2002年 飼育日記
1月19日
(タイ)

仲良しタイアンテ夫婦!このペアはこの冬、既に2度も産卵していて、「そろそろ離して飼育したほうがいいかなー」と迷っていました。しかしこの「二人」、とても仲が良いのです。ある時はケースの底で、またある時は餌場で寄り添っています。オスがメスを守るようにして・・・・。セレベスヒラタの嫁殺しの事件が頭をよぎりましたが、アンテの嫁殺しは少ないと聞きます。このまま同じケースで飼育するべきかどうか?皆さんはどう思いますか?

2月11日
(タイ)

仲良しアンテ夫婦の♂危機一髪!ミンダナオの蛹を見に温室を覗くと、タイアンテの♂が転倒して脚を突っ張らせ、痙攣していました。昨日は帰りが遅くチェックしていません。丸2日転倒していた可能性があります!起こしてやるが、うまく歩けないようなので、手に乗せ回復を待ちました。しばらくすると何とか持ち直し、歩行を始めました。今は私のGパンの上を元気に這っています。

3月13日
(タイ)

仲良しタイアンテ夫婦の子供幼虫たちの菌糸ビン交換をしました。子供たちは、最初20頭以上いましたが、プレゼント企画などで減り(死亡はゼロ)ただ今10頭くらいです。今回運悪く「ズボラな菌糸ビン作り」という企画の実験に使われることになりました。幼虫は2令初期から3令までばらばらですが皆元気に新しい菌床に潜っていきました。使用菌床は「月夜野きのこ園」さんの380菌床で、自分でガチガチに固く詰めました。

6月1日
(インド)

ついにインドアンテの飼育に手を染めてしまいました。たまたま近所のショップに餌を買いに行くと、インドアンテの幼虫を値下げする所だと言うのです。3頭で?000円という激安でした。1頭あたり700円以下??ゲッ!!巷で売っている国産オオクワガタの幼虫より安い!F5と累代は進んでいるものの、初めてのインドアンテにはぴったりの値段です。飼育室にエアコンを設置した事も後押しして、買ってしまいました。さらに、お店の人のご好意で、2♂1♀で選んでもらいました。(♂は羽化不全の危険性が高いため)

幼虫は2令の♂2頭と3令の♀1頭でした。右の写真の赤丸部分をご覧ください。これは3令幼虫の♀の写真です。白い部分がどうやら卵巣の一部らしいです。幼虫で♂♀の区別をするための重要な手がかりです。

使用菌床「ザク」PP800(ブナ系)に早速投入!

7月9日
10日
(タイ)

「ズボラな菌糸ビン作り」で実験していたタイアンテの幼虫たちのビン換えを行いました。初めは再び菌床飼育をしようと思ったのですが、昨年別系統のタイアンテを羽化不全で失い、「やはり、アンテは人工蛹室か・・」とあきらめていた私にコロンブスの卵・・・。3本目をマット飼育にしてはどうだろうか??菌糸ビンの場合、蛹室の壁面が菌糸で覆われ、水分をはじく状態になりやすいのです。その点、マットなら、水分の吸収が良いように思われます。蛹は羽化する直前、大量の水分を放出します。これが原因で、羽化不全になるケースが多いのです。そこで、大型の♂の幼虫を含む多くをマット飼育に移行しました。
使用マットは、ZAKUマット関西バージョン・アンテ用です。袋を開けた瞬間、私の自家製マットと同じ匂いがしたので、安心しました。値段が安い(10リットル×6で送料込み4千円位)ので、自分で作る手間を考えたらお徳かも?結果に期待!(写真の幼虫は38グラム・期待大です)
翌日観察すると、幼虫たちが暴れた様子はありません。ビンの底のほうに滞在しています。この観察はとても大切で、マットが合わなかったり、ガスが発生していると、上の方に出てきてしまうことがあるからです。マットの再発酵による発熱も気を付けなくてはなりません。

8月17日
(タイ)

先月、マットを交換したタイアンテの幼虫の一部が蛹室を作り始めました。まだ、前蛹にはなっていませんが、明らかに蛹室です。材割りをしたのが昨年の11月でしたので、決して早すぎる蛹化ではないと思います。
写真の幼虫はビンの底に蛹室を作ってしまったので、羽化不全が心配です。

10月11日
(インド)

インド産アンタエウスオオクワガタの2回目のマット交換をしました。オス2頭のうち1頭は結構大きく、体重を量ってみると40グラムありました。1本目はブナ系菌床、2本目は添加発酵マットという変則的な飼育でしたが、よくここまで大きくなりました。
期待を込めて新しいマットを詰めようとしてビックリ!マットがクサイのです。例の発酵臭です。これには困ってしまいました。以前使用したモノと同じ製品なのに、今回送られてきたマットは発酵ガスが抜けていないのです。このままでは使用出来ませんので、マットをコンテナに移して臭いが消えるまで放置する事にしました。
困ったのは幼虫です。とりあえず、ボトルに元のマットと新しい菌床ブロックを混ぜて詰め、しばらく様子をみることになりました。激痩せしないよう祈ります!?

10月15日
(タイ)

タイ・ドイサケット産アンタエウスオオクワガタが羽化を始めました。10頭ほどいる幼虫のうち、最初に蛹化したメスが羽化する前に2番目に蛹化したオスが羽化しました。あらためて、前蛹期間何日、蛹期間何日、ということは言えないと感じました。普通はオスのほうが蛹の時間が長いですから!
左の写真の個体は上翅はきちんと閉じているようで羽化不全は避けられたみたいです。

10月30日
(タイ)

15日に羽化したタイ産アンタエウスオオクワガタのオスを掘り出しました。体長は72mmと特大サイズではありませんが、体幅があり、とてもカッコイイ個体だと思います。昨年飼育していたオスは羽化不全で死んでしまいましたので、今回は無事羽化させることが目標でした。未だ完全に黒化してなく、ちょっと赤っぽいのが写真でお分かりいただけると思います。他の個体も次々と羽化していて掘り出しが楽しみです!
11月12日
(マレー産)

ついにアンタエウスオオクワガタの3系統が揃いました(インド産はまだ幼虫ですが)。今回購入したのはマレー・キャメロンハイランド産のF2・73mmと46mmのペアです。マレー産の特徴のとおり内歯が大きくカッコイイ個体で、とても気に入りました。アンテは1年中採卵が可能だそうです。タイ産の産卵も昨年の今頃でした。出来る事なら今年中にペアリングして幼虫を採りたいと思います。
11月21日
(インド産)

インド産アンタエウスオオクワガタの幼虫のマット交換を行いました。この幼虫は前回(10月11日)マットのトラブルで変則的なボトルで飼育していた幼虫です。心配だったのは前回の成長度合いから蛹室を作っている疑いがあったことです。事実ボトルの表面にそれらしき部屋がありましたが、中をライトで照らしてみると、どうやら蛹室ではないみたいです。掘り出した幼虫は見た目、かなり大きく見えました。体重は42グラムと前回より2グラムの増加にとどまりましたが、縮んでないのが何よりの収穫です。今回は安定したマットに無事引越しとなりました。目標は78mmです!!
12月1日
(マレー産)

マレーアンテの産卵セットにメスを投入しました。交尾は2度、目の前で行い、念のため1晩一緒のケースに入れ、その後単独飼育で1週間タップリ高タンパクゼリーを食べさせました。(小を4カップ食べました)
ケース   中ケース
使用マット  ZAKU関西バージョン・アンテ用
産卵木   クヌギ1・コナラ1  計2本
おまじないに、DAMの幼虫を飼育していたマット少々。

12月18日
(タイ産)

とても仲良しだったタイ・ドイサケット産アンタエウス夫婦の亭主が他界しました。前日まで元気だったのですが・・・。突然の出来事でした。
しかし、昨年夏にペアで購入してから、数多くの子供を残してくれました。どうもご苦労様でした。彼の子供たちですが、結果から申しますと、羽化不全は1頭もありませんでした。アンテはよく羽化不全が多いと聞きます。事実、昨年は羽化直前でカラダが蛹室に貼り付き死亡した個体がありました。今年も蛹室をビンの底に作った個体が多かったので心配していました。3本目のタンクをマットに交換したのが良かったのでしょうか?それとも、夏季にエアコンで温度管理したことが良かったのでしょうか?答えははっきり検証できませんでした。
ところで、婦人は健在で、フ節は6本全てとれているものの元気に?休眠しています。


