事故短信

この後ページ作成後も事故は激増し、結局平成15年は、平成時代最悪ともいえる事故犠牲者が発生した年となってしまいました。■(平成17年2月23日付コメント)


※本年は事故数が異様に多いので、従来、翌年春から初夏に報告していましたが、短信として、その危機的状況をお知らせします。


平成15年10月下旬までに把握できた事故数
★例年、11月以降も事故は起きています。注意してください。

◆事故遭遇者数・・・79人
 (ダイビング船での複数のガス中毒死や、ダイビング終了後、ダイバーがボートに上がって帰港しようとしたが海況が悪くなって海上保安庁に救助を求めたもの、ダイビング船に乗ろうとしたときに、岸壁とボートの間から海に落ちた事故などは除いています)

 ※過去15年で最高の事故遭遇者数となっています。なお、助かっても後遺障害で苦しんでいる人がいることを忘れないで下さい。
 ※一度に複数の人々が死亡した事故が目立ちます。
 ※漂流事故4件

 

 
★海上保安庁のヘリによって漂流ダイバーたちが海上で発見され、救助された、平成15年某日の漂流事故の状況
        (第十一管区海上保安本部撮影ビデオより)

 ※上記漂流事故事例では、手にしているフロートは1本だけだった。ビデオでは、このようにアップにせずに、カメラを引くと、通常では発見できないような広い海域であった。このように発見されるということは、実に幸運であったと言えるのではないか。
  漂流したダイバーたちが、このような事態にならない、漂流、あるいはロスト初期の段階で発見されるためには、ダイバーやダイビング業者に、漁船のレーダー波などでも感知できるフロートなどの装備を義務化すべきであると考える。

 ※インストラクター・ガイドなどのいた、"商売中"に起きた事故の割合・・・64.4%
 ※これはあくまで日本国内の事故です。海外のリゾートの適当業者(日本から流れていった、イントラと称する人。不法就労の疑いもある)の対応で事故に遭い、今でも深刻に苦しんでいる方がいることも忘れないで下さい。
 ※東京医科歯科大学で1999年から2003年(平成15年)8月までに減圧症の治療を受けた人数は、レジャーダイバーで303人、イントラで57人と報告されています。 これは1大学病院だけです。東海大、沖縄での数箇所の減圧症治療者、その他の高気圧治療ができる医療機関で治療を受けた人たち入れれば大変な数字になると思います。
  忘れないで下さい。治療を受けたり、ここでの治療を終了した、あるいは事情があって転院した減圧症患者の中には、深刻な後遺障害に苦しんでいる人がいることを。
  私は、「潜水事故なんて怖くない」という主張に断固反対いたします。


◆死亡・行方不明者・・・24人

 ※事故発生数中の死亡・行方不明事故割合・・・55.6%
  (事故件数45件、うち死亡・行方不明事故25件)
  (体験・講習中の死亡事故だと分かっている件数5件)
 ※死亡・行方不明事故件数中、インストラクターやガイドがいた、"商売中"に起きた割合・・・69.0%

※年代別 死亡・行方不明者数(平成15年10月下旬に確認できたものだけ)

10歳代 1人
20歳代 6人
30歳代 2人
40歳代 2人
50歳代 9人
60歳代 4人
24人

★例年、11月以降も事故は起きています。注意してください。

★事故の詳細分析は、後日、出版物などで公開できればと思っています。

★個別の事故に関する問い合わせについては、事故に遭った当事者(本人・遺族の方・法的代理人・捜査関係者)以外の方からは、プライバシー保護のために原則として受け付けません。
 なお当事者の方々と申し出られた方に対しては、大変申し訳ございませんが、本人確認をさせていただきます。ご不快の念を持たれる場合もあると思いますが、どうかはご容赦ください。


参考:海上保安庁より主要指導団体などに送付された重要文書

参考:ダイビングに内包する致死的な危険


平成15年11月2日

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