ミンダナオヒラタクワガタ (Dorcus titanus)

ご存知、フィリピンのミンダナオ島出身。セレベスヒラタとは大アゴの形状で区別できます。性格は凶暴で、常に威嚇の体制をとり全てを挟もうとします。はっきり言って怖い!!この写真はワイルド個体(85ミリ)です。夏に元気がなくなった為、ある本に書いてあった「ドリンク剤」を虫ゼリーに混ぜて与えたところ、痙攣したように、脚を上に向け、逆さまになって、動かなくなってしまいました。死んだと思い、庭に埋めようとすると、触角が僅かに動きました。そこで翌日まで様子を見ることにしました。すると、翌朝微かに動いているではありませんか・・・。それから数日後、ミンダナオは何とか元気になりました(最初ほどではありませんが・・・)原因は、ドリンク剤でしょうか?ちょっと怖いですね。
飼育は比較的簡単です。日本の夏にもよく耐えてくれますが、風通しの良いなるべく涼しい所で飼育しましょう。冬はなるべく暖かいところで飼育してあげてください。最低10度以上をキープしてあげましょう。我が家のミンダナオヒラタ♂86mmは十数日間、8−9度の低温に耐えてくれました。
オスの最大個体は10センチに達するそうです。


2002年 飼育日記
1月13日
ミンダナオヒラタのメスの掘りだしをしました。昨年の暮れに羽化を確認していたのですが、羽化後1ヶ月は活動しませんので、しばらくそのまま置いていました。メスの蛹室は小さいので、中の様子が確認しずらかったのですが、黒い上羽で確認出来ました。掘り出した2頭とも大変元気で、スプーンを近づけると威嚇してきました。今回は取り出しはしませんでした。蛹室も全部は壊さず、露天の状態で温室に戻しました。写真上に見えるのは蛹の皮?みたいです。
1月17日

ミンダナオヒラタクワガタの人工蛹室での羽化にチャレンジする事になりました。理由はボトルの底に蛹室ができていたからです。底にできた蛹室では、羽化時の余分な水分を吸収しきれず、羽化不全の原因の一つと考えられています。言い訳はそういう事ですが、観察が目的なのは皆さんの推察する通りです。この元気な蛹が無事羽化できるように、飼育していきたいと思います。
1月25日
相変わらず、蛹のままのミンダナオヒラタ君です。たまに寝返りをうつ以外は、寝たきりです。
そんな寝たきり蛹に小さな変化が見えました。眼が出来つつあるようで、その部分が黒く見えます。(写真の右上・大アゴの上)17日に人口蛹室に移した時にはありまませんでしたので、順調に育っていると、安心しました。
2月6日
蛹には特に変化はありません。ただ、寝返りのうちすぎで人口蛹室が削れてきました。おしりの部分の両サイドの突起を使って寝返る為、突起が引っ掛る部分が線状に削れています。そこで、一旦蛹を取り出し、人口蛹室を修復する事にしました。作業は簡単。指の腹で、オアシスの削れた部分を均しただけ。2−3分の作業でした。アンテのメスの時はこんな事はありませんでした。オスの力が強いのか、ヒラタだからなのか???

2月11日
蛹に異変がありました。色が変わったのです。頭部から大顎、脚の先が、褐色になりました。もう、皮の下には完成されたボディが出来あがっているみたいです。いよいよ羽化するのでしょうか?死んでしまったような色にも見えますが、きっと今晩、羽化すると確信しました。(何故か羽化は夜中に多い)
2月14日

ついに羽化しました!ミンダナオヒラタ!!詳しくは羽化シーンのページへ!!

羽化直後。羽が美しいですね!

