「契約及び広告についてのガイドライン」から抜粋

私が必要と思ったものを抜粋しました


ここで言及されていることすべてではありませんが、かなりの割合で実際に行われいていると聞いたことがあります。つまり、以下に書かれていることがスクーバダイビングの実態に一番近いということができます。

この内容には非常に重要なものが含まれています。したがって情報の公開を目指す、という観点から大幅な抜粋を行いましたが、もしスクーバダイビング事業協同組合の関係者の方が、この抜粋が各種権利に抵触し、公開を拒否するというご意志がある場合には電子メールにてお知らせ下さい。基本的にご意志に沿うようにいたします。

文字の強調は作者です。


重要な懸念
  1. レジャーダイビング・ビジネス・ガイドラインの総論には、基本的に営利追求を目指す会社(団体)が発行するC-カードという講習修了認定証のことをスクーバダイビング事業協同組合のこのガイドライン自身がライセンス(C-カード)と表現しているところがあります。好意的に見れば、単なる構成ミスとも思われるのですが・・・
  2. PADIの講習(スクール)であることを全面的に表示して、しかもPADIの商標をカタログ(パンフレット)に掲載しているダイビングツアーがありますが、この内容をPADIは承知しているのでしょうか?PADIのチェックが入った上でのカタログであれば、スクーバダイビング事業協同組合に圧倒的影響力を持っているPADIが、自らその組合の存在意義を無視しているということになりますが・・・またこのツアーの表現は、このガイドラインで禁止している表現のオンパレードなのです。

サービスの広告に関する文書

(1)当該サービス(役務)を提供する事業者(契約主体)の表示

@契約主体の不明確な表示の禁止

事業者(契約主体)がわからない、あるいは意図的に不明確に表記することはおこなってはならない。

例 「サイパンCカード取得ツアー」として、現地でのサービス提供業者を特定し表示していない。かつ、この広告を掲載した旅行業者はCカード取得講習を主催していない場合。

旅行業者が実際には主催しないレジャーダイビングに関するサービスも主催するかのような表示を行ってはならない。

A事業者の質に関する虚偽表示の禁止

事業者の質を誤認させるような虚偽の表示を行ってはならない。

B事業者の所在に関する虚偽表示禁止

事業者・代理人・代理店等について、事実に反する住所・。電話番号等の記載を行ってはならない。

例 「タヒチ海外支店」と記載されているのに、実際現地の当該住所には存在していない。または、実在しない支店・営業所名のみを列挙している。

海外・離島など実際には確認できないことをよいことに、実際支唐としての機能を果たしていないもの、ないしはまったく実在しないものを表示し、あたかも充実したネットワークを持っているかの如く表示することは虚偽表示に該当する。

例 「南伊豆支店」「沖縄営業所」等があるように記載されているが、実際は単なるサービス提供に関する業務提携をおこなっているだけで、支店・営業所としての認識を現地の当専者は行っていない。

 

(2)提供するサービス(役務)内容の表示

@提供されるサービス(役務)内容の不明確表示の禁止

提供されるサービスの種別・概要が明確でない表示をしてはならない。

ACカードに関する虚偽表示の禁止…(このガイドライン内でのライセンス表現

講習の修了認定証(Cカード)を、公的な許可証・免許証であるかのような誤認を与える表示をしてはならない。

例 「ライセンス」「ダイビング免許」といった表示

「ライセンス」「免許」等という言葉は、自動車の運転免許や小型船舶の海技免状を類推させ、あたかも何らかの公的な制度による許可・免許であるかのような誤認を利用者(消費者)に与える可能性拒ある。したがって、契約文書にはもちろんのこと、原則として広告文書にも使用を禁止する。

特に、「ライセンス取得コース」という表示は、「取得」という表現がライセンス(免許)の意味をさらに強化し利用者に誤認を与える可能性が高いと考えられるので、不適切である(使用禁止とする)

例 「Cカードがあれば世界中どこの海でもダイビングを楽しめます」 「このCカードは世界で通用します」といった表示。

Cカードは単なる講習の修了認定証であるので、その範囲を超える機能・効用等を表示・強調してはならない。

世界中でダイビングを楽しむための十分条件とはなり得ないし、どういった機能を持ったものとして通用するか否かは事実上保証の限りではない。

BCカードの種別に関する不明確表示の禁止

資格認定講習にあっては、その指導機関名弥と講習の名称を特定しない表示をしてはならない。

例 「PADI、NAUI、ほか」といった表示をしている。5また、現実には別の指導機関の認定証を発行している。

「ほか」という表現、例示は特定したことにはならない。

 

有名ブランドを表示しておいて、実際に販売・提供するのは無名ないしは別のブランドであるといった「おとり商法」は、悪質であるといわざるを得ない。

C認定に関する虚偽表示の禁止

認定コース(講習)の場合は、認定墓準を満たさなくても修了証が発行されるような誤認を与える表示をしてはならない。

認定講習は、その性格上当然のこととして、認定墓準を満たさなければ認定証(Cカード)を発行することができない。この点を利用者(消費者)に正確に伝えて、とにかく全教程に参加・出席すれば修了証が発行されるような、他の種類の講習と誤認することを避ければならない。

例「全員合格保証」「全員かならずCヵ一ドがもらえます」といった表示。。

(3)提供するサービスの品質に関する表現について

@最上級の表現の禁止

最上級の優位性ないしは唯一性を意味する表示は、その内容が客観的事実に基づき証明できるものであり、かつその事実・根拠を同時に表示するのでなければ、おこなってはならない。

