購入のキッカケ


 その昔、在りし日のアイルトン・セナが宣伝に出ていたバイク....古いです(89年式)。前車NSR80が思いのほか高く売れたので、ちょっと資金を足してセカンドバイク2代目として購入できました。但し現在は完全に下駄バイク化しております。

 選んだ理由の第一は、加速がトロくないこと。セカンドバイク1号のNSR80が結構きつかったためですが、これは排気量も大きいので充分でしょう。第二に、安くて壊れにくいこと。調べてみると、エンジン、車体ともスパーダが良さそうです。燃費もいいらしい。

 ホンダが自社HPで公開しているファクトブックからもわかるように、開発にかなり力の入ったバイクです。アルミフレームで軽くて丈夫、足回りもしっかり出来ています。残念ながら超不人気車ですが......。お陰で安く手に入れることが出来ます。これから徐々に手を入れていこうと思います。

 

インプレッション

 ノーマルで購入、エンジンオイル及びフィルタ交換、添加剤スーパーゾイルを入れました。それ以外はノーマルのままのはず。当初、納車整備費って何だったの?状態(アクセル戻り時引っかかり気味、クラッチケーブル土?詰まり(当然切れも悪い)。またリヤ周りから時折異音がする、これは仕方ないか...)だったので、とても再度任せる気にはなれないので、出来るところから自分で手入れすることに。カウル割れ、タンクのへこみもあるため、徐々に直していきたいと思います。

 長所 良い加速をします。驚くような加速力はないですが、スピードは確実に出ます。
始動性良好です。真冬でも一発始動。
低速トルクも充分(力強くはないが結構粘ります)。
シートが低いので楽ちん。
フレーム剛性がかなりあります。鋼管フレームのもの(Baliusなど)よりも確実にかっちりとした感覚です。ちなみにスイングアームのピボット構成は、右ボールベアリング×2、左ニードルローラーベアリングで、CBR600Fと同じ構成です。金がかかってます!
排気音が静か.....管理人にとっての長所。
車体、エンジンとも、シンプルで手入れしやすいです。つまり壊れにくいってことですね。
消耗品はローコスト。例えば大型バイクのタイヤ1本分で、前後タイヤ+交換工賃が楽に払えるでしょう。
オイル点検窓がある。ディップスティック式より面倒がないです。
   
 短所 購入時、ふわふわのフロントサスでしたが、オーバーホールした結果、少し踏ん張るようになりました。ノーマルでは、初期が柔らかすぎるくらい柔らかめで、ブレーキ掛け始めから姿勢が大きく変化します(更にワッシャを追加して街中レベルでは十分になりました)。

中途半端なポジション。初心者に配慮した低シート高のため、場合によりタンクとフレームの隙間あたりに膝が来てしまい、結構痛いです。ネイキッドとしては前傾姿勢の方なので、どうせならシートはもうちょっと高い方が良いような気がします。

ツインで、マルチのようにエンジン回転が滑らかではないので、千鳥走行などはちょっとやりづらいと思います(低速の粘りはあり)。
強い向かい風で、あからさまにスピードが鈍る。絶対パワーのなさを感じる部分です。

ノーマルハンドルでフルロックのターンしようとすると、タンクとの間で手をはさみます。

冷却水量確認(リザーバータンクキャップ)は、ネイキッドであるにもかかわらず、カウルを外さないと出来ない(これって普通?)。

意外と荷物の固定はしづらい(ツーリングネットのフックを引っ掛けづらい)。管理人は重いものを運ぶときはRVBoxを積みます。

そろそろ欠品部品(主に外装など)が出てきている。ただし、流用可能なものや、中古品の流通もあるので、工夫次第でしょうか?

 

変更点
 管理人はノーマル好きなので、ほぼフルノーマルです。でも気になるところだけいじっています。

なお、消耗品は交換のつど、グレードの高いものに入れ替えたいと思っています。
アーシング お決まりのアーシングをしてみました。意外と効果ありです。さらにエンジンに配線を追加してみました。
ブレーキキャリパー 基本的にはオーバーホールですが、スパーダ特有の部品をちょいと交換しましたので、変更点に入れてます。
フロントサスペンション強化 安価かつ楽に出来て、ノーマルの弱いサスが、かなり好印象に変わります。姿勢変化量を計測しました。
フォークガード装着 フロントフォークの飛び石傷対策として。自作品に換えて純正流用にて。
ヘッドライトの
マルチリフレクター化
暗いライトを、マルチリフレクターライトに換装。X−4用純正ライトなので、かなり明るくなります。
ヘッドライトリレー 常時使用するロー側のみ、市販のリレーを使用して光度アップしてみました。
プラグケーブル交換 中古車の現状復帰作業ではありますが、ちょっと加工が必要でもあり、変更点としています。
ウィンドスクリーン  デイトナのモノとか色々ありますが、自家製で風防を作りました。一部手抜きですが、効果は上々です。
カウルセッティングボルト サイドカウルを止めているプラスの頭のボルトを、今風の六角ボルトに変更しました。純正流用です。

 

メンテナンス
リヤサスペンション 操縦安定性に影響しそうなので、すぐにバラして手入れしました。正確には、リヤサスペンションリンクです。
フロントフォーク 全く踏ん張らないサスだったので、オーバーホールに初チャレンジしました。オイル交換ならもっとラク。試しては?
マスターシリンダー オーバーホールしました。やはりキャリパーとセットで交換しないと効果は半減ですね。
キャブレターの同調 現状確認のため、キャブレターの同調調整をしてみました。
タペット調整  特にエンジン始動時、カチカチ音がうるさいので、タペット調整してみました。前バンクもやってみました。
冷却水交換  あまり熱のこもらないスパーダですが、古くなっていたクーラントを交換し、洗浄と、添加剤も使ってみました。
レギュレーター放熱対策 それほど問題は起きないスパーダですが、念のため対策をしてみました。これで異常気象を乗り切れるか?
シート張替え 中古車お約束の破れシートを補修しました。純正シートと同素材にて張り替え。シートベルトも張替えました。
ガソリンコック よくわからない症状が出たため、分解してみました。
ハブダンパー ガチガチに固まっていたハブダンパーラバーの交換をしました。チェーンの負担を減らすためにも有効です。
ブレーキディスク交換 これも立派な消耗品。走り方にもよるが5万〜7万キロくらいで交換でしょうか?
エアクリーナー交換 スパーダには再使用可能な社外品がないので、洗ってみました。二度目の洗浄後の結果です。
グリップ交換  スパーダ純正から、CBRの純正グリップへ変更しました。
カウル補修 割れたカウルの補修です。間に合わせですが、少しは目立たなくなったのでOK。
チェーン交換 年数的には寿命と思われるチェーンを、値上げ前に交換しました。新しいチェーンは、良い!

 


 

変更点

 アーシング


 アースポイント。このラジエータ左側と、リヤカウル内側。


 アース線です。カウル内へは純正の結束バンドで固定し、
 ラジエータへはフレームに固定して配線しました。



非常に見辛いですが、左がアーシングなし、右がありです。
肉眼だと差があるのがはっきりわかるんですが。



こちらが後バンク側のアース線。片側のボルトを抜いても、
冷却水が漏れることはありませんでした。丸端子がもげそう...。


非常に見辛いですが、右の後バンクから、左の前バンク
側を経由して、バッテリーにつないでいます。

 お手軽にバイク本来の性能を引き出せるというアーシングをしてみました。

 簡単に原理を説明すると......。
 基本的にバイクはバッテリーから出た線(+側)から、各電気回路に繋がり、回路のマイナス側はフレームに落とされています。車体自体を電気が通って、フレームに繋げられたバッテリーのマイナス端子へ続く、という経路になっています。で、抵抗の大きな車体部分を、伝導効率の良い銅線に置き換えよう、というのがアーシングなわけです。電気が苦手な管理人でも、配線を一本つなぐだけならできそう。
 ちなみに、最近の機種はもとからアース線をしっかり取っているものが多いようなので、それに「アーシング」をしても効果が無かったりするので気をつけましょう。


 必要な道具
  レンチ類(8,12mm および六角ボルト用 6mm)、アース線、半田こて、
  丸端子、圧着ペンチです。このあたりはNSRのページを参照ください。


 作業手順
 アースポイントは2点。ラジエータ・ファン左上と、右リヤカウル内前部の固定ボルトです。
 まず、シートを外してタンクのボルトを取ります。リヤカウル右側を取り外し、純正のアース端子が落とされている箇所を確認します。こことバッテリーのマイナスをダイレクトにつなぐわけです。
 作業自体は非常に簡単、ですが、アース線の取り回しには気を使います。今回使用したのは耐熱仕様ではない(家庭用オーディオスピーカー線)ため、エンジンはもちろん、熱くなる部分には絶対触れないようにします。考えた末、右カウルへはハーネスに沿わせて配線、ラジエータへは、バッテリーからサブフレームの補強部分の下(イグニッションコイル脇)を通して、フレーム伝いにラジエータへ一直線に配線しました。サブフレーム固定ボルト脇と、チョークケーブルに結束バンドで固定して、エンジンと接触しないようにできました。


 効果について
 如実に現れた効果として、ライトの光量アップが上げられます。スパーダのノーマルライトはとても暗く、メーター部分もとても見づらいです。昼間はニュートラル、ウィンカーランプなど表示灯すら見づらいです。
 アーシング後は、表示灯類が点灯しているのが昼間でもハッキリわかるようになり、ヘッドライトは確実に明るくなりました。具体的には右の写真のような感じです。
 写真だとわかりづらいですが、ブロック塀の継ぎ目に注目してください。非常に明るいと肉眼でも写真でも、継ぎ目が見えにくくなります。左のアーシングなしでは中央部分しか継ぎ目が見えなくなっていないのに、右のアーシングありでは、継ぎ目の見えない部分が左右方向に広がっているのがわかります。写真はともにハイビーム、車体は全く移動せず、配線のみ変更しています。当然写真機も同条件です。費用を考えれば(ケーブルは廃物利用なので丸端子と端子カバー代 \160のみ)、効果には大満足しています。

 今回のアース線は、エンジンから直接とっていないので点火強化にはならないと思っていましたが、アース線なしと比較して、低速域が意外にはっきり力強くなりました。これは嬉しい誤算です。でもいずれエンジンにもアーシングをしてみたいと思っています。

 ヘッドライト用のリレー回路と合わせて、ハーネス仕様にしてみました。


アーシング追加

 エンジンへのアーシングの追加です。純正のアースポイントからアース線をとるだけでも、ライト光量・始動性アップは感じられたのですが、もっと点火を強化したいということで、点火プラグの接地側に近いシリンダー付近からアース線を引いてやります。
 といっても、つなげられる場所は限られます。アース線の丸端子を噛ませても大丈夫なように、エンジン自体の剛性にかかわるボルトではないこと、なるべくプラグの近くにあること、という条件を考慮して、今回は冷却水ホースの接続ボルトを利用しました。

 ケーブルに丸端子をかしめて、後バンクのボルトと前バンクのボルトをつなぎ、前バンクのボルトからバッテリーまでの長さで作りました。つまり後バンクは前バンク経由でバッテリーへ配線してあります(写真)。とりあえず効果テスト用のつもりなので。

 冷却ホースの根っこのボルトを抜き取らなければならないわけですが、今回、冷却水が漏れることはありませんでした。ボルトは固着しており、ラスペネで潤滑後、最初に緩める際はメガネを足で踏みつけて、何とか外れました(工具メーカー保証外なので自己責任で)。

 効果
 実際のところ、体感するほどの効果はありませんでした。残念。既に主だったところにはアーシング配線をしてあったためでしょう。燃費は良くなるか?