2003年 飼育日記
2003年
1月2日
(マレー産)

マレーアンテの産卵セット投入から1ヶ月が過ぎました。ケースを持ち上げて底を覗いてみると、数個の卵が確認できました。どうやら、産卵に成功したみたいです。実は、メスはマット上で活動する時間が長くなったため、10日ほど前に産卵ケースから出して、ミニケースで養生させておりました。そこで2個の高タンパク高級ゼリーを平らげていましたので、次の産卵セットに移すことになりました。セットは前回と殆ど同じ(今回はクヌギ2本)です。今回も「おまじない」で前のセットでメスが削った木屑やマットを少々入れました。メスはマットや産卵木の臭いを嗅いでからマットにもぐって行きました。
1月15日
(マレー産)

マレーアンテの幼虫が無事孵化したようです。産卵セットのケースの底に卵を確認していたのですが、なかなか孵化しないので、無精卵ではないかと心配していました。普通、アンテは羽化後半年以上たってからペアリングするのが良いとされていますが、私は待ちきれず、8月羽化のペアでフライングしてしまいました。オスが未成熟の場合、特に無精卵が多いそうです。
ケースの底にあった7−8個の卵は全て幼虫になっていましたが、孵化後間もないようで、坑道を掘っている個体はいません。材割りは10日後位になりそうです。
1月26日
(マレー産)

マレーアンテの産卵セットを割り出しました。採れた幼虫は16頭(全て1令幼虫)と卵が2つでした。マットにいたものは1令の後期が多く、材のフレークから見つけたものは初期の幼虫ばかりでした。
卵は材とマットの両方に産み付けられていましたが、材には幼虫の食痕がありません。このことから、材で産まれた幼虫も、母親が残したフレークをあるていど食べたあと、マットに移動したように思われます。「マレー産は材産み傾向」と聞いていましたが、我が家のマレー産はタイ産と変わらないようです。
セットの残骸は例のごとく、再びケースに戻してしばらく様子をみます。幼虫たちは1頭づつプリンカップに入れ、添加発酵マットでの飼育(温室)に移行しました。
2月1日
(マレー産)

残念な事が起きてしまいました。2つめの産卵セットでブリードしていたマレーアンテのメスが死んでしまったのです。温室に置いているセットを覗いてみると、産卵木に生えているカビが異常に多い事に気付きました。これは産卵していない証拠です。ケースの底にも卵が見えません。「今回はもう産まないな・」と思い産卵木を持ち上げてみると・・・。メスが逆さまの姿勢で死んでいるではありませんか。体中にカビが生えています。「まさか死んでいるとは・・」メスを埋葬してマットを調べましたが産卵の形跡はありませんでした。
死因は多分、ショック死と思われます。メスがまだ若く、二度目の産卵に耐えられなかったのでしょう・・・。早く幼虫が採りたいからと、事を急いだ私のミスです。
2月28日
(インド産)

インド産アンテのメスが羽化しているのを発見しました!今日も帰宅してから、飼育部屋で観察をしていると、インドアンテのメスとガラス越しに、ご対面しました。早速掘り出すと、45mmのメスが綺麗に登場しました。羽化してから、1ヶ月以上たっているようです。しかりとした足取りで威嚇してきました。
残るは2頭のオスです。観察すると、1頭は前蛹状態で、もう1頭の大きな方のオスはまだ元気に?幼虫でした。早くペアにならないかな・・!!

3月11日
(マレー産)

プリンカップで飼育していたマレーアンテの幼虫16頭を菌糸ビンに移しました。1月末、幼虫16頭、卵2個という割り出し結果でしたが、卵2個は未だ孵化しません。多分無性卵でしょう。しかし、幼虫16頭は全て元気に2令幼虫に育っていました。中には雌雄の判別ができる個体もいます。体の艶も良好ですので、16頭を菌糸ビンに移しました。菌糸ビンはZAKUのクヌギ、ナラ混合PP850ポリボトルです。
(写真はなぜかオシリから落ちてしまった幼虫)
5月3日
(インド産)

インド産アンタエウスのオスが羽化・割り出しました!K血統・F5です。
サイズは74mmとインドアンテにしては、それほど大きくはありませんが、写真の通りヒマラヤ産の形です。これで、インドシナ系、ヒマラヤ系、マレーと3系統の飼育経験ができました。

あとは42グラムの幼虫が無事羽化するのが楽しみです。現在・前蛹。
5月26日
(マレー産)

1月末に採卵したマレーアンテの幼虫の菌糸ビンを一部交換しました。1本目の菌糸ビンに入れたのが3月11日ですので、早い個体は2ヵ月半で交換となりました。特に3令になっているオスは菌糸の食いもよく、順調に成長しています。早めの交換が効果的と考えました。オスの幼虫は1400ccの菌糸ビンへ、メスは800ccへと移しました。食いが遅い幼虫は交換しないで、しばらく様子を見ます。

左の写真は新しいビンの口で糞をしたメスです。
6月10日
(インド産)

インド産アンテの蛹を人工蛹室に移しました。理由は蛹室がビンの底に作られていたからと、何となく嫌な予感がしたからです。すると開けてビックリ!オオヒラタのような巨大な蛹が出てきました。国産オオクワに使っていた蛹室(写真左)ではどうやら役不足のようです。そこでオアシスをひとまわり大きくカットして作った特別な蛹室を作製しました。蛹室の長辺は10センチ強あります。これなら、80mmオーバーにも対応できそうです。さて!本当に80mmいくでしょうか?
6月24日
(インド産)

24日未明・・帰宅してメールのチェックをしていると、人工蛹室に移したインドアンテの蛹が気になりだしました。飼育部屋を覗いてみると、なんと!羽化の最中ではないですか!しかも順調みたいです。(写真)

ここまでくれば大丈夫!ピーンと張った上翅に一安心。心配していた羽化不全はどうやら回避できたようです。人工蛹室のおかげでしょうか!?しかし、気になるのはサイズです。蛹の時は大きく見えましたが、いざ羽化してみると、なんだか縮んだような・・・・・。
6月30日
(インド産)

先日羽化したインドアンテの体長を測定しました。幼虫時の目標は78mmオーバーでしたが、人工蛹室に移した蛹の大きさから、80mmオーバーを期待していました。ノギスを当てると80mmを優に超えています。結果は83mm強でした。体が完全に固まっても82mmはあると思います。
しかし、本当に大きいですよ!国産オオクワがこの大きさになったらすごいでしょうね!
9月7日
(タイ産)

悲しいお知らせです。一昨年、昨年と子孫を残してくれたタイアンテのメスが他界しました。亭主には既に先立たれていましたが、単身で元気に余生を過ごしていました。2001年初夏の購入でしたので、2年強の生涯だったと思います。フセツが6本ともありませんでしたので、直接の原因は転倒死だったかもしれません。これで我が家からタイ産がいなくなりました。

9月12日
(マレー産)

マレー産アンテの幼虫たちの菌糸ビンを交換しました。前回の交換から早三ヶ月、食いのよい幼虫はビンの表面を60パーセントほど黒化させていました。今回使用するボトルは「月夜野きのこ園」さんのPP1400ボトルです。昨朝届いた菌糸ビンは既に温度合わせも済んでいます。早速、掘り出すと・・・・。大きい・・・。カブト並みか?最近は国産慣れしていましたので、幼虫の大きさにビックリ!!
今回は体重測定はしませんでしたが、確かに、大きいですね!実は今回マレーアンテのオスの幼虫は密閉型の貯蔵ラックで完璧に遮光して23度で管理していました。これがよかったのでしょうか?羽化するまでは???ですね!
9月24日
(インド産)

インドアンテの大型個体(前回測定時83mm)の体長を再計測しました。ビックリです!!背が伸びている??いや・・・体長が伸びていました。何と85mm位あります。驚きです!
普通は羽化後2−3週間で計測すると、その後1−2mm縮むのが普通です。しかし、こいつは逆に大きくなったのです。多分、前回測定時には、カラダをよほど「すぼめて」いたのでしょうね!?
再測定した理由は、昨日訪れたインセクトフェアで見た80mmオーバーのインドアンテが、私の個体に比べ、とても小さく見えたからです。
10月16日
(マレー産)