「最高(級)」「最大(級)」「日本一」「全国一」「ナンバーワン」「当社だけの」「超一流」「超豪華」等の表現。

例 「最高のスタッフによる最高のサービス」といった表現。

スタッフについても、またサービスについても比較計量の墓準・根拠が存在しない

例 「昨年度Cカード発行実績・業界ナンバ」ワン」という表現

根拠資料とともに表示をしなければならない。ほぼ確実であっても、何らかの公的な資料;厳格な調査によるものでなければならない。

A完全性の表現の禁止

完全性を意味する表示は(その内容が文字どおり完全に保証される場合以外は、おこなってはならない。

「完全」「完ぺき」「絶対」「1OO%」「保証」等の表現。

B恒常性の表現の禁止

恒常性あるいは継続性を意味する表示は、その内容が文字ど為り完全に保証される場合以外は、おこなってはならない。

「毎目」「随時」「いつも」「24時間」「年中無休」等の表現。

C安全性の表現の禁止

安全性を示す表示は、その内容が客観的享実に基づき証明できるものであり、かつその事実・根拠を同時に表示するのでなげれば、おこなってはならない。「安全」「安心」・「無事故」等の表示。

例「××年間無事故」といった表現。

事故の定義が明確でない

例「とにかく安心」といった表現

何が安心なのか、その根拠を明示する必要がある。

例「緊急装備が完備されているので安全です」

緊急装備が完備されていても、それが安全性の向上になんら合理的な直接的影響を及ぼすとは考えられない。

D事実のない推薦表示の禁止

推薦や後援等の表示は、その事実がなければおこなってはならない。

「推薦」「推奨」「指定優良店」「後援」・「協賛」等の表示。

E不当な統計値の表示の禁止

正しい統計的処理をしていない数値、ないしは統計的数値をその調査・.処理方法を省いて表示してはならない。

(4)利用者の事業者に支払うべき代金の表示

@二重価格表示の禁止

二重価格表示、ないしはその疑いをたれるような表示をおこなってはならない。

例 「通常料金」「一般価格」「市価」「標準価格」等の表現は、それ自体根拠がない場合がー般的であるため、原則として使用してはならない。A会員価格等の不明確な表示の禁止

「会員」等、特定の集団、資格を持つ者のみに適用される料金を表示する場合には、その資格条件ないしは会員となるための条件を明示しなければ松らない。

例 「会員価格○○円(一般価格××円のところ)」という表示。

会員のみに適用される料金を会報等にではなく、一般の広告媒体等で表示することは、それ自体の意図する点が間題となる。会員になるための条件(会費等)が同時に表示されることが望ましい。

B格安等の表示の禁止

著しく安いという印象を与える用語は客観的事実に基づく具体的な摂拠・数値を同時に表示しなければおこなってはならない。

例「特価奉仕」「格安」「出血サービス」等の表現。

例「講習料金無料」

サービス提供を業とするものが、そのサービス料金を無料としたのでは経営が成り立たない。期間や参加者条件に制限を加えるものであれば、その条件を同時に明示しなければならない。

また、継続的におこなっているとすれば、ダイビング器材販売との「抱き合わせ商法」等の詐欺的商法の可能性があるので、表示のみならず販売方法そのものをチェックする必要がある。

C「料金に含まれるもの」「含まれないもの」の不明確表示の禁止

「料金に含まれるもの」及び「料金に含まれないもの」について表示する場合には、すべてについて正確に表示し、不明な点や誤認を与える可能性のある表現を含んでぱならない。

例「すべてを含む」「あとは水着とタオルだけお持ちください」といった表現。

「すべて」とは何を意味するかということが不明であり、定義されていない。

体験プログラム等で、実際に表示通りにサービス提供が行われるのであれば、差し支えない。

例「保険料」が含まれるものの中にある場合

これは相当の傷害保険に利用者を代理して事業者が加入している場合のみに許される表示である。保険金受取の権利は保険料を負撞している利用者カが無条件に有するものとしなければならない。

いずれにしても「料金に含まれるもの」の中に「保険料」を表示することは不適切である場合が一般的であるので、原則として禁止する。なお、保険料の表示をしておきながら相当の保険に加入していなかった、すなわち保険料を詐取した場合はもちろん犯罪である。また、事業者が事業者の負担で加入すべき賠償責任保険の保険料を、ここでの保険料と表示することは同様の犯罪と見なされても当然の行為である。さらに、事業者が利用者に対する補償(あるいは特別補償)のために加入している傷害保険の保険料をして、ここでの保険料とする場合も同様と見なされる場合がある。つまり、利用者が支払ったと見なされる保険料に相当する保険金を事業者が負担しなければならないこととなる可能性カがある。

例「Cカード発行料」が含まれないものの中にある場合

「Cカード」は講習修了の認定証であり、なんら公的な資格を証明するものではない。したがって、認定証の発行のみを別途料金を表示ないしは徴収して行うことが適切かという問題を含んでいる。

なお、「Cカード申請料」という。表現は、「申請」という表現が公的機関に対してなされるという印象を与え、Cカードが公的な資格であるかのような誤認を与えるので不適切である。

(5)提供サービスヘの参加条件の表示

提供されるサービスについて参加条件がある場合には、それを広告にも明示することが望ましい。なお、意図的に利用者に不利益を与える可能性のある参加条件を表示し牟いことは禁止する。

特に、ダイビング器材の購入ないしは準備については、しばしばトラブルの原因となっているので、明確な表示・案内がなされなければならない。つまり、自動車教習所で自動車を買わなければならないということが条件となっているとは誰も思わない。また、習宇を習うのに筆を買わなければならないということにクレームをつける人もまずいないであろう。それでぱダイビングスクールではどうかということについては、社会一般どころか業界内部でもコンセンサスが得られる状態ではないので、利用者(消費者)の利益を優先した形で対応が採られなければならない。


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