                                                (2008. 2 追記)

 

 ブレーキキャリパーのオーバーホール


 上CB400SF用。下SPADA純正品。銀色のところが、
 ピストン本体より柔らかい材質で出来ています。



 フルード漏れ止めの一例(右)。キャリパーは、綺麗に
 掃除して組みます(左)。ピストンの違いが見えますね。



 ピストンは、空気入れを利用して外しました。結構勢い
 良く飛び出すので注意します。かまぼこ板などで飛ば
 ないようにしておきましょう。


 パーツ一覧。@キャリパ、 ブーツAホースボルト、シーリングワッシャ
 Bキャリパマウントボルト Cブリーダ、キャップ Dパッドスプリング
 Eピストンシール、ダストシール Fパッドピン Gパッドピンプラグ
 Hブラケット Iリテーナ Jブーツ Kブレーキパッド


 純正ピストンの当たり面を剥がしてみると、木片が!
 確かに木は千度位にならないと発火しないですけど。
 大丈夫なんですか、ホンダさん。

 ノーマルのスパーダは、フロントブレーキの効きがとても悪いです。止まることは止まるのですが、ブニュッとした感じがして効き味が良くありません。そこでオーバーホールを兼ねて、純正部品流用の改造をしてみました。

 具体的に説明すると、スパーダの純正キャリパーピストン(ブレーキパッドを押さえるパーツ)は、パッドに当たる面が柔らかい材質で出来ています。初心者が乗ることを想定して、ブレーキをガツンとかけてもフロントがロックしにくいようにしているわけです。今回はこれを初期型CB400SFのピストンに変更します。

 ブレーキは重要保安部品です。自信の無い方は、潔くプロショップに任せましょう
 チャレンジする方は以下を参考に、自己責任でお願いします。

 必要な道具
  レンチ類(8,10,12mm および六角ボルト用 6mm、プラス・マイナスドライバ)
  フルード受け(ペットボトルで十分)、ブレーキフルード、耐油性チューブ。
  あと、バイスプライヤーと薄いゴム片があると便利です。

 用意した部品は、
  シールピストン(43209-MA3-006 \225)
  ダストシール(43109-MA3-006 \220)がSPADA純正
  フロントキャリパーピストン(45107-ML4-006 \1,050)は初期型CB400SF用です。
 値段は一個当たりですのでこの倍かかります。この組み合わせは、CLUB SPADAのHPで、よしや氏に教えていただきました。感謝!!
 なお、後期型CBは対向ピストンのキャリパー(つまり別物)になっています。


 作業手順
 今回はなるべくフルードを抜きたくなかったので、ちょ〜っと手抜きをしました。プロのやる、正しい手順ではないかもしれません。キャリパーのみ外したかったので.....。
 最初にキャリパーに接続されているブレーキホースボルトを緩めます。うっすらフルードが滲むので一旦締めます(キャリパー単体になっても外れる程度に)。パッドピンなども緩めておきます。フロントをばらすので、細かい分解はフロントフォークのオーバーホールを参照ください。

 キャリパーはレバーを操作して、予めピストンを押し出しておきます。すっかり忘れてた管理人は、キャリパー取り外し後、空気入れを利用して外しました。多分ピストンの動きが左右で違うので、片側だけ出てしまわないように、木片などをパッド位置に入れてからピストンを均等に押し出しましょう。
 ここまで準備できたら、キャリパーからブレーキホースを外します。ホースのバンジョー(キャリパーに接続する金具部)をゴム片で押さえ、バイスプライヤーで留めます(写真)。
フルードは、塗装やプラスチック、ゴムなどを痛めるので、注意。水で洗い流せます。

 それからお掃除です。動きの悪いピストンの側は、汚れのためダストシールがよじれていました。ピストンシール、ダストシールともに、尖ったツールで外します。キャリパーを傷つけないよう慎重に。シールを外した溝の、固まったフルードの結晶を、こすって落とします。ブリーダーボルト側は、かなり詰まっていたので、パーツクリーナーで飛ばしました。

 掃除が済んだら組み立てです。メタルラバー(フルードも可)を塗布しすべりを良くしたシールをセットし、ピストンをゆっくりと押し込みます。車体にキャリパーを付け、ブレーキホースを規定トルクで取り付けます(3.5kgfm)。フルードは、意外に少ない量で済みます。

 エア抜き
 フルードは、BP SuperDOT4 を使用しました。 管理人はフルード保管時に、電気配線の防水に使う自己融着テープをキャップ合わせ面に巻き付け、吸湿を防止しています。結構いいです(本来使い切るのがベスト)。

 エア抜きとは、ブレーキラインに入った空気を抜き取る作業です。具体的には次の手順で、フルードを排出しながら空気も一緒に出してしまいます。古くなったフルードを交換するときも同じ手順です。

 1.マスタシリンダの周りを保護の布なとでカバーし、蓋を取ります(+ネジ2本)。
 2.ブリーダーにメガネレンチを掛けチューブを繋ぎます。チューブの末端は、
   ペットボトルに入れます。
 3.ブレーキレバーを握ったまま、ブリーダーを緩めフルードを排出します。
 4.ブリーダーを締め、手ごたえを感じるまで、ブレーキレバーを操作します。
 5.マスター側のフルードが無くなりそうになったら、新しいフルードを泡立てず入れます。
 6.チューブから出るフルードが新品の色になるまで、3〜5を繰り返します。

 以下はマメ知識です。マスターシリンダーの古いフルードは、ティッシュなどで吸い取ると、効率的。マスターの穴からフルードを噴くことがあるので、マスターシリンダーの蓋を乗せながら作業をします。作業後、ブリーダーに残ったフルードも、パーツクリーナーなどで飛ばします。放っておくとフルードが吸湿して錆びてしまいます。


 作業結果
 まずバネ下の軽量化。2個でスパーダ純正170gCB400用104g。乗っていてもわかりませんが、気分的によろしいかと。因みに純正品は、パッドの当たり面にナント木片が入ってました!!フィーリングが悪いはずですね(写真)。
 効き具合は、同じ大きさのピストンなので、効力は変わりません。但し、ぶよぶよした感じがなくなり、握り初めと、握りこんでいった最後の辺りの効き味が良くなりました。ブレーキが「ギュッ」と効く感じです。これでも思いっきり握らないとロックしないと思うのですが......。
 ブロス用マスターシリンダーの流用情報もありましたが、こうすると恐らくフロントフォークのスプリングも強化しないとバランスが崩れると思いますので、ノーマル派の管理人はとりあえず現状の仕様で、しばらく走ってみようと思います。(→この後、フロントフォークにワッシャーを追加しました。)


 規定トルク
    ホースボルト               3.5kgfm
    ブレーキキャリパマウントボルト  2.7kgfm
    ブリーダ(ボルト)            0.6kgfm

   スライドピンには、シリコングリスを塗りましょう。ゴムブーツにも塗り込むと良いです。

 

フロントサスペンション強化 

 今回はスパーダオーナー共通の悩み、ふわふわフロントサスに対処します。原付小僧君たちは良くやるそうですが、MTBのサスペンションでやってみて、かなり印象が良かったので、スパーダでも試してみることにしました。気に入らなければすぐに戻せるので、お気楽に出来るのもポイント高いところ。

 サスペンション強化(見かけ上含む)のやり方は、
  1.フォークオイル油面を上げる(空気バネを固くする)
  2.フォークオイルの粘度を上げる(オイルを固くする)
  3.プリロードを強くする(スプリングを予め縮め、見かけ上サスペンションを硬くする)

 が思いつきますが、1はエアバネが効くフルボトム付近で急激に固くなる、2は設計時に考えられたダンパー性能と著しく変化してしまう(全体として悪くなる可能性大)上、粘度の高いオイルは劣化したときの性能変化が激しいらしい、ということで、このあたりはいじらないほうが無難です。
 で、今回は3を実行するために、スプリングを縮めているカラー(相当)部分を長くするわけですが、実際にカラーを長くすると仕様変更が面倒なので、ワッシャーなどを入れて調節するのが一般的なのはご存知の通り。


 使用したステンレスワッシャー(丸座金)。

 実作業
 今回は外径約30mmステンレス製ワッシャーを用意。ホームセンターにて10枚入り\288。
これは5枚重ねで約1cm厚になりました(片側5枚ずつ使用)。ジャッキが無くても片側ずつ空けると入れることが出来ます。ハンドルを止めている六角ボルトを緩めますが、フォークの溝にはまっているC型クリップは、外す必要は無いはずです。フォークトップは17mm六角で止まっていますが、開ける時飛ばさないように上からしっかり押さえておきましょう。今回はカラーの下にワッシャーを追加しました。ワッシャーを入れたらトップキャップを締めますが、フロントを持ち上げるような感じで支えながらやる方が楽に締められます。

 作業結果
 初期のズドーンと沈み込むのが無くなり、柔らかいバネは換えていないので、嫌な固さもありません。街中を常識的なペースで走る分にはネガはないようです。傾向としては、初期が普通に踏ん張る(固いというほどではない)割りに、その後がちょっと柔らかい感じ。柔らかいスプリングを変えていないので当然といえます。油面調整した方が良いのでしょうか?次回の課題です。

 安価かつ簡単に変更できるので、フロントサスが気になっている方は、試してみる価値があると思います。

 突き出し調整
 初回の突き出し調整は、目見当で数ミリ増やしましたが、フォークオイル交換に伴い、計測してみました。
計測したのは、ボトムブラケット〜アウターオイルシール上部の長さです。いずれも車体をぎりぎり倒れない程度にジャッキで下から支えた状態で計測。

 @ノーマル状態    → 約122mm
 Aワッシャー追加後 → 約129mm
 因みに参考値として、ジャッキアップしてフロントサスが伸び切った状態 → 約140mm でした。

 上記@Aから、ワッシャー追加により、無負荷重状態で約7mm前上がりになっていることがわかります。
その分をトップブリッジ上に更に飛び出るように(突き出し)調整し直しました。乗ってみた感じは.....変化はあったものの、この調整によるものか不明。
 実はほぼ同時に行ったタイヤ交換時、フロントタイヤがオーバーサイズ(110/70)であることがわかり、標準の100/80 に戻したのです。そこでも変化しているので、感覚が鋭い人でも公平な評価はムリな状態。まあ悪いことは無いと思いますが....。(2006.7更新)

