ドイツ・オーストリア旅行 2009
第2日目:フランクフルト→ライン河下り→ハイデルベルク→ローテンブルク

2009年 10月 2日 初版作成


 2日目の朝は、フランクフルト郊外での日曜日。
 ホテルの周りの新興住宅地を散歩しましたが、各家の庭にはばらの花がたくさん咲いていました。

 ホテルを大型バスで出発し、ライン河下りの船着場のリューデスハイム(Rudesheim am Rhein)に向かうこと約30分。このあたりのライン河は、海まで相当遠いにもかかわらず、川幅も広くゆったりと流れています。

 船着場のリューデスハイムは小さな町ですが、「つぐみ横丁」Drosselgasse という狭い通りがあり、ワイン酒場が並んでいます。
 船が出るまでの時間、お決まりのみやげ物店に案内され、ワインの試飲などで時間をつぶしました。
 横丁をふらふら歩いていると、Kaethe Wohlfahrt (ケーテ・ヴォルファールト)というクリスマス用品の店がありましたが、この店がローテンブルクにある本店の支店であることをあとで知りました。店の入口や屋根の看板には、くるみ割り人形がたくさんいました。(この店の本店には、ローテンブルクで立ち寄ることになります)

 リューデスハイムの「つぐみ横丁」

 リューデスハイムの クリスマス用品店
 入口には巨大な「くるみ割り人形」が!

 

 リューデスハイムから遊覧船に乗り、ザンクト・ゴア(St. Goar)という町まで、約30km、約1時間半のライン河の船旅です。
 両側は小高い山で、斜面のかなりの部分がブドウ畑です。そう、このあたりはフランケンワインの産地なのです。川幅は100m以上あり、かなりの水量が結構速く流れています。大きなコンテナを積んだ船が行き交っていて、下りは楽ですが、上りは現代のエンジン船でも結構苦しそうです。昔は帆船ないしは蒸気船だったと思うのですが、相当苦労したのではないでしょうか。

 ライン河下りの船の上から。コンテナ船とすれ違う。

 リューデスハイムからザンクト・ゴアまで、距離にすると約30kmもあるのに、間には橋が1本もありません。川幅が広いので、橋を渡すのは相当な大工事であるのは間違いありませんが、現代でも橋がないのは、このライン河中流地域の景観を守るためだそうです。リューデスハイムより上流のマインツ(Mainz)から、ザンクト・ゴアより下流のコブレンツ(Koblenz)まで、約90kmにわたり橋がないそうです。人々の生活や経済活動上、かなり不便だと思うのですが。(こういう一途で徹底的なところが、ドイツの良いところだと思います)

 ライン河下りの途中は、ほぼ一定間隔で数キロごとに町があり、必ず塔を持った美しい教会があります。そして、山の上には次々と古城が現れます。なんと悠久の時間が流れているのだろう・・・。そう、シューマンの「ライン」とか、ワーグナーの「ニーベルンクの指輪」四部作(序夜が「ラインの黄金」)などに思いを馳せながら、ゆったりと船旅を楽しみました(観光客なので、お城が見えるたびに右に左に写真撮影、と動き回っていましたが)。

 ライン河の両岸に次々に現れる古城

 この日(5月31日)は日曜日で、しかも全く知らなかったのですが、翌日の6月1日は聖霊降臨祭翌日の月曜日(Pfingstmontag)というドイツ国民の祝日、ということで、クルーズはドイツ人観光客でにぎわっていました。(家族連れ、高校生らしき一団など)そうか、ここはドイツ人にとっても歴史と風物を楽しむ観光地なのだ、と思いました。(これは、次に訪れたハイデルベルクでも同様)

 有名な「ローレライ」の岩場を通過しますが、みごと「世界3大がっかり」ということに納得。どういうものかは、ネタばれになるのでやめておきます。(景色ではなく、「伝説」あるいは「歌」が有名な名所、ということなのでしょう)

 ローレライを過ぎたザンクト・ゴアで下船し、バスでハイデルベルクへ。
 途中から、バスは古城街道 Burgenstrasse を進み、ハイデルベルクで市内観光。ハイデルベルクは、ドイツの古都の一つなのでしょう、ここもドイツ人観光客でにぎわっていました。(日本でいえば、京都か鎌倉か)山の上のハイデルベルク古城と、旧市街のドイツ最古の大学が見所です。

 ハイデルベルク城からの旧市街の眺望
 川はネッカー川。


 

 ハイデルベルクからさらに古城街道を進み、車窓からいくつかの古城が見えましたが、残念ながら途中下車はしませんでした。古城の中には「お城ホテル」(Schlosshotel)ないしはレストランになっているものも多いので、ゆっくり泊まり歩くのもおもしろそうですが・・・。
 古城街道は、下記の地図にあるように、マンハイムからハイデルベルクを通ってネッカー川沿いに進み、ローテンブルク、ニュルンベルク、バンベルク、バイロイトを経由してチェコのプラハまでだそうですが、今回はハイデルベルクからローテンブルクまででした。

 ちなみに、「城」を意味するドイツ語はいくつかありますが、
  ・Burg (ブルク):城郭、砦、城壁に囲まれた街
  ・Schloss (シュロス):大邸宅、館。ノイシュヴァンシュタイン城は Schloss Neuschwanstein 。また、宿泊できる古城ホテルは Schlosshotel と呼ばれます。
  ・Festung (フェストゥンク):城砦。ザルツブルクの山城は Festung Hohensarzburg
のような意味合いだそうです。

 古城街道(Burgenstrasse)のロゴと地図

 夕方、宿泊地のローテンブルク(Rothenburg ob der Taber=タウバー川の上のローテンブルク)に着きました。ここでは、聖霊降臨祭の祝日前後に開かれる「マイスタートゥルンク祭」(Der Meistertrunk)という初夏のお祭りをやっていました。
 マイスタートゥルンク祭とは、30年戦争(カトリックと宗教改革派の宗教戦争)当時の1631年、プロテスタント側に付いた町が、カトリック側の軍隊に破れて占領され、町があわや破壊される場面で、カトリック側の粋な将軍が「大ジョッキに入ったワインを飲み干す者がいたら、町を破壊するのはやめよう」と言い出したので、元市長が進み出て、約3リットルのワインを飲み干して町を救った、という故事に基づくものだそうです。要するに「親分の一気飲み」ということです。(ご参考:マイスタートゥルンク祭のホームページ
 城壁の外の広場に設けられた会場からは夜遅くまで音楽が鳴り響いていました。

 ローテンブルクのマイスタートゥルンク祭2009のパンフレット



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