった時代を象徴する素晴らしい演奏。
作品の性格もあってか、ここでの神秘的な雰囲気、崇高さへの希求といった宗教的性格の濃厚さと、
対置されるドラマの織り成すコントラストには凄いものがあるのですが、
全体に強烈な統一感、一体感が感じられるのは、やはりクナッパーツブッシュの力でしょう。
すでに40年近く経過していますが、この作品に関する限り、
ほかの指揮者の演奏はどれも表面的なドラマに聴こえてしまうほど、ここでの演奏の雰囲気は独特です。

パルシファル:ジェス・トーマス
グルネマンツ:ハンス・ホッター
アンフォルタス:ジョージ・ロンドン
ティトゥレル:マルッティ・タルヴェラ
クリングゾール:グスタフ・ナイトリンガー
クンドリー:アイリーン・ダリス
第1の聖杯騎士:ニールス・メラー
第2の聖杯騎士:ゲルト・ニーンシュテット
第1の小姓:ソナ・セルヴェナ
第2の小姓:ウルスラ・ベーゼ
第3の小姓:ゲルハルト・シュトルツェ
第4の小姓:ゲオルグ・パスクタ
花の乙女:グンドゥラ・ヤノヴィッツ
花の乙女:アニア・シリア
花の乙女:エルセ・マルグレーテ・ガルデッリ
花の乙女:ドロテア・ジーベルト
花の乙女:リタ・バルトス
花の乙女:ソナ・セルヴェナ
アルト独唱:ウルスラ・ベーゼ
バイロイト祝祭合唱団
ヴィルヘルム・ピッツ(合唱指揮)
バイロイト祝祭管弦楽団
ハンス・クナッパーツブッシュ(指揮)

1962年7月、8月、バイロイト祝祭劇場でのステレオ録音

クナッパーツブッシュのパルジファルは、それはもう最高ですね。
ワーグナーの一連の作品は、この人のために創られたといっても過言ではないと思います。
何れも必聴盤です。但し、先ほどの言ったように宗教色の濃い作品なので、
内容をある程度把握していないと、ただ退屈なだけのオペラになってしまいます。

以上、ワーグナーのオペラはこれまでにしたいと思います。


                  一つ戻る 戻る
  次へ