 

 

フォークガード装着

 今回はフロントフォークのインナーチューブ保護のため、フォークガードを作ってみました。

 フォークOH時、ほんの少し打ち石の痕がインナーチューブにあるのに気づきました。今までこうした傷が原因でオイル漏れを起こしたことはなかったのですが、少しでも不安材料を減らしたいということで、作ってみました。

 ネット上では、他機種でほぼアウター径に近い缶スプレーの蓋を利用して作っていましたが、もう少し長さのありそうなガムボトルを使ってみました。
 これを加工してアウターに巻きつく部分まである簡易フォークガードとします。固定は両面テープ&ハーネステープで。色はスプレーの黒ですが、途中で塗料が切れたのを無理やり塗り伸ばしたので、かなり汚い....。

 装着はアンダーブラケットのフォーク固定ボルトを避けるため、若干外側に振っています。しかしフルストロークでも干渉はありません。はじめは別車種の純正流用でやろうと思っていたのですが、遠めに見れば自然なので、とりあえずこのまま行くつもり。と言って、しばらく使っていましたが、かなりくたびれてきたため、取り替えました。


純正流用品

 自作したフォークガードが、ついに寿命を迎えたため、強度のある純正品から流用を考えました。
 同じインナーチューブ径のものから探しますが、まずホンダは37mm径のものは既に絶滅しており、ちょっと調べた限りでは、フォークガードが装着されていたものもないようです。
 いろいろ確認していくと、ヤマハDS250用フォークプロテクター(品番:5JX-2331G-00)がはまりそうな感じ。早速取り寄せて、オーバーホール時に装着しました。

 初回にはめ込む際は、かなりはまりにくいです。全周にわたってゴムのハンマーで叩き込みます。片方を叩くとすぐに外れてしまい、均等にはめるのは難しかったです。一度はめると、プラスチックの輪が伸びるようで、取り外してもう一度はめる際は、もう少し楽です。あまり取り外すものでもありませんが。

 装着後、右の写真のようになりました。自作品よりも小ぶりなため、プロテクション効果はどうかと不安でしたが、ばっちりです。雨天走行でも、プロテクターの範囲は濡れた痕跡はなく、距離を走ると、他にもいろいろ汚れが付着するものですが、シールに積もる汚れも明らかに少ない感じです。

 汚れたところをストロークすると、シールの耐久性にも影響します。管理人の使い方だと、装着前は約1万5千キロで、オイル漏れが起き始めていましたが、装着後、同じ距離を走っても漏れる気配はありません。なお、インナーに傷のない場合のオイル漏れは、主にシールに汚れが挟まって起きるようで、巷で言われている「耐水ペーパーを差し込んでシールを一周こすると、漏れが直る(ことがある)」というのは、ごみが除かれるためだと思われます。

お勧めはしませんが、上記理由から、分解清掃すれば、シールの再使用は出来ます。距離を走る人なら、OH2回に1回くらいの交換で良いかもしれません。
                                                    (2009. 4 追記)



 装着状態。遠目には、もっと自然に見えます。
 不満はありませんでしたが、長年の使用により、
 よれよれとなったので、お役御免となりました。





 純正品流用。さすがに収まりが良いです。気

 持ち外側にオフセットしたのは、三又のボルト
 に干渉しないためです。

 

 

ヘッドライトのマルチリフレクター化


 スパーダの暗〜いヘッドライトの換装です。

 旧車カスタムでは定番となっているらしい、X-4用(他にも該当あり)純正ヘッドライトへ組み替えます。スパーダ純正のヘッドライトと違い、マルチリフレクターのものです。このタイプはカット入りガラスではなく、直接ランプが見えるのと、180mm外径のものしかないようなので、写真で見るよりもかなり雰囲気が変わってしまいます。完全純正派には抵抗があるかも知れませんが、管理人は実用(安全)性を取りました(写真上)。

 マルチリフレクター化の方法は、この形式のライトを採用している他機種の純正部品を流用するか、レイブリックなどリム付きの社外品を買うか、になります。いずれの場合も、ヘッドライトケースは口径が若干小さいスパーダノーマルを別のものに変更することになります。

 さて管理人はオークションにて、外径180mmのX-4用マルチリフレクターヘッドライトを入手しました。事故車のものらしく、リムに少し歪みと、それに伴う浸水のため?か錆があったので修正を行いました。ケース内部の刻印は「61301-MAZ-000 CASE HEAD LIGHT」でした。
 当然、ポン付けというわけには行かず、ヘッドライトステーの幅を広げる必要があります。具体的には、ノーマルのステーの付け根に、カラー(ワッシャー)を17枚追加し、片側を約15mm広げて対処しました。本当は中空のパイプみたいなものがいいのですが、調整もきくし安価(\8/枚)なので。ボルトは長さが足りなくなるので、30mm長の6mmステンボルト(\21/本)に入れ替え(写真中)。


 更にヘッドライトケースの左上側とスピードメーターケーブル、ヘッドライトケース上側中心部とメーターケース下部が、それぞれ干渉するので、ケース側をロウソクの火で炙り、凹ませました。表面がブツブツと少し泡立つ位にしてから、木の棒で押さえつけ成型しました。見栄えは良くないですが、組み込んでしまえばほぼ見えないところなので良しとします(写真下)。VTR250やバリオス用のヘッドライトケースなら、奥行きが小ぶりに見えるので、そのままいけるかも(あくまで写真からの憶測)。但し、配線はノーマルでも結構ギッシリなので、きつめになるかも知れません。


 細かい所では、X-4にはないため行き場を失ったポジション球は、コネクター部分で外し、防水のためビニールテープで包んでおきました。またヘッドライトケースの配線入り口がかなり左下側にずれるので、ハーネス配線に負担がかからないよう、自然に曲げ直しておきました。


 で、実際に走ってみると、明らかに視認性が良くなっています。昼間はそれほど恩恵が無いですが、夜間走行が激変。路面が良く見え、とても安心になりました。コストはそれなりにかかってしまいますが、効果はかなりのものです。光がバラけてしまう一つ眼CBR600F(ノーマル)よりも、ずっと明るくなりました。
                                       (2006.7)

 この後、更にリレー回路(下記)を組みました。
 

 装着後と、ノーマルとの比較。リムの色も
 違うので、別の車種のように見えます。


 大径ライトになるので、15mm程スペーサー
 が必要。左のスピードメーターケーブルが
 干渉するのでライトケースを凹ませます。

 写真右側の干渉部分を凹ませます。装着
 時、上部に当る部分も要加工(手前側)。

 

 

ヘッドライトリレー

 スパーダのヘッドライトに、自作の強化配線リレーを追加します。

 バッテリーから直に配線を取り、ヘッドライトを明るくするものです。ハイ・ロー両方に対応した市販品がありますが、それなりに高価です。そこで、常用するロー側だけに配線を組んでみました。既にマルチリフレクターヘッドライトの効果もあり、もう充分以上といった感じです。

用意するもの
 リレー(エーモン工業、ITEM No.1244) \1,344
 平型ヒューズホルダー(エーモン工業、ITEM E432) \210
 コネクター端子(I・T・O、凸型大・凹型大) 各\315(20本入)
 H4ライト用平型端子(DAYTONA No.7) \1,860(30セット、うちメス2個使用)
 電線(1.25スケア、\420/4m巻き)
 コルゲートチューブ(潟Gスケイ工機、KC10) \147

 リレーはDC12Vで、最大360W(30A)まで耐える4極リレーです。元ネタのモトメンテナンス誌に載っていたREV'Sブランドのリレーの方が、小さいようです。なおエーモンの商品カタログ(HPは「くるま@達人道場」)には、電工ペンチの使い方とか丁寧に書いてあるので、管理人のような初心者には助かります。

 実際の配線は、バッテリーのプラスから取り出した配線に、安全回路としてヒューズを組み込み、そこからリレーの電源供給部に入れます。リレーからはヘッドライトへ繋がる線を、(今回は)純正ヘッドライトコネクタのロー側に繋ぎます。ヘッドライトの純正アース線が入るところには、バッテリーのマイナスから新たに引いた線を直結します。
 で、もともと純正コネクタのロー側に入っていた線(白)を、リレーの起動配線()に繋ぎ、同様に純正アース線()をリレーのアース線に繋いでやると、純正配線がローを点灯する状態になっている時だけ、リレーのスイッチが入り、バッテリー直結側の配線(リレーの)に電気が流れる(実際に点灯する)という仕組みです。

 なお今回は、以前に施工したアース線を含め、ハーネスとして一体になるように作ってみました。ハーネステープというべとつかないビニールテープを使用して、純正配線っぽく仕上げました。

 作業結果
 既にマルチリフレクター化してかなり明るいので、走行時の体感的には若干の光度上昇という感じでしたが、目の前に車が停車していたりすると反射を直視できない位、眩しくなったため、かなり効果はあるようです。CBRにもつけました

                                             (2006.11)

 必要部品一式。プラス側配線に取り付ける
 ヒューズホルダ、電線、コネクタ端子、リレー。



 リレー配線の赤にバッテリーのプラス
 (ヒューズ有り)側を入力、黄からヘッド
 ライトローへ。青にディマースイッチか
 らの純正ロー配線を入れ、黒から純正
 アース(緑)線に繋ぎます。

 

 

プラグケーブル交換

 プラグケーブルの張り替えをします。
 今回はキジマシリコンコード(赤、品番304-401R \1,365/m)を使用。ノーマルの雰囲気で作りたかったので、赤にしました。製品は1mパッケージですが、スパーダのケーブルは前後合わせて約90センチなので、余裕を持たせて1台分が作れます。

 配線はコイル側は一般的なねじ込み式、プラグキャップ側は、金具をハンダ付けしてある変わった形式です。まずこの金具を、再使用するため純正ケーブルから外します。
 純正の分解方法は、マイナスドライバでプラグキャップ内の金具を外し、抵抗と一緒に抜き取ります。ハイテンションコードをプラグ装着側に引き出すと、コードに取り付けられた金具が出てきます。これは中心に穴の開いた円盤状の金具で、芯線を通して広げた後、ハンダ付けされ(ハンダで半球状に盛り上げ)ています。
 そこで、ハンダを熱して吸い取り線などで大まかに取り除き、残りはカッターナイフで削ります。この金具を取ると、プラグキャップからコードを抜けます。
 コイル側は、単純にねじ式のケーブルキャップを外せば、コードも外せます。