マレー産のアンタエウスオオクワガタのメスたちが羽化を始めました。産卵の確認が1月ですので、9ヶ月目での羽化になります。今回羽化したのは3頭で、いずれも小ぶりな個体たちです。まだ、蛹化もしていないメスたちもいますので、こちらは大型が期待できるかも?
オスはというと、いまだに蛹化の気配すら見せていません。私の予想では、羽化は来春になると思われます。今回採れた幼虫はオスの数が多いようですので、期待大ですね!
12月13日
(マレー産)

マレーアンテのオス幼虫もいよいよ蛹化しそうです。温室で、19度から20度で管理しているオスの幼虫が蛹室を作り始めました。オスの幼虫はプラボトル1.4リットルで飼育していますが、食痕が半分を越えましたので、もう一本交換しようかどうか迷っていたところでした。しかし、このタイミングで新しいボトルに交換すると、「縮み」が大きそうでしたので、出来ればこのボトルで羽化するように調節したつもりでした。どうやら上手くいきそうですね!蛹室も結構大きそうです。
他の個体は、様子を見ながら対処するつもりです。


2004年 飼育日記
2月12日
(マレー産)

羽化したマレー産アンテのオスを掘り出しました。このオスは10頭いるオス幼虫の中で、一番最初に羽化した個体です。羽化した順番、蛹室の大きさ、食べたオガの量からいって小さめの個体と思っていました。ところが、サイズを測ってみると73mm以上あります。親が73mmでしたので、まずは成功ですね!
スタイルも良好で、大アゴは太く、体も幅広です。親以上のルックスです!兄弟にはまだ、前蛹状態の個体もいますので、羽化が楽しみになりました。
3月10日
(マレー産)

いつものように、マレーアンテの羽化状況を観察していると、異変に気が付きました。オスの蛹の蛹室に水が溜まっています。(写真右)う・・・ん・・・!?羽化前の水分放出か?しかし、蛹の色づき方からしてまだ早いようです。蛹は元気に体をくねらせています。
そこで、人工蛹室の準備にとりかかりました。このままでは、100パーセント羽化不全です。慎重に掘り出してみると驚愕の事実が目の前に現れました!何と・・・蛹の左側の大アゴがありません。その部分からは、チーズのような液体が滲み出ています。腹部先端からは、体液が放出された形跡があり、黒い物体が付着しています。
これは一体、どのような事故なのでしょうか?掘り出しは慎重に行いましたし、最後は手で蛹室の壁を壊しましたので、不注意での事故ではありません。写真のように、「眼」が出来上がっておりますので、蛹化直後ではないようです。考えられるのは、「外敵に襲われた」「蛹化に失敗して左大アゴが脆く、寝返りで崩壊した」くらいでしょうか?ショックは全く与えていませんから!私の推察では、前者に傾いています。とりあえず、今後の経過を観察したいと思います。
3月18日
(マレー産)

マレーアンテの羽化が最盛期を迎えようとしています。多くの蛹が色づきはじめました。そんな中、明らかに状態の悪い蛹室が幾つか見受けられました。ご存知のように、アンタエウスオオクワガタは羽化不全の多い昆虫です。思い切って人工蛹室に移すことに決めました。
ところが、人工蛹室に移した3頭のうち、1頭の様子が変です(左の写真)。最初は「お行儀が悪いだけか」と思いましたが、見れば見るほど異常です。
早速、通常の蛹と見比べてみました。頭部から観察すると、大アゴ、口元が非対称です。翅、中脚も非対称で、特に左後脚はあぐらをかくように曲がっていて、右後脚は下方にぶら下がっています。
しかし、とても元気に運動していますので、もしかすると元気に羽化するかもしれません。このまま観察を続けたいと思います。

10日にメルトダウンが発覚した蛹ですが、傷口の部分を中心に、頭部が黒くなってきました。長くはなさそうです。
4月1日
(マレー産)

「お行儀にお悪い蛹」はやはり、羽化出来ませんでした。一昨日から、頭部、脚部が黒くなり、羽化が近いと思われました。しかし、ついに脱皮することはなく、そのままの状態で、頭部を起こし始めてしまいました。そして、もがくように脚と大アゴを動かしています。もう、この個体はあと数日の命のようです。安楽死が最適な方法かもしれません。
私は今まで、アンテは羽化不全が多い種類と思っていました。しかし、そのうちの何割かは、今回のような、蛹化不全が原因なのかもしれませんね!今回、幾つかの蛹を人工蛹室に移したことで勉強になりました。

4月9日
(マレー産)

マレーアンテのオスが4頭無事羽化しました。最初に羽化した73mmが最小で、あと3頭は76、77、77mmと大型揃いです。確か、2年前のビークワに掲載されていた、マレーアンテの飼育ギネスが77.5mmでしたので、我が家のマレーアンテは大型血統といえそうです。
左の写真はお気に入りの77mmです。マレーアンテは大型になるとバランスが崩れるそうですがこの個体はバランスがいいですよ!残る蛹はあと4つです!
9月13日
(マレー産)

マレーアンテのブリードを開始しました。種親はお気に入りの78mm(上の写真)です(クワカブランドで測定していただいたところ78mmありました)。メスは兄弟の45mm2頭です。
飼育ケースに足場を置き、オス、メスを出会わせたところ、無事交尾しました。アンテは本当に簡単に交尾してくれますね!しかし、1頭目との交尾後、何故かオスの元気が無くなりましたので、2頭目のハンドペアリングは中止しました。とりあえず、喧嘩する様子はありませんでしたので、暫く同居させて、様子を見ます。やはり、交尾は体力を消耗するのでしょうか?
9月23日
(マレー産)

マレーアンテの産卵セットにメスを投入しました。今回はメス2・ケース2です。
セットの内容は2ケースとも全く同じです。中ケースに、産卵木は夏菌皮むき材1本です。ちょっと工夫をしたのはマットです。マットは異なる種類を同時に使いました。先ず、麦飯石の粉末入りの生オガ発酵マットを2センチほど固く詰めました。その上から5ミリほど埋め込みマットを詰め、さらに生オガ発酵マットを1センチ程敷きます。この上に産卵木をのせ、埋め込みマットで覆いました。横から見ると地層のようになっています(写真)。
このようなセットにした理由は、アンテが産卵木とマットの中間によく産卵することで、発酵の度合いが異なるマットが触れ合う部分にもよく産卵するような気がしたから?です。
はい!いつものように「カン」だけでセットしてみました。
10月22日
(マレー産)

先月セットしたマレーアンテの産卵ケースの底に「卵」を確認しました。もちろん二つのケース両方です。産卵木も破壊されていて、ブリードは順調のようです。
数年前まではアンタエウスは「ブリードが難しい」といわれていました。専門誌にも、「太い産卵木じゃないと産まない」などと書かれたこともありました。しかし、現在では飼育数の増大で、「柔らかい産卵木」と「上質な産卵マット」の組み合わせで、比較的簡単にブリードすることができるようになりました。

11月7日
(マレー産)

9月にセットしたマレーアンテの産卵セットの1ケースを割り出しました。大漁旗が掲げられる事を信じて疑いませんでしたが、残念な結果に終わりました。幼虫4頭、卵7個しか採れませんでした。
何が原因だったのでしょうか?確かに産卵木には雑虫の食痕がありましたが、熱湯消毒の効果か、生体は出てきませんでした。それでもメスが嫌ったのでしょうか?マットの状態も良かっただけに、不思議です。
尚、割り出した廃材、マットは「とりこぼし」があるといけないので、暫く保管します。


2005年 飼育日記
4月14日
(マレー産)

昨年採れた幼虫は結局20頭でした。現在は菌糸ビン飼育中で、そろそろ2本目への移行検討の時期です。
ところで、昨年産卵したメス2頭はとても元気です。昨年末からオスと交互に同居させていました。このメス2頭で、再び産卵セットを組みました。
メスは1頭ずつ産卵セットに入れます。ケースは中ケース、マットは月夜野きのこ園さんの「クワマット」です。産卵木は「夏菌皮むき材」を1本ずつ入れました。
昨年は思ったより産卵数が少なく、ガッカリした記憶があります。今年は多産してくれるでしょうか?
5月7日
(マレー産)

