● Part3 3/31(5日目)〜4/1(6日目)
3/31(日)晴れ
大観峰は、すさまじい風である。とにかくスゴイ。夜中ずっとフライシートなどがバタバタとすごい音をたてていたので、あんまり眠ることができなかった。さて、これから無事テントをたたんで出発することができるのでしょうか?
あまりの強風で、テントをいつものようにたたむのは不可能だと判断し、とにかく丸めてスタッフバッグの中に詰め込む。どんなものでも風に持ってかれたら、回収できそうにないので、もう必死だ。天気は天頂付近は晴れているものの、山々は雲の中。風は冷たく、身体はどんどん冷えていく。「明日からは4月なのに、なんでこんなに寒いんだぁ」と風に向かって文句を言いながら、岡田共々なんとかバイクに荷物をまとめてマル先輩のいる駐車場に向かう。
車内で一人夜を過ごしたマル先輩を起こし、駐車場脇の売店の陰で風をよけながら朝のコーヒーをたてる。次第にお日様も照ってきて、コーヒーとひなたぼっこでやっと平和な朝が楽しめる。
「さぁて、そろそろ出かけるか」と、まずは一の宮温泉センターに向かうことにする。途中の通称・ミルクロードは、やっぱり気持ちの良い道だ。野焼きされた丘が連なる中につづくワインディングロード。左右に、上下に、変化に富んだ道と広々とした風景、全身で冷たい空気を切って走っていると、「やっぱ、バイクはサイコーだぁ!!」と一人メットの中で叫ばずにはいられない。アクセルだって、気持ちよくあいてしまうぞ。
温泉到着。でも、10時から始まるとのことで、それまで暇つぶしに近くの川べりに行く。「おっ、ツクシが生えとるがや」と3人は、突如ツクシ取りに没頭する。ここで頑張れば、晩めしのおかずが一品増えるんだもんね。
温泉にはいる。「あ〜、生き返るぅ」 温泉に入ってすっかり気が抜けてしまった我々は、休憩室で古いマンガを読みながらゴロゴロする。読み飽きた頃には、ちょうど腹も減ってきたので、外に出て昼めしにする。天気はスッカリ良くなり、阿蘇五岳もよく見える。ポカポカとしてきたし、いいねぇ、いいねぇ。
ここで一旦マル先輩と別れ、岡田と二人で根子岳横を抜ける日の尾峠に向かう。根子岳の特徴的な稜線がとても美しいので、途中、景色の良いところで写真を撮ろうと思いながら林道をトコトコ走っていた。すると、岡田が熱い走りで俺をぶち抜いていった。「こ〜んなに景色がいいのに、なに熱くなってるんだよー」と思いながら走っているうちに、撮影ポイントを逃してしまった。あ〜ぁ。
ダートが終わり、舗装路へ。あまりにのどかだ。暖かさに半分寝ながら、ちんたら走る。
高森町のスーパーで買いだし。太っ腹マル先輩が肉をたんまり買ってくれた。これで、今日のメインイベント「TECH E.R. 九州ミーティング」は、間違いなく盛り上がるだろう。
集合場所の、南阿蘇国民休暇村のキャンプ場に向かう。受付では、「まだキャンプ場は使用できません」と言われてしまったが、「関係ないや」とばかりに勝手にテントなどを広げはじめる。材料の仕込みをはじめる頃には、我々3人の他に、宮脇君・服部君・その友人1名の計6名がキャンプ場に集まった。
鬼のような野菜の量で、なべにあまり水が入らない。どんなカレーになるんだ? それと平行して、昼間取ったツクシのはかま取り、あく抜きをし、ツクシの玉子とじをシェフ・岡田が作っている。できあがった玉子とじ、俺は「うめぇーよ、これ!」と喜んでガツガツ食っていたが、腹の調子が悪いという宮脇君はすごくいやそうに食べていた。
(宮脇:忘れもしません!ツクシの玉子とじ!本当は、ちゃんとした季節の風物詩のような料理かも知れませんが、その時、ボクがコッヘルの中に見たものは、ツクシと玉子がグチャグチャと醤油色にコンゼン一体となったモノであり、あのカレーおじやを彷彿とさせる
鉄人もビックリの逸品でした。しかも、その時
ボクは腹の調子が悪かったので、できれば食べたくなかったのですが、岡田さんのスルドイ視線に堪えきれず、泣く泣く口にしたのでした・・・)
カレーは、最高にうまいのができた。夕食後は、たき火を囲んでそれぞれのツーリング中の出来事を肴に酒を飲む。ツマミの方も、かっぱえびせん・レタスなど豪華な展開だ。
(大内:これで、「豪華」とは・・・。泣かせるなぁ)
22時半頃、「TECH E.R. 九州ミーティング」は幕を閉じたのであった。そういえば、とうとう安立先輩は現れなかった。どーしたんだろう、心配だ。
4/1(火)はれ
6時半、目が覚める。最高によい天気だ。気温は低め。みんなはそれぞれ朝めしの準備をしているが、自分は一人いつまでもシュラフに入ったまま、忙しそうなみんなを眺めていた。こんなに天気がよいのに、今日の予定は全然考えていない。みんなはそれぞれバラバラに、あっちこっちへいっちゃうんだ〜。さて、今日はどんな1日になるんだろう・・・。
それぞれの無事を祈りながら、みんなと別れる。まずは阿蘇登山道路を経由して、草千里に行ってみる。久しぶりの草千里だ。こんなバイク日和なのに、驚いたことにバイクが一台もいない。「なんか、つまんないなぁ」とウロウロしていたら、気合いの入ったケッタ乗りがやってきた。「やっぱり野宿がいいんだよな〜」と二人で盛り上がる。
それにしても、ツーリングライダーが全然いない。荷物満載の大バカ野郎とか来ないかなぁ。ハードなオフロード野郎はいないのかぁ。もっともハードなオフロード野郎が、草千里に観光しにくるのか?という疑問はあるが・・・。
草千里で昼めしを食い、ぼーっと山を眺めていたら、14時半を過ぎてしまった。そろそろどっかへ走り出すかぁ、と重い腰を上げ、とりあえずやまなみハイウェイに向かう。気合いが入ってないので、阿蘇駅近くの交差点で信号待ちをしてる間に、思いっきり立ちゴケ。街の中で人が一杯いたので、メチャクチャ恥ずかしかった。メットの中で、一人赤面。
やまなみハイウェイから白水鉱泉に向かう県道に進路を変える。夕暮れ時になってきたが、狭い谷あいを走るこの道沿いには野宿できそうなポイントが見つからない。かなり野宿に身体がこなれてきているので、「まぁ、なんとかなるさ〜」とお気楽ペースで進む。
18時過ぎ、ほとんどむりやり村はずれの田んぼの横にテントを張り出す。暮れなずむ空の下、米を炊いていると「ゴ〜ン」と山寺の鐘が谷あいに響きわたる。う〜ん、渋すぎる・・・。
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