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「地吹雪、流氷、そして札幌の夜」雪の北海道 野宿ツーリング

Part6 3/10(11日目)

Part6の行程


「ついに国道で大転倒!」

3/10(火)くもり 風強し 11日目

 5時半頃、目覚める。シュラフカバーの内側が湿気でびしょぬれになっている。シュラフも外側が濡れている。テントも何もかも湿った感じで気持ち悪い。困ったものだ。

 熊ノ湯やそのあたりをウロウロして記念撮影に励む。朝めし、パッキングと早め早めにこなして、8時半頃、後藤のテントへ向かう。互いの今後を励まし合いながら、出発。「後藤!頑張れよぉ〜!!」

雪の熊ノ湯

 羅臼の街に下りたところで、枝幸の「えさしYou」に電話をしてみる。昨夜、後藤から「えさしYouにくまパリ(羅臼・熊ノ湯キャンプ場で知り合った仲間。熊本ナンバーのパリダカ仕様XL250Rに乗ってたから、くまパリ)たちがいるらしい」と聞いたからだ。「ちょっと待ってねぇ〜」と電話を待たされ、ガンガン減っていくテレホンカードの度数にブチ切れそうになった頃、くまパリが出てきた。「お〜、久しぶり。元気でやってるかぁ?」

 くまパリは、えさしYouに三平さん(やはり羅臼/富良野・鳥沼仲間。釣りキチ三平に似ているから三平さん)といるとのこと。さらに、ワカバさん(同上。オフロードバイクの初心者だったので、ワカバ)は、サロベツの「あしたの城」でヘルパーをやっていて、ヒアリンカ(同上。ヒリシャンカのテントに泊まっていて、それを誰かが「ヒアリンカ」と言い間違えたところから、そう呼ばれているらしい。俺が知り合ったときは、もう「ヒアリンカ」だったので詳細不明)は、朱鞠内あたりをうろついているだろう、とのことだ。

 一本の電話で、えらく効率的にみんなの動向をつかむことができてしまった。そして、3/14の夕方、富良野のバイクショップ「モンスター」で待ち合わせて、三平さんが借りている富良野の家に集まることになった。これは楽しいことになりそうだ…。

越冬中の後藤

 今日は、摩周湖と屈斜路湖へ行ってみるつもりだ。

 中標津を越えた頃から、強風が吹き荒れてきた。向かい風はつらい。俺のくたびれた愛車は、強風に負けてホント走らない。「気合いだぁ〜。頑張れー!」

 風向きが変わったせいか、走る方向が変わったせいか、追い風に変わったものの、走りが楽になったかといえば、そうはいかない。風が強く、早すぎて、マフラーから排気がうまく抜けないみたいだ。強風にワンテンポ遅れて、一瞬エンジンが止まりそうになる。

 ヨレヨレになりながらの苦しい走行で、もう少しで弟子屈だ、というところまでやってきた。対向車に泥水をブチかけられ、前がまったく見えなくなり、身体が硬直。泥水でやられたゴーグルの隙間に「路面に湿った雪の固まりが…」と思った瞬間、フロントをとられて、大転倒!

 スピードはそれほど出ていなかったので、身体は大丈夫。バイクの方はバックミラーが割れてしまった。後ろの車に乗っていたおじさんがびっくりして降りてきた。「大丈夫かい?」「いやぁ〜、びっくりさせてスミマセン」ホント、たいしたことなくて良かった。

 転倒にもめげず、摩周湖に向かう。せっかく展望台に着いたものの、モヤっていて湖はほとんど見えない。強風が吹きすさぶ中、風をよけてテントを張れるような場所もなかったので、残念ながら屈斜路湖の方へ向かうことにする。

 R243に出るまでの道がまたすさまじい。強風と地吹雪で視界がほとんどない中を走っていると、一瞬風がやみ視界が開ける。と、そこには路面に雪が吹きだまっているんだけど、止まれるわけもなく「がぁ〜、どぉにでもなれぇ〜!」と突っ込んでいくしかない。すぐに地吹雪で視界がなくなり、ちゃんと走っているんだか、転けて滑っているのか、頭が混乱してわからない。やっと国道に出て、一段落ついたところで、すげぇ恐ろしさがこみ上げてきた。

雪の美幌峠

 和琴半島に無事到着。なんとかここでテントを張ってしまおうとしたが、今ひとつピピッ!と来る場所が見つからない。フランスパンを食いながら、しばらくボーとしていた後、美幌峠に行ってみることにした。夏の美幌峠と違い、白い湖面の景観が素晴らしい。何が良いって、観光客がほとんどいない。夏のウジャウジャと人があふれた中では感動も少々さめてしまうが、今日はじっくりと楽しめる。まもなく日が暮れようとする気配の中、冷たい風に吹かれながら外に出ている物好きなんて、あんまりいないんだね。

 真剣に今夜のねぐらを決めなければいけない。「やっぱり和琴半島かな〜」と引き返す。ビジターセンターの前でテントを張っちゃおう!と決めて雪を掘っていると、地元のおじさんが「半島の先に温泉小屋があるから、そこで寝るといいべぇ」と教えてくれた。ここには初めて来たわけじゃないけど、そんな良いものがあるとは知らなかった。

 大変だった昼間とはうって変わり、夜、温泉につかって極楽、極楽…


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「ソロツーリング」

 

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