時既に遅し・・・!?マレーアンテの菌糸ビンを交換しました。昨年11月に採卵した幼虫たちです。1本目の菌糸ビンへ投入したのが12月でしたので、冬季とはいえ5ヶ月近くは引っ張りすぎです。案の定、菌床は食べ尽くされていて、メスの一部は既に蛹室を作製していました。明らかに油断でした。しかし、オスが1頭も蛹化していないのは不幸中の幸いです。オスは1400cc、蛹室を作っていないメスは1100ccの菌糸ビンへ移動しました。「お願いです!菌糸ビンの交換で蛹化のスイッチが入らないでください!!」真夏以降の蛹化を期待します。
6月8日
(マレー産)

4月にメスを投入した産卵セットの割り出しを行いました。ケースの底に卵を発見してから1ヶ月以上経過しているのに、幼虫の姿が見えません。不思議だな?と思いつつ、割り出してみると・・・。出てきたのは卵ばかりでした。中には膨らんで孵化寸前の卵もありましたが、多くの卵は産みたてでした。
それでは1ヶ月以上前に見た卵はどうなってしまったのでしょう???多分、メスに食べられてしまったのでしょう。クワガタのメスはタンパク質が不足すると自分の産んだ幼虫でも捕食してしまいます。卵を確認したらメスを取り出す作業を怠った私のミスです。
今回、取り出した卵はプリンカップに保管して、孵化を待ちます。

8月6日
(ミャンマー産)

友人から、ミャンマー・サガイン産アンタエウスオオクワガタの幼虫をいただきました。(F3)
種親こそ小型の個体ですが、先々代は素晴らしいクワガタだったそうです。ミャンマー・サガイン産は以前ブレイクした産地です。どのような形態のアンテが羽化するか、ワクワクしますね!初二令幼虫ではありましたが、余った1400ccのボトルの在庫がございましたので、Gカップから月夜野きのこ園の1400ccボトルへ移しました。アンテの飼育はとにかく「冷房」です。冷やしてユックリ加齢させるのが一番です!

8月22日
(マレー産)

マレーアンテのオスが羽化しました(割り出しは昨年の11月)。アンテのオスにしては、早期の羽化です。原因は菌糸ビン交換時期の遅れだと思います。アンテの大型個体は羽化まで、1年以上かかるのが普通です。
しかし、予想以上の個体が出てきました。大アゴの太さ、張り出しにビックリしました。さすがは美形個体の子供です。サイズも思っていたより大きく、73mm程です。次の個体の羽化が楽しみになりました。
9月13日
(マレー産)

マレーアンテの飼育は順調です。数日前には76mmのオスが羽化しました。
しかし、アンテ羽化の最盛期はこれからのようです!メスが次々と羽化する中、オスも蛹化を始めています。早期蛹化、羽化した個体たちに比べ、後発のほうが、サイズ的には期待できるかもしれません。
今回、管理不足が原因で、オスも菌糸ビン2本目での羽化となってしまいました。もちろんオスは1400ccのボトルでの羽化ですが、本来なら3本目の飼育ビンでの羽化が好ましいと思います。ちなみに、アンテ幼虫は夏季も飼育部屋で、25度で温度管理していました。
劣悪な?環境での羽化を避けるために、オスの数個体を人工蛹室へ移しました。写真のように、蛹室は水分過多?で嫌気性バクテリアが繁殖し、変色しています。周りの部分も黒く変色し、ダニが沸いている状態です。

今回使用したのは、市販の人工蛹室、「バケラッタ君」と「ドロンパ君」です。ともに、我が家でも実績があり、信用できるアイテムだと思います。もちろん、オアシスでもOKですよ!
10月13日
(マレー産)

全てのマレーアンテ・オスの蛹を人工蛹室へ移しました。
「バケラッタ君」「ドロンパ君」で足りない数は「オアシス」で代用しました。
今回は大型個体用に、蛹の頭上の部分のオアシスを取り払ったバージョンも用意しました。もちろん落下防止のため、ケースに密着させてセットしています。結果は上々です。羽化不全は今のところ確認していません。良形のマレーアンテが続々と羽化しています。(写真)
しかし、無事羽化したうちの1頭が突然死?してしまいました。口唇を出したまま、ダラリとなっています。原因は不明です。以前経験した国産オオクワガタの例(その後蘇生した)もありますので、しばらくの間様子をみるつもりです。

・・・後日・死亡確認しました・・・

11月1日
(マレー産)

昨冬、今春と二度に渡り、ブリードしているマレーアンタエウスオオクワガタ(キャメロンハイランド産)のメス達を再び産卵セットに投入しました。メスは今回が最後のセットになると思います。
今年羽化したマレーアンテのオスは最大で77mmと親を越えることが出来ませんでした(種親は78mm)。形は安定して美形なのですが、やはり親越えは必須です。(現実は私の管理不足が原因でした・・・よくここまで大きくなってくれたものです)
セット内容・中ケース、クワマット(月夜野きのこ園)、柔らかめ産卵木(夏菌材)1本ずつ、という内容です。アンテセットの定石通り、底面のマットは固く詰めています。水分も多目です。
設置場所は2階北東の飼育部屋です。最近気温が下がってきましたが、日中は22度程度まで上昇します。今後、飼育部屋の気温が下がるようでしたら、温室への移行も視野に入れていおります。
11月11日
(ミャンマー産)

ミャンマーアンテ(サガイン産)幼虫の菌糸ビンを交換しましおた。8月6日の初投入以来、最初の交換です。期待を込めて最初から1400ccのボトルで飼育していました。
堀り出してみて、愕然としました。「あれ?小さい、メスか?」「次は・・・エッ、次も?」という感じで、5頭ともアンテらしからぬ大きさです。アンテのオスはカブトムシの幼虫並に大きくなりますから。全てメスかもしれません。だとしたらスゴイ確率ですね!小さくてもオスが欲しいですよね!
気を取り直して、5頭とも1100ccのボトルへ投入しました。

11月23日
(マレー産)

1日にセットしたマレーアンテの産卵ケース(2セット)の底に卵が確認できました。
ここ2週間ほど、気温の低下が顕著でしたたので、温室で管理していました。20度に設定した温室の最下段に置きました。ここはヒーターに近く、温室の中でも温度がやや高い場所です。アンテは冬でも簡単に産んでくれて嬉しいですね!
メスはそろそろ取り出す予定です。3度目の産卵です。タンパク質不足で幼虫や卵を捕食されてはたまりませんから。
12月10日
(マレー産)

マレーアンテの産卵セットを割り出しました。
11月1日のセット開始から、40日が経ちました。ケースの底に、幼虫は未だ見えませんが、思い切って割り出してみました。やはり、出てきたのは卵ばかりでした。2ケースから約20個の卵が採れました。しかし、孵化が遅い事から、無精卵の可能性もあります。卵はマット入りのプリンカップで保管しました。
写真は材から出てきた卵。アンテも少ないですが、材にも産むのですね!
12月29日
(マレー産)

先日割り出した「卵」がなかなか孵化しません。大きく膨らまないのです。無精卵の可能性が高いようです。このままでは、美形、大型血統のマレーアンテの血が絶えてしまいます。
そこで、種親・78mmとその娘・48mmをペアリングしました。「禁断のペアリング」ですが、クワガタの世界では珍しくありません。
さらに、メスが眠らないように、あらかじめセットを温室に入れ暖めておきました。もちろん、メスには高級ゼリーを食わせてあります。さて、結果はいかに・・・。


2006年 飼育日記
2月15日
(マレー産)

昨年末にセットした、マレーアンテの産卵ケースを割り出しました。昨年秋に組んだセットからは、無性卵ばかり出てきましたので、今回のセットは、とても気懸かりでした。
今回も前回と同様、「卵」が沢山出てきました。しかし、2頭の幼虫が混ざっていました。そして、「卵」のなかには、薄っすらと幼虫の形が見えるものも存在しました。「無精卵」では無い事を確信し、大きく安堵いたしました。これで、次世代が残せそうです!採れた幼虫の累代は「F5」となります。
3月13日
(マレー産)