 最初にノーマルケーブルを引き抜き、コイル側はケーブルに抜け止めの出っ張り部分と、さらに密閉用リングもあるので、外すときに注意します。

 新ケーブルの先端に金具を通して、純正形状と同じになるようにハンダ付け・ヤスリがけしました(こんな感じ)。エンジンの熱で溶けたりはしないでしょう、多分。
 コイル側はノーマルの固定方法と同じようにするために、ホットメルト(グルーガン)を使い、固定のための出っ張りをケーブルに作ります。あらかじめリングとコイル側キャップ、プラグキャップを通しておくのをお忘れなく。金具のハンダ付けは、ケーブルをプラグキャップに通した後にした方が楽です。あとは元通りに組み上げるだけです。

 なおケーブルの脱着は、コイル車載のまま行えました。ただしフロント側のプラグケーブルは、エアクリーナーボックスの上半分(プラスチック部分)を取り外さないと、通すことはできないと思います。

 効果
 とりあえず近所を乗ってみると、排気音がはっきり力強くなりました。無交換の純正ケーブルは相当劣化しているはず。またケーブルだけでなく、金具に緑青が発生していれば、かなりの電気損失です。
 アクセルの開け具合は確実に少なくなっていますが、これが燃費に違いが出るかどうかは、後日確認してみます。
                                                (2008. 7)



上が新しい社外ケーブル、真ん中が硬化した
純正ケーブル。コイル側ねじ式キャップ内に
リングがついているので、これもお忘れなく。



プラグキャップの内部構成。プラグに接する
金具と、ゴム?部品の付いた抵抗入り。
この金具が錆びていれば、要注意です。

 

 

スクリーン作成
 スパーダ用に、ウィンドスクリーン(風防)を作ることにしました。
社外品は高いので、お手軽にホームセンターで材料を調達。あとは根気で.....。

 用意したもの
   アクリル版(アクリサンデー梶A\1,344)
   スクリーンステー(デイトナ、品番29883 \3,150)
   ネジ(M5×10mm、値段忘れた) 4組使用
   丸座金(プラスチック製約10枚入、\147) うち4枚使用

 ドゥカティ・モンスターのような、滑らかな曲線の奴が格好良いですが、造形技量&ローコスト路線を考えると無理。そこでシンプルに3面のスクリーンを考えました。メーターバイザーよりは長くして、高い防風性を狙います。

 加工
 まず型紙作り。例によって現物合わせで大まかに外形を決め、この時点で購入する素材の大きさも確定。今回はアクリサンデー 320×550×2mm アクリル板です。素材が三菱レイヨン製で、厚み1.5ミリ以下のものは常温で曲がりますが、2ミリだとかなり頑丈です。傷をつけないように、保護紙を剥がさず曲げ加工しました。
 ペットボトル素材と同じものは、熱湯を掛けると簡単に曲がりますが、アクリルは無理でした。結局、曲げる線の所を合板で挟み込み、ロウソクで炙って曲げました(写真上)。それほど歪みも出ず、綺麗に出来ました。合板を炙るくらいのつもりでやった方が、きちんと一直線に曲がります。
 折り曲げ成型後、予め決めた形通りに線を引き、Pカッターで何回も線上をけがきます。本来、Pカッターはプラスチック版に「直線の」溝を掘り、折り取るためのものですが、曲線もできました。但し気をつけないと、余計なところまで引っかいてしまうので、はじめに何回か軽く線をなぞって溝を掘り、刃先が安定したところで更に力を加える必要があります。電熱線工具があれば、もっと能率よくできるはず。

 問題になるのが固定方法です。立派なステーを作ろうと思うとコストも掛かる上、いい加減なものでは脱落の危険もあります。そこで今回使用したのが、デイトナのスクリーン(ブラストバリアー)用ステーセット。これで装着すれば、仮にこのスクリーンが使用に耐えなくても、デイトナ製スクリーンを入れればOKという、非常に弱気な理由からです。ちなみにこのステーは「CB400SF/V-S(-98)他」用。市販品用なので、さすがに頑丈です(写真中)。
 車体側はヘッドライト固定ボルトで共締めし、スクリーン側の固定部分はストレス分散のため表(プラスネジ)側にプラスチックワッシャーを挟みました。また、見栄えを少しでも良くしようと、スクリーンのメーター前部に当る部分をスプレー塗装し仕上げました(写真下)。

 結果
 気になる効果の方は、高速は走っていませんが、60km〜で風が少なく感じます。はじめヘルメットの風切り音が大きく聞こえましたが、肩の辺りに当る風がなくなった分、相対的にうるさく感じたようです。風が激しく当ってこないのでスピード感が少し無くなり、フルカウル車の感覚に近づきました。なので一般道でもそれなりに効果ありです。長距離走ると大分違うと思います。
                                        (2007. 1)


 折り曲げるところで合板で挟み、ロウソクで
 炙りました。ススは、簡単に落ちます。


 使用したデイトナ製スクリーンステー。

 装着状態。防風効果は意外とあります。

 

 

カウルセッティングボルト


 リヤカウルのセッティングボルト交換です。
 この時代のホンダのバイクは、ボルトの頭にプラス(ドライバー)を使っているものがちょこちょこありますが、スパーダのリヤカウルのボルトもそのひとつ。こうした頻繁に付け外しをしないボルトは、固着している(というと大げさだが外しにくい)ことが多いですね。固着したプラスの頭をはずそうとすると、写真の左側のようになります。。。

 そこで、最近のバイクに使われている、六角レンチ仕様のボルトに交換しました。これなら多少きつくしまっていても、工具をきちんとセットして使えば、なめる心配は少ないです。
 CBR600Fのカウルセッティングボルトをあてがうと、カウルにはまる軸がぴったり同じ大きさ(写真)で、そのまま装着できたので、交換しました。見た目には、カウルのへこみよりかなり小さめのボルトの頭になるので、これを許せるかどうかで評価が分かれると思いますが....。

 CBR600Fのボルト品番は、90106-KCZ-000(スクリュー、スペシャル6mm)です。
                                                (2007. 11)

 頭の崩れかけたプラスボルトと、六角ボルト。

 

 

 

日常メンテナンス

 リヤサスペンションリンク清掃
 
 
  写真は、水戸工業製2連ジャッキです。
 
 ここまで外すと、リンク周りの分解は楽勝です。
 
  プレート上部に取付指示の文字があります。
 
  装着完了!ちなみにこのチェーンのお手入れ
  は全く意味ないっすね(某バイク屋の納車整備)。
 時折、共振するような異音が出るため、リヤサスペンション周りの手入れをします。

 用意するもの
  対応する大きさのヘックス(ソケット式が良い)、ソケット、トルクレンチ、エクステンションなどの工具。
  ジャッキ。車の車載用のようなヤツより、今回使った二連ジャッキの方が楽です。
  中性洗剤とブラシ類、耐水ペーパー(面取りだけなら400番くらいでOK)、真鍮ブラシ、金属磨き(ピカール等)。


 まず、ジャッキアップです。どこに当てるかかなり悩みましたが、ステップの付け根をジャッキアップポイントにしました(ちなみにエンジン下部を持ち上げると、前輪が上がってしまいます)。そのままだと不安定なので、車体を直立状態にしてから、ブレーキレバーを紐で縛って、フロントブレーキをかけた状態にしました(写真最上段)。このジャッキは水戸工業製で\19,800です。ジャッキアップの継ぎ手を二段階に調節できます。

 いよいよ分解です。リヤサスだけ外すのは厄介なので、後輪も外します。この方が早道だと思います。ブレーキキャリパーは車体に紐で吊り、ドライブチェーンはスイングアームに引っ掛けておきます(写真中上段)。


 リンクプレートを留めている右側のボルトを緩め、ばらします。今回、時間がないのでリヤサス上部は何もしませんでした。こちらは次回分解時にレポートします。各ベアリングにはカラーがはめ込んでありますが、これが手ではなかなか取れませんでした。ヘックスソケットに、エクステンションを付け、軽く叩き出しました。一部カラーが錆び付いていました。

 外した部品を清掃します。固着した汚れは真鍮ブラシでこすると楽に取れます。
 よく見ると、リンクプレートがロッドと擦れていました(写真中下段)。

 各パーツの面取りをペーパーで行い、擦れていたところは特に念入りに磨き上げました。
 ベアリング部分はパーツクリーナーでコケ色になった古いグリスを洗い流し、新たにモリブデングリスを塗り込みました。カラーにもグリスを塗り伸ばしてから組み込み、組み付けるボルトにもグリスを塗っておきましょう。
 摺動はカラーが担うということなのか、(恐らく新車時からばらされていなかったであろう)ボルトには、何も塗ってありませんでした。しかし、荷重がかかることに変わりはないので、グリスを塗った方が良いでしょう。固着防止にもなります(注意:リンク部分へは、耐水性がないモリブデングリスよりも、ウレアグリスが推奨されるようです)。

 組み付け後(写真最下段)。明らかに動きが良くなりました。しかし乗り心地はさほど変わらず、街中を走るだけでははっきり言ってわかりませんでした。倒し込みが安心してできるようになった気もしますが、乗り慣れたせいかも知れません。
 なお、一番気がかりな異音は収まりませんでした。どうやらピボット部分をばらさないと直らないようです。ここは、特殊工具が要りますね.....。


 規定トルク
    リヤアクスルナット                 9.0kgfm
    リヤクッションロア(アッパ)マウントボルト  5.0kgfm
    クッションコンロッドボルト            5.0kgfm

   ボルト名称は端折っていますが、要はリンク周りはすべて5.0kgfmです。
   なお、クッションアームプレート(写真左上の穴あき三角形のプレート)には、
   「←F KY6」の文字があり、矢印の方の穴が、リヤサスペンション下部の取付用です。

 

 

 フロントフォークのオーバーホール


 全バラ状態。右から左へ、@フォークボルト Aカラー Bワッシャ Cスプリング Dフォークパイプ(インナーチューブ。パイプブッシュ付) Eピストンシール Fフォークピストン(リバウンドスプリング付) Gオイルロックピース Hダストシール Iストップリング Jオイルシール Kバックアップリング Lスライダブッシュ Mフォークスライダ(アウターチューブ)。上記以外に、FとMをアウター下部で連結するボルト(フォークソケットボルト。ワッシャ付)があります。


アウターチューブです。左が分解してちょっと拭いた後。右が洗浄して磨いた後。ちょっと汚れが残っていますが、摺動部分ではないのでよしとします。


あたっていた部品も磨き込みました。スプリングはいずれ社外品に交換するかも知れませんが、一応、磨いておきました。


今回手配した部品。スライドメタル(左、51415-MN4-003 \1,008/2個)と、シールセット(右、51490-KAZ-003, \2,646/2Set)。価格は2004年2月現在、NAPS世田谷店にて発注(在庫はなし)。
 ブレーキング時に、フロントが「ズボッ」と沈んでしまうため、オーバーホールに挑戦しました。
 工具や手順の準備さえしっかりしておけば、割と楽にできるかな?やり方は以下の通りです。

 必要な道具
  レンチ類(12,14mm および六角ボルト用 6,8,17mm)、トルクレンチ、ジャッキ、
  メスシリンダー(フォークオイル計量のため)、注射器とシリコンチューブ(無くても可)、
  万力(無くても可)、あとオイルシール打ち込み用に、スライドハンマー(特殊工具。代替品
  として塩ビパイプとハンマー)を用意します。

