サイトの趣旨からどんどんずれていきますが、ご容赦を。
今回は、dtabを Wi-Fi SDカードでデジカメのビューアにしてみます。
Wi-Fi SDカードは、無線LAN機能を内蔵したSDメモリカードで、現時点では東芝のFlashAirとアメリカのEye-Fiがメジャーです。デジカメに普通のSDカードの代わりに装着すると、タブレット・スマホに画像データをWi-Fiで送れ、写真を撮影したその場で大画面で楽しめるようになります。
現在発売されている多くのデジカメ、タブレット/スマホで利用できます。
▲我が家はNikon党ですが、Sonyのコンデジでも同じカードが共用できています。
●タブレットとのタッグで増えるカメラの楽しみ
Wi-Fi SDカードの登場で、タブレットがカメラ小僧(死語)の必須アイテムになりました。写真を撮りながらその場で大画面でチェックできるのはもちろん、周囲の人と一緒に鑑賞したり、楽しみ方が広がりました。もちろんSDカードを差し替えたりコードで繋いでも同じことができますが、Wi-Fi化は特に屋外で、これまでとは次元の違う自由と体験をもたらしてくれます。
なお、カメラ内のカードとタブレット間の通信には、公衆Wi-Fiなどのネットワーク環境は不要です。電波の届く範囲は機種により異なり、最大十数m程度です。
新しいデジカメはWi-Fi機能が標準になりつつありますが、メーカーごとに操作方法が違うのが難点です。Wi-Fi SDカードなら3,000円程度から手に入り、普及価格のデジカメや古いコンデジでも同じ操作で使えるので、コストパフォーマンスは抜群です。
しかし、Wi-Fi SDカードは、数社から機能の異なる多くの機種が発売されているため混乱します。スマホ・タブレット側から、少し整理してみます。
まずは、2014年4月現在、国内でメジャーな3機種を比べます。
▼メジャーな3機種の比較
FlashAir | Eye-Fi Mobi | Eye-Fi Pro X2 | |
---|---|---|---|
メーカーサイト | |||
容量 (実勢価格) ※2014/4現在 |
8GB(3,520円) 16GB(4,500円) 32GB(6,130円) |
4GB(2,716円) 16GB(6,163円) |
16GB(7,847円) |
設定の簡単さ |
○ |
◎ |
△ |
RAWデータ送信 |
○ |
× |
○ |
パソコンへ接続 |
○ |
× |
○ |
ソフト・アプリの使いやすさ |
○ |
◎ |
△ |
クラウド・ストレージ |
○スマホ等から他社クラウドを利用 |
○スマホ等から他社クラウドを利用 |
◎独自クラウド 容量無制限 |
まず、FlashAirですが、以下のような人(用途)にお勧めです。
というか、私のことなんですが。
スマホ等で使う場合、FlashAirの設定は簡単です。
設定が終われば、アプリからカメラ内の写真をサムネイルで確認して、ダウンロードできます。従来のファイル管理法に慣れた方には、使いやすいユーザーインターフェースだと思います。ただし、カード内のデータの削除などははできません。
FlashAirは、パソコン・スマホ等のブラウザでもアクセスできます。アプリが登場するまではブラウザが唯一のインターフェイスだったこともあり、今でもブラウザ経由のほうが自由度が高いです。
RAWデータは、ブラウザ経由でのみダウンロードできます。スマホ等でも、RawDroid Demoなどのアプリをインストールしておけば、RAWデータの閲覧・現像が可能です。
FlashAirの弱点は、メリットのそのまま裏返しです。
次に、Eye-Fi Mobiですが、以下のような人(用途)にお勧めです。
Mobiの設定・操作は、FlashAirよりさらに簡単です。
FlashAirのようにネットワーク設定をする必要はありません。あとはカメラのシャッターを切るたびに、自動的にスマホ等に写真が転送されます。
こちらも弱点は、メリットの裏返しです。
手間を最小限にしたEye-Fi Mobiに対して、Eye-Fi Pro X2は上級者向けです。RAWデータも取り扱え、パソコンからデータとタブレットを管理できます。
パソコンに管理ソフトEye-Fi Centerをインストールし、そこにEye-Fiカードとスマホ・タブレットを参加させる仕組みです。設定により参加させたスマホ等から、パソコンに自動的に画像が転送されます。