先月、割り出したマレーアンテの幼虫を菌糸ビンへ投入しました。
飼育していたプリンカップを割り出してみると、14頭の幼虫が出てきました。うち、大きめの9頭を菌糸ビンへ入れ、残りの5頭は再びプリンカップのアンテマットへ戻しました。
ついでに、前回の廃材を調べたところ、2頭の幼虫を新たに発見しました。前回、丹念に調べたつもりですが、「見落とし」はあるものですね!狭い温室で、大きなスペースをとっていた廃材入りのケースでしたが、2つの命を救えて報われました。今後も廃材の保管は、続けたいと思います。

5月10日
(ミャンマー産)

ミャンマーアンテ(サガイン産)幼虫たちが同時期に蛹室を作りました。昨年秋に菌糸ビンを交換したとき、アンテらしからぬサイズに愕然とした個体たちです。国産オオクワガタでしたら、「オスもあり」の大きさなのですが、アンテとしてはオスとは思えないサイズです。やはり、メス5頭の公算が高いようです。小さくてもいいから、オスが混じっていることを期待します・・・。トホホ・・。
6月26日
(ミャンマー産)

ミャンマーアンテ・サガイン産の幼虫たちが羽化しました。「一子」「二子」「三子」「四子」「五子」と数えて、割り出しは終了しました。結局「六助」はいませんでした。「女だらけ」(昔の漫画)のようにはいきませんでしたね!
これも神の思し召しでしょうか?私の信仰心が皆無なのが原因でしょうか?予想はしておりましたが、凄い確立です。
7月23日
(マレー産)

2月に割り出したマレーアンテの幼虫は順調に育っています。2本目の菌糸ビンへ移しました。
我が家で飼育していた11頭の幼虫うち、1頭は死亡していました。自然淘汰と思われます。残りの10頭は幸運にも、オス5頭、メス5頭のようです。ちなみに、オスと思われる幼虫の体重は、30グラム前後でした。今回は、食痕が少なかったにもかかわらず、早めの交換を心がけました。2本目の菌糸ビンで、幼虫の最大体重をさらに伸ばすためです。
オス幼虫たちは、アンテの定石通り、「居食い」していたと思われます。1本目が800ccと小型の容器だったにもかかわらず、ボトルの下半分程度しか食べた形跡がありませんでした。にもかかわらず、最大個体は34グラムと、なかなかの数字です。
メスはボトル全域を食い荒らす傾向にあるようです。食痕の多い容器から、メスが出てくる傾向がありました。
2本目の菌糸ビンも「月夜野キノコ園」さんの「エレメント・シリーズ」を使用します。オスは1400ccへ、メスは800ccのボトルへと移しました。保管場所も飼育部屋の中でも、エアコンの風が当たる、最も涼しい場所(22度程度)です。

9月4日
(マレー産)

マレーアンテの幼虫たち(メス)が前蛹期に突入しました。中には、既に蛹化した個体もいます。
今回の蛹化は想定外でした。我が家の飼育環境では、アンテのメスは、羽化まで9ー10ヶ月程度要するからです。エアコンで冷やしたにもかかわらず、早期の蛹化となってしまいました。早い個体は10月に羽化しそうです。
問題はオスたちです。1400ccのボトルへ投入し、今夏、エアコンの風の当たる環境(22度程度)で管理していました。もちろん未だ蛹化する様子はありません。今後、オスたちの羽化を来春・2−4月に延ばせるかどうかが、ポイントになりそうです。出来れば、種親(78mm)を超える、個体が誕生すると嬉いのですが・・・。
10月8日
(マレー産)

ちょっと観察をサボっている間に、マレーアンテのメスが蛹化していました(写真左)。この分だと、11月にも羽化しそうです。
オスはまだ、蛹室をつくる幼虫はいません。しかし、食痕が増えてきました(写真右)ので、そろそろ3本目へ移す事を考えなくてはなりません。問題はタイミングです。一番心配なのは、ビン交換のショックで蛹化してしまう事です。もう少し寒くなれば、蛹化を遅らす事に有利なのですが、まだまだ日中の気温は高めです。この時期、エアコンをフル稼働させると奥方が怒ります。気温の上がりそうな日の朝にスイッチを入れなければなりません。温度管理が難しい季節です。
10月21日
(マレー産)

食痕が目立ってきたマレーアンテ・オスの菌糸ビンを交換しました。前回の観察で、まだら模様だった食痕がビンの下部70パーセント程度まで一面黒くなりました。
もちろん、ビン交換によるショックでの蛹化が怖かったのですが、このまま放置しても、人工蛹室の使用は必須です。前向きな選択のほうが、後悔は少ないものです。
幼虫たちの体重は31グラムから36グラムでした。
使用する菌糸ビンは「月夜野きのこ園」の「E-1400」です。幼虫が落ち着きやすいように、底面まで穴を掘り、頭を誘導してあげました。これも幼虫のストレスを少しでも減らすための方法です。飼育部屋の温度は22度。本日は雲が多く、気温が上がりそうもありません。好都合です。
11月19日
(マレー産)

前回、菌糸ビンを交換したマレーアンテ・オスの幼虫が蛹室を作り始めました。出来れば、もう少し「蛹化モード」を遅らせたかったのですが、仕方ありません。多分、菌糸ビン交換による「ショック」と10月下旬の「暖かさ」が原因だと思います。温度を下げたくても、この時期にエアコン使うと奥方の機嫌が悪くなります。これは「自殺行為」です。(笑)
さらに残念な事に、前回の計測で35グラムあった期待の幼虫が黒くなってしまいました(写真右上)。蛹室を作って前蛹に入る時期でした。原因は「個体の不具合・自然淘汰」でしょうか?
「あっ!!もしかして・・・。」思い出しました。そういえば、菌糸ビン交換時に20センチ程の高さから1頭の幼虫を落としてしまった事を・・。あの幼虫だとしたら落下時に怪我をした可能性が高そうです。これは私の人為的なミスですね。深く反省致します。

ところで、不思議な幼虫がいます。この幼虫は現在飼育中の「マレーアンテ」の兄弟です。しかし、何故かマット(菌糸ビン)に潜ろうとしません。9月に、菌糸ビンの上へ出て来て、そのまま居座っています。マットへ移しても(写真)全く潜る気配は見えません。現在もマットの上で横たわっております。今後が心配です。このまま無事蛹化してくれればいいのですが・・・・。残念ながら、私の経験では「NO」です。
11月24日
(マレー産)

マレーアンテのメスが羽化・菌糸ビンから取り出しました。
10月8日に報告した通り、メスは一足早く蛹化していました。羽化も10月下旬に確認出来ました。実はこのまま、来春まで放置しようと考えていたのですが、ハプニングが起きました。
劣化した飼育ビンにダニが大量発生したのです。菌糸ビンの中はもちろん、外でも、ダニがうごめいているのが確認できました。(気持ち悪いので、写真は掲載しません)このままでは羽化したメスにも害が及ぶ可能性があります。迷わず、掘り起こしました。無事羽化できたメスは当初の5頭のうち3頭でした。残る1頭は未だ前蛹で、もう1頭は蛹化不全で死亡していました。
サイズは未計測ですが、40ミリ代後半の様子です。



2007年 飼育日記
1月1日
(マレー産)

マットの上で年を越した幼虫がいます。11月19日の飼育日記で紹介した、例の不思議な幼虫です。
9月に、ビンの上に出てきてから一向にマットへ潜る気配が見えません。埋めてあげたほうが良いのでしょうか?餌は食べているのでしょうか?萎んでいる様子もなく、ただ、マットの上に横たわっています。
まさか、「除夜の鐘」をマットの上で聞く幼虫がいるとは驚きです。
何故、この幼虫は潜らないのでしょうか?除夜の鐘が聞きたかったのでしょうか??いいえ・・・どこかに欠陥がある可能性大です。最期まで観察したいと思います。無事、蛹化、羽化したら奇跡かも・・・。

1月28日
(マレー産)

