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Iron Sunrise

  • 著者:チャールズ・ストロス (Charles Stross)
  • 発行:2005/Ace Science Fiction $7.99
  • 448ページ
  • 本邦未訳(2005年12月読了時)
    2006年邦訳:アイアン・サンライズ(早川書房
  • ボキャブラ度:★★★★★+
     ※個人的に感じた英単語の難しさです。

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 シンギュラリティ・シリーズ第2弾。

 前作Singularity Skyの主人公だっ たレイチェルとマーティンは本作でも重要な登場人物ですが、今回の主役は16歳の少女。いつも黒い服を着て細身で長身、ブルーの瞳、黒髪のショートヘア、 裏通路をうろつき回り、興味のあること以外には無頓着という、猫のようなオタク・ツンデレ系です。

 その結果でしょうか、前作のミリタリ色は抑えられ、サスペンス・スパイアクション系スペオペという感じで楽しめます。恒星間のビッグイベントを背景に、最後まで謎を引っ張る手際は相変わらずで、次作が待ち遠しくなるシリーズです。

 しかし、英語読みの部分では、ストロスは前置きなしで新規なガジェットや言葉を使うので、辞書を調べた挙句「これ造語かも」ということが多々あり、少々つらいです。修行が足りませんな。

【追記】

 2006年12月ハヤカワ文庫から邦訳が出ました。うーむ、あちこち誤読してたなあ。

●ストーリー●

 3.6年前、何者かが恒星の中心核に鉄の塊を放り込んで超新星爆発を引き起こし、モスコウという惑星の住民が一瞬にして 死滅した。その衝撃波が3.6光年を越え、16歳の少女ウエンズディの住む宇宙ステーションに迫りつつあった。脱出の混乱のさなか、ウエンズディはある 陰謀の証拠を垣間見てしまい、何者かに追われる身になってしまう。しかし、彼女にはハーマンという、ネットで逃亡を支援してくれる謎の友達がいたのだ。

  新共和国事件後、地球でつかの間の新婚生活を楽しんでいたレイチェルとマーティンは、国連の上司ジョージから緊急招集を 受ける。実は、モスコウが消滅する寸前、敵対関係にあった惑星に向け、モスコウ軍の戦艦が報復攻撃のため発進していた。亜光速による特攻攻撃のため到着は 数年先になるが、攻撃命令の解除コードを送る以外、物理的に防御する術はない。その解除コードは、あちこちの惑星に避難しているモスコウの大使たちが持っ ているのだが、今、大使たちが次々と暗殺されているというのだ。攻撃目標の惑星の無実を証明 し、大使たちに解除キーを送信してもらわなくてはならない。しかし、その前に全ての大使が殺されてしまっては、特攻を防ぐ手立てはなくなる。

 ウエンズディを追う存在、そして大使たちを暗殺している組織は同じなのか。彼女たちは恒星規模の特攻を防ぐことができる のだろうか! 



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