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「地吹雪、流氷、そして札幌の夜」雪の北海道 野宿ツーリング

Part3 3/4(5日目)〜3/5(6日目)

Part3の行程


「一面雪原のサロベツに感動し、宗谷岬に至る」

3/4(水)晴れたり、地吹雪だったり、風強し 5日目

 7時20分、結構冷え込みを感じて起きる。ラジオによれば今日は風雪模様とのことで、外を見ると10cmぐらい新たに雪が積もっている。朱鞠内のへんなとこでテントを張っていたら、動けなくなっていたのかなぁ、とか思いながらバス停の中で熱いコーヒーをすする。

 ちょっと遅めの9時半頃、出発。風連の街の中は真っ白だ。R40も、昨夜からの雪で真っ白だ。でも、除雪が行き届いていて真っ平らな圧雪路になっているので、非常に走りやすくて快適なペースで進む。名寄の街もあっという間に抜けてしまい「さぁ、どんどん行くべぇ〜」なんて思っていたら、天気が怪しく荒れ模様になってきた。

 地吹雪で前が見えなくなったかと思うと、突然晴れてしまったり、めぐるましい変化だ。幸いにもR40は車が少なく、天気の割には怖い思いをすることなく距離は伸びる。まぁ、そうは言っても左カーブとかは慎重に気合いを入れて走ったんだけど…。(滑って転んで、反対車線の車に轢かれたんじゃ目も当てられませんから)

一面雪原のサロベツ原野

 10時45分頃、音威子府を通過。風は一段とすごみを増して、えっれぇ〜恐ろしい思いをさせてもらった。地吹雪で前は見えなくなるわ、風に振られてわだちからはみ出して「どわぁ〜!!」とばかりにフラれるし、もうホント「えらいこっちゃ」(←新田次郎著「孤高の人」加藤文太郎のマネ)でした。しばらく走ると、突然、乾いたアスファルトになってしまった。う〜ん、不思議。

 もう少しで豊富というところで、自転車野郎に会う。このツーリングではじめて出会った同類で、すげーうれしかった。この自転車野郎は、自家製のスパイクタイヤをはいていて、この強風下の稚咲内でテントを張って野宿したという強者でした。

 豊富でフランスパンをかじった後、サロベツを目指す。一面の雪原。見える限り、ずっとずっと雪原、これはすごいぞぉー!強風の中、うれしくってバイクを止めて、ウロウロする。ここだって日本なんだ、信じらんねー!!感動で身体中が熱くなり、寒さをすっかり忘れてしまったぞ。

 サロベツ海岸沿いの道、強い横風をこらえながら、先に進む。残念ながら利尻富士は見えない。稚内に15時頃入る。今日の目標、宗谷岬目指してもう一頑張り。

 日が傾く頃、宗谷岬に到着。「流氷とけてぇ〜」と例の歌が聞こえてくる。「お〜い、流氷はどこにあるんだぁ?」酒臭く、とっても汚い宗谷岬のバス停で今夜は寝ることにする。

宗谷岬・大韓航空機事故の慰霊碑


「静かなクッチャロ湖湖畔でやっと自分のペースを取り戻す」

3/5(木)晴れ のち くもり 6日目

 7時頃、目覚める。外を見ると雲一つない好天。風もあまりない。しかし、天気予報によれば、前線を伴った低気圧が接近していて午後には雪になるとのこと。出発準備のパッキングをしていると、兄ちゃん二人に話しかけられる。バスツアーのヤツで、いつもなら「なんだぁ、こいつツアーなんかで来て、弱っくい(じゃっくい)ヤツ…」とか思ってあんまり相手にしないんだけど、話しかけられて嬉しく感じるのは、人恋しくなっているからなんだろうな〜。そういえば出発してから、ほとんど人とまともに話をしてないもんなぁ。

 9時半頃、出発。しばらく走ると、向こうから自転車に乗って、でっかいザックを背負った二人組みがやってきた。「また物好きがいるぞぉ」とばかりにお互い止まって話をする。この二人組みに「枝幸に泊まれるところがあるよ!」と教えてもらう。しかぁし!2日連続のバス停泊まりで自分のことを軟弱者と感じているのに、この上、ストーブを焚いているような宿泊所に逃げ込むのはあまりに情けない!と心の底から反発を感じてしまうへそ曲がりの俺だった。二人と別れてからも「俺はそんなところ、絶対泊まらねえんだ〜」とリキんで走り続けたのであった。

雪で湖面は見えないクッチャロ湖

 浜頓別駅に立ち寄った後、クッチャロ湖に行ってみる。湖畔で深い雪にはまって初転倒。記念撮影をしておく。雪祭りの名残で、雪像(といっても高さ2mぐらいだけど)がいくつもあって面白い。湖面は雪で全然見えないが、静かだし、何となく気に入るところもあり、今夜はここで野宿することにする。

 雪が降って動けなくなると困るので、湖畔からちょっと上がった管理事務所ののき先にテントを張る。「早く宗谷岬へ!」という焦りのようなものが消えて、やっといつものペースになってきたぞ。「テントをたたむのやメシを炊くのが面倒!」なんて思っていた昨日までは、いつもの自分を見失っていたとしか言えないもんね。俺は何をそんなに急いでいたんだ?

 街に買い出しの後、湖畔にある国民宿舎の風呂に行く。風呂上がり、ロビーで読んだ新聞によれば、昨日の旭川はこの冬2番、3月としては観測史上一番の大雪だったそうだ。


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「ソロツーリング」

 

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