昨年11月に蛹化したマレーアンテの蛹(4頭のうち1頭)を人工蛹室へ移しました。
左の写真の通り、飼育ボトルの菌床が発酵してしまったのが大きな理由です。少し掘り起こしてみましたが、マットは完全に黒色になっています。もちろん、このまま放置しても問題無く羽化すると推測できましたが、外から観察するに、やや蛹室が小さいような気もしました。
掘り出してみて驚いたのは、本当に蛹室が小さめだった事です。これでは、翅を伸ばす事もできませんし、頭部を起こす事も難しそうです。人工蛹室へ移す決断は正解だったようです。危機一髪だったかもしれません。
今回使用した人工蛹室は既製品の「ドロンパくん」です。十分保湿し、温室へ入れました。そろそろ残りの3頭も羽化が始まりそうです。
2月11日
(マレー産)

マレーアンテのオスたちが羽化を開始しました。
先陣を切って羽化したのは最も体重が軽かった(31グラム)幼虫でした。羽化10日後、安全を確かめるために掘り出してみると、残念な事に「羽バカ」でした(写真)。「羽バカ」とは何らかの原因で、上翅がきちんと閉じずに固まってしまった状態です。この個体程度の羽バカですと、自然に治ってくれる場合もあります。ブリードも問題ありません。
しかし、他の蛹の事が心配になりました。この「羽バカ」がいた蛹室もやや小さかったように感じたからです。残りの蛹は大丈夫でしょうか?外からですと蛹室の大きさを正確に把握する事は難しいのです。

そこで、安全のため、他の2頭も人工蛹室へ移すことに決めました。早速、昨日(10日)掘り出した蛹が今朝、羽化しました。羽はしっかり閉じています。危機一髪だったかもしれません。放って置いても無事羽化したのかもしれませんが、今回の処置はより安全な判断だったと信じています。

2月24日
(マレー産)

マレーアンテ・今年の最大個体が無事羽化しました。この個体は幼虫時、体重が36グラムあり、今回飼育していた中では期待大でした。前回報告したように、人工蛹室へ移した事も正解だったようです。
未だノギスは当てられませんが、目測では70ミリ台後半といった感じです。ノギスを当てる日が楽しみです。早く固まれ!
3月4日
(マレー産)

先月末に羽化したキャメロンハイランド産マレーアンテの体長を測定しました。この個体、幼虫時に確認できた体重は最大36グラムでした。個人的にはやや物足りない数字でした。ノギスを当ててみると、78mmには少し届きません。77.5mmということで、決着です。分っていたとはいえ、ちょっと寂しいですね。種親は78mmでした。親超えは叶いませんでした。
でも形は明らかに進化しています。横幅の太さは親より上かもしれません。大アゴもより太く、短くなりました。体長の足りない理由はこの大アゴの短さが原因かもしれません。
ところで、先日、朝霞の「クワカブランド」で同じキャメロンハイランド産のメスを購入しました。サイズは45mm(F3)です。私の血統も今年羽化した個体たちがF5となりました。まだ、明らかな弊害は見えませんが、劇的な飛躍もありませんので、そろそろ新しい血を入れようと思います。出所のはっきりとしたメスですので、安心して交配できます。もちろんオスは今回羽化した77.5mm(写真)です。ブリード時期は秋口でしょうか?

4月14日
(マレー産)

昨年からお伝えしている「潜らないマレーアンテの幼虫」の死亡を確認しました。この幼虫の兄弟は、先日も報告したとおり、今春、無事羽化しております。ところが、この幼虫に限り、蛹化どころか、埋めても埋めてもマットの上に出て来てしまいました。マットの交換も効果はありませんでした。
原因は「個体」そのものにあると思います。自然淘汰と考えるのが自然です。
兄弟の羽化を全て見届けたあと、約1ヶ月後の往生でした。

9月16日
(マレー産)

今春羽化したマレーアンテのオス(77.5mmF5)を種親にペアリングを開始しました。相手は血の入れ替え用に「クワカブランド」で購入した同じキャメロンハイランド産のメス(45mmF3)です。
先ず、オスのケースにメスを入れて様子を見ます。オスを環境の変化で興奮させないためです。オスはすぐにメスの体を触覚で調べ始めました。メスはオスの体の下に潜りこみました。目の前で交尾には至りませんでしたが、私の経験上、これなら問題なさそうです。2−3日同居させることになりました。
ちなみにこのペアの子孫はCBF1(F1・CB6)という表記になります。

9月24日
(マレー産)

ペアリングしていたマレーアンテのペアを分離しました。このペアはなかなか相性が良いようで、同居させた夜には、メイトガードが確認できました。私の経験上、メイトガードが確認できれば、交尾は成立しているはずです。しかし一応、1週間同居させました。もちろん、メスの体に挟まれた形跡が無いかどうか、確認しながらです。
尚、分離したメスはしばらく養生させます。もう少し涼しくなったら、産卵セットへ投入する予定です。
10月8日
(マレー産)

先日、ペアリングを済ませたマレーアンテのメスを産卵セットへ投入しました。
種親のオスは77.5mm、祖父は78mmあった大型血統です。
今回使用した産卵セットは、中ケース。マットはクワカブランドさんの「生オガ発酵マット」とカブクワキングさんの「Zマット」の混合です。産卵木はハーフにカットしたレイシ材です。実は「家にあるもの」で組ました。
レイシ材は3分の2をマットに埋め込みました。水分も多めに調節しています。アンテは産卵木とマットの境目にも産卵する事が多いのです。さらに主な産卵場所となる底面は両方のマットが混ざるようにセットしました。(完全に混ぜているわけではありません・写真)「Zマット」は微粒子で良いマットなのですが、念のために茶色く発酵した「生オガ発酵マット」もミックスしました。はたしてアンテのメスは気に入ってくれるでしょうか?
11月4日
(マレー産)

10月8日にセットしたマレーアンテ・産卵セットの底面に、卵を確認しました。
ここ数日、朝晩気温の低下が顕著です。陽の光が暖かく感じ始めました。そろそろ冬支度でしょうか?我が家の飼育部屋も先週から温室のスイッチがONとなりました。
眠ってしまうのでは?と心配していたマレーアンテのメスも活動開始したようです。ゼリーを3皿完食しています。そして嬉しいことに、ケースの底面に2個の卵が確認出来ました。ブリード成功の模様です。本日、念のためにゼリーを補充しておきました。底面に幼虫の姿が確認でき、10日も経てば、割り出しのタイミングです。

11月19日
(マレー産)

1ヶ月前に産卵セットに投入したマレーアンテのメスを次のセットへ移動させました。
最近、産卵中のメスがマットの上に出ている事が多くなりました。ゼリーも10カップ以上平らげました。これはブリード成功のサインかもしれません。「産卵は順調だな・・・」と前向きに捉え、新しいセットへ移しました。
内容はほぼ同等です。中ケースに生オガ発酵マットを底部に詰め、上部は微粒子マットで覆いました。産卵木は前回の残りのレイシ材・ハーフカットです。水分調整を行い、餌も四隅に設置しました。
このセットはあくまで保険です。メスも疲れているでしょうし、出来れば休ませたかったのですが・・・・・。
12月2日
(マレー産)

マレーアンテの産卵セットを組んだ飼育ケース(1本目)の底面に幼虫が確認できました。新しい血を入れましたので、これらの幼虫の表記は自己流で、CBF1(F1・CB6)となります。
そろそろ菌糸ビンを注文しなくてはなりません。次週末に割り出す予定ですので、木曜日までに届かないとなりません。さて、何本発注しましょうか?
12月9日
(マレー産)


マレーアンテの産卵セットを割り出しました。セットから2ヶ月と長い期間を要しましたが、結果的にはグッドタイミングでした。
出てきた幼虫は初令の中期から後期が8頭、初期が8頭、卵が4個という結果でした。体にツヤがある初令幼虫は即菌糸ビンへ投入、孵化したばかりで、体にツヤがない幼虫はプリンカップでのマット飼育へと移行しました。
最近感じているのは、セットに使ったマットを初期の幼虫又は、卵に使うと良くないという事です。ダニに食べられてしまうのでしょうか?経験上、新しいマットで飼育したほうが結果が良いようです。今回もマットは新しい生オガ発酵マットを使いました。
菌糸ビンは今回も「月夜野キノコ園」さんのPPボトルを使用しました。尚、国産オオクワガタよりも格段に大きくなるアンテの幼虫ために800ccではなく、1100ccボトルを選択しました。

