海上保安庁より主要指導団体などに送付された重要文書


 海上保安庁は今年の事故の多さを憂慮し、ダイバーたちの安全を達成するために、以下で紹介する文書を主要指導団体などに個別に郵送しました。
 これについて、私が平成15年10月17日に海上保安庁で担当者の方からお聞きした内容の要約を、その担当者の方に確認していただいた上で公開いたします。
 これは何より一般ダイバーにとって重要な文書です。

 この文書は「スキューバダイビング中の事故防止にかかる安全対策について」というもので、本年9月30日に、海上保安庁が捕らえている事故の分析資料数ページなどと共に、海上保安庁警備救難部救難課より主要指導団体などに郵送されました。
 この文書は、ダイビング業界を消費者として支えている、数十万から100万人の安全のためという意図で出された画期的な文書だと私は考えています。
 この文書に対する個人的コメントは、要約紹介の後に別のページで述べています。

 なお、この文書を出され、またこの要約の公開の許可を下さった海上保安庁に、私は深い敬意と、心からのお礼を申し上げます。

 注)文書内で色づけとボールド体にしてある文字は、私が特に重要であると考え、私の判断で行なったものです。


「スキューバダイビング中の事故防止にかかる安全対策について」要約
平成15年9月30日付 各関係団体あて 海上保安庁警備救難部救難課発

1.平成15年1月から8月までに、海上保安庁がその管轄において認知した事故者数は、過去5年間で最も多かった平成11年の同期に比べ、事故者数で大きく上回り、死亡・行方不明者数では同数であった。

2.本年の事故は、インストラクターやガイドが同行していながら、ダイビング開始前の安全留意事項の不徹底、潜水計画での安全性の欠如、ダイビング実施者の技量を勘案した、不測の事態に備えた要員の不足等により事故が発生している事例が見受けられ、今後さらなる事故増加が懸念される。

3.スキューバダイビングは危険と常に隣り合わせであり、その安全確保については、ダイビング実施者の自己責任だけでなく、インストラクターによる適切な指導やガイドとの十分な連携協力が不可欠かつ極めて重要であると考えられる。

4.スキューバダイビングを提供する側の究極のサービスとは安全なダイビングの提供であることから、各関係団体を通じて、会員等となっているインストラクターやガイドに対する事故防止に係る安全対策の再徹底等の周知・指導をお願いする。

5.参考事項として、「スキューバダイビング中の事故防止にかかる安全対策の基本事項例」を示す。

 @緊急時の対応なども含めた安全な潜水計画の立案、実施。

 Aダイバー間及び監視者との間で@の安全留意事項等の対応について十分な打ち合わせの実施。

 B器材の取り扱いやポイントの状況の十分な把握と、バディシステムの厳守及び緊急事の対応の確認。

 C漂流対策として、フロート、発光信号及び音響信号等の装備の携帯、また、ダイビングボートには、無線設備、携帯電話等、陸上との連絡手段の確保。

 Dボートダイビング時には、ダイビングの形態に応じ、操船者に加え、専従の監視員を配置する。

 Eダイビングサービス提供者は、ダイバーの潜水計画を把握し、予定外の事態には、あらかじめ設定した連絡手段により、その安全を確認する。


  ◆私的コメント1  ◆私的コメント2  ◆ダイビングに内包する致死的な危険


平成15年11月2日

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