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「地吹雪、流氷、そして札幌の夜」雪の北海道 野宿ツーリング

Part2 3/2(3日目)〜3/3(4日目)

Part2の行程


「おまえ、どこへ行くのか、分かっているのか?」

3/2(月)くもり 時々 雪 3日目

 昼頃まで寝てしまった。寝過ぎで頭がくらくらする。船内のアナウンスによれば、小樽着が15時50分とのこと。明るいうちに到着できそうなので、ホッとする。

 小樽の街が見えてきた。雪で真っ白だ。16時、「さぁー、いよいよだ!」と気合いを入れて車両甲板へ向かった。トレーラーや車が下船するまで、エンジンをかけたバイクにまたがり、じっと待つ。夏と違い、このフェリーに乗っているバイクは俺一人だ。トレーラーが2台は載りそうなでっかい船内エレベータに誘導され、係員のおっちゃんたち5〜6人と下の階に下りる。「おまえ、どこへ行くのか、分かっているのか?」とおっちゃんの一人が俺に聞く。「もちろん!」とガッツポーズで答え、ついにXLと共に白い北海道に降り立ったのであった。

 フェリー乗り場前で記念撮影の後、R5を札幌方面に走り出す。わだち部分はうっすらとアスファルトが見えていて、なんとか車の流れにのって走る。ところが、銭函からR337に入ると、途端に道が雪深くなってしまった。路面の変化に気持ちがビビリ、肩にも力が入る。「こりゃあ、ヤバイかも…」と弱気になったところに現れた下り坂の緩やかな右コーナ。わだちからはみ出し、アウト側の路肩にまっすぐ向かってしまった。「おー、いきなりコケてたまるかぁ!!」とギリギリのところで立て直すことができたが、もう心臓バクバク状態となってしまったぜ。

久々の雪上野宿で不安な俺

 とにかく今日は真っ暗にならないうちに野宿をする場所を見つけなければ、と落ち着かない。晩めしの買い出しをすませ、しばらく走っていると、道路脇に除雪された平地を見つけた。今晩はここで寝ることにする。

 雪はチラチラと舞う程度だが、風がちょっと強めだ。今回のツーリングのために買ったテントの外張りを出してみたものの、つけかたが分からない。「前もって練習しておけばよかったなぁ」と準備不足を反省する。仕方がないので、いつものフライシートを取り付けることにする。

 キャンドルランタンの明かりを頼りに晩めしの用意をする。めしを炊いていると、テントが風でバサバサと揺れるし、深々と冷えてくるしで、心細さが増して、ホントに帰りたくなってしまった。

 めしを食った後は、随分と気分も落ち着いてきた。20時、シュラフにもぐり込む。雪の上で眠るのも久しぶりだなぁ。


「道も真っ白、路肩も、景色も全部真っ白」

3/3(火)晴れたり、くもったり、雪が降ったり 4日目

 昨晩は心細さと寒さでなかなか寝付けなくて、ラジオを聞いているうちに23時を過ぎてしまった。目覚めたのは、6時をちょっと過ぎた頃。冷え込みの方は、まあまあといったところで、寝付いてからは特に寒さを感じることなくよく寝てしまった。

 8時半を回った頃、出発だ。最初の予定では、雄冬岬を越えて行くつもりだったが、雄冬〜増毛間通行止めとのことなので、予定を変更し、R275で、当別・月形へ方面へ向かうことにする。

真っ白な朱鞠内近辺

 走りはじめてしばらくは、更に予定を変更して滝川から富良野に行こうか悩み続けた。一人で走り続ける不安感がどんどん大きくなって、気持ちがのまれそうになっていたからだ。「富良野に行けば、夏に知り合った仲間に会えるかもしれない…」一人でいることに負けそうだ…。でも、石狩あたりのアイスバーンを気持ちよく走ることができ、さらに美しい雪景色が続くなかの走行で、気持ちがだんだんのってきた!「北へ向かうぞ!!」

 とりあえず幌加内を目標に走る。だんだん車が少なくなり、路面も白い圧雪路に変わってきた。風で路肩の雪が舞いあがって、前が見えなくなってしまうことも度々。「お〜、めっちゃ怖いぜぇ」とメットの中で叫んでみたりするが、朝とは違って、結構これが楽しかったりする。

 幌加内には13時頃、到着。駅前でしばし休憩の後、次は朱鞠内を目指して、再び走り出す。道はどんどん白くなっていく。道も真っ白、路肩も、景色も全部真っ白だと、道の凹凸ばかりか、どこが道かも分からなくなったりする。そして、時々地吹雪で、目の前全部が真っ白になってしまうと、ホント、宙に浮いているような錯覚に陥ってしまう。

 朱鞠内駅にちょっと立ち寄り、湖畔に向けて走り出す。途中で出会ったおじさんに「こっから先は行けないよ」と言われ、歩いて湖を見に行く。水なんかまったく見えなくて、のっぺりとした雪の原が広がっていた。「夏とは全然違うよぉ」名古屋で生まれ育った俺にとっては、それはとても不思議な風景だった。

バス停の中でくつろぐ俺

 風連の駅あたりで今夜は野宿しようと思って走り出す。路面は真っ白、雪も降り出してきた。この道、ホントは通行止めになっているし…。この先どこまで行けるのか、走るほどに心細くなっていく。

 街が見えてきた。なんとか通り抜けることができたみたいだ。街の手前に、頃合いのバス停小屋を見つけ、今夜はここで寝ることにする。天気予報によれば、今晩はたくさん雪が降るらしい…。


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「ソロツーリング」

 

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