 分解手順
 まず、ジャッキアップしてフロントをばらします。
ハンドル取付ボルト、トップブリッジ割締ボルト(ワイヤー類を外さないなら、ブレーキ側は12mmメガネレンチが必要)を緩めた後、17mm六角レンチでトップキャップを緩めます。外す必要はありません。六角レンチは長ナット(\90位)で代用しました。あとはどんどん外してしまいましょう。ブレーキキャリパ、ハンドルは紐などで固定しておきます。

 トップキャップを外して、オイルを排出します。ストロークさせて、なるべく全部出しておきます。もとは赤いオイルは.....白濁して、古い油粘土のような臭いを発していました。底部のボルトは、本職はインパクトで外すようですが、そんなものはないのでトップキャップをつけ、ばねのテンションを掛けて外します。こうすると中のパーツ(フォークピストン)が空回りしません。急がば回れ、です。

 ダストシールを外すと、オイルシールが見えます。これをとめているストップリング(Cクリップ状のもの)を、ドライバなどでこじって外します。アウターチューブに沿わせてドライバを滑らせると、インナーチューブを傷つけず、楽に取れます。あとはアウターとインナーを引っ張り(私はカツンカツンと、勢いをつけて何度か叩いて出しました。良くないかも。)、完全に分解します。インナーチューブの下端についているパイプブッシュは、交換時のみ外すので、そのままにしておきます。新品を調達しておいたのですが、コーティングも綺麗なままでした。結構、丈夫みたいです。

 バックアップリングと、ダストシールの鉄芯は真っ赤に錆びていました。ダストシールがひび割れていたため、雨が浸入したのでしょう。オイルが白濁していたのもこのせいか?

 部品チェック等
 外した部品は、綺麗に清掃しておきます。これが一番大変かも知れません。今回は錆び落とし後、全ての部品を中性洗剤で洗って拭き上げた後、インナーチューブ下端など水気を取りきれない所のみ、パーツクリーナーで水分を飛ばしました。なお、オイルロックピース上端、スプリング外周など、必要なところを耐水ペーパーで磨きました。始め800番、仕上げに1000番くらいで磨くと良いです。最後にピカールで磨き上げました。

  マニュアルによる部品のチェック項目は、
    スプリング自由長 341.3mm 横にして自重で縮まないように測定。長期保管車では、
                        長さが規定値であってもへたっている可能性あり。
    バックアップリング        内側が、斜めに削れたりしていないか(エッジが立ってい
                        るか)を確認する。
    スライダーブッシュ        アウターにつく方は内側、インナーにつく方は外側にある
                        テフロンコーティングが、しっかりついていることを確認。
    ピストンシール          新品は合口の隙間が開いていて張力あり。

 組み立て
 いよいよ組み立てです。ダンパーシリンダーをインナーチューブに入れます。下からダンパーの顔が出たら、オイルロックピースを嵌めます。そのままアウターチューブと合体させましょう。ボルトでダンパーをアウターチューブに固定します。これが最もナメやすいボルトだと思います。長い六角レンチを使うので、慎重に作業しましょう。私は、アウターチューブに布を巻き、万力で固定してから作業しました。正直、それでもナメかけたので(反対側は分解前からなっていた)、次回は新品を手配する予定。

 あとは上からスライダブッシュ、バックアップリングを入れます。オイルシールのリップを保護するため、インナーチューブ上端に薄いビニールを被せ、グリスを塗ったオイルシールを嵌め込みます(メーカー刻印が上)。このままだとスライダブッシュなどもはまっていないので、上から塩ビパイプ(1mで\200位)をあてがい、ハンマーでオイルシール外周を均等に叩いて、ストップリングを止める溝が完全に見えるまで打ち込みます。その後、ストップリング、ダストシールを装着します。

 オイルは値段の安さからカワサキの10番を使用(1L入りでKawasaki \1,300、Honda \2,500位?)。同じ番手でもメーカー毎に粘度が多少異なり、カワサキのはホンダ純正より柔らかめのようです。

 後で調整するのが嫌なら、しっかり計量して入れましょう(371cc)。それから最も縮めた状態で(スプリングなどは入れない)、インナーチューブ上端から油面までの距離を測ります。スパーダは 103mmです。ここで多めに入っているオイルを注射器で吸い出します。

 あとは基本的に分解の逆です。なお、スプリングは直径の小さい方巻きの密な方が下です。

 規定トルク

 フォークボルト(トップキャップ)  2.3kgfm
 フォークソケットボルト      2.0kgfm(ねじロック使用)

 トップブリッジ割締ボルト    2.3kgfm
 ボトムブリッジ割締ボルト    3.5kgfm
 ハンドル割締ボルト       1.2kgfm

 

 

 マスターシリンダーのオーバーホール


 意外と綺麗だったマスターシリンダー内部。
 但しスナップリングは固着気味でした。



 マスターシリンダーのインナーキット一式。
 カップシールをピストンに装着しなければいけません。



 で、このようにボールペンキャップが大活躍。
 シールとキャップには潤滑剤をつけました。

 マスターシリンダーの分解整備です。現在の車両は15年選手くらいなので、いい加減手を入れないといけないでしょう。手に入れた当初から、違和感が気になっていたのですが、ようやく実施しました。

 具体的には力を入れてレバーを握っていくと、ちょうど消しゴムを滑らせたときのような、ズズズ...という微妙な抵抗を感じていました。症状から、ゴム部品だけ換えればよさそう....と思ったのですが、単体では部品が出ないようなので、マスターの内部部品セットを購入。


 必要な道具
  レンチ類およびプラス・マイナスドライバ
  フルード受け(ペットボトルで十分)、ブレーキフルード
  スナップリングプライヤー、
  シールインストーラ(ボールペンのキャップ加工で可)が必須。

 用意した部品は、
  マスターシリンダーセット(45530-MN9-305 \1,880)
  オイルボルトワッシャー(90545-300-000 \140/個)


 作業手順
 今回はキャリパーを車載のままにしておくため、フルードを少し抜いてから、マスターシリンダーとブレーキホースの連結を外してしまいました。長年使用したマスターは、スナップリングが固着気味で、しっかりしたプライヤでないと外れないようです。
 部品を外したら、ひたすら洗浄します。フルードが固まっているようなことも無く、割と綺麗でした(写真上)。しかしラバー部分は硬くなっていたようです。こんな感じ(上新品、下使用済)。

 洗浄後、部品を組み付けますが、ピストンにラバーカップ(シール)をはめ込まないといけません。そのままでは入らないと思うので、ちょうどいい大きさのボールペンのキャップを用意して、ポケットに引っ掛けたりするときに使う出っ張りの部分を削り、簡易インストーラにしました(写真下)。シール装着時には、両方に潤滑剤のメタルラバーを塗りました。

 無事、部品が収まったところで、ピストンなどをフルードに漬けて、気泡がまとわり付かないようにしておきます。シール部分にシリコングリスを塗り、元通りに(当然、部品は新品)組み付けました。ブレーキホースは規定トルクで取り付けます(3.5kgfm)。

 あとはエア抜きですが、マスターシリンダーの内部には透明部品が付いていて、どこに気泡があるのか見えて、出てくるように角度の調整がし易かったです。


 作業結果
 当然、違和感も無くなり、安心して「ギュウッ」と握り込んでいけるブレーキになりました。
                                               (2006.10)

 

 

 キャブレターの同調
 今回使用の道具一式。測定値の絶対精度は無いと
 思いますが、同一ゲージなので誤差を考えなくて
 いいのが良いです。


 接続はタイラップ留め。上は弁を完全に開いた状態。

 上が前バンク。ここのプラスねじを外す時、ワッシャ
 脱落に注意しましょう。下はホースが固着した後バ
 ンク側。こちらは計測用チューブを直結します。


 今回は、キャブレターの調整を行います。
 一応、快調なのですが、どのくらいずれているのか興味本位で.....。何万円もするゲージ(四連)を買う気は無いけれども、単品ゲージでキャブの数だけ切り替えて測定する方法があるのを知って、真似てみようと思ったわけです。

 用意するもの
 バキュームゲージ  アストロプロダクツ(AP)製負圧・燃圧テストゲージ(\1,380)。
 分岐バルブ      コトブキ工芸叶サ。分岐二方(K-09 \260)。
 ジョイント、ホース  コトブキ工芸叶サ。(プラスチック製ジョイントK-11 \80/個 、
              ホース2m K-41 \120/1p)
 チューブクランプ   AP製の二個セットで \596。

  ほかに、タイラップをホースが抜けないように固定するため使用。
  コトブキ工芸鰍フ製品は、ペット売り場で観賞魚(エアポンプ)用として
  売られているものです。

 分岐チューブの作成
 まず下準備です。分岐ホースを作ります。ゲージ、分岐バルブ、キャブと繋がるので、ホースをその順番につなぎます。抜けないよう、タイラップで留めました(写真中)。これを2セット作れば、4気筒にも対応できます。バキュームゲージ接続部はかなり太いため、用意したホース(透明なほう)は入りませんでした。そこでプラジョイントを使い、ゲージに付属のホースを短く切ったものを使って、ゲージ、付属ホース、ジョイント、ホースの順に繋げました。


 実作業
 スパーダのキャブ前バンクは、負圧取り出し口がねじ込み式のジョイントなので、プラスチックジョイントを削った上、二次空気を吸わないようゴムパッキンを作りました。測定は押さえつけながらやればOK。エンジンが掛かっているときは吸入負圧で、勝手に吸い付いてくれます。後からわかったのですが、このプラスチックはちょっと使用した(ガソリンが付いた)だけで糸を引くような感じで溶けかけていました。あまり何度も使用できないようです。

 後バンクの方は、ガソリンコックの負圧チューブに接続されているため、それを外してバキュームゲージのホースを繋ぎます。調整中はアイドリングさせなければいけないため、負圧コックが開くように負圧チューブに注射器をセットして引っ張り負圧を発生させた状態で、チューブクランプで留めておきます。このクランプは留める部分が丸みを帯びており、ホースを痛めません。

 準備が整ったところで測定に入ります。分岐弁の測定する側のみ開いて、ゲージの針を安定させるため、測定時は分岐弁を45度くらいに閉じた状態にします。分岐弁が完全に通る状態だと、負圧計の針が激しく振れてしまい、全く読めないです。

 測定手順(暖気済みで)
    @スロットルストップスクリュで、アイドリング回転数を
      規定値に調整(1,300±100rpm)
    A各シリンダ間の負圧差を測定する(40mmHg以下)
    Bパイロットスクリュが標準戻し回転数であることを確認(2と1/4回転戻し)
    Cフロントシリンダ用同調アジャストスクリュを調整