さらにEye-Fi Pro X2は、同社が提供する容量無制限のクラウドストレージを利用できます。保管してくれる期間は、無料で7日間、有料アカウントでは無期限となっています。(試したことはありませんが、無料の場合7日を過ぎると消去される模様。)
実はEye-Fiは、元々クラウドやパソコンに画像を保管する機能からスタートしました。2代目のEye-Fi X2シリーズになって「ダイレクトモード」が追加され、その後、Mobiがダイレクトモードに特化して分岐しました。Pro X2は初期のEye-Fi以来の機能を併せ持つフル機能モデルというわけです。
しかし、その結果Pro X2は、ダイレクトモードとネットワークモードの2つを持ち、ダウンロードの自動化など機能を詰め込んだため、操作が直観的でなくなりました。また、カメラの電源を入れると、勝手に(自動的に)ネットワークを切り替えてタブレットやパソコンと通信を始めるのは、便利ではありますがあまり気持ちよくありません。
パソコンで管理する場合、個人的には、パソコンでのファイル管理に近い操作性のFlashAirのほうが使いやすいような気がします。(FlashAirのほうが安価ですし。)
また、Mobi用にパソコン転送ソフトがベータ版で公表されましたが、Pro X2のEye-Fi Centerとは同時にインストールできません。同じシリーズでありながら、どうもMobiとPro X2は相性が悪いように感じます。混ぜない方がいいかもしれません。
Wi-Fi SDカードは、上の3機種のほかにも、多くのユニークな機種が発売されていますので、いくつかメモしておきます。(我ながらどんどん買い込みそうで怖い。カメラよりWi-Fiカードの枚数が多くなったら意味ないよね・・・)
Flucard は、Trek社の製品で、FlashAir同様に写真を自分で選んでから転送するタイプです。PC、スマホのほか、Flucardを挿入した他のカメラともデータを交換できたり、Wi-Fi環境下では直接ネットストレージやFTPにも接続できたりとかなりの多機能です。
内臓されている画像を「削除」することで初期設定するという、変態的なユーザインターフェースを備えています。
また、このカードは内部OSのLinuxがユーザーに公開されています。早い話、Wi-Fi機能付きのUNIX互換のWebサーバがこの中に詰まっているわけで、すごい時代になったものです。オタク心が激しくくすぐられる製品です。
PQI Card Wi-Fi は、マイクロSDカードアダプタにWi-Fi機能を仕込んだもので、安価なマイクロSDカードを取り換えて使えます。ただしアダプターという性格上、一部のマイクロSDカードが認識されない、カードリーダーで読めないなどの報告もあり、相性をよく確認してから購入したほうがよさそうです。この製品も、上記のFlucardと同様に、内部OSのLinuxが公開されています。
Eye-Fiカード 01 はドコモのスマホの純正オプションです。この製品はドコモがEye-Fi社に出資して共同開発したもののようで、スマホにだけ送信ができるなど、Mobiの原型ともいえるものです。しかし、その後Eye-Fiが汎用型のMobiの販売を始めると、アプリ上で共存ができないなどの問題が発生しており、現状で購入する意味はなさそうです。
▲Amazonブランドのバッグに入れたNexus7。ピッタリ入った。
カメラ小僧の携行品にタブレットが加わると、持ち運びを考えなければなりません。
そこで、最近のカメラバッグは、タブレット用のポケットが付いているものが増えてきました。写真は最近、Nikon D3200用に買った Amazonブランドのバックですが、内側に7インチのタブレットまで収納可能です。
残念ながらこのバッグ、L型とはいえ小型一眼レフ用なので、10インチのdtabは入りませんでした。またdtabの液晶は写真観賞用としては発色が良くありません。
というわけで写真に写っているのはNexus7(2013)。交換レンズや三脚も考えると、300gを切って、1920×1200ドットの高精細画面のNexus7はカメラのお供に最適でした。
・・・なぜかカメラは物欲の連鎖を引き起こしますねぇ w・・・。