命のフロート2


運輸安全委員会は昨年11月30日、ダイビング事故の調査報告書を公表しました。
http://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/report/MA2012-11-2_2012tk0038.pdf

ここでは、以前からこのホームページで紹介しているレーダー反応型フロートさえ装備していれば命が助かったであろうと結論づけています。
致死性を内包したレクリエーションであるスクーバダイビングで、わずか数千円(使わないですめば、1〜2年持っていれば、1回あたりのダイビングで、数十円から数百円程度で済むのでは?)の出費を惜しんで死に向かうというのは、悲劇 あるいは喜劇という他はありません。ダイバー本人も業者も、なぜこのような有用なフロートの存在を無視して持とうとしないのでしょうか。

事故は残念でありますが、この、誰でも簡単に手に入るレーダー反応型フロートすら持とうとしない、あるいはレンタルでさえ持たせようとしないダイビングサービスは、それぞれの立場で、本当にダイバー自身の命を軽視していると 言えます。
この無視が導く結果にともなうダイバー自身の被害と業者のビジネス上の損害こそ、業界が大好きな言葉、つまり「自己責任」ではないのでしょうか。

なぜ、彼らは無視するのでしょうか?
なぜダイビングマスコミはこの携帯を求めるキャンペーンを行わないのでしょうか?
なぜ「指導団体」は安全のためにこの携帯を義務づける規準を作ろうとはしないのでしょうか? 自分たちでOEMで仕入れてこれを持つように指導すれば、大好きな利益が益々確保できるのに。
なぜ一般報道機関は、安全軽視のこの風潮や問題を取り上げないのでしょうか?

ところで、あなたはいかがですか?

 

ダイビングの事故が多発することで、保険会社は支払いが増えているということです。
そのため、優良業者の業務用の保険の料率が上がって困っているそうです。 これは優良業者の経営を圧迫し、手抜き業者がさらに手抜きして利益をひねり出そうとする動機となりかねません。
いずれは、ダイバー個人の保険料率や保険金支払い限度額への影響も出てくるかもしれませんが。 

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参考ページ

命のフロート

安全のためのフロートが海上保安庁に展示

漂流事故対策-救助されるために必要なこと
 


平成25年1月6日(1月7日一部修正)

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