| Part6へ | 戻る |


「地吹雪、流氷、そして札幌の夜」雪の北海道 野宿ツーリング

Part7 3/11(12日目)〜3/12(13日目)

Part7の行程


「真っ白な摩周湖を独り占め」

3/11(水)晴れ 12日目

 5時45分頃、目を覚ます。温泉の横で寝るんだから、「ヌクヌクと眠れるに違いない!」という思惑は見事にはずれ、けっこう寒さを感じた夜だった。

 かなり湿っぽくなってきたダウンのズボンとオーバーパンツを乾かそうと思って梁にかけておいたら、風呂から上がった湯気がついて見事に凍っていた…。う〜ん、これは失敗だぁ。

 8時頃、走りはじめる。まずは、昨日、よく見えなかった摩周湖に向かう。昨日のように怖い思いをすることなく30分程で、あっけなく到着。今日は、スッキリと素晴らしい眺めだ。透明度が高くて有名な摩周湖だけど、湖面は氷と雪で真っ白だ。これはこれで、また美しいね。

 夏は人でいっぱいの展望台だけど、朝早いせいなのか、寒さのせいか、だぁれもいない。地面に座って、フランスパンをかじりながらボーッとする。手持ちの温度計では、気温−4度。摩周湖を眺めること約30分、結局誰も来なくて、それがまたうれしかったりする。

摩周湖を見ながらフランスパンを食う

 「タンチョウヅルを見に行こう!」と思いついて、釧路方面へ下ることにした。標茶あたりから路面は乾いたアスファルトになり、快適な走行だ。「やっぱバイクで雪の上を走るのは楽じゃないねぇ」と独り言を言ってみたりもする…。まっ、好きでやってるんだけどさ。

 シラルトロ湖を過ぎ、釧路湿原が見えてきた。ずっと遠くまで広がって、紫色っぽい感じに見える。夏に見たときより、ずっと良い感じだ。バイクを止め、湿原が見渡せるポイントを探していると、いました、いました、タンチョウヅルが!

 スリムな、そして、優雅な姿というヤツですな。またもや、フランスパンをかじりながら、ツルの姿をボーッと眺める。(身体がツーリングに馴染んできたので、やたらと腹が減るのだ)タンチョウヅルは飛ぶ瞬間が特に美しいという。その瞬間をなんとか写真に撮ろうと待ちかまえていたが、なかなか飛んでくれない。石を投げるわけにもいかず(でも、石を投げた信じられないオヤジは実際にいた…)仕方なくひたすら待つ。

 適当なところであきらめ、タンチョウヅルがやってくるという茅沼駅に向かう。

 茅沼駅は無人駅で静かところだ。駅舎のベンチでさっき買ったチョコレートをむさぼり食う。時刻はまだ12時だけど、俺はこの駅に今晩泊まることに決めたからな。

タンチョウヅル

 ここは、「タンチョウヅル飛来駅」として有名なので、結構若者達がやってくる。でも、みんなグループとかなので、俺ははっきりいってういている…。ソロで走っているときには寂しさを感じることはないけど、今はなんか寂しいぞぉ〜!


「真っ白なオンネトーがまたきれいなんだ」

3/12(木)晴れ 13日目

 6時半頃、起きる。寒くてつらい夜だった。本当に冷え込んだからか、気合いが足りないからか、シュラフなどの保温性が落ちてきたからなのか、原因は今ひとつ定かではないけど、寒くてつらかった。火が入っていないとはいえ、ストーブの横で寝たので、気がゆるんでいたのかなぁ?

 タンチョウヅルはまだ現れないが、タンチョウを見るための人は結構たくさんやってきた。朝早くから、皆さん、ご苦労様です。でも、みんな無口っていうか、陰気な人ばかりで、駅舎にいると気詰まりになってきたので、早々に出発する。

 買い物のため、釧路の街をうろついたあとは、阿寒を目指して再び北上だ。

 R240を北上していくと、正面に阿寒の山々が白く見えてきた。阿寒横断道路に入る頃には、久々の圧雪路。気合いも入り、いい感じで双岳台に到着だ。フランスパンをかじりながら、山を眺める。雄阿寒岳の頭にかかった雲がなかなかとれない。「あれさえなければ気持ちのいい写真が撮れるんだけどなぁ〜」としばらく粘ったが、あきらめて双湖台に向かう。ペンケ、パンケが見える。でも、昨日きれいな摩周湖を見てしまったので、う〜ん、まぁ、こんなもんかなぁ?といったところ…。

双湖台よりペンケ・パンケを望む

 阿寒湖畔は素通りし、オンネトーに向かう。R241からオンネトーに向かう道道にはいると道も景色も真っ白。どんどん進んでいくと、「ど〜ん!」と阿寒富士と雌阿寒岳が現れた。「お〜!きたきたぁ〜!!」いやぁ〜、めちゃめちゃいいぞぉ。見事な景色だ。

 まだ午後の早い時間だけど、オンネトー湖畔の路肩の広場で野宿することを決めてしまう。氷と雪に覆われた湖面に下りてみたり、そこらを散歩して写真を撮ったり、気持ちに余裕のある午後だ。

 夕方、美しく暮れていく阿寒の山々を見ながら飯を食う。ぐっと冷え込んできた。今夜は天気も良さそうだし、明け方には結構冷え込むことになりそうだ…。 


| Part8へ | 戻る | トップページへ |

「ソロツーリング」

 

[an error occurred while processing this directive]