「50泊51日 予算は10万円」夏の北海道ツーリング
    

ツーリングデータ

年月日

1985年7月22日(月)〜9月10日(火)50泊51日

目的地

北海道(フェリーで新潟→小樽、フェリーで函館→青森)

全距離

8,425km

総費用

124,380円

 ※()内は、現在の我々による「チャチャ」入れである

全行程の地図(北海道分)


番外編「ど〜んと落ち込んでる出発前夜」

7/21(日)俺の気持ちと同じ雨模様…

 今日の昼間、片思いの彼女に会って自分の気持ちを打ち明けた。

…………

くっそぉ〜!何なんだぁー、その曖昧な態度は〜!!ダメならダメとはっきり言ってくれ〜。こんなんじゃ生かさず殺さずじゃないかぁ!最後は、結局「いいお友達」でおしまいかぁ?でも、まだ電話とかしようと思っている自分のめでたさにまた腹が立つやら、おちこむやら…。

明日から初めての北海道ツーリング。雨にずぶぬれになって帰ってきた俺の気持ちもまたずぶぬれだぁ〜。

※そして、その結末はこちら


Part1 7/22(1日目)〜7/23(2日目)

『気持ちは前向きにならなくても、とにかく出発!」

7/22(月)はれ 夕方は雨 そしてまた、はれ 1日目

 目覚めたものの気分は良くない。とにかく出発しなくてはと身体を動かし始めるが、気持ちが全然前向きにならないんだよな〜。

 バイクに荷物を積んでいると、門口と吉孝(2人とも高校の同級生)が見送りに来てくれた。「これ、餞別だ。しっかりと楽しんでこいよな!」と紙袋と暖かい言葉をもらう。財布の中には1万円札10枚、千円札が6枚、あとは小銭少々。3日後に新潟から小樽行きのフェリーに乗るということ以外は何にも決めていないけど、あとは気の向くままだ!と北海道目指して出発!

 走り慣れたR19からR256を淡々と走り、清内路峠の手前で休憩。2人にもらった餞別をあけてみると、フィルム2本と2千円が入っていた。「この野郎、にくいことしやがって…。ありがとなっ!」と弱っている俺は泣けちまったぜ!いい仲間を持って幸せだ。くっそぉ〜、女がなんだぁ!!…全然気持ちが吹っ切れなくて、前向きになれない俺。

 とりあえずの目標は新潟だけど、信州の林道を素通りしていくのももったいないので、まずは分杭峠を攻めることにする。固くしまった林道を楽しみ、峠の「従是北、高遠領」の石碑のあしもとで昼めしにする。気持ちよく照りつける太陽とさわやかな風、近くで休憩していた林業作業中のおじさん2人とたわいない話をしているうちに、俺の気持ちも晴れてきた。

分杭峠で昼めし

 「よしっ!つぎは入笠山の林道だ!!」高遠町を越えたあたりから林道に入る。ブラインドコーナが続く林道で高度を上げていく。コーナをクリアしていくたびに雑念が消えていくようだ。走ることだけに気持ちが集中していく。いいぞ、いいぞっ!

 入笠山山頂近くの林道脇の広場で今夜は野宿することにする。さぁ、テントを張るか!と荷物を下ろしていたら、いきなりすごい夕立だ。すっげぇ〜勢いでテントを張ってしまい、ずぶぬれになるのは免れたけれど、いやぁ〜、参ったぜ。

 メインディッシュ(といってもあとはご飯しかないんだけど…)は、焼シイタケ。うめぇ〜。めしを食い終わる頃には夕立も上がり、テントの外に出てみると空一杯に星が瞬いていた。まだまだ先は長いぞぉ!

●本日の出費:2,077円


「出発2日目なのに、転倒!ヘッドライト破損!!」

7/23(火)はれ 2日目

 う〜ん、いつものことだけど、やっぱり1泊目は緊張してあんまり眠ることができなかったぁ。ぼーっとしている頭と身体に、ちょっと寒いぐらいの空気がすがすがしい朝だ。

寒いぐらいの入笠山の朝

 にぎやかな観光地で俺には場違いな白樺湖を抜け、丸子温泉郷の一つ、霊泉寺温泉まで走ったところでひと風呂浴びる。入浴料50円は安くて、貧乏金なしの俺にはありがたいけど、メチャクチャぬるいお湯で、温水プールに入っているみたいだ。温泉の駐車場で昼飯を食っていると、バックパッカーがやってきた。東京の下宿から辰野町の実家まで歩いているんだそうだ。「疲労がたまって、足が腫れてきてつらいっすよ」と言いながらも、背中に荷物満載で明るく笑うその姿につられて、こっちも元気がわいてくる。

 昨年夏にも走った長野・群馬県境の毛無峠を目指す。昨年と変わらずガレた悪路で、走りの気合いが足りず、転倒!出発2日目なのにヘッドライトレンズを割ってしまった。買ったばかりのモトパンのヒザも破ってしまった。スピードが出てなかった割には、被害甚大だ。めちゃくちゃショック〜!

コケてしまった、壊れてしまった、破れてしまった…

 空は次第に雲が濃くなり、気持ちも落ち着かなくなってくる。「やばいな〜、今日もまた夕立かぁ?」毛無峠から谷側に下ったイオウ鉱山跡で野宿しようかと思ったが、生活の跡が残ったままの廃墟が立ち並ぶ鉱山跡は、お化けの気配に満ちていて、気味が悪くて踏ん切りがつかない。七味温泉へ向かう林道を走り始めるものの、不安と焦りで頭の中が一杯になり、バイクと身体が一体になれず、ギクシャクとした走りだ。苛立ちがいっそう増す。途中に時々テントが張れそうな場所を見つけるが、マムシでも出そうな雰囲気だ。やばいよ!ど〜する?

 結局、七味温泉のはずれに頃合いの広場を発見。焦ったけれども、まっ、何とかなるもんさ!今日のメインディッシュ(今日もあとはご飯だけ)は焼きナス。うめぇ〜!

●本日の出費:1,357円


| Part2へ | 戻る | トップページへ |

「ソロツーリング」

 

[an error occurred while processing this directive]