ダイビング業界の巨人、PADIが主張する自らのシェア


PADIというCカードブランドは、私の実感として確かに少なくとも日本で一番のCカードの販売シェアを誇り、世界でも有名なものだと思います。

しかしながら、それだけの巨人だからこそ、PADIの意思が主たるもの思われる「スクーバダイビング・ビジネス・ガイドライン」で自らが業界に対して禁止条項だと説明していることを無視していることが気になります。

この夏(平成10年8月)に私が入手したPADIが発行した小型のパンフレット(定価50円とある)「ダイビング」から問題となる部分を引用してみます。なお、パンフレットには「無断転載禁止」とありましたので、ページなどの「転載」は避け、法的に許される一部文言の引用のみとします。

2つの問題点

とありました。ここではPADIが指導的な役割を果たしているスクーバダイビング事業組合のビジネスガイドラインで禁止事項としている、「統計的数字はその根拠があきらかでないものは禁止」という項目に違反しています。すなわち、ここでの数字を出した根拠(数字の出所など)についての記載がありません。また、PADIの商標をメインで出している旅行会社のこの夏のパンフレットには「70%」や「70%以上」とあったりしていて、PADIの出す数字は信頼性に欠けます。ここの60%という数字は私の感じでは実際の数字に近いと思いますが、ぜひ信頼できる数字の根拠を示して欲しいものです。

また、このパンフレットには

とありますが、上記にあるように、事実上「世界最大のマーケットシェア」とは私も思いますが、やはり何らかの根拠を示して欲しいと思います。また「教育機関」という表現も、あたかも公的機関のような印象を与えますが、少なくとも日本では営利を追求する普通の株式会社であるので、これもスクーバダイビング・ビジネス・ガイドラインで禁止している、「あたかも公的機関であるような印象を与えることの禁止」に違反しています。

特に「あたかも公的機関であるような印象を与えること」は、ダイビング業界の抱える最も大きな問題の一つでもありますので、厳しく自粛していただきたいと思います。

 

PADIというブランドに何の影響力もないのでしたら大げさに取り上げなくてもいいのかもしれませんが、その質までトップかどうかはここでは触れずに見た場合には、確かに彼らは、Cカード販売数量では業界での圧倒的なトップブランドであり、かつまたオピニオンリーダーであり、業界のルール作りに影響力を行使している以上、やはりその姿勢に注目せざるを得ません。


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