リンパ浮腫になる前の子宮がん

私は日記をつけないので、正確ではないかもしれません。
思い出しながら、書きます。

入院前 入院中(手術前) 入院中(手術後)



入院前


自覚症状は接触出血、痛くもなんともなかった。
約2年前まで子宮がん検診は受けていた。
びらんがあると言われた事がある。
ある日、かなり出血したので、思い切って近くの総合病院の産婦人科に行った。
かなり年配の先生、「あなたの年齢ならあまりがんは心配しなくていいけど、折角来たのだからがんの検査しましょう。たぶん、びらんがあるからそのせいでしょう。」と言われた。
検査結果は2週間後。

2週間後、病院へ。
先ず診察室に入ると、封筒がおいてあった。
先生「これを持ってこの病院へ行ってください。」
その封筒にはがん専門の病院名が入っていた。
先生「がんだからと言って、体を震わす事はないからね。大丈夫だから・・・」と。

がんと言われて、それほどのショックはなかった。
なんか自分の事でないような・・・
母になんて言ったらいいか・・・、それが心配だった。
もう、子供は産めないのか・・・
もう少し早く病院に行ってたらよかったのかな・・・?

夫に何と言ったかは覚えていない。
実家に行き、両親に「私、がんみたい。」と言った。
母が涙をこぼした。
母「どうして、あんたなの・・?」
しばらくして、「産まなければよかった。あんたは下りそうで、ホルモン治療まで受けたのに・・」

私の家系にはがんが多い。
父方の祖父は胃がん、従兄弟は大腸がん、母方の祖父も胃がん、従姉妹が脳腫瘍。

初診する為、夫と下見に行った。
記入カ−ドももらって、すぐに手続きできるよう準備をした。
さすが、夫である。  先の先までよんでいる。
しかし、残念ながら行った日は紹介状に書かれていた先生の外来日ではなく、翌週に来てくださいと言われる。
この辺の詰めが甘かった。
そして、週明け診察を受けられた。

両親が来るというのを断り、一人で行った。
この時期、バブルの絶頂。
証券会社勤務の夫は目が回る位忙しかった。

呼ばれて、診察室に入る。
やけに年食ってる、じゃなくて年配の先生。
ボソボソと小さな声でまったく聞き取れない。
とにかく、細胞診とやらをやるらしい。
トイレに行かされ、診察台へ。
すごく痛い、かなり長く感じられた。
1週間後(?)に来るよう言われた。

この間、なにをしていたかよく覚えていない。
やっぱり入院だよな・・・、なんて当たり前の事を考えてたような気がする。
顔に比べ、手のきれいな事・・・  婦人科の先生は手がきれい?

検査当日はお風呂に入らないよう注意を受け、出血を止める為に中に入れた物をあとで抜くよう言われる。
これがすごかった。
出しても出してもまだ出た。

そして、検査結果を聞く日、両親はついて来た。
TB、子宮全摘、リンパ郭清の手術と言われた。
ここでやるかやらないか、これしか選択の余地はなかった。
なにか、ご質問はと言われても、なにを聞いていいのかわからない、なにがわからないのかわからなかった。
「お願いします。」というほかはなかった。
すぐに入院手続き。
そして、検査の手続き。

ハッキリ言って、手術は嫌だった。
なんとか、子供を産む事はできないか・・・
でも、両親は早く手術して欲しいようだった。
そうそう、夫も来てた。
先生に「輸血は家族の血ではダメか?」と食い下がっていた。(この頃エイズが話題に・・)
「あなたはがんの事を心配しなさい。」と怒られていた。
ざまぁ〜、みさらせ!

いつ入院かわからないので、(前日電話が来る)準備に忙しい。
パジャマ、ネグリジェ、ガウン、スリッパ・・・欲しい物を買った。
そして、家の中の整理。

もしかしたら、もう帰れないかもしれない、なんて考えてた。

検査は今までした事のないものばかりだった。
膀胱鏡には恐れ入った。

この時期、少し荒れてたかもしれない。
もうどうでもいいような気持ちもあった。
相変わらず夫は忙しかったが、私の病気の為に会社を休んで欲しいとはまったく思わなかった。
私のところにいる時間があったら、仕事して欲しいと思った。
迷惑はかけたくなかった。

そして、入院を知らせる電話が・・・
金曜日だったので、週明けの月曜日になった。
週末、なにかすごいご馳走を食べたような記憶がある。

この時期、一番嫌だった周囲の声は・・・
「私の知りあいにも子宮がんで手術した人いるけど、今はすごく元気よ。
だから、あなたも頑張りなさい!」
冗談じゃない、あなたが子宮がんじゃないのに無責任な事言うな!
・・・と思ってしまった。
励まそうとしてくれるのは良くわかる・・・
でも、”がん患者”はナ−バスになっている。


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