12月23日
(マレー産)

9日に割り出したマレーアンテの産卵セットを再探索しました。産卵セットの再探索の重要性は何度も書いてきましたが、今回は何と!7頭の幼虫を発見しました。
材産みの種とは違い、マット産みのアンテは私的には幼虫の捜索が簡単だと思っていました。もちろん同時期に産卵してくれれば簡単な作業かもしれません。しかし、メスは一度に産卵するわけではありませんので、出てくる幼虫のステージに「ばらつき」が生じます。私がアンテのセットを割り出していて気づいた事は、小指の先程のマットの「ダマ」を割ると、中に卵や羽化したての幼虫がいる事が多いことです。しかし、「ダマ」を割るときに幼虫を潰してしまう危険性も高そうです。特に羽化したての幼虫はデリケートです。「ダマ」はアンテの産卵床かもしれません。
そこで、前回は「ダマ」を割らずに元に戻しました。結果、新たに7頭もの幼虫が発見できたのかもしれません。現在、菌糸ビン(1100cc)には20頭を投入しています。3頭はマットで様子を見ています。もちろん、温室(20度)管理です。


2008年 飼育日記
4月13日
(マレー産)

昨年12月に採れたマレーアンテ・キャメロンハイランド産の幼虫の菌糸ビンを交換しました。
最初の菌糸ビン投入は昨年の12月中旬でしたので、約4ヶ月・・随分と遅い交換となってしまいました。理由は、幼虫の食いが遅かったからです。3ヶ月を経過しても、食い上がっている幼虫は皆無でした。食痕は少ないものの、さすがに菌床の傷みが目立ち始めたため、交換した次第です。幼虫はちゃんと育っているのでしょうか?
掘り出しを開始して、ガックリ・・・。オス幼虫の体重の伸びが悪いようです。最大で21グラム、小さいオス(写真左)は9グラムしかありません。せっかく1100ccのボトルを奢ったのに効果なしです。実際全てのボトルは、菌糸ビンの1/3も食べられていませんでした。私のマレーアンテの血統は大型血統です。普通ならオス幼虫は30グラム以上、40グラムに迫らなくてはなりません。
原因は何でしょうか?血の入れ替えが原因でしょうか?新たな血にアウトラインのメスを使ったため、私の菌床に幼虫が適応できなかったのでしょうか?メスは餌を分解するバクテリアを卵室に練りこみ幼虫の消化を助けるとも聞きます。バクテリアの伝授が出来なかったからでしょうか?仮にそうだそすると、血の入れ替えには婿を貰わなくてはなりませんね!
しかし、結論を急ぐのは賢明ではりません。ただ単に成長がスローなだけの可能性もあります。実際、オス幼虫の頭幅は写真のようにメス幼虫とは比較にならない程大きかったのですから。期待を込めてオス幼虫は全て1400ccのボトルへ移行しました。今後の成長に期待します。

6月16日
(マレー産)

マレーアンテのメス幼虫の一部が蛹室を作成しました。
幼虫の割り出しが昨年の12月でしたので、予想よりやや早い羽化準備です。
最近、寒暖の差が激しく、エアコンのスイッチを入れ忘れて出勤してしまった「あの1日」が原因かもしれません。しかし、オスが蛹室を作ったのではありませんから、まだ大丈夫!この夏はしっかり冷やして、蛹化を遅らせたいと思います。
尚、オスの菌糸ビンも食痕が目立ってきました。嬉しい事に、下から満遍なく食っているようです。次の菌糸ビン交換のタイミングがポイントになりそうです。

7月12日
(マレー産)

マレーアンテのオス幼虫を入れている菌糸ビンの食痕が目立ってきました。前回の交換は4月中旬でしたので、そろそろ3ヶ月になります。そろそろ3本目の菌糸ビンを発注してよさそうです。
面白いのは、皆一様に、下からお行儀良く、食いあがってきている事です。アンテによく見られる「食い方」ですね。前回、オス幼虫の成長が遅いように感じましたので、今回は飛躍的に伸びている事を期待します。
ところで、メスは蛹になりました。そろそろ、羽化が始まるかもしれません。
管理温度・23度
7月22日
(マレー産)

先日お伝えしたマレーアンテ・オス幼虫の菌糸ビンを交換しました。幼虫たちは大きく育っているでしょうか?ワクワク、ドキドキしながら割り出しました。
最初に割り出した幼虫の姿を見て一安心・・・デカイ!!体重を測定すると37グラムあります。心配していた菌糸への適合、バクテリアの伝授の心配は杞憂に終わりました。ただ単にちょっと成長スピードが遅かっただけだと思います。
交換したオス幼虫14頭のうち、最小が33グラム、最大は38グラムでした。体重のバラつきは、菌糸の「食い」に多少なりと比例している印象でした。今回、「食い上がって」いない、グッドタイミングで菌糸ビン交換出来たと思います。
菌糸ビンは引き続き、月夜野きのこ園さんのPPボトル(1400cc)を使用します。温度管理は飼育部屋・エアコンの風が当たる場所・約22度。
8月23日
(マレー産)

マレーアンテの一部のオス幼虫が蛹室を作り始めました。
3本目へのビン交換(1ヶ月前)のショックからでしょうか?予想よりちょっと早い蛹化への準備です。私のスケジュールでは3本目の菌糸ビンを十分食べて、あと1ー2ヶ月後の蛹化準備が望ましかったのですが・・・。
とりあえず準備を開始したのは3頭だけで、残りは暴れてもいなく、順調に幼虫しております。22−23度で冷やしているのですから、もう少し幼虫でいてくださいね!

9月16日
(マレー産)

マレーアンテのメスの大半が羽化しました。羽化開始は8月の後半でした。そして現在、8割のメスの羽化が確認できました。
8月下旬に羽化したメスのサイズは46mm前後と、期待していた程大きくはありませんでした。しかし、十分立派な大きさです。オスの80mmオーバーは期待出来るのでしょうか?
現在、オス幼虫は、蛹化した個体もあれば、幼虫のままの個体もいます。前回の菌糸ビン交換は7月でした。これから涼しくなるとはいえ、菌糸ビンはもって12月までです。出来れば遅い個体もそろそろ蛹室を作ってくれると助かります。もちろん、4本目突入も歓迎しますが・・・。

10月25日
(マレー産)

マレーアンテ、今年のオス1号が羽化しました。昨年、幼虫を割り出したのが12月でしたので、11ヶ月弱とやや早めの羽化となってしましました。
今年のマレーアンテはアウトラインの1世代目です。昨年、外から別血統の嫁をもらいブリードした子供・CBF1(F1・CB6)です。
幼虫の大きさからして、サイズは期待できそうにありませんが、これもアウトラインの宿命かもしれません。菌糸に慣れる次の世代での飛躍に期待・・・おいおい!!まだ、割り出してもいないのに何と弱気な・・・とにかく、次週に期待しましょう!

11月2日
(マレー産)

怪物降臨・・・・・・・・・・。

先日羽化のご報告をしたマレーアンテのオスを割り出しました。早い羽化ですので、サイズは期待できませんが、今後羽化してくる個体たちを占う意味では参考になります。羽化後約1週間で、お腹はまだ赤いのですが、今年のマレーアンテ・オスの羽化1号の勇姿を拝みたく、もう我慢出来ませんでした。
特に劣化していない菌糸ビンから出てきたアンテは期待を上回る大きさでした。さらに大アゴが太い!マレーアンテの特徴である内歯も素晴らしい張り出しです。
早速ノギスを当てると77mmあります。なかなかのサイズです。しかも、これだけ体が太ければ体長が食われても仕方なし・・という感じでしょうか?
ラベルを見ると最後の菌糸ビン交換時、37グラムとなっていました。早い羽化ですが、大きい幼虫だったんですね。ちなみに最大幼虫は38グラムでした。
失敗か?と心配していたアウトラインブリードでしたが、どうやら上手くいきそうです。今後の羽化に期待したいと思います。
11月9日
(マレー産)