3月4日
人工蛹室羽化実験で、元気に羽化したミンダナオオオヒラタクワガタがついに、蛹室を飛び出しました。羽化からまだ20日も経っていないのですが、露天の蛹室では、やはり本能的に不安なのでしょう。オアシスと小ケースの間で寝転んでいました。そこで、この機会にサイズを測る事にしました。ノギスを当てると、な!なーんと86mmもあるではないですか!かなり大きいですね。最後のマット交換時の幼虫の体重は39グラムでした(添加発酵マット飼育)。兄弟には42グラムもいたので、そちらも楽しみです。
4月15日

56mmの超大型の♀が誕生しました。

小型の♂だろうと思い、小さな1リットルのブロー容器で飼育していた個体です。蛹室を壊した時は本当にビックリしました。初めは♂と見間違ったほどでした。左の写真はダイオウヒラタの♀43mmとの比較です。ミンダナオ♀のとてつもないデカさがわかると思います。


飼育データ・添加発酵マット飼育(自作マット)
 2001年7月4日材割り
    マット交換 9/4・10/30・12/27の3回
    羽化・3月下旬  WF−1 兄弟は♂85mm前後、♀45mm
11月28日

外国産のオオヒラタクワガタは冬期、加温無しで生きられるのでしょうか!?余品コーナーのミンダナオヒラタの出品を急遽中止して実験してみることになりました。通常の飼育マニュアルには飼育温度は20度以上と記載されていますね。でも寒さでオオヒラタが死んだという報告は決して多くはありません。寒さに弱いという先入観があり、皆、安全に飼育しているからでしょうか?私の友人は都内のマンションで、加温することなく幼虫を飼育して無事翌春羽化させました。室温は15度位だったそうです。しかし、木造一戸建の我が家では15度をキープすることはできません。真冬の明け方には5−6度に下がることもあります。さて、さて、ミンダナオは無事冬を越せるのでしょうか?

セット場所は飼育部屋です。(2階の北東の角部屋・2畳の納戸)同じ部屋に温室が置いてありますので、多少はその影響があるかもしれませんが、基本的に人間が生活していないため1日中無暖房です。現在室温は13度ー15度です。
小ケースにマットを3センチほど敷き、餌皿を入れてあります。
小穴の開いた中ブタも使用しています。
生体はこの春羽化した86mmの個体で未交尾です。
12月13日
東京は大雪も降り、本格的な冬をむかえつつあります。我が家の飼育部屋も雪の降った10日こそ13度をキープしたものの、本日13日未明(4:00AM)帰宅して温度計をのぞいてみると、11度と本年度最低気温を示していました。さすがに、ミンダナオは餌皿の下に潜って出てきません。ダイオウヒラタも同様ですが、最近購入したアルキデスは餌を食べていました。我が家も不景気で節約の嵐!!です。私は、焼酎のお湯割りを飲みながらダウンジャケットを着て日記を書いています。ミンダナオ!!オマエもガンバレ!?


2003年 飼育日記
2003年
1月14日

本日、東京はとても暖かく、15度位まで気温が上昇したそうです。会社から帰宅して飼育部屋を観察すると、なんと、ミンダナオヒラタが活動しているではないですか!温度計を覗いてみると夜中にもかかわらず15度を指しています。年末に10度を切って以来、ずっと餌皿の下に隠れていましたが、本日の陽気で出て来てしまったようです。しかし、寒い冬はまだまだ続きます。やっと半分といったところでしょうか。
ところで、ミンダナオは寒いとき、餌皿の下に隠れながらも、休眠している気配がありません。マットにもあまり潜りませんし、ケースを動かすとモゾモゾと動いているようでした。これはダイオウヒラタではさらに顕著ですし、アルキデスなどは気温11度でも元気に徘徊しています。オオヒラタのプログラムには冬眠は存在しないのですかね?

3月25日

ミンダナオヒラタクワガタのオスが無暖房の部屋で、冬を越すことに成功しました。実験開始から4ヶ月、ミンダナオはとても元気です。しかし、過酷な実験台にされた事に腹を立てているのでしょうか?餌皿の掃除をする私に襲い掛かってきました。想えば、昨年末から1月にかけては気温が10度を下回る日が続きました(私が確認した最低気温は8度でした)。よく耐えてくれたと思います。
これで、オオヒラタ飼育に関する私の考えも変わりました。どうやら温室が無くても飼育できそうです。関東以南のマンションなら、楽々クリアできそうですし、一戸建てでも置く場所を考えればOKみたいです。ミンダナオさん!ご苦労様でした!
注意・・・個体差もありますので、保証は出来ませんよ!

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