 スロットルストップスクリュは、乗車した状態で言うと車体左側、アクセルワイヤーで回転するプレートの開度を調整できる、プラスチックの頭が付いたネジです。同調アジャストスクリュは、車体右側のちょうど同じ所(もう一方のキャブのアクセルとリンクして動くプレート)の開度を調整するものです。同調の取れたところで、アイドリングが少々上がりました。再度スロットルストップスクリューでアイドリング回転数を調整し、同調は終了です。


 作業結果
 作業後、試走を行います。あまりずれていなかったので、走行感は変わらず。アイドリングは、軽やかになりました。普通に走る分には問題なかったのですが、若干ずれがあったようです。

 

 

 タペット調整
 

  ヘッドカバーを外した後バンク側。こちらは調整しやすい
  です。シックネスゲージは長い方が使いやすいでしょう。
  写真下側にカムとアジャストスクリュ、上側にカムチェー
  ンが見えます。



  カムスプロケットには、水平位置のけがき線が見やすい
  ところにあります。前バンク側は十分な隙間がないため、
  このけがき線すら確認しづらかったです。



  ウォーターポンプのドレンボルト。これを外せばOKでした。



  ラジエーター(ホースの連結)を外したところ。こうすると
  楽に調整作業が出来ます(というか正規の整備手順です)。
 特にエンジン始動直後にカチカチ音が気になるため、タペット調整をしてみました。

 用意するもの
  シックネスゲージ(隙間ゲージ)、8,10,14mmレンチ、マイナスドライバなど。
  液体ガスケットもあればより良いかと。調整は冷間時(35℃以下)に行います

 実作業
 まず、タンクを外します。これはボルトを外してから、コックに繋がっているガソリンホースとバキュームチューブを外します。

 今回使用したシックネスゲージでは、厚みが0.09+0.10の組み合わせで使用しました。
バルブを押している部分に横からググッと差し込み、すっと先端を引き抜く感じで使用します。チェーンの張り調整と同じで、張り過ぎ(きつめ)の方が良くないそうです。なので、サービスマニュアル(以下SM)の最大値である 0.19mm に近づくように調整しました。スパーダは、吸気・排気側ともに同一です。

 まず後バンクから。フレームから、ガソリンコック直下のプラスチック受けを外し、コード類を紐で束ねてフレームなどにくくりつけます。シリンダヘッドカバーのボルトを緩め、カバーを外します(写真上)。こちらは上側にも十分なスペースがあるので、調整はラクです。
 調整は、クランクを回して上死点に合わせます。エンジン右側のタイミングホールキャップ(ソケットが掛かるようになっています)を外してから、ソケットにエクステンションを挿して、中にあるボルトの頭を時計回りに回します。プラグを外しておくと抵抗が少ないようです。

  1.タイミングホールの上側切り欠きと、穴の中の「T1」マークを合わせる
  2.カムスプロケットけがき線(写真下)がシリンダヘッド上面と水平であることを確認
  3.シリンダが圧縮上死点であることを確認

 3は、カムシャフトの刻印が上面に来て、カムスプロケットの水平線が水平になったところですが、シックネスゲージが全く入らないくらいの時は、もう1回転させると圧縮上死点になるようです。調整はシックネスゲージを挿したままアジャストスクリューの頭をマイナスドライバで押さえつつ、メガネレンチでロックナットを締め付けます。

 前バンクは、厄介です。今回、冷却水を抜くのが面倒だった(手抜きです)ので、ラジエータをずらして調整を試みましたが、ヘッドカバーがフレーム内から抜き取れませんでした。そのカバーを浮かせるように保持しつつ、隙間からシックネスゲージを差し込みました。幸い規定値内だったので、今回は調整をパスしましたが、もし調整まで行うなら、このやり方では無理です(→ 後日調整しました)。
 一応SMに沿って手順を書くと、
  1.リヤを測定した状態から、クランクを時計回りに450度回転させる
  2.タイミングホールで切り欠きと「T2」マークが合っていることを確認
 その後に調整、といった感じです。

 規定値
    タペット(バルブ)隙間(IN/EX)     0.15〜0.19mm
    シリンダヘッドカバーボルト        1.0kgfm


タペット調整(前バンク)
 前回、調整しなかった前バンクの調整を行いました。
前回調整時はほぼ規定値内だったのですが、やはりずれてきたようで、アイドリングが怪しくなっていました。それをアイドリングを上げてしばらくごまかしていましたが、やはりかなり不安定になって違和感が出てきたため、今回の調整と相成りました。

 実作業
 ラジエーターを外し(ずらして)行います。まずラジエーターキャップを外します。キャップには固定用のプラスネジがあり、それを緩めないと回らないので注意。次に受け皿を用意してから、ウォーターポンプのドレンボルトを取って冷却水を抜きます。マニュアルだとシリンダ下部のドレンも外すようにありますが、ポンプ部分だけでかなり抜けました。ラジエーターを外すだけならこれで十分です。
 その後、写真のようにホースクランプを緩めてホースの連結の片側を外します。予めラジエーターを固定している3本のボルト(左右、上部中央)を外しておいたほうがスムーズです。あと、ラジエーターファンのケーブルコネクタを外さなければならないので注意します。
 写真で見ると僅かな隙間に見えますが、これでも十分調整は出来ます。

 調整前に前バンクの前部の隙間を調べてみると、狂っていたのは吸気側で、ロックナットがかなりきつく締めこまれた状態になっていました。緩くなるのかと思っていたので意外。今回は、0.15のゲージで少し緩めに調整してみました。

 調整結果
 アイドリングがぴたっと安定して、こんなにも違うものかと、改めて驚きます。前バンクの吸気側(片側)が、ほんの少しずれていただけなのですが....。プラグ交換時期とほぼ同一周期で調整しなければならないことになってるのだから、もうちょっとやりやすいと良いんですけどね。(2005.7更新)

  

 

 クーラント交換
 

  ホルツのロングライフクーラント(LLC)。
  2Liter入りの原液を薄めるタイプ。


  ウォーターポンプのドレンボルト。結構勢い良く出ます。


  添加剤の効果の検証。右がクーラントのみ、
  左が添加剤入りの、それぞれ良く振った直後。
  更にしばらく経過した後はこんな感じ
 夏場に乗車していて、エンジンから妙に熱気がきてパワーが感じれられないような気がしたため、冷却水を交換してみることに。ついでにラジエーターの洗浄も行いました。

 用意するもの
  10mmレンチ、プラスドライバ、清掃用にブラシ、
  リザーバータンクからの抜き取り用に注射器を使用。
  当然、新品クーラント( Holts Long Life Coolant95 2000ml入り)も。

  今回は冷却系等の洗浄と、添加剤も入れるので以下の二つ。
  ラジエーター洗浄剤(WAKO'S ラジエーターフラッシュ 500ml入り)
  クーラント添加剤(WAKO'S クーラントブースター 300ml入り)

 実作業
 先に洗浄を行うので、冷却水を抜く前に、ラジエーター洗浄剤を投入します。まず、ラジエーターキャップを外します。これはゆるみ止めのプラスネジを緩めてから、普通に左にひねると外れます。
 規定量の洗浄剤を入れ、アイドリングしてから排水し、更に冷却水路を水洗いします。ラジエーターキャップが外してあると、ドレンからかなりの勢いで排水されるので注意します。なお廃液は有害なのでそのまま捨てないようします

 リザーバータンクは、シートを外し、左側のシートカウルを外すと、顔を出します。キャップを取り、クーラントを、ホースを繋いだ注射器で受け容器に移します。最初だけ手動で吸い出して、タンクより低い位置で注射器のピストンを抜き、サイフォンの原理を利用して全て抜き取りました。

 今回使用したクーラントは、原液を水で薄めて使うタイプです。クーラントは濃度が高い方が、より凍結しにくくなりますが、冷却効率は濃度が薄い方が良いと何かで呼んだ記憶があるので、最も薄い指定の30%濃度で希釈しました。これでも-16度まで凍結しません。で、更に添加剤を規定量混ぜてから、車体に注入しました。



 使用量
    クーラント全容量      1.4L
    リザーバータンク容量   0.3L


 添加剤の効果は?
 今回は添加剤を使用するので、前もってその効果を見てみようということで、実験です。
実際に使用する濃度の30%クーラント、添加剤を添加したもの、未添加のものを別々のペットボトルに入れ、消泡効果を見てみます。
 2本のペットボトルを同時に20秒ほど振って泡立たせた後、それぞれどうなるか見てみました。

 未添加のもの(写真右側)
  普通の水と同じような泡立ち方。添加したものより泡立ちが少ないように見える。但し、泡は大きめで、消えるまでに結構時間がかかった。水滴は普通にコロコロした感じ。

 添加剤入りのもの(写真左側)
  一見するとよく泡立っている。但し、大きな泡は出来ず、細かい泡が全て上に集まり、クーラント内に混入する感じは無い。炭酸水のようなシュワーという音がして、すぐに泡が消える。たらしてみてもコロコロした水滴は出来ず、表面張力が低くなっているような感じ。

 と、明らかに性質の違いが見て取れました。実際の性能にどれだけ影響があるかは、スパーダでは確認できるだけの変化が見られませんでしたが、CBR600Fでは効果が見られました。CBRは街乗りなら冬場であっても信号待ちでほぼ常にファンが回りますが、添加剤を入れると、涼しく感じる季節ではファンの回る頻度が目に見えて減りました。冷却効率の点で、それなりに効果があるようです。
                                                (2007. 10 追記)

 

 

レギュレーター放熱対策


 熱に弱いレギュレーターの放熱強化です。

 VTの古い型では、明らかに放熱性に問題のある機種があるようですが、スパーダはシートを支える大きな部品にレギュレーターを密着させてあり、そこそこ問題は少ないようです。しかし安心のため、対策をとります。

 対策といっても種を明かせばシリコングリスを塗るだけ。ヒントはパソコンのCPU(集積回路)にヒートシンク(放熱板)を設置する際、CPUとヒートシンクの間に隙間が出来ないよう、シリコングリスを塗りつけること。同じ熱伝導方式で放熱するレギュレーターにもやってみたわけです。ネット上ではレギュレーターの接触する部品(サブプレート)側を、砥石で面だししている人もいます(こちら)。ただし、取り付ける側のレギュレーター側の平面度も??なので、グリスで隙間を埋めるのでも違いは無かろうと判断しました。しっかり研ぐには時間もかかるし。

 作業としては、レギュレーターを外し、グリスを塗ってから取り付けるだけ。
 まずシートを外し、左側リヤカウルを外します。前側のグロメット(カウル支持部の刺さっていたゴムの所)の裏側に、レギュレーターがあるので、このサブプレート自体を外す必要があります。
 フレーム側のヘックスボルト、シートステイ側のボルトを外せば、サブプレートがフリーになります。レギュレーターのコネクターを外し、プレートをひっくり返してレギュレーターの固定ボルトを外します。
 注意点は、グリスはあくまでも「隙間」を埋めるためのものなので、極力薄く、薄〜く塗ること。厚塗りは放熱のためには逆効果です。

 作業後は、特に問題が出ていたわけでもないので当然何の変化もなく、効果のほどは確認のしようがありません。あくまで保険(気休め)ですから。あと、せっかくプレートを外すので、レギュレーターに接続されるコネクタに、ビニールテープ等で防水処理を施したほうが良いと思います。意外と雨が強いときはこの辺もばっちり水を浴びているので、念には念を入れたほうがいいでしょう(水のせいとは限らないが先のHPにトラブル例あり)。

 なお、レギュレーター自体も熱対策の強化されたもの(冷却フィン付き、品番 31600-MV4-010) があります。
どうやらそのモデルの初期には熱に弱いフィンなし(安い?)を使い、設備の元が取れる後期モデルあたりに対策品に変えているような感じ。CBR600Fも同様でした。メーカーは他でコスト削減をしておくれ。
                                                      (2007.11追記)



 

 

 シート張替え 




 タッカーと合皮。左は表面のアップ。天然革っぽいでしょ?

