ダイオウヒラタクワガタ (Dorcus bucephalus)

ダイオウヒラタクワガタは東南アジアに生息する大型のクワガタ虫です。出身はジャワ島。他のオオヒラタの例に洩れず、凶暴という噂・・・。しかしパラワンオオヒラタ、ミンダナオ、スマトラなどとは一線が引かれ、いわゆる「種」が違います。外観も他のオオヒラタのように、伸ばしたり、縮めたりの体型や歯の位置の上下の特徴の差別ではありません。オスの大アゴが湾曲しているのが最大の特徴です。体幅はとても広く、ガッシリした印象です。大アゴの形は、アンテのように、グニュッと曲がり、ヒラタの中では、1.2を争う人気者です。写真は羽化後3週間のダイオウ(78mm)です。太くて、大アゴの形もカッコイイですね!最大個体は90mmに達するそうです。
飼育は特に難しくはありません。ただ、暑さには意外と弱いようで、夏季は陽の当たらない風通しのよい所で管理してください。乾燥にも注意しましょう!反対に寒さには割りと強く、冬季は10度以上なら、十分耐えてくれます。冬眠はしませんが、大概の地域では室内飼育なら暖房なしでも大丈夫そうです。


2002年の飼育日記はこちら!

2003年 飼育日記
1月1日

新年早々、虫部屋で温室の保安チェックをしていると、ダイオウヒラタ・メスの幼虫たちが蛹室を作っているのを発見しました。多くは前蛹状態ですが、中には蛹化した個体もいます。しかし、その中に未だ蛹室の準備もせず、ガラス越しにこちらを見ている奴が1頭いました。手にとって観察してみると・・・なんと頭が他に比べ極端に大きいではありませんか!そうです!オスだったのです。ラベルを確認すると♀のマークを書いたあとにボールペンで消した跡がありました。前回のマット交換時に最初はメスと判断したものの、確証に乏しく、?に訂正したようでした。この幼虫はメスの可能性が高かったので、1リットル容器で飼育していましたが、この機会に1.4リットルの容器に移すことにしました。体重を量ってみると32グラムと、ダイオウヒラタのオスにしては小柄ですが、未だカラダも白く、これからの成長が期待できそうです。
これで、オスの幼虫が3頭になりました。メスは8頭とアンバランスですが、ちょっと嬉しかった元旦でした。
1月30日
ダイオウヒラタのメス軍団のうち2頭が羽化しているのを発見しました。顔は抜け殻が邪魔で見る事ができませんが、まだ腹も赤く、羽化後数日のようです。写真は残念ながら腹だけになってしまいましたが、お行儀良く、脚をそろえているのがわかりますね!
ダイオウには申し訳ありませんが、この部分だけ見ているとなぜかゴキブリを連想してしまうのは私だけでしょうか?
3月2日
羽化したダイオウヒラタクワガタのメス8頭を掘り出しました。なんと!2頭が羽化不全でした(写真)。今までヒラタ系の羽化不全を経験したことがありませんでしたので、この確立にびっくりしました(2/8)。原因は蛹室にありました。無事羽化した個体の蛹室に比べ、極端に小さかったのです。このような状態ながら、2頭とも元気なので、飼育容器に移しました。この先、どのくらい生存できるのでしょうか?
4月28日
ダイオウヒラタ・オスが羽化しました。といっても未だポリボトルの中なので、完品かどうかもわかりません。ご開帳まで待ち遠しいですね!ところで、例の羽化不全のメスですが、2頭とも元気です。2週間位前から餌を食べ始め、既に2頭で2カップの餌を平らげました。しかし、問題もあります。この2頭が喧嘩している可能性があることです。事実、1頭の上翅は片方がなくなってしまいました。この状態(上の写真)ですので、少々の喧嘩でも致命傷になる可能性もあります。そろそろ別けて飼育しないとマズイかも?

5月9日

羽化不全シスターズが姉妹喧嘩。ついに片方はバラバラに・・・。女って恐ろしいですね!お互い羽化不全なのに、片方は切断され、体液を吸われてしまいました。オスはここまでやりませんよ!本当なら、別々の容器で飼育するべきだったのですが、まさか・・・こんなに活発で、凶暴だとは思いませんでした。見かけのような弱々しいイメージは微塵もありません。威嚇姿勢も鋭いんですよ。


ところで、先日羽化したオスを掘り出しました。サイズは70mmそこそこですが、さすがダイオウ!80mmクラスの迫力があります。さらに、エクボもディンプルも無い綺麗な個体です。今年はメスばかり羽化しましたので貴重なオスです。
7月
7月からのダイオウヒラタの飼育日記は「テラリウム」に掲載中!

8月15日

テラリウムで飼育していた2頭のメスのうち1頭を産卵セットに入れました。
今年、無事羽化したオスは1頭でした。しかし、そのオスも養子に出てしまったため、ダイオウヒラタ存亡の危機となりました!そこで、いけない関係??テラリウムで暮らす昨年の種親のオスに娘を2頭、入れてみました。そして、うち1頭を産卵セットに入れました。今回はスペースの関係から、小ケースに産卵木1本という、とても小さなセットです。もし、産まなくても種付けは済んでいるメスが2頭いるというのは心強い限りです。写真はマットに潜るメスです。あまりの素早さに、こんな写真になりました。

8月28日

ダイオウヒラタが産卵しているのが確認できました。小ケースの底に卵が二つ見えます。今回は小ケースという不適切な環境でしたが、無事産卵してくれました。半分は材にも産んでいると思われますので、「成功」だと思います。
9月27日

ダイオウ爆産!?ダイオウヒラタの産卵セットを割り出しました。先ずは産卵木を持ち上げてみると・・・ボロリと産卵木が割れました。そしてその割れ目から幼虫数頭が顔を出しました。これはいけそうです!タイミングも良好みたいで、1令後期の幼虫を中心に出てきます。数えてみると25頭でした。さらに卵が10個ほどありました。合計で35です。中には干からびている卵もありましたので、すごい産卵数だったのですね!しかも小ケースに産卵木1本ですから、セットの割りに大漁です!
幼虫たちは発酵マット入りのプリンカップに移しました。卵は大きめのプリンカップに5個ずつ入れ孵化を待ちます。しかし、他の幼虫の生育状況から無精卵の可能性が高いかも?

2004年 飼育日記
2月15日

昨年の大漁も嘘のよう!?余品コーナーに出品してしまったため、現在飼育しているダイオウヒラタの幼虫は3頭のみです。本日、飼育マットを交換したところ、オス2頭、メス1頭のようでした。オス(写真)は頭幅が大きく、オオクワガタなどに比べると、オスメスの判別が容易ですね!使用マットは「ZAKU」のアンテマットです。
4月19日
娘の同級生の男の子(中学一年生)二人が遊びに来ました。もちろんクワガタ見学です。
まぁー・・・・ということで、ダイオウの幼虫をプレゼントしました。3令中期の幼虫ですので、きっと夏には蛹化するでしょう!「なるべく涼しいところに置いてね!」とアドバイスして送り出しました。このような理由で、一時、ダイオウヒラタからは撤退です。でもお気に入りのクワガタですので、機会がありましたら・・・また・・・きっと・・・。

クワガタ飼育へ戻る           トップページへ戻る