羽化不全の危険性があるマレーアンテの蛹たちを人工蛹室へ退避させました。
アンテ・オスの羽化不全の多さには悩まされますね!累代が進んだのが原因かと思い、アウトラインブリードの今年は大丈夫と放っていると羽化不全が多発しました。
幼虫時に尻を噛んだ個体が羽化後死亡し、他にも羽バカ個体が出ました。
慌てて全ての菌糸ビンの蛹室の状態をチェックしてみると、健康そうな蛹が大半でしたが、中には蛹室に張り付いて死亡している蛹もありました。
蛹室が明らかに劣化している場合は人工蛹室へ移動し、さほどでなければ「露天堀り」をしました(写真左)。
蛹化不全・羽化不全が多すぎです。しかし、改めて自分の過去日記を読み返してみると、アンテの羽化には羽化不全などの苦労ばかりの記録がありました。アンテの宿命なのかもしれません。怪物の影に苦労あり・・??
中には写真右のように後脚がクロスした蛹も出てきましたが、この程度の奇形は重大な欠損にはなりません。過去に、無事羽化した実績もあります。

12月22日
(マレー産)

マレーアンテ・オスの第一陣の羽化が終了しました。
12頭いたオス幼虫のうち、1頭は蛹のまま死亡、1頭は外見は無事羽化したのですが、そのまま死亡していました。多分、中身の問題ですね。さらに2頭が羽バカとなってしまいました。結局無事羽化したオスは8頭でした。
最大体長は結局、2頭の77mmどまりで、最小個体は74mmでした。目標の80mmは遠く及びませんでしたが、嬉しい事に皆、極太、美形個体になりました。特に、大アゴが太く、水かきの張り出しもなかなかのものです。今後は吟味して、来年の種親を決めたいと思います。
尚、第二陣のオス幼虫たちが蛹室を作りました。こちらは割り出しの遅れた3頭です。羽化は来年2月上旬予定です。


2009年 飼育日記
1月25日
(マレー産)

マレーアンテ、本年度の種親選びを行いました。
先ずは1頭1頭ケースから出して個体をチェックし、5段階評価を記入しました。次に、同じ評価、近い評価の個体たちを並べて比較しました。
悩んだ末、76mm(写真右)と77mm(左)を選出しました。
76mmの体の幅は圧倒的でした。頭幅、大アゴの太さも文句ありません。77mmも素晴らしい太さですが、76mmに比べると頭幅でやや劣ります。
尚、ブリードは今春を予定しています。
2月19日
(マレー産)

菌糸ビンが劣化したため、蛹化したマレーアンテの蛹を人工蛹室へ移しました。
人工蛹室へ移した事は特別に変わった飼育方法ではないのですが、重要なのは16度という低温で、マレーアンテが蛹化したことです。
1月下旬、国産オオクワガタの幼虫に冬を感じさせなくてはならない都合上、温室の温度を16度程度に下げました。すると、国産オオクワガタの幼虫たちのうち、蛹室を準備中だった個体たちが蛹室を放棄してしまいました(国産オオクワガタ飼育日記参照)。理由は多分、16度では蛹化、羽化へのプロセスが維持出来ないからだと思います。
ところが、マレーアンテの幼虫は、気温16度でも蛹化しました。国産オオクワガタよりも低温に対応しているのは明白です。無事羽化するかどうかは分かりませんが、今後のアンテ飼育(温度管理)の参考になると思います。

4月27日
(マレー産)

マレー産アンタエウスオオクワガタ(CBF1)のハンドペアリングを行いました。
春の訪れと共に気温が上昇し、飼育部屋の温度は日中24度を超えることもあります。エアコンが稼動を開始しました。昨秋羽化したマレーアンテのオスは絶好調で、餌をよく食べています。メスも温室で管理したため、コンディションは良好です。羽化後半年が経過していますので、十分成熟しているはずです。
早速、ブリードを開始しました。とりあえず、様子見にハンドペアリングを行いました。双方の成熟具合及びコンディションの確認のためです。
問題は皆無でした。私の目の前で交尾を始める程、順調です。アンテは他のオオクワガタ、ヒラタクワガタに比べ、簡単に人前で交尾してくれるので、助かります。今後は2−3日同居させ、メスのみ産卵セットへ投入する予定です。
尚、2月にご報告した「低温で蛹化した蛹」は無事羽化しました(74mm・75mmの2頭)。

5月2日
(マレー産)

先日ペアリングしたマレーアンテ(キャメロンハイランド産)のメスを産卵セットへ投入しました。
数日間の同居生活で、オスのメイトガードが確認できましたので、十分交尾したであろうと判断しました。
セットは中ケース、夏菌皮むき材(1本)といういつもの組み合わせです。マットは底面に生オガ発酵マットを堅く詰め、上部は埋め込みマットを使用した2層構造です。産卵木は8割がたマット埋め込みました。設置場所はエアコンで温度管理(25度以下)している飼育部屋です。
6月21日
(マレー産)

マレーアンテの産卵セットを割り出しました。
マットの表面に見えている産卵木はメスに削られボロボロ状態です。メスが産気づいているのは間違いないのですが、不安な要素もあります。ケースの底面に産卵した痕跡が見られないのです。メスが掘った坑道が底面付近にに目立つのも不安材料でした。
先ず、産卵木を取り出して割ってみると、早くも幼虫が1頭出てきました。幸先の良いスタートです。材は柔らかく、簡単に手で崩せましたが、結局材からは、この幼虫1頭と腐った卵1個しか発見できませんでした。
次は底面のマットです。ケースを逆さまにしてマットを取り出し、調べてみましたが、幼虫どころか産卵した形跡もありません。不安は的中しました。メスは何か気に入らないモノがあり、産卵をストップさせたみたいです。結局幼虫は1頭(写真左)しか採れませんでした。原因は何でしょうか?
とりあえず、再ペアリングさせ、再び産卵セットを組みたいと思います。でもちょっと暑くなりすぎたかな?アンテのペアリングは春か秋の比較的涼しい時期がが適していると思うからです。
10月11日
(マレー産)

マレーアンテの産卵ケースを再セットしました。
朝晩が冷え込むようになり、アンテのブリードには最適な季節になりました。前回の失敗は季節が大きく影響していたと思います。ただし、個体の問題の可能性もありますので、一応、バックアップのメスが既に交尾を済ませています。
今回のセットも「いつものアンテセット」です。中ケースの底面に生オガ発酵マットを4センチほど堅く敷き詰め、柔らかめの夏菌皮むき材を1本置き、埋め込みマットで8割がた覆いました。産卵木の水分は高めにしてあります。以上・今度は頼むよ!アンテちゃん。

11月27日
(マレー産)

先月セットした産卵セットの割り出しを行いました。このメスは初夏に1回セットしましたが、1頭しか幼虫が採れなかった個体です。その後、4頭の幼虫が得られましたが、大漁旗には程遠い問題児です。そして、今回も5頭しか幼虫は発見できませんでした。
困ったものですね!ばらばらと産まれると幼虫のステージもバラバラになり、管理も面倒になります。菌糸ビンだって、バラで買うと不経済です。
実は、バックアップのメス(交尾済み)が1頭おりますので、代打も検討中です。

12月8日
(マレー産)

先々週、割り出したマレーアンテの産卵セットを再びチェックしてみました。今回は材も割ってみようと思います。
結果はまずまずでした。4頭の幼虫と卵が2個出てきました(写真)。アンテはマット産卵が主体ですが、2個程度は産卵木にも産んでくれます。
一度に爆産とはいきませんでしたが、結局このメスから15頭以上の幼虫が採れました。これで「よし」とし、バックアップのメスは使わない予定です。
12月27日
(マレー産)

恒例の産卵セットの再々検査を実施しました。
結果は・・・何と7頭の幼虫を発見しました。廃材の底面に見える食痕から想像するに、2,3頭はいるだろうと予想していましたが、正直驚きの結果でした。
実は以前、廃材の再検査を提唱したときに、HP読者から「お叱り」のメールが届きました。「皆が見落すと決め付けるな」という内容でした。
確かに「見落とし」は、せっかちな私のミスによるところが大だと思います。木片の隅々まで検査し、マットも数cc単位で検査を行えば「見落とし」は無いのかもしれません。しかし、飼育者も人間です。粒子の単位で判別しない限り、卵を見逃す危険性はあると思います。ここで再び提案します。人間の作業である以上、必ず「見落とし」はあります。尊い命ですので、再検索は大切だと思います。

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