 シートベースとウレタン。ウレタンは加工することを検討した
 ため前後にカットしていますが、貼り直しだけなら不要です。


 シート表皮の加工。前だけ合わせて、あとは現物合わせ。

 上は前後のみ留めた状態。下は完成後。新品並です。
 ビフォー・アフターですが、写真の合成は下手ですね。


 上が片側のみ縫った状態。下は穴あけ後。
 この後、金具をはめてカシメます。
 シートが一部破れており、革もかなり硬化しているため、張り替えることにしました。シートの張替えが日常メンテか?とも思いますが、簡単だから、許してね。

 必要な道具
  レンチ(10mm)、ホッチキス(タッカー)、合成皮革、ビニールシート、合成ゴム用ボンド、
  紙やすり、カッター、ラジオペンチ、くぎ抜き(無くても可)、位でしょう。

 合成皮革について。一般的なお店で在庫しているものは、強度的に少し弱いようです。バイクシート原宿で、メーカー純正と同等の物性の合皮(\2,310/m)を分けていただき、張替えました。
 ビニールシートは東急ハンズで(幅90cm、\80/m)。合皮の下に重ねて、シートの防水性を高めます。モトメンテナンス誌を参考に、追加することにしました。
 タッカー(ホッチキス)は、壁に打ち込んだりするための専用のものが売っています。MAXガンタッカーにしました(\1,154)。これはシートベースに殆ど刺さらず、ラジオペンチで刺し込む作業が必要でした。詳細は後述。


 作業手順
 まず、シートを外します。説明不要ですね。次にシート裏のナットを取り、シートベルトを外します。
シートベースに刺さっているタッカーの針を、くぎ抜きやラジオペンチを駆使して抜き取ります。するとシートは簡単に取れます。以下、シートジョイのHPなどを参考に、作業を進めます。

 シートのウレタンは湿っていることが多いので、しばらく乾燥させます。私のは破れのあったタンクに接する部分から水が入って、ウレタンが変色していました(写真)。一週間ほど、十分に乾燥させました。いろいろなHPを参考に、アンコ盛りをしてみようとしましたが、結局ノーマル形状でいくことにしました。盛り付けるウレタンに適切な材料が、なかなか無いためです(写真には無いですが、今回試したのは柔らかすぎました)。

 乾燥のためにも、いったんシートベースとウレタンを分離します。割と楽にはがれます。シートベースのウレタンを接着する面に、紙やすりを掛けた後、シートベースを清掃します。ウレタンとシートベース両面の全面に、合成ゴム用ボンドを薄く塗りつけます。両面とも手で触れて糸を引かない位に乾いたら、位置をしっかり合わせて貼り合せます。

 外したシート皮を型紙代わりに、大まかに合皮を切り取ります。オリジナルは全周にわたって折り返しを縫い付けてありますが、面倒なのでタンクにあたる部分のみ折り返し部分を作り、ミシンで縫い付けました。やり方によっては、折り返しは無くても張り込み可能です。

 後は現物合わせで、シートベース上にビニールシートを被せ、その上に合皮を乗せます。前と後ろをタッカーで固定したら、徐々に引っ張り、シートに密着させながら作業を進めます。
 やり方としては縦(車両進行方向)ではなく、横方向に引っ張るのがメイン。洗濯バサミを大量に使い、仮止めして全体のバランスを見ながらした方が良いです。最後にシート座面を押さえながら、シワを取る様に引っ張りつつ、タッカーを打ち込みます。こうしないと座ると弛んだ感じになります。

 タッカーの針は、シートベースに殆ど刺さりませんでした(特に奥まったところ)。しばし黙考の後、ラジオペンチで針を打ち込むことにしました。

 1.まず、タッカーで針を打ちます。
 2.ラジオペンチで、ペンチの先から1ミリほど針が出るよう、タッカーの針の片側を掴みます。
 3.そのままシートベースに突き刺すように押し込みます。
 4.反対側の針も、同じくらい押し込みます。
 5.全体を完全に打ち込めるまで、3.4.を繰り返します。

 と、口で言うのは簡単ですが、ヒジョーに手間のかかる(手も痛くなる)作業でした。
タッカーの針は細いので、2.の時にあまり長く飛び出るように持ちすぎると、簡単に曲がって失敗してしまいます。できれば、タッカーはもっと強力なやつが良いでしょう。



シートベルトの張り替え

 シートベルトがサイドからひび割れてきたので、余りの合皮で張り替えることにしました。

 ベルトの両端が金具でカシメてありますが、マイナスドライバーなどで起こして、外します。金具はかなり錆びていますが、パーマテックスPermatex)の錆落とし剤、NAVAL JELLY を使用しました。ピンク色の文字通りゼリー状の薬剤で、すっぱい臭いがします。換気の良いところで使用するよう注意書きがあったので、薬剤を吹き付けた金具を、屋外で数時間放置しました。その後、薬剤を落としてみると、かなり綺麗になりました。表面だけの錆は完全に落ち、深く食い込んだ錆は黒く変色して、防錆皮膜になっているようです。但し、錆びていない所の一部は、白く変色してしまいました。

 ベルトの芯は、写真のように丈夫なロープのような素材で出来ており、その芯に合皮を巻きつけて厚物用ミシンで縫いました。手で縫うのは結構根気が要るでしょう。合皮ではさむようにしてまず片側を縫い、反対側を縫うときは、巻く方を引っ張ってテンションをかけながら、縫いました。一部、縫った間が弛んでしまいましたが、シートに押し付けられる側なので、見なかったことに.....。
 最後に、取り付けボルトを通す穴をポンチで開け(約7.5mm)、ベルトの表裏に注意して金具をカシメます。これで、シートは完全張替えとなりました。 (2006. 5)

 

  

 ガソリンコック分解 




 分解したガソリンコック。上がキャブの負圧で作動する
 ダイヤフラム。今回の不調の原因は恐らくこれ。分解
 するとリセットされるようですが......。




 コック内部の作動。左がOFF時。右がON時。内部でボール
 がガソリンの通りを止めているのがわかります。ガソリンは
 画面上部から、中央のボール部分を通って右に流れます。
 それは、突然やってきました。
 低速でもたつく感じがしだしたのを皮切りに、ついにはアイドリングしなくなったのです。しかし一定以上のアクセル開度になると、ドッカンと加速します。恐くてとても走れません。
 キャブでも見てみようと思いつつ、ガソリンタンクを外すべくチューブを外すと.......ナント、OFFにしているはずのコックから大量のガソリンが!


 気を取り直して、どこが悪いのかガソリンコックを分解してみることにしました。タンク内のガソリンをペットボトルに移し替え、シートを外して作業開始。

 必要な道具
  レンチ(10mm)、ラジオペンチ(先が平らならより良い)、シート(タンクを置く場所)などです。

 作業手順
 タンクの後部を留めている10mmボルトを外し、タンクを少し上に持ち上げます。ノーマルのガソリンチューブは短くてタンクを持ち上げにくいので注意。右側からガソリンチューブ(太)、バキュームチューブ(細)を外して、フレームに沿わせてタンクをずらすと、外れます。
 コック自体はボルトでステー?と共締めされており、写真のダイヤフラム部もプラスねじで留まっているだけなのですぐに外せますが、タンク内にまだガソリンが残っているはずなので、注意しましょう。お勧めは出来ませんが、ガソリン残量が少ないときは、タンク前部を下にして壁に立てかけるとガソリンを抜かずにコックを外せます。

 特に破損した部品も無く、原因がわからないのですが、分解したら上記の症状は治りました
とりあえず、硬化していたガソリンホースを別途購入したものに付け替えて作業終了。
 後から考えて思い当たる節としては、コックOFFのまま、エンストするまで走ってしまうこと(ドジ)をすると、その後から発生するような気がします(あくまで憶測です)。ダイヤフラムが、張り付いてしまうのでしょうか?

  ガソリンコックOリング 外径28.5mm 内径24.3mm 太さ約2.0mm
  ガソリンホース      外径13.0mm 内径 9.0mm (この内径だと少し大きいです。ガソリンが滲む....)
  バキュームチューブ   外径   -mm 内径  -mm


 ガソリンホースについて。東急ハンズで購入しました。耐ガソリンホースとして売っているものは、透明な塩ビベースのもの。黒いNBRゴム(耐油性ゴム)という素材のものは、ガソリンホースには使えないそうです。一時的な使用なら可能ですが、長期間の使用には不適とのことです。
 塩ビベースのものは表面のコーティングにより耐油性を出しており、バイクのようなクリップで留める使われ方をすると、そこからコーティングが剥げて劣化し易いようなので、注意が必要です。

 Oリングについて。水道管周りの部品として売られているものは、耐油性はない素材です。オイルパッキンなどに使用するものは、必ずNBRゴムというやつで出来ている物にしましょう。

 なお純正部品以外を使用する場合は、自己責任でお願いします。

 

 ハブダンパー交換
 
  ダストシールはドライバーで、ベアリングの
 シールは先の尖ったツールで外します。


 ベアリングに、グリスをしっかり詰め込みます。

  ダンパーです。右は連結がちぎれた使い古し。
 リヤホイールを浮かせて手でホイールを前後に動かすと、僅かに遊びが感じられます。正常ならガタは全く無いはず。そこでダンパーを交換します。横方向にも少しがたが感じられますがその原因は後ほど......。

 用意するもの
  対応する大きさのソケット、トルクレンチ、エクステンションなどの工具。
  ジャッキ。いつもの二連ジャッキです。
  清掃用のウエス類、グリス、必要に応じて金蔵磨き(ピカール等)。

 ベアリング
 まず、ステップの付け根をジャッキアップします(前輪のときはエンジン下部、私の場合)。安定させるため、レバーを紐で縛ってフロントブレーキをかけた状態にしました。今回紹介しているのはリヤですが、基本的にフロントも同じです。

 チェーン側から、カラー、スプロケットが付いているハブ、ホイール、カラーという部品構成ですが、ハブに1個、ホイールに2個(こちらは同一種2個)、ベアリングが付いています。ベアリングの上に、シールが打ち込まれているので、大きなマイナスドライバなどで徐々にこじって外します。(写真上)

 ベアリング自体もシールタイプなので、シールピックなど(千枚通しを使いました)で、内輪側からめくって取ります。申し訳程度に塗ってあったグリスは、白色に乳化していました。ごろごろ感はないため、古いグリスを落とし、新しいグリスを詰め直します。しっかり中まで押し込みます。(写真中)

 ブレーキ側のベアリングは、グリスが切れて、真っ赤なさびが出ていました!ベアリングを用意していなかったため、さびを出来るだけ落とし、グリスを詰めておきました。ホイールのガタの原因はこいつですね。なるべく早めに交換したいです。グリスアップ終了後、シールを元通りにはめ込みます。

 ハブダンパー
 今回の主題のダンパーです。ホイール単体にすると、ハブは簡単に外れます。中からカチカチに硬化したハブダンパーラバーが出てきました。しかも連結部が折れていたりするのもあって、かなりへたりのある感じです。ダンパーやハブの削れカスを掃除して、メタルラバーを塗布した新品ダンパーをホイールにセットします。(写真下)


 整備の効果
 整備終了後の感想は、まず取り回しの軽いこと!これが本来の姿でしょうね。 恐らく燃費もアップするでしょう。もとはベアリングに殆どグリスが入っていなかったための変化で、今考えれば恐ろしい.....。
 あとホイール回転方向のガタはなくなりましたが、横方向へのガタは、ベアリングを交換していないため、そのままです。→チェーン交換と同時にショップで交換済み。

 規定トルク
    リヤアクスルナット                 9.0kgfm
 使用部品
    ハブダンパー    41241-KB7-000  \357/個

 ハブダンパーは6個必要。CBR250RR、HORNET250などと共通部品です。
NAPSでは、6個セットのものが店頭在庫でありました。

 

ブレーキディスク交換


 レコード盤状になっていたフロントディスクブレーキを、新品部品に交換します。
 本来平滑であるべきディスクですが、使用するにつれて徐々にでこぼこになっていきます。パッドの当る面だけへこんだ状態でした。ということはメーターは1回転してる??

 装着時に気をつける点は、対角線上に締め付けていくことです。今回は、始めに手で軽く締まるところまで全て留めた後、 1.5kgfmにて仮締め、その後規定トルクの 3.0kgfmにて本締めを行いました。命が係っている部品なので、普段より慎重です。新品のボルトにはネジロック剤(緑色)が塗布されてあり、そのまま使用しました。
                (2007. 4更新)
 

 ボルトは対角線上に、順次締めました。
 一筆で星マークを描く要領ですね。

 当然ながら美しい平面です。慣らしはどの
 くらい要るだろうか?交換前はこんな感じ

 パッドのあたる3つ穴の幅で、凹んで溝状
 になっているのが見えるでしょうか?
 使用部品                                      規定トルク
    ブレーキディスク  45120-KY6-000                     ブレーキディスクボルト     3.0kgfm
    同ボルト        90105-KV0-7006個必要

 

 エアクリーナー交換


 
  かなり汚れた旧エアクリに対し、眩しいくらい
 明るい新エアクリ。ビスカス式という、ろ紙に
 油を染み込ませた使い捨てタイプで、かなり

 油がついているので注意。
 エアクリーナーの交換です。市街地での使用だと、だいたい7〜8,000キロでアウトのようです。もちろんそれ以上でも使えますが、このくらいの距離で若干吹けが悪い感じになり、その後あまり感じなくなる気がします(慣れ?)。

 やり方はまずガソリンタンクを外し、エアクリーナーボックスのプラスネジを外せばエアクリが現れます。CBR600Fだとタンク前部を持ち上げて固定すれば、エアクリボックスを開けられます。
 で、使い古しのエアクリはご覧の通り。かなり汚れが詰まってます。あとは付け替えるだけです。

 整備の効果
 一緒にプラグも交換したので、吹け上がりがかなり軽くなりました。燃費アップも期待できます。
本当は再使用できる、K&Nとかの純正タイプのエアクリーナーがあればよいのですが、そこはマイナー車の運命、あきらめる他なさそうです。ちなみにこれはVTR250と共用です。

   エアクリーナーエレメント 17210-KFK-000
   スパークプラグ        CR8EH-9

 洗浄再使用
 純正エアクリを洗浄後、オイル塗布して使用してみました。(注:メーカー保証対象外

 新品から8,000キロほど使用したところ、例によって少し元気が無くなって来たように感じたので、家庭用中性洗剤で洗浄しました。中性洗剤だと、もとから含ませてあるオイルは、完全には落ちないようです。十分乾燥させた後、K&Nのフィルターオイルを軽く塗布して、装着しました。
 洗浄した結果、上記の元気の無さからは回復し、新品エアクリの気分で走れました。

 第一回目の洗浄後4,000キロ程で、また吹けが悪くなる感じがし始めたので、2度目の洗浄をしました。今回はK&Nのクリーナーにて。中性洗剤より泡立ちは少ないですが、汚れの落ちは逆に良いようです。さすが専用品といった感じです(純正品の洗浄用ではないです、念のため....)。
 乾燥に時間がかかりそうなので、乾いた布で不織布部分を軽く押さえて拭いてから干しました。洗う度にブラシでこすっているので、表面は多少毛羽立っていますが、フィルター自体はかなり耐久性がありそうです。

 最終結果です。二回目の清掃から2千kmも走らないうちに、吹けが悪く感じた(燃費もリッター当り1km近く落ちた)ので、あまり実用的ではないです。途中洗浄したとしても1万km少々走ったら、素直に新品エアクリにした方が気分的にも経済的にも良さそうです。今回の結果からすると、8千kmあたりで1回洗浄、1万2千kmで新品交換、といった感じかな。                     (2007. 4更新)

 

 グリップ交換


 
  スパーダ純正に対して、殆ど溝の無い
 グリップ。人差し指側に細かい溝が入り、
 若干細くなっています。
 グリップの交換です。
 まず、プラスネジで留まっているバーエンドを取り外します。装着されているグリップは、パーツクリーナーを吹き込むとズルズルと滑り出し、思ったより簡単に抜くことが出来ました。再使用しない場合は、カッターで切ってしまうと良いようです。

 で、今回装着したのはCBR600F純正グリップ。一頃「ロッシグリップ」として話題になったモノです(ヤマハに移籍したロッシはコレを使い続けているそう)。
 管理人の場合、スパーダオリジナルのグリップでは、特に操作性の良くない冬用グローブで柔らかく握ろうとすると、グリップが空転してしまうことがあります(ちゃんと握れよ!というのはさておき)。このグリップだとそれもありません。柔らかめのゴムですが、純正部品らしく減りがそんなに激しくないのも良いところ。

 使用部品
    Rグリップ    53165-MY9-890
    Lグリップ    53166-MY9-890   \920/個

                                               (2006.12更新)

 

 カウル補修 

 下側から割れているカウル。これはプラリペアで
 接着して磨いた後。赤だけでは傷を隠蔽できない
 ので、下塗り白、赤の順に塗ります。


 購入時からサイドカウルが割れたままになっているので、これを補修します。

 割れの原因ですが、カウルに転倒で擦ったような跡は無く、単純にバキッと縦にひびが入っているため、グラブバーを掴み損ねて割ったようです。オーナーの方ならお分かりでしょうが、スパーダはサイドカウル下にネット掛け付きグラブバーがついています。これがあまり出っ張らず隠れているため、掴みにくいです。下手をするとプラスチックのカウルだけ引っ掛けてしまいます。初期型NSR80も同様でしたので、この年代のホンダ車はこうなのでしょう。Nチビ後期型は改良されてカウルから大きくはみ出るグラブバーに変更されていますが、スパーダはその不人気ゆえに、改良前に絶版化したのだと思います。

 用意するもの
 プラリペア      武藤商事のプラスチック補修材。素材同士を溶着するため、強固な
             接着力を持ちます。東急ハンズなどで手に入ります。
 パーツクリーナー  塗装用のシリコンオフなどの脱脂材の方がより良い。
 他に塗料(下地処理のためのサーフェイサーもあったほうが良い)、耐水ペーパーなど。

 実際の作業ですが、シートを外してビスを外せばカウルが車体から外れます。車体が汚れていたので、まずカウルを中性洗剤で洗い、割れた部分をパーツクリーナーで十分に脱脂します。
 次にプラリペアです。粉を割れた部分に少し振り掛け、付属する溶剤を垂らします。すぐに粘って固まりますので、振り掛けては垂らす、を繰り返して割れを埋めます。その後、表面を耐水ペーパーで均し、サーフェイサー、下塗り、上塗りの順に塗装して仕上げます。塗装のたび、下地が出ない程度にペーパーで磨くと良いです。今回は間に合わせで塗ったため、綺麗に仕上げてはいませんが、いずれ外装をオールリペイントしたいものです。

 

 チェーン交換 

 土色の旧チェーンと違い、やる気満々といったところ。
 新品になって、燃費も若干向上しました。
 十数年前の純正チェーンが付いたままで、動きが良くないようなので、交換しました。4月には販売価格が値上げされるというので、いずれ変えるつもりだったのを早めたわけです。本当は前後スプロケットも同時交換がセオリーですが、純正の鉄製で、減っていないので今回はパス!

 作業はショップに依頼しました。ピンの頭をグラインダーで削って(火花の海!)旧チェーンを切り、新チェーンを装着してました。カシメ工具も高いし、交換頻度も少ないのでプロに頼むことにしています。

 で、今回選んだのはRKチェーンのノーマルタイプ(メッキなし)、RXリング使用のチェーン。
 RKのラインナップはOリング種類別に、ノーマルOリング、RXリング、XWリングの順にローフリクション・高耐久性のチェーン(高価)になりますが、管理人は通常使用にはプレートのメッキなど関係ないと考えているので、上記の組み合わせを選んだわけです。個人的にはこれが最もコストパフォーマンスが良いと思います。
 しかしメーカーでは、高価なメッキチェーン(利益率がいい?)を売りたいのか、単に市場のニーズが無いのかわかりませんが、HPでもノーマルチェーンを載せていません(PDF価格表には表示あり)。

結果
 新品チェーンでは、シフトダウンでショックが全くなくなり、かなりスムーズな感じになりました。ダンパーを新品にしたときより効果が体感できたので、元は相当へたっていたのだと思います。燃費はリッター当り1kmちょい改善。
 なおスパーダは前17丁、後54丁のノーマルで、428チェーンの132リンク使用。今回のRK新品で、10コマの端のピンから一番端のピンまでで約25.3mmでした。約1〜2%伸びたら交換、と言われているので、0.5mm伸びたらもう駄目ということですね。(2005.2)

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