業界大手NAUIの保険システム



 NAUI(ナウイ)というブランドの潜水講習のノウハウと教材などの販売、および講習修了者へのCカードの販売(申請料という名目で)を事業の柱として日本有数の業界大手の会社である株式会社ナウイエンタープライズは、

NAUIに加入して、その製品を扱う資格を持っているダイビング業界向けに各種保険を用意してその加入を勧めています。


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「97年度NAUI総合補償プランのご案内」で紹介している保険の内容を見ると評価できるものと思います。

この保険への加入はNAUIにより義務とはなっていませんが、講習生やファンダイバー、及び、ショップの従業員としてのインストラクター及びガイドに対して万が一の事故のときへの最低限の補償に実効性を持たせるためにも重要な保険システムと思います。また、ショップのオーナーには、事業主として最低限の賠償支払い能慮を持つために必要な保険と思います。
かつてのパラオでの事故の時に、日本人が経営するショップには賠償責任保険に入っていず、また自ら支払いできるような資産がなかったと、報道で読んだことがあります。ダイバーと、そこで働く善良なインストラクター・ガイドのためにも、業界の方々には常識的な賠償能力を持って欲しいと切望します。

なお、私がPADIのファイブスターダイビングショップ(業界で有名な日本人が経営するハワイ・ホノルルのサウスシーズアクアティクス)のファンダイブ中に、インストラクターの不作為行為(本人が認めている。詳しくは私の本をお読みください)で事故に遭って入院した後、帰国後に東京の恵比寿にあるPADIの日本法人の本部で聞いたところによると、PADIでは彼らが用意している賠償責任保険に加入することがPADI全体でのメンバーになる条件だと言っていましたが、サウスシーズアクアティクス及びオーナーのN氏は、事故の時の医療費を含めた保険金の支払いについて一切の交渉に応じませんでした。またPADIでは事故のときにその内容の報告義務があるとしているのにもかかわらず、彼が所属するPADIのアメリカ本部にも事故の報告をしていませんでしたし、私が調べてくれるようにアメリカPADI本部に頼んでも「届けがない」と無視されました。これはつまりPADIが義務化している保険というものには、少なくとも私の厳しい実体験からは、何の実効性もないものだったということです。私個人の事故に関してのみ言えばウソだった訳です。私の高額の入院費などは、別に入っていた他の保険会社に交渉して支払ってもらいましたが、交渉にすら応じない保険会社はさすがに全くありませんでしたし、全て規定にしたがって支払いはありました。したがって、少なくとも私の個人的体験からはPADIの保険は無意味なものだと判断し(人によっては役に立っている人もいると思いますが)、業界の2〜3番目に位置するNAUIについて紹介したいと思います。

ここではその保険の内容について、あくまでも概要を紹介します。詳細を全てお知りになりたい方は直接、株式会社ナウイエンタープライズまたは株式会社日東集成社にお問い合わせ下さい。


  1. インストラクター・リーダーシップ(個人向け)総合補償プラン
  2. ファシリティ(ショップ向け)総合補償プラン
  3. My Guard障害保険
  4. My Guard所得補償保険
  5. NAUI水中カメラ総合保険
  6. NAUIダイビングボート補償保険
  7. PL保険(大手CカードブランドNAUIにおけるPL法の項をご覧下さい)

☆保険の加入資格と補償範囲は、基本的にNAUI加入メンバー(ショップ・個人)となります。

《1》インストラクター・リーダーシップ(個人向け)総合補償プラン
(a)指導者賠償責任保険
保険の対象:スキン・スクーバダイビングの講習及びツアーの指導に直接従事中に生じた事故によりインストラクター(またはダイブマスター、アシスタントインストラクター、スキンダイビングインストラクター)が、受講者・ツアー参加者及び受講者・ツアー参加者以外の第三者に対して負担する法律上の損害賠償責任。(国内外の事故及び損害賠償請求があったものを対象とする)

   ●支払われる保険金

ア.対人賠償の場合………治療費、逸失利益、慰謝料など
イ.対物賠償の場合………滅失の時は滅失時の時価額、き損・汚損の時は修理費用
ウ.その他…………………事故調査費用、捜索費用、応急手当・護送などの費用、保険会社の承認を得て支出した訴訟費用・弁護士費用など
*(注)条件によって支払われない場合があります。詳しくはNAUIにおたずねください。

   ●保険期間:1997年1月1日〜1998年1月1日(資料が97年度版のため)

 
  ●補償金額

     

    てん補限度額

    自己負担額

    対人賠償
    対物賠償

    10億円

    ナシ

     ●保険料

    インストラクター

    年間27,000円

    ダイブマスター
    アシスタントインストラクター
    スキンダイビングトインストラクター

    年間12,000円

    *(注)付則事項についてはNAUIにおたずねください。

    (b)NAUI受講者傷害保険(個人向け)

    ●加入資格:NAUIに所属するインストラクター

    ●保険の対象:

《2》ファシリティ(ショップ向け)総合補償プラン

   (1)NAUIファシリティ賭償責任総合保険

ダイビング・ショップに必要な4つの賠償貢任保険のセット
*賠債責任がインストラクターにある場合とショップにある場合とも支払いの対象となる。
  
@指導者賠償責任保険
受講者・ツアー 参加者及ぴ受講者・ツアー参加者以外の第三者に対して負担する法律上の賭償責任に賠償金を補償。
  1事故 期間中 事故負担額
賠償金額 10億円 無制限 ナシ
  
A店舗管理上の手落ちによる賠償責任保険
店舗管理上の手落ちにより来店していた顧客など、第三者に対して生じた法律上の賠償責任につき賠償金を補償。
  1事故 期間中 事故負担額
賠償金額 5億円 無制限 ナシ
  
B貸し出し及び修理に係わる賠償責任保険
貸し出しをしたダイビング器材の欠陥により、他人に対して生じた法律上の賠債責任及び第三者から依頼を受け調整・修理したダイビング器材を引き渡した後に調整・修理が原因で生じた法律上の賠償責任につき、賠償金を補償。
*タンク貸し出し・空気充填を主な業としている製造業社はPL保険の加入が必要。
  1事故 期間中 事故負担額
賠償金額 5億円 5億円 ナシ
  
C保管者賠償責任保険
第三者から預かったダイビング器材に火災・盗難・破損などの事故が発生し、法律上の賠償責任を負った場合に賠償金を補償。
  
*A、B、Cは国内・海外の事故とも対象。ただし、海外で起きた事故については、国内で賠償請求を提起されたものに限る。


        ●支払われる保険金

@対人賠償の場合……治療費、逸失利益、慰謝科など
A対物賠償の場合……減失の時は減失時の時価額、き損・汚損の時は修理費用
Bその他………………事故調査費用、捜索費用、応急手当・護送などの費用、保険会社の承認を得て支出した訴訟費用・弁護士費用など

        ●以下の場合には保険金の支払いはなし。

@故意による事故
A地震、噴火、津波などの天災によって生じた事故
B受講者に過失があっても一律補償するというような受講者との間にあらかじめ、損害賠償に関し特別な取決めを行い、その取決めに基づいて負担する賠償責任
C車両、船舶、航空機の所有・使用・管理に起因する事故。
D指導員など従業員に対する事故(下請負人も含みます)
Eインストラクター、ダイブマスター、アシスタントインストラクター、スキンダイビングインストラクターがそれぞれの資格なしにインストラクターの業務を行った場合の事故
FNAUIの資格基準を無視すること、NAUlの資格基準を満たさなくなった場合及ぴ最新のNAUIダイビングコ一ス基準に定められた基準を著しく逸脱することによって発生した事故。

    ●保険期間(1997年度の場合)

1997年1月1日〜1998年1月1日(1年間)

    ●保険料

指導員数 保険料
1名の場合 36,000円
2名の場合 45,000円
3〜5名の場合 68,000円
*指導員が5名以上の場合は、1名につき10,000円の追加保険料となる。
*1店増えるごとに10
,000円の追加保険科とる。
*加入について:任意

   (2)NAUIファシリティ傷害保険

     ●保険の対象

NAUIファシリティが主催する講習、ツアー又はイベントの参加者がNAUlファシリティの管理下における傷害事故について、ファシリティやインストラクターの過失(責任)の有無とは関係なく補償される。    
*傷害事故とは、「急激かつ偶然な外来の事故」が原因のケガをいいます。    
*管理下とは、ファシリティが主催する請習またはツアーにおいて所定の集合地に集合した時から解散するまでの間をいう。ただし、プライベートタイムや宿泊中は除く。
*NAU1ファシリティが企画する海外旅行の場合、航空機搭乗中、観光中、宿泊中等はプライベートタイムとみなし、保険の対象とならない。保険の対象は原則としてスクーバダイビング(他のマリンスボーツも含む)の目的の為、現地宿泊所前に集合してからスクーパダイビング(他のマリンスボーツも含む)を修了して解散するまでとする。

     ●支払われる保険金

@死亡保険金    
事故の日から180日以内に亡くなった時、保険金額の全額を支払う。    
A後遺障害保険金   
事故の日から180日以内に後遺障書が発生した場合、その程度に応じて保険金額の3%〜100%の範囲内で保険金を支払う。
B入院保険金   
ケガのため入院した時、入院保険金日額×入院日数を事故日から180日を限度として支払う。    
C手術保険金   
入院保険金を支払う場合で、そのケガの治療のために手術を受けた時、入院保険金日額に手術の種類に応じて定めた倍率を乗じた額を入院保険金日額に加えて支払う。    
D通院保険金
ケガのため通院した時から、通院保険金日額×通院日数を事故日から180日以内の通院日数のうち90日を限度として支払う。

     ●保険金を支払わない場合については(株)ナウイエンタープライズに問い合わせてください。

     ●補償額

 
死亡・後遺障害保険金 300万円 300万円 500万円 800万円 1,000万円 1,000万円
入院保険金額 1,500円 3,000円 3,000円 3,000円 3,000円 3,000円
通院保険金額 1,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 ,000円

     ●保険料
      1日の最高参加者数20名につき

1年間の講習ツアー開催総日数
90日以内 90日を越える
58,600円 107,100円
92,000円 168,000円
108,800円 198,800円
134,000円 245,000円
150,800円 275,800円
217,600円 397,600円

《3》My Guard障害保険

    ★指導者側のケガによる死亡・後遺障害、入院、通院を補償する障害保険

《4》My Guard所得補償保険

     ★業務中はもちろん、レジャーや海外旅行中のケガ、病気で仕事を休んだ場合、保険金を支払う。

《5》NAUI水中カメラ総合保険

     ★火災・盗離・破損・いたずら・水災などほとんどすべての損害を支払う。海外の事故でも可能。

《6》NAUIダイビングボート補償保険

     ★被保険者が所有、使用または管理するダイビングボートに起因して第三者の身体・生命を害しまたは財物を損壊したことにより被保険者が負担する賠償損害をてん補する。ただし、国内で事故が発生しかつ国内で損害賠償請求があったものを対象とする。

《7》PL保険

     ★大手CカードブランドNAUIにおけるPL法の項をご覧下さい。


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