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Destiny's Childrenシリーズ三部作の完結編。古代ローマから現代への人類の進化を描く第1作Coalescentと25万年後のジーリーと人類の死闘を描く第2作Exultantが、本作で結び付けられます。
2047年の地球と、50万年後の銀河で神へと進化しようとする人類の姿が交互に描かれ、それが1点で交わったとき、誰もが予想し得なかった人類の運命が姿を現します。
地球温暖化により、海洋生物や野生生物が死に絶えていき、マイカーや飛行機による旅行が禁止された2047年の世界の姿がリアルに描かれ印象的です。「地球の温暖化はウソ」というマイケル・クライトンの「恐怖の存在」と読み比べると、考えさせられるものがあります。なお、主人公マイケル・プールは、第1作Coalescentの主人公ジョージ・プールの甥で、「時間的無限大」で地球を救ったマイケル・プールのご先祖様という設定です。
しかし三部作全体としてみると、私の読むところ、残念ながらバクスターが目論んだ構成は、不首尾に終わったようです。第1作のCoalescentが歴史伝奇ホラーとして予想外にうまくまとまってしまい、それ以上の完成度を第2作、第3作で達成できなかったこと、3作の関連付けが薄すぎたことなどが原因として挙げられるでしょうか。本作品も、ホラーとしてCoalescentの構成を踏襲したものの、その緊張感に及ばす、SFとしてもジーリークロニクルとの整合性を保つためでしょうか、ガジェット山盛りのバクスター節が見られず、散漫な印象になってしまいました。
とはいえ、ジーリーのファンならば外伝として押さえてておくべきシリーズではありましょう。
さて、このペーパーバック£12.99で、ちょっと高いなと思ったんですよ。届いてみたら、なんとサイズが普通のペーパーバックの倍の大きさで厚さは4センチ。つまりハードカバーの表紙だけをペーパーバックに変えたものだったんですね。老眼の目にはやさしかったのですが、通勤時の持ち運びは疲れました。お買い求めの場合はサイズのご確認を。
●ストーリー●
2047年、世界は地球温暖化が進行し、海洋生物の大絶滅や海岸の浸食にさらされていた。各国が、マイカーや飛行機での旅行が禁止されるなどの対策を行った結果、市民生活は大きく変貌していたが、状況の悪化は好転のきざしを見せない。一方、IT技術は進み、バーチャル旅行や量子コンピューターによる人工知能が実用化されている。
50代になった核技術者のマイケル・プールは、17年前、第2子の出産の際に最愛の妻モラグを、その子とともに失ったショックから立ち直れずにいた。弁護士の兄ジョンや一人息子のトムとも仲違いしたまま、科学者としてのキャリアからも外れ、実現するはずの無い宇宙探査機のペーパープランに携わっていた。そのうえ、彼には秘密があった。妻モラグに会う以前から、少年時代からずっと、モラグの幽霊につきまとわれていたのだ。
そんなとき、息子トムがシベリアでメタン爆発により負傷したことをきっかけに、マイケルは、北極海のメタン・ハイドレートの放出により地球が絶滅の危機に瀕していることを知る。彼は、海底のメタンを凍結するプロジェクトを発案する。彼を中心に何かが変わり始めていた。
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50万年の未来、ジーリーを駆逐した人類は銀河全体に広がっていた。種として多様化した人類を指導しているのは、不死と噂されるTranscendent(超越)という謎の集団だった。
少女エイリアは地球から15000光年の恒星船で生まれ育ったが、マイケル・プールのことは家族同様に知っていた。誰もが、過去を直接観察することを義務付けられ、彼女の観察対象がマイケルだったのだ。
やがて、彼女に「超越」へ加わる候補者となったという知らせが届く。
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メタン凍結プロジェクトは世界的な環境保護組織EIに採用され、マイケルはトムや上司のシェリーともに参加することとなる。しかしマイケルは、相変わらず妻の幽霊に悩まされ、その正体を探るべく、叔父ジョージのアドバイスにより、スペインに住む謎の叔母ローザを尋ねる。彼女こそ、第1作で崩壊したCoalescenseの最後のメンバーの一人だった。
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エイリアは、星々を巡り「超越」に加わるためのさまざまな試練を受ける。そこで「超越」たちが、人類の次の段階に進化しようとしていること、そのために歴史上存在した全ての人間を救済しようとしていることを知る。だが、彼女はその壮大なビジョンに疑問を抱き始めた。
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マイケルたちのプロジェクトが稼動しようとしたとき、反環境保護主義者の自爆テロにより実験施設が爆破される。そのとき、死んだ妻マレグが実体として、忽然と出現した。
やがて、復活したマレグの正体とともに、マイケルが50万年後の人類の進化のゆくえに果たす役割が明